写真と落語・俳句の共通点~ぼかしが作る奥行きと深み~ [お気に入り・おすすめ]
庭の紫陽花が、今年も花を咲かせました。
お天気も良し、スマホででパチリと撮影。
高性能カメラはこちらの腕関係なく、水準以上にきれいな画像を切り取ってくれます。
細部すみずみまで高画質で撮影された写真、あえて背景をぼかしてみるとまた違った魅力が。
お天気も良し、スマホででパチリと撮影。
高性能カメラはこちらの腕関係なく、水準以上にきれいな画像を切り取ってくれます。
細部すみずみまで高画質で撮影された写真、あえて背景をぼかしてみるとまた違った魅力が。
初めて揃って咲いた!
我が家の猫の額ならぬ、猫のしっぽみたいな庭。
建物に沿って南→東→北と回り込んでいる形が、先がL字型に曲がった愛猫こまちのしっぽに似ているので勝手にこう呼んでいます。
建物に沿って南→東→北と回り込んでいる形が、先がL字型に曲がった愛猫こまちのしっぽに似ているので勝手にこう呼んでいます。
6月5日朝、気がついたらその庭に紫陽花の花が開いていました。
それも南側の紫陽花と北側にある額紫陽花が、同時に一輪ずつ。
この家に越して11年目になりますが、なぜか南紫陽花と北額紫陽花が一緒に咲いたことはありませんでした。
まるで江戸町奉行のように、隔年で南と北かわりばんこでどちらか一方しか咲かない。
交代で1年おきに休んでいるのです。
それも南側の紫陽花と北側にある額紫陽花が、同時に一輪ずつ。
この家に越して11年目になりますが、なぜか南紫陽花と北額紫陽花が一緒に咲いたことはありませんでした。
まるで江戸町奉行のように、隔年で南と北かわりばんこでどちらか一方しか咲かない。
交代で1年おきに休んでいるのです。
剪定のやり方と時期は間違っていないはずですが、コンクリートの基礎の上に薄く土を盛ってあるだけの庭もどき。
栄養が足りないのかもしれません。
それが、今年初めて両者揃い咲き。
なにかと大変な人の世の無聊を、慰めようとしてくれているのでしょうか。
栄養が足りないのかもしれません。
それが、今年初めて両者揃い咲き。
なにかと大変な人の世の無聊を、慰めようとしてくれているのでしょうか。
嬉しくなってiphoneのカメラで撮影し、そのまま今日のブログに上げようとして
「あ、そうだ。師匠が昔言ってたように、これ少し背景ぼかしてみようかな」
ふと思いつきました。
「あ、そうだ。師匠が昔言ってたように、これ少し背景ぼかしてみようかな」
ふと思いつきました。
カメラも趣味だった入船亭扇橋
私の師匠は
で書きましたように、俳句と競馬が生涯の趣味でした。
永六輔さんが
扇橋さんの好きなもの 俳句に競馬にそば屋のカミさん
柳家小三治師匠は
扇橋は 俳句も詠めば馬も買う たまに落語もちょいとやる
なんて名文句を残してくださってるくらい。
三遊亭金馬師匠が会長のカメラ好き芸人の集まり『パチパチ倶楽部』にも所属して、写真を撮るのも俳句・競馬と並んで凝ってましたね。
一度競馬で記録的な大穴を当てた時に買った一眼レフのカメラで、道すがら色んな草花をパチリカシャリ。
一度競馬で記録的な大穴を当てた時に買った一眼レフのカメラで、道すがら色んな草花をパチリカシャリ。
先日94年の歴史に幕を下ろしたカメラ専門誌『アサヒカメラ』もいっとき熱心に読んで、技術的なこともかなり勉強。
木箱いっぱいに並んだたくさんの梅干しを撮った写真、どこかのコンクールで入賞したんじゃなかったかなぁ。
木箱いっぱいに並んだたくさんの梅干しを撮った写真、どこかのコンクールで入賞したんじゃなかったかなぁ。
師匠の教え「全てを見せない・聴かせないのも芸」
その師匠から旅先で、自分が写真を撮る時気をつけているポイントについて聞いたことがあります。
景色のどこをどう切り取るのかフレーミングをしっかり決める・手ブレしないよう左手で下からレンズ部分を保持する・・・。
景色のどこをどう切り取るのかフレーミングをしっかり決める・手ブレしないよう左手で下からレンズ部分を保持する・・・。
そして一番師匠が気を使っていたのは
何のどこまでピントを合わせ、どこからをぼかすか。
何のどこまでピントを合わせ、どこからをぼかすか。
写真も、落語や俳句と同じだよ
そんな表現もしてました。
落語は座って一人で演じる、小道具は扇子と手拭いだけの「省略の芸」。
俳句は五七五と決まった文字数の中に、季語と風景・自分の気持ちを込める。そのためにはどの言葉を使い、どこを言わないで我慢するかの決断が必要。
写真も隅々まで焦点が合って鮮明なものが全てではなく、自分が強調したいところを際立たせあとはあえてぼかすことで効果を上げる技法もある。
プロカメラマンや写真に詳しい人なら常識なんでしょうが、素人の私には目からうろこの師匠の教え。
プロカメラマンや写真に詳しい人なら常識なんでしょうが、素人の私には目からうろこの師匠の教え。
それを聞かされてから師匠が撮った
といった写真を観ると、「みんな画面に詰め込むんじゃなく、ぼかして省略する」落語・俳句式の撮影法。
とても感動した記憶があります。
何枚か、もらっとけばよかったな・・・。
といった写真を観ると、「みんな画面に詰め込むんじゃなく、ぼかして省略する」落語・俳句式の撮影法。
とても感動した記憶があります。
何枚か、もらっとけばよかったな・・・。
レタッチソフトで、あとからぼかし
スマホアプリでぼかし撮影ができるアプリはたくさんありますし、機種によっては最初から接写モード標準搭載のものも。一眼レフとまではいきませんが、ある程度のぼかしは可能です。
今回は撮影済みの紫陽花の写真、フリーのレタッチソフト『GIMP』で背景をぼかしてみました。
やり方は簡単、同じ写真を2枚重ねて前面の1枚にぼかしをかける→紫陽花の花の部分だけ大きめの消しゴムで削除→背面の写真と統合。
これだけ。所要時間1枚あたり5分で出来上がったのが、こちら。
やり方は簡単、同じ写真を2枚重ねて前面の1枚にぼかしをかける→紫陽花の花の部分だけ大きめの消しゴムで削除→背面の写真と統合。
これだけ。所要時間1枚あたり5分で出来上がったのが、こちら。
愛猫こまちも、紫陽花として咲いてもらいました。
拙い作品にお付き合いいただいたお口直しに、扇橋が生前
で触れた代表作と同じくらい気に入っていた一句で、お開きといたしましょう。
ご精読、ありがとうございます。
お時間ございましたら、
なんてところも覗いていただけましたら。
またのご訪問、お待ち申し上げております。
入船亭扇治拝
またのご訪問、お待ち申し上げております。
入船亭扇治拝