旗津島フェリーからの眺めとご当地ドリンクを満喫、そして想定外の出港~2024年迎春クルーズ乗船記その⑤~ [旅のアルバム]
2024年元日午前中を、台湾・旗津島で過ごした筆者。
再びフェリーに乗り、本島高雄市内へと戻ります。
10分で味わう船旅気分
来る時はゆるキャラ『高雄熊』がラッピングされた船でしたが、帰りはこれ。
世界的にメジャーなキャラクターが描かれた船体に乗り込む観光客の多くは、私と同じく嬉しそうに写真を撮っていました。
あっ、高雄熊が嬉しくなかったというわけではありませんからね、念のため。
あっ、高雄熊が嬉しくなかったというわけではありませんからね、念のため。
鼓山フェリー乗り場までの所要時間約10分。あっという間ではありますがその気になってデッキから見渡せば、けっこう船からの眺めを楽しむことができます。
旗津島乗り場の建物はまだ新しく、レトロ調の外観が昔の港風景を彷彿と。
旗津島観光スポットの一つ、高雄灯台。
海側の壁をカラフルに塗った建物群。
陸上で見るのとはまた違った視点での景色が、船旅気分を盛り上げてくれます。
陸上で見るのとはまた違った視点での景色が、船旅気分を盛り上げてくれます。
生活感溢れる、こういう看板でさえも。
それなりに海をイメージした外壁塗装にしてあると思うのは、穿ち過ぎでしょうか。
短くも楽しい航海を経て、船が鼓山輪渡站へと戻ってくると…。
おや、旗津島へ渡る時には気づきませんでしたが、岸壁上に誰か寝ている人がいます。
ロンパースに赤い頭巾の、大きなマスコットオブジェ。
残念ながら今回は近くで見ることかなわず、ネットで調べても情報がヒットしなくて、結局どんなキャラクターだったのかわからずじまい。高雄再訪の機会があったら、ぜひ正面から顔を見てみたいもの。
残念ながら今回は近くで見ることかなわず、ネットで調べても情報がヒットしなくて、結局どんなキャラクターだったのかわからずじまい。高雄再訪の機会があったら、ぜひ正面から顔を見てみたいもの。
私たちの乗ったフェリーが着岸し、次に出る便の船名。
目の前に「幸福」があるというのは、いい気分。
地元の人気ドリンク体験、
そして定刻過ぎの出港
そして定刻過ぎの出港
フェリーを下り、来た時とは逆の道を辿ってで西子湾駅へ戻ります。
こまちは途中にあるこんな店が気になりますが…。
限られた自由時間内に次のスポットに行きたいので、我慢してついてきてください。
こまちは途中にあるこんな店が気になりますが…。
西子湾到着、今度は地下鉄(MRT)で中央公園駅まで。
車・バイクでの移動が主流の台湾では、日中の鉄道は本当に空いています(車内は停車中に許可を得て撮影)。
車・バイクでの移動が主流の台湾では、日中の鉄道は本当に空いています(車内は停車中に許可を得て撮影)。
中央公園駅から徒歩5分の交差点にあるこのお店が、お目当てのご当地グルメスポット。
ご案内役の歴史学博士S先生大絶賛の、『高雄牛乳大王』。
パパイヤを代表とする様々なフレーバーのミルクシェイク(私たちの世代は”ミルクセーキ”と言いたいですね)は、屋台などでも売られている台湾の人気ドリンク。
新鮮な生乳が売りの『高雄牛乳大王』は創業1966年。台北にも同じ名前のチェーン店がありますが、こちらがはしりなのだそうです。
新鮮な生乳が売りの『高雄牛乳大王』は創業1966年。台北にも同じ名前のチェーン店がありますが、こちらがはしりなのだそうです。
軽食も扱っている店内は、清潔なファストカフェといった雰囲気。
看板メニューの木瓜(パパイヤ)牛乳、お値段は70元くらいだったかな?
看板メニューの木瓜(パパイヤ)牛乳、お値段は70元くらいだったかな?
