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限られた時間で北見の街を堪能!~2024年道東ツアー報告その③~ [旅のアルバム]


北海道北見市の歴史的建造物の前で、「ザ・観光客」といった感じの記念撮影。
観光ピアソン記念館.jpg
こまちさん、ちょっと私より目立ち過ぎじゃありませんか?

昔を今に伝える西洋建築記念館

2024年道東ツアー3日目。
午後の公演終了後、「夜に予定されている懇親会の時間までを有効活用して、手近な観光スポットに行ってみたい」という私のわがままを快く聞きとどけ自ら車のハンドルを握って案内してくださったのは、北見市中央図書館長の大林さん。昨年までの留辺蘂図書館長、本ツアーでは本当に長くお世話になっている方です。

その大林さんのおすすめでまず筆者とこまちが訪れたのは、北見市の「ピアソン記念館」
ピアソン記念館全景.jpg
1914年から15年間この地で宣教を行ったキリスト教牧師夫妻の居宅を改造した観覧無料のミニ歴史博物館、私は初めての訪問。

大正から昭和にかけての時代を感じさせるご当地最古の西洋建築館内には、北見の教育・女性の地位向上などに尽力したピアソン夫妻に関する資料が閲覧しやすい形で展示されています。
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第二次世界大戦中には軍部による接収・解体を防ぐため北見在住の医師・唐笠学が私財を投じてこの建物を買い取り、「柏樹荘」と名付けて地元文化の拠点とします。自らも何蝶(かちょう)を名乗りをホトトギス派の俳人でもあった唐笠はここで頻繁に句会を催しました。その関連資料も現在のピアソン記念館で見ることができます。
花芥子に.jpg
花芥子に蜂のエンジン止まりけり 摩耶子 
素十のライラックの句.jpg
ライラックピアソン記念館邸と人は呼ぶ 素十

俳句を嗜んだ九代目扇橋の弟子なら、もっと早くに見ておくべきでした。 次に道東を訪れる機会があったら、また来てみよう。

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建物左手に回ると、一階と二階それぞれの軒下に賢そうなミミズクが。
見守るミミズク.jpg
ピアソン記念館ご訪問の際は正面からだけでなく、ぜひ南側からもご覧になることをおすすめします。

定番観光スポットで新しい発見

次に向かったのは、これも歴史上重要な建物「ハッカ記念館」
ハッカ記念館前にて.jpg

昭和10年代から半世紀に渡り北見の主要産業の一つだったハッカ加工についての良心的な展示がされている館内、こちらは私以前に一度入ったことがあります。でもその時は次の予定が入っていたので駆け足でざっと観て隣接する売店でハッカのお土産を買っただけ。

今回あらためて再訪してみて気づいたのは、館の前庭にぐるりと設けられたハーブ園。
ハーブ園.jpg
ちょうど収穫時期を迎えた花壇には、緑滴る色んなハーブが並んでいます。

私が写真を撮っていると係の女性の方がそばに来て「どうぞ、手で触って香りを楽しんでくださいね」と親切に”効きハーブ”をする時の葉のしごき方を教えてくれました。
間近で楽しむハーブ.jpg
まだ地面から生えている状態の香草を、こんな近くで楽しんだのは生まれて初めて。北見市駅から歩いてこられる場所にある無料の定番観光スポットながら、28年目の道東訪問でまた新しい発見がありました。

ハッカ記念館を後にする前に、大林さんがすすめてくれたのでここでも観光客ポーズでパチリ。
記念撮影ハッカ記念館前.jpg
ピアソン記念館で大きく映り過ぎたのを反省し、私の後ろから遠慮がちに顔を出すこまち。

北の大地に日が沈む

ここまでの二か所がけっこう見応えがあり長居したので、そろそろ懇親会の時刻が近づいてきました。
「じゃあ最後に、写真が撮れそうな少し高いところへ」と大林さんが、市の北側に広がる丘へと車を向けます。

ちょっと車で山道を走っただけで、いかにも北海道らしい展望風景を見ることができました。
暮れゆく北見市街.jpg
市街地であっても、見渡すかぎり平らに広がる北の大地の雄大さを感じさせます。

振り返ってみると、いよいよ日が暮れかかって。
茜色の空.jpg
薄茜色に染まる雲、針葉樹に囲まれ黒いシルエットになりつつある建物。
夕焼けに映える家.jpg
なんだか遠くからドヴォルザーク『新世界』第2楽章が聴こえてきそうで、折りから吹いてきた風に胸がキュッとなります。

さぁ、名残り尽きない北の風景だけど、ここは再会を期していったんサヨナラ。
焼肉三昧.jpg
この後は市内の名店『味覚園』総本店で、盛大な焼肉打ち上げだ!


で綴っております。

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入船亭扇治・記

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町の人々に愛され続ける、置戸の美しい図書館~2024年道東ツアー報告その②~ [旅のアルバム]


北海道置戸町図書館前に立つ黒猫こまち。
横から見た置戸町図書館.jpg
今夜はここで、筆者の落語独演会が開かれるのです。

機能的かつ温かみのある図書館

『オケクラフト』のブランドで木の工芸品を展開する置戸町は、エゾ松・樺・タモなど良質木材の産地。
その地元木材を贅沢に使った図書館は、ゆるやかなドーム状屋根が印象的な建物。
玄関前置戸町図書館.jpg
入っていく玄関.jpg

正面玄関入ってすぐ右側には、本物の薪ストーブが置かれた多目的スペースが設けられています。
薪ストーブのある広場.jpg
こまちは同じ黒色なので、このストーブがひと目で気にいったよう。

落語会用のセッティングが完了した、薪ストーブ広場。
高座斜め.jpg
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ここでは演奏会・講演会などが不定期で開催され、閲覧スペースとリンクした独自のイベント会場として利用者の方に親しまれています。

天井が高く窓が広くとられた、明るく開放感に満ちた館内。
1広い館内.jpg
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金属と木の梁を組み合わせたデザインは機能的でありながら温かみも感じさせ、新規オープン翌年の2006年には日本図書館協会建築賞を受賞しました。

利用者に配慮した配架

置戸町図書館が斬新なのは建物のデザインだけでなく、開架資料の並べ方にも独自の配慮がなされています。
それは、図書館職員の方々が「面出し」または「表紙見せ」と呼ぶ展示方法でのひと工夫。



面出しとは「ゴールデンゾーン」=人間の目が届きやすい範囲に、表紙が見えるように本を立てた状態で棚に並べること。
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「おすすめ本」「新着本」などを紹介するのに図書館ではよく使われる配架法です。

背表紙だけよりも面出しされた本の方が情報量が多いので手にとられやすくなるという利点がある反面、棚の奥に立てかけるので資料が奥に引っ込んだ形になりそこだけなんだかスカスカになって見栄えが良くないという弱点も。

それを避けるためにブックスタンドを立てて並べたり専用の陳列棚を使ったりもしますが、いずれにしても備品を増やしたり設置場所を考えたりしなくてはなりません。



置戸町図書館では可動式の棚板を使った書架を導入することで、面出しの弱点を効率よく克服。
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書架の棚板は手前に引き出し立てた状態で固定することができ、通常配架・面出し配架を柔軟にレイアウトすることが可能。
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小さい子どもや車椅子の方向けに低い位置にも面出しコーナーを作るなど、資料の陳列展示の幅がぐっと広がりました。
面出し配架.jpg
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置戸の地で社会教育ひと筋30年以上のベテラン司書・森田はるみさんはこの書架の導入を含め、図書館設計の段階から何度も関係業者のもとに足を運び納得のいくまで相談したそうです。

そんな熱意が形になった美しい図書館は蔵書数12万冊・館内配架数6万冊という資料数を誇り、1980年前後には5回に渡り利用者一人当たりの年間貸し出し冊数が全国一になったことも。

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置戸図書館の原点は、戦後間もない1948年。
本を愛する若者たちによって結成された「青年読書会」のメンバーたちが互いに持ち寄ったり、リヤカーを引いて地域を回り寄贈を募ったりして集めた本を公民館の一室に並べて閲覧・貸し出しをしたのが始まりです。

それから76年。
今もなお森田さんのように熱心なスタッフの方々が大事に運営し、町の人々に愛され続ける素敵な図書館。ぜひまた機会があったら、落語で呼んでいただきたいもの。
その時はゆっくりと、薪ストーブのそばで本も読んでみたいな。
ゆったりとした館内.jpg