ストローで飲めるようになっていますがここはあえて表面のフィルムをはがし、腰に手を当て「正しいフルーツ牛乳作法」に則って味わってみました。
よくシェイクされた生乳のきめ細かい舌触りと南国らしいパパイヤの甘酸っぱさが相まって、(台湾に来てるんだなー)しみじみ感じさせる一杯。
その後はショッピングモールで買い物をすませ、13時頃ににっぽん丸へ帰船。ダイニングでお昼をいただき、夜にメインホール予定されている『新春寄席』の打ち合わせをしているうち、16時の出港時刻が迫ってきます。
15時半過ぎにプロムナードデッキへ出ると、岸壁では現地の方々がお見送りの準備を。
私も出港風景を撮影しようと、カメラを構えて銅鑼の音が鳴るのを待っていたのですが…。 定刻を過ぎても船の動き出す気配がありません。
出入港時刻が厳密に守られているのが原則のクルーズ船で、これは異例のこと。 やがて、「現在予定時刻を過ぎておりますが、高雄港湾局より出港を見合わせるよう通達が来ていますので、今しばらくお待ちください」との船内アナウンスが流れます。
出入港時刻が厳密に守られているのが原則のクルーズ船で、これは異例のこと。 やがて、「現在予定時刻を過ぎておりますが、高雄港湾局より出港を見合わせるよう通達が来ていますので、今しばらくお待ちください」との船内アナウンスが流れます。
(どうしたんだろう?) 船内と岸壁上に動揺が広がる中、第二の放送が日本時間16時10分に発生したあの自然災害を告げました。
2024年1月1日、能登沖地震発生。
被災された方々・ご関係の皆様には、あらためましてお見舞い申し上げます。
2024年1月1日、能登沖地震発生。
被災された方々・ご関係の皆様には、あらためましてお見舞い申し上げます。
台湾と日本では時差が1時間ありますので、にっぽん丸が出港時刻を迎える時には既に地震第一波が起きた後。こちらの海域に地震の影響がないか、港湾局ではずっと安全確認を行っていたのです。
やがて聞こえてきた
とのゼネラルマネージャー自らのアナウンスとともに、にっぽん丸は台湾時間17時過ぎに高雄を出港。
とのゼネラルマネージャー自らのアナウンスとともに、にっぽん丸は台湾時間17時過ぎに高雄を出港。
午前中に見たばかりの旗津島フェリー乗り場に別れを告げ。
突堤ゼロポイントを通過して、船は次なる寄港地へと向かうのでした。
その後テレビのニュースをご覧になって地震の詳細がわかってくると、お客様も闇雲な不安からは若干開放されたのでしょう。船内には次第に落ち着きが戻ってきます。
それでも日本で大きな災害が起きた直後、旅前半と同じように迎春クルーズを楽しむというのは無理な話。 出港後の元日船内イベントについて船側で協議した結果、その夜予定だった『新春寄席』は「1月3日に延期」と決定。
これは、英断でした。
ほかの芸能ならともかく落語をその日のうちに聴くのはお客様にも抵抗があるでしょうし、演ずる私もやりづらい。
ほかの芸能ならともかく落語をその日のうちに聴くのはお客様にも抵抗があるでしょうし、演ずる私もやりづらい。
そして本来寄席とお楽しみ抽選会が行われるはずの時間帯には、シアターで名作映画のDVD上映が行われることに。
「作品名につきましては、後ほど船内掲示板にてお知らせします」という放送を聴いて、映画好きな私が(何をやるのかな?)と確かめに行くと…。新春寄席の代替プログラムに選ばれたのは、この名作でした。 『ローマの休日』。
これならどこからも文句は出ず、ご覧になった方が穏やかで幸せな気持ちになれるでしょう。
「作品名につきましては、後ほど船内掲示板にてお知らせします」という放送を聴いて、映画好きな私が(何をやるのかな?)と確かめに行くと…。新春寄席の代替プログラムに選ばれたのは、この名作でした。 『ローマの休日』。
これならどこからも文句は出ず、ご覧になった方が穏やかで幸せな気持ちになれるでしょう。
この映画ラストでの、オードリー・ヘップバーン演じるアン王女の言葉のように。
なんて言ってみたくなりました。
なんて言ってみたくなりました。
さぁ、明日は基隆に寄港。 続きは、また稿をあらためまして。
※本乗船記シリーズ他記事
入船亭扇治・記