※館内の画像は、すべてスタッフの方の許可を得て撮影・掲載しております。

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入船亭扇治・記

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28年目の里帰り落語会も無事お開き!~2024年道東ツアー報告その①~ [旅のアルバム]

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2024年8月31日。 残暑厳しき東京よりは秋めく空のもと、今年も北海道留辺蘂図書館へとやってきた黒猫こまち。

機能的な視聴覚室での落語会

第28回留辺蘂図書館寄席『入船亭扇治独演会』は土曜日の18時30分からの開演。 当日は午後からゲリラ豪雨のような風まじりの強い降りとなり宿で(大丈夫かな…お客さん来てくれるかな…)と気を揉んでいましたが、17時前にはその雨もピタリと止んで。

ああよかったと胸をなで下ろし、宿を出るとポコポコ歩いて図書館へ。
独演会看板がある玄関.jpg
独演会の看板が掲げられた玄関前に立つと上を見上げ、すっかり顔なじみになったエンブレムのキタキツネさんに挨拶。
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「ただいま、また留辺蘂に帰ってくることができましたよ。今年もよろしくお願いします」。

入ってすぐのところに設けられた新着図書コーナー。
今月の新着図書.jpg
選書のバランスは良く購入点数も豊富で、留辺蘂図書館が昔と変わらず地域の方々のことを親身に考えて運営されているのが見てとれます。

児童書コーナーのスペースが広く取られており漫画を含む蔵書が豊富なのも、留辺蘂図書館の特色の一つ。
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永遠の子どもであるこまち、贅沢な児童書コーナーに目をキラキラさせてます。

その児童書コーナーの壁面に飾られた、地元作家の方の布タペストリー。
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キタキツネを主人公に道東の春夏秋冬を描いた『留辺蘂の四季』、柔らかい色遣いが館内の雰囲気を和やかに彩っています。

落語会の会場は今年も視聴覚室。
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椅子席だと収容人数50名くらいながら映画上映・人形劇公演にも対応した可変式舞台を備え、音響・照明も本格的な落語も演じやすいスペースです。

北見市内から足を運んでくださった方々もいらっしゃるお客席を前に、今回は図書館新作『祝オープン!鳥類図書館』・古典落語『青菜』『甲府い』の3席を演じさせていただきました。

久々にメインイベントにも

無事お開きになった第28回目独演会の翌日には、メインイベントの『図書館まつり』が開催されます。
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館内外のスペースでスマートボールや輪投げなどの縁日遊び、古本市や図書館クイズなどが行われる楽しい一日。

運営にあたる図書館友の会実行委員会メンバーの数が減り昔に比べると屋台やイベントの数も少なくなりましたが、それでも近隣の図書館利用者皆さんにとっては待望のイベント。

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この10年くらいは独演会の翌日に午前中から予定が入っていることが多く図書館まつりの方はとんとご無沙汰していたのですが、今年は1時間弱ながら見学することができました。

9月1日は、昨日の大雨が嘘のような秋晴れ。
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除籍図書を格安で販売する古本市には会場前から行列ができ、イベントチケットを持ったお子さんたちが目を輝かせて会場を行き交っている光景を見ると、(ああ、この図書館はオープンしてから28年間、変わらず地元の方々に愛されているんだな)とあらためて実感。

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館内イベントの一つ、こちらにこまちは興味があるようです。
折り紙ランド.jpg
『おりがみランド』。 指導員の方に教わって一人ひとりが折り紙を作り、それを集めてさらに大きな一枚の絵にするという催し。

私が覗いた時には、もう絵が完成していました。
色とりどりの猫たち.jpg
万国旗の下に集ういろとりどりの猫たち。

おや、こまちの黒猫仲間もいるねぇ。
黒猫も.jpg



表に出てみると、澄み切った北の大地の日差しの中チェキでの記念撮影用にこの車両が停まっています。
ブックンの雄姿.jpg
移動図書館カー『ブックン』の雄姿!

裏の駐車場では何度も見かけていますが、こうしてイベント展示中のブックンをじっくり目の当たりにするのも久しぶり。
前から見たブックン.jpg

車内に入ってみると…。
乗り込むブックン.jpg
中には本がいっぱい.jpg
外から見て想像するよりもずっと多くの本が効率的に配架されています。

普段は図書館スタッフの方が交代で運転しますが、今日のドライバーさんはこの方。
運転手はワンちゃん.jpg
マスコットキャラクターのワンちゃん、名前は車両と同じ『ブックン』。

子どもさんたちも多く利用する移動図書館・そこにかわいい犬がいればさらにお子さんたちは喜ばれるだろうという、自身が大変な愛犬家である図書館友の会会長の若杉さん(元留辺蘂図書館係長)の発案で、犬のブックンは毎回車のブックンに同乗して町の各地を巡回しているのだそうです。

大きくてフワフワで優しい目をした図書館スタッフ犬が、すっかり気にいったこまち。 一緒に助手席に乗って、大勢の人たちに本を届けに行くニャ!
こまちも一緒にゴー.jpg

こんな素敵な図書館に28年間落語で呼んでいただき、毎年その有難み・嬉しさをかみしめております。 来年もまた、留辺蘂に里帰りできますように。


※記事掲載の留辺蘂図書館内の画像は、スタッフの方の許可を得て撮影しております。

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入船亭扇治・記

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船上でお客様から留守番猫に、素敵なプレゼント!~2024年迎春クルーズ乗船記その⑦~ [旅のアルバム]


2024年1月6日。
私が乗っていた客船にっぽん丸は10泊11日の旅を終え、横浜へと戻ってきました。
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旅の思い出と陸上で始まる新しい年への期待で、目をキラキラさせコスモクロック前に立つ黒猫こまち。

余韻を感じる、船旅の終わり

年末年始を過ごした台湾の地を離れ、帰国の途についたにっぽん丸。
海の色がまた少しずつ変わりwifiも繋がるようになってくると、楽しかった旅もそろそろ終盤。

船内で親しくなったお客様どうしが、写真や連絡先を交換し合っている姿が方々で見られたり。
フロントに飾られたこんなディスプレイも、船旅の終わりを感じさせます。
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クルーズ最終日の朝、船が浦賀水道に入ると。左舷にくっきり、富士の霊峰が。
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本当にこのクルーズは、お天気に恵まれていい旅でした。

出港時にはなかなか近づいて来なかったベイブリッジも、帰りはあっという間に通過してしまったような気がします。
近づくベイブリッジ.jpg
くぐるベイブリッジ.jpg

こうして船は午前9時、無事横浜新港に着岸。
タラップの準備が整うと、上層階のお客様から順に下船案内のアナウンスが入ります。

私たち出演者は泊りの階関係なく一番最後の下船ですが、清掃のため部屋は空けなくてはいけません。順番が来るまで6階のラウンジ『海』で、旅の余韻をかんじながらゆったり待つことに。
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私も落語会をやらせていただいた見晴らしの良い寛ぎの場・クルーズの間は入れ替わり立ち替わりお客様で賑わっていたそのラウンジは、次に乗船なさる方々をお迎えするまでひと時の休息中。
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わが家の猫に
あたたかい贈り物

「客船での旅の成否は、ひとえにお客様にかかっているんですよ」。
イベント責任者であるクルーズディレクターの方から、以前にこう聞かされたことがあります。

おもてなしの舞台は船側スタッフが用意するけれど、それを充実した楽しいものにするのはお客様次第ということなんですね。
食事と観光のほかにも、各種イベントに積極的に参加したり。 船内で知り合った方々との交流を、どんどん深めたり。そういったお客様方の姿勢がいい雰囲気を産み、まとまりのある和やかな船内生活に繋がる。

その意味で今回のクルーズは、お天気以上にお客様にも恵まれました。
一例が、ラウンジでの第1回目の落語会終演後に声をかけてくださった男性。
私の師匠・九代目入船亭扇橋をよくご存知で最後の高座も聴いているそのお客様は、私へのご祝儀となんとこまちへも素晴らしいお年玉をくださったのです!
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当ブログも読んでくださりこまちのことも知ってらっしゃるので、わざわざ高級CIAOちゅ~るを買ってからご乗船なさったのですね。
帰宅したら真っ先に、留守番猫に見せて喜ばせてあげました。