ミニ船旅で訪問する港町、台湾旗津島~2024年迎春クルーズ乗船記その④~ [旅のアルバム]
2024年1月1日を、台湾・高雄港停泊中の客船にっぽん丸上で迎えた筆者。
少し雲はかかっていますが、高層ビルの間から昇る初日の出を拝むことができました。画面下に写っているドーム屋根が龍の背中みたいで、辰年の幕開けにはぴったり。
路面電車に乗って
フェリー乗り場へ
フェリー乗り場へ
当日お昼過ぎまでの自由時間、私は台湾に詳しい歴史学博士S先生(男性)のご案内で午前中プチ観光をすることに。
旅の振り出しは、こちらから。
客船ターミナル前にある高雄ライトレール(LRT)「旅運中心」駅から、路面電車で5つ目の「西子湾」駅までまず移動。
そこから徒歩10分程度のところにある「鼓山(グーシャン)輪渡站」で小型フェリーに乗船、南シナ海に面する旗津(チージン)島へ渡るのです。
そこから徒歩10分程度のところにある「鼓山(グーシャン)輪渡站」で小型フェリーに乗船、南シナ海に面する旗津(チージン)島へ渡るのです。
西子湾駅から乗り場へ向かう途中、街角でこんな看板が目に留まりました。
麺類のお椀を前にした、かわいい猫。
『妃食不可』という食堂、店名を翻訳すると「アタシ、食べらんな〜い」。
店の料理がおいしくて、ついお腹いっぱい食べてしまう…という意味でしょうか。
店の料理がおいしくて、ついお腹いっぱい食べてしまう…という意味でしょうか。
猫から「You Must Try」と勧められて心が動いたのですが、さっき船内で食事したばかりなのでここはSee You Next。
さぁ、フェリー乗り場に着きました。
乗船料は現金だと片道30元ですが、係の人が「半額のシニア料金でいいですよ」と言ってくれたのでご好意に甘えることに。
船は15分おきに出ているので、慌てて乗る必要はありません。
色んなラッピングを施した船体がありまして、行きに私たちが乗ったのはこのデザインの船。 熊本の有名ご当地ゆるキャラとよく似た、『高雄熊』。
広告で入っている大学名も、なんかスケールがでかいですね。
色んなラッピングを施した船体がありまして、行きに私たちが乗ったのはこのデザインの船。 熊本の有名ご当地ゆるキャラとよく似た、『高雄熊』。
広告で入っている大学名も、なんかスケールがでかいですね。
船の1階はバイク・自転車専用、2階が徒歩の人用船室。
観光客だけでなく、地元の人たちの通勤通学の重要な交通機関でもあるのだそうです。
デッキに出て潮風に吹かれること10分ほどで、旗津島に到着。限られた時間内でちょっとだけ異国の旅気分を味わうには、ちょうどいい乗船時間。
タラップがかけられると、一斉にエンジン音響かせて下船していくバイク・スクーター群。
安全のため、右が「機車」・左が「行人」と乗下船路が分かれています。 「猫」はどっちかなーと、一瞬迷うこまち。
安全のため、右が「機車」・左が「行人」と乗下船路が分かれています。 「猫」はどっちかなーと、一瞬迷うこまち。
観光地と生活圏が隣り合わせ
船着き場から海へ向かうメインストリート、『旗津老街』の入り口。
街並みは日本に例えれば”こぢんまりした江ノ島”、観光地になっている小さな港町の商店街。
道の両脇には海産物などの土産物店・飲食店がずらり並んでいます。
台湾名物カラスミ。
ヤドカリを売る店、南の国らしいですね。
ヤドカリを売る店、南の国らしいですね。
あるお土産屋さんの店頭にいた、看板ワンちゃん。
「かわいいねー」と呼びかけたら、そばにいた店の人がワンちゃんに声かけてカメラ目線で撮影させてくれました。
さすが観光地の犬、おもてなしの術を心得ています。
さすが観光地の犬、おもてなしの術を心得ています。
商店の間に、当たり前のように寺院・廟があるのも台湾の街の特徴。
海の神様を祀った高雄最古の廟『旗津天后宮』。 孔子・関羽が祀られている、まさに名は体を表す『文武聖廟』。
海の神様を祀った高雄最古の廟『旗津天后宮』。 孔子・関羽が祀られている、まさに名は体を表す『文武聖廟』。
休日には家族連れも多く訪れるのでしょう、普通のレンタサイクル・バイクのほかにこんなかわいい四輪自転車も。
老街をまっすぐ進んで海に突きあたる1本手前で左に曲がってみると、観光色の強いメインストリートに比べて生活感あふれる街並みになります。
(うちの近所と同じだなー)と思って眺めるこまち。
アパートの1階に掲げられた看板。
「日式自動洗衣」=コインランドリー。
こまちさん、この後も予定があるので旅先の洗濯は船内でしてください。
地元の方がスクーターに乗ったまま行列する軽食『蔥抓餅(ツォンジュアピン)』の屋台なんかも気になりますが…。
高雄に戻ってからもう1か所寄りたいところがあるので、今回はメインストリート周辺をざっと見て回ったところで旗津島を後にしたいと思います。
次の観光先についてはシリーズその⑤で綴りますので、よろしければまたご訪問ください。
※本乗船記シリーズ他記事
入船亭扇治・記
タグ:旅行 入船亭扇治 猫
台湾初上陸は、サプライズ昼食と楽しい街歩きから~2024年迎春クルーズ乗船記その③~ [旅のアルバム]
台湾・高雄市内のファミリーマート。
運営会社『全家便利商店』の名を冠した看板が、ご当地らしさを感じさせます。
豪華な昼食、ただ一つ心残りが…
2023年12月31日午前8時(現地時間)、高雄に入港した客船にっぽん丸。
海外クルーズなので接岸してから上陸許可の船内アナウンスが流れるまで、けっこう時間を要します。私ども出演者は一番最後に呼ばれますから、さらに待たされることに。船の中で預けてあったパスポートを受け取り、客船ターミナルで入国手続きをすませるともう10時を回っていました。
海外クルーズなので接岸してから上陸許可の船内アナウンスが流れるまで、けっこう時間を要します。私ども出演者は一番最後に呼ばれますから、さらに待たされることに。船の中で預けてあったパスポートを受け取り、客船ターミナルで入国手続きをすませるともう10時を回っていました。
これで何もなければすぐ街へ出てブラプラするところですが、11時にはまたターミナル入り口にて出演者全員集合することになっています。
なんとお昼はお客様方とご一緒に、高雄市内の五つ星ホテルレストランで広東料理のランチコースをいただけるというではありませんか。
それもにっぽん丸の奢りで!
それもにっぽん丸の奢りで!
私がその情報を知らされたのは、前日の夜遅く。
街中の屋台で軽く何かつまめたらいいなくらいに思っていたところへ、降って湧いた景気のいい話。
街中の屋台で軽く何かつまめたらいいなくらいに思っていたところへ、降って湧いた景気のいい話。
12時少し前にターミナルを出発、送迎バスで10分ほど。
到着した『寒軒(ハンシェン)インターナショナルホテル』は、42階建の高層ビル。
到着した『寒軒(ハンシェン)インターナショナルホテル』は、42階建の高層ビル。
その3階バンケットルームが、にっぽん丸乗船客用の大昼食会場。
ロビーでは、地元の獅子舞が迎えてくれました。
商船三井クルーズ・台湾観光協会それぞれの担当者の方から歓迎の言葉があって、さぁ円卓がびっしりと並ぶ広間で300名近くの大会食が始まります。
前菜からカラスミ・鴨といった台湾名物が惜しげもなく供され、サザエのスープやウナギ炊き込みご飯などしっかりした味付けでとてもおいしいコース料理でした。
おいしかった、のだけれど…。
一つだけ大変な心残りだったのが、こちら。 円卓のまん中に並ぶ、サービスの台湾ビール。
一つだけ大変な心残りだったのが、こちら。 円卓のまん中に並ぶ、サービスの台湾ビール。
喉から手が出るほど飲みたかったのですが、今日はこの後船で仕事があるのです。と言っても出番は夜11時54分からの3分間、年越しカウントダウンイベントでちょいと小噺をやるだけ。それまで8時間以上間があるので、アルコール5%のビールをグラスに3・4杯くらいなら問題ないような気もしますが…。
引率のコーディネーターさんから「出演者としてのけじめは、きっちりつけましょう」と指導が入ったので、ここはビールではなく涙を飲んで辛抱しました。
引率のコーディネーターさんから「出演者としてのけじめは、きっちりつけましょう」と指導が入ったので、ここはビールではなく涙を飲んで辛抱しました。
それにしても目の前に置かれた、冷えた大瓶ビール。
おいしそうだったなぁ…。
隙間の自由時間、街を散策
ビール抜きの健康的な昼食を終え、午後3時前にいったん帰船。 年越しイベントの打ち合わせとリハーサルをすませてから、もう一度高雄港近くの街中を歩いてみます。