古今東西、人から大事にされている猫は枚挙に暇がないでしょうが…。

船上のお客様からお年玉いただいた猫は、そうそう例がないのでは。
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お気遣いくださったS様、あらためてこまちともども御礼申し上げます。

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そしてもう一つ、こまちはにっぽん丸のお客様から大きなプレゼントをいただきました。

私は一人だけの落語会の時には”前座代わり”として、こまちをモデルにした自作の黒猫噺家のアニメ動画を冒頭に流す演出をよくやります。

今クルーズでは最初のラウンジ落語会でまずご披露し、まずまずのご好評を頂戴しました。
そこで1月3日・メインホールでの新春寄席にも、1回目とは違う芸を演じるこまちを再登場させることに。
ホールに登場.jpg
ホールの大スクリーンにわが愛猫が映し出されるのを見ると、同居人としては感無量。
アニメこまちの前座.jpg

その本番では「コール&レスポンスで登場」というのをやってみました。
お客様方にお願いして高座に向かってこまちを呼んでもらい、それに応えてこまち登場…となる趣向。

「どうか皆様、恥ずかしいとかバカバカしいとか、(正月早々船の上で、なんで人んちの猫の名前呼ばなくちゃいけないんだ)なんてお気持ちは、一瞬脳裏から消し去って…。大きな声で呼んでやってください、当猫も張り切りますから。
それではお願いします、せーのっ!」
の私の合図に合わせて、300人近いお客様が声を揃えて一斉に
「こまちちゃ~ん!」
と言ってくださった時には…。

嬉しくて、胸と目頭が熱くなりました。

ご協力いただいた皆様、本当にありがとうございます。

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その時にご披露した動画を、YouTubeにて公開しております。よろしければ記事末尾に記載のリンクからご覧ください。



さぁ、全7回にわたり綴ってまいりました乗船記・これにてお開き。
また新しいクルーズにご縁がありましたら、旅の模様をレポートしたいと思います。

ぜひその機会が訪れることを願って、最後に私が一番好きなアングルから撮ったにっぽん丸の雄姿を掲載。
船首からのかっこいいにっぽん丸.jpg

☆『2024年迎春クルーズ 新春寄席前座』動画リンク
https://youtu.be/oZHMP1ITAlo

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入船亭扇治・記


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台湾ソウルフード・3D猫との出会い~2024年迎春クルーズ乗船記その⑥~ [旅のアルバム]


2024年迎春クルーズ中の客船にっぽん丸、1月2日早朝に基隆(キールン)へ入港。
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最近改装されたばかり、クルーズ船が同時に2隻停泊でき周辺に商業施設が多い賑やかな基隆港。
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初訪問の台北で
地元人気グルメに舌鼓

台湾での3日目は、ご案内役の歴史学博士S先生・イラストレーターのM女史とともに客船ターミナルからすぐの駅から台湾鉄道の列車に乗り台北へ向かいます。
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基隆から直通で45分ほどで、台北到着。台湾最大都市のターミナル駅ですから、吹き抜けのコンコースなど実に立派。
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同行お二人のお目当ては、まずこちら。海産物の問屋などがひしめく”台湾のアメ横”、『 迪化街(ディーホアジェ)』。
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S先生は台湾に来ると必ずここに立ち寄り、決まった店でカラスミをお買いになるのだそうです。

”昔ながらの台湾が残る街”として知られるこのエリアでは、往時を偲ばせるバロック調の建物がそこかしこに。
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そんなビルの一つに入っている、全家ファミリーマート。
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私が今まで見たうちで、一番荘厳な雰囲気のファミマでした。

迪化街の中ほどにある永楽(ヨンラー)市場、大勢の観光客・地元の方々で賑わっています。
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買い物をすませたS先生M女史と合流し、次に目指すは台湾庶民グルメの一つ・中国福州市発祥の焼き肉まん「胡椒餅(フウチャオビン)」の店。

饒河街(ラオハージエ)夜市の屋台から始まった『福州世祖(フーゾウスーズゥ)胡椒餅』、何店舗かあるうち私たちが訪れたのは台北駅から徒歩5分ほどの重慶店。
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11時の開店少し前に行ったら、一番に並ぶことができました。
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その後どんどん行列が伸びていき、人気のほどがわかります。