前に訪れた香港もそうですが、漢字だけの看板は異国情緒を感じさせながらも何となく意味がわかるのが面白い。
こまちさん、車やバイクの行き来が激しいから、よそ見してると危ないよ。
大手地所会社が経営する、高層賃貸マンション。
『百立海洋帝國』という社名、スケールがでかいですね。
看板のマークがかわいい動物病院。
こまちも旅先で何かあったら、ここで診てもらおうか。
大通りから路地へ入ったところにある、鴨専門店。
「多人合菜(オードブルですね)」『鴨肉切盤』なんて言葉を見るだけで、ワクワクします。
夜市通りで見かけた、採食料理「素食」のお店。
広東料理コース食べたばっかりでなければ、こういうとこにも寄ってみたかったなー。
台湾流和食レストランの看板、店名の脇に輝く「Subarashi」のネオンサイン。
袖看板には「日本食 素晴らしい」と書かれていますから、本当なら「Subarashii」と綴るとこでしょうね。
日本料理への愛=iを、もう一つ足してもらいたいものです。
日本料理への愛=iを、もう一つ足してもらいたいものです。
看板を眺めて街を歩きながらも、必要な買い物はきっちりすませました。
先ほど我慢した台湾のビール、反動で爆買い。
帰国するまでに免税分だけ残して船内で飲むか、税金は気にせず日本で手に入りにくいのは土産で持って帰るか。嬉しい悩みです。
帰国するまでに免税分だけ残して船内で飲むか、税金は気にせず日本で手に入りにくいのは土産で持って帰るか。嬉しい悩みです。
散策と買い物のうちに、高雄の街は次第に暮色が濃くなってきました。
ビル群の間にある寺院『意誠堂關帝廟』に灯りが入り、異国の夜を彩っています。
港に戻れば、夜の海でひと時身体を休める海の大和撫子。
しかし船内では多くの方々が、来るべき新年への期待を胸に2023年最後の夜を賑やかに過ごしている真っ最中。
夕食ではこんなかわいい、年越しそばが出ましたよ。
兎から辰へ、干支のバトンタッチ。
いっぱい跳ねた年から、天高く舞い上がる年へ。
いっぱい跳ねた年から、天高く舞い上がる年へ。
この後台湾で迎えた新年につきましては、また~その④~と稿をあらためて綴らせていただきます。
※本乗船記シリーズ他記事
入船亭扇治・記
デッキからの風景と豪華な食事で、航海日も退屈知らず!~2024年迎春クルーズ乗船記その②~ [旅のアルバム]
2023年12月27日夕刻、台湾へ向け横浜を出港した客船にっぽん丸。
航海3日目あたりになると、陽射しと海の色が次第に南国のそれへと変わってくるのが感じられます。
航海3日目あたりになると、陽射しと海の色が次第に南国のそれへと変わってくるのが感じられます。
値千金 船からの眺め
九州を離れ、右舷に臨むトカラ列島。
デッキに落ちる影が一段と濃くなってきました。
そんなにっぽん丸の周囲を、数羽の海鳥が飛び交っています。
ツートンカラーの身体が目印の、カツオドリ。
風に乗って優雅に滑空しつつ獲物を発見するとミサイルのように垂直降下で海に飛び込んでいく姿は、いくら見ていても飽きません。
こういった生き物との遭遇も楽しいですが、刻々と変わる海と空の様子をデッキから眺めるのも船旅醍醐味の一つ。
早起きして拝む、海上の夜明け。
名作落語『芝浜』で、
主人公の魚屋がしみじみと言う台詞を思い出させます。
主人公の魚屋がしみじみと言う台詞を思い出させます。
豪華な食事が彩る船旅
360度海のパノラマ・船内イベントと共に客船クルーズの日々を華やかにするのは、なんといっても食事です。
海の見える豪華なダイニングで供される朝昼晩食のほか軽食・夜食と、まさに至れり尽くせり。
夜に高座があってダイニングに行けない時はお寿司のテイクアウトなどで対応してもらえますから、私ども出演者も食いっぱぐれ無し。
持ち帰った特上寿司の折を広げて、タブレットに入れといたお気に入りのアニメなんぞ見ながら缶酎ハイで乾杯。
う~、たまらんなぁー。
さらに今回のクルーズでお世話になったのが、7階『リドテラス』でのこのサービス。
黒猫こまちが目ざとく見つけたのは、こちら!
普通は1杯600円の生ビールが、なんと今航海では何杯飲んでも無料!