待っているうちにも、店員さんが分業制で手際良く次々と肉まんじゅうを包み上げていく。
仕込み完了.jpg
それをこういう窯に入れ、タンドリー料理のように内側にはりつけてこんがりと焼き上げるのです。
焼き上がった胡椒餅.jpg

S先生から「1個60元だから、今のうちに用意しとくといいよ」と教わり、ワクワクしながら小銭を握りしめて待つ私。
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コインから、湯気があがりそう。

開店の11時になるとどこからともなく現れた電話予約の方が、私たちの前に30個くらい箱買いしていったのでちょっと心配しましたが…。無事、その日一番に焼けた胡椒餅を行列の先頭でゲットすることができました!
手に持った胡椒餅.jpg
S先生に持っていただいて撮影、ご協力ありがとうございます。

お味の方は、色んな方がSNSやブログで書いてらっしゃる通り。
表はパリッ中はモチモチの食べ応えある生地・胡椒などスパイスの効いた豚ひき肉の餡が相まって、食べ進めるほどに口中が幸せになる逸品でした。

最初S先生とMさんが「台湾に来たら、胡椒餅ははずせないよねー」と話しているのを聞いた時は正直(それほどのもんでもないだろう)と思っていたのですが、いやいや前言撤回。
基隆から往復2時間近く費やしても、じゅうぶん賞味するだけの価値があります。

異国の地で
飛び出す猫に遭遇

本当はここからS先生おすすめ小籠包(ショーロンポー)の店まで足を延ばしたかったのですが時間的にちょっと慌ただしく、今回は基隆まで戻って違う店を探すことに。

帰りの車中、向かい側に座っていた年配の女性がこちらが日本人だとわかるとこういうものを鞄から出して、私たちに渡してくれました。
いただいたバナナとミカン.jpg
その方の庭でとれた、かわいいバナナとミカン。

台湾ではある年代以上の人は親日感情が強いと聞いていましたが、こういうことなんですね。



さて基隆に帰ってから客船ターミナル前に広がる夜市を、目を皿のようにして方々歩いてみたのですが…。
夜市基隆.jpg
残念ながら、そのものずばり小籠包を看板にしている店は見つけられませんでした。

案内してくださったS先生は「台湾初めての扇治さんには是非こちらの小籠包食べてもらいたかったのに、すいませんね」と恐縮してらっしゃいましたが、とんでもない。
台湾の電車に乗って台北まで行き、 迪化街で写真撮ったり胡椒餅を味わうことができた。大変充実した旅にしていただき、本当に感謝しております。



小籠包は次回のお楽しみというところで同行のお二人とは別れ、私はもう一度基隆駅の方へ戻ります。

実は行きに目をつけていた撮影スポットがあったので。
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駅舎並びの商業ビルの上に掲げられた湾曲3Dビジョン、そこに映し出される巨大でかわいい猫!

新宿東口にいる名物猫のお仲間が、こちらにもいたのです。

雑踏をかき分け猫が画面に登場するのを待ち、デジカメのズームを駆使してなんとかモアレを発生させず全編撮影することができました。

日本で流れているのと同じかもしれませんが、私にとっては台湾の地で3D猫に出会えたというところに値打ちがあります。
よろしければ皆様も、以下のYouTubeリンクより動画ご覧ください。
https://youtu.be/x5zMIPSvK0E

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シリーズで綴っております乗船記、いよいよ次記事・その⑥にて大団円の予定。
ぜひこの続きもご一読のほどを。

※本乗船記シリーズ他記事
☆『久しぶりのにっぽん丸、台湾へ向けいざ出港!~2024年迎春クルーズ乗船記その①~

☆『デッキからの風景と豪華な食事で、航海日も退屈知らず!~2024年迎春クルーズ乗船記その②~

☆『台湾初上陸は、サプライズ昼食と楽しい街歩きから~2024年迎春クルーズ乗船記その③~

☆『ミニ船旅で訪問する港町、台湾旗津島~2024年迎春クルーズ乗船記その④~

☆『旗津島フェリーからの眺めとご当地ドリンクを満喫、そして想定外の出港~2024年迎春クルーズ乗船記その⑤~

☆『船上でお客様から留守番猫に、素敵なプレゼント!~2024年迎春クルーズ乗船記その⑦~


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入船亭扇治・記

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