仕事をコーディネートしてくれた方から「高座の無い日の日没後、常識の範囲内でなら」飲んでいいと許可が出たので、足繁く最上階へ通ってこのサービスを堪能させてもらいました。
いよいよ、寄港日
仕事をこなしながらお客様方と楽しく過ごしてきた船旅前半、4日間の航海日はあっという間に過ぎ船上で大晦日を迎えます。
2023年12月31日・現地時間午前8時、にっぽん丸は台湾を代表する貿易港・高雄(カオシュン)に接岸・停泊。
ガラス張りの通路ににっぽん丸の船体が映って、向かいに別の客船が泊まっているよう。
波をイメージして作られた、近未来的なデザインの客船ターミナルビル。
彼方にそびえ立つ高雄のランドマークタワー、85大楼。
筆者にとっては初訪問の台湾、胸が躍ります。
さぁその地への上陸許可の船内アナウンスが、今聞こえてきました。
さぁその地への上陸許可の船内アナウンスが、今聞こえてきました。
この続きは、また稿をあらためまして。
※本乗船記シリーズの他記事
入船亭扇治・記
久しぶりのにっぽん丸、台湾へ向けいざ出港!~2024年迎春クルーズ乗船記その①~ [旅のアルバム]
大観覧車コスモクロック21を背に、ご機嫌のマドロスさん。
ここは13番地じゃなくて、「横浜市中区新港2丁目8番」ですけどね。
初めての岸壁で
懐かしい船に再会
懐かしい船に再会
2023年12月27日午後12時過ぎ、筆者はみなとみらい線馬車道駅から横浜ハンマーヘッドへ向かって歩いていました。1年8か月ぶりでお仕事をいただいた、客船にっぽん丸に乗るためです。
大さん橋ではなく新港岸壁からの乗船は初めてなので、大きな荷物(大事な高座衣装と、それ以上に大切なアルコール飲料)を持って道を確かめつつ慎重に歩を進める。
駅から5分ほど歩くと海の方から潮の香が漂い、もやってある船の姿が見えてきました。
う~ん、確かに私も若い頃はよく屋形船の仕事したけどなぁ。こまちさん、今回はお父さん乗るのこれじゃないからね。
立体交差の歩道橋を渡ると、眼前に広がる港の景色。
それは海上保安庁の巡視艇だってば。
客船ターミナル施設2階のテラスへ上がると、
はい、久しぶりに再会するにっぽん丸の雄姿!
関係者用ゲートから岸壁上へ進み、いよいよ乗船開始。
後ろから見るにっぽん丸はお尻が丸っこくてキュート、船首方向からのシャープなシルエットとはまた違った魅力があります。
夕景の横浜出港
海の宝石箱を船は往く
海の宝石箱を船は往く
船内にはいたるところに年末年始用ディスプレーが飾られ、迎春気分を盛り上げています。
吹き抜けのエントランスに飾られたクリスマス~新年の巨大タペストリー。 これは元日になるとかけ替えられるそうで、今からどんなのになるのか楽しみ。
吹き抜けのエントランスに飾られたクリスマス~新年の巨大タペストリー。 これは元日になるとかけ替えられるそうで、今からどんなのになるのか楽しみ。
今日から10泊11日間、私の住まいとなる船室。
※実際にはペットの同伴はできませんので、ご了承ください。
大勢のお客様がご乗船なさる人気クルーズなのに、担当の方がやり繰りして私には個室を用意してくださいました。よーしじゃあそのお心遣いに応えられるよう、部屋で一生懸命稽古やパソコン作業に励まなくっちゃ。
大勢のお客様がご乗船なさる人気クルーズなのに、担当の方がやり繰りして私には個室を用意してくださいました。よーしじゃあそのお心遣いに応えられるよう、部屋で一生懸命稽古やパソコン作業に励まなくっちゃ。
イベントスタッフの方と仕事の打ち合わせをしたり部屋で荷解きをしたりしているうち、あっという間に午後5時の出港時刻を迎えます。
銅鑼と汽笛の音を響かせタグボートに別れを告げ、静かに暮れなずむみなとみらいの街を後にする海の大和撫子。
東の空に輝き出した月をのぞみつつ、
横浜ベイブリッジへと向かっていくのでした。
様々な灯りに彩られた暮れゆく海は、まるで魔法の宝石箱のよう。
橋をくぐって防波堤を過ぎれば、
そこから船は広い海原を一路台湾へ向けて順風満帆。
さぁ旅の始まり、今回の航海ではどんな出会いが待っているでしょうか。
2024年迎春クルーズ乗船記、この後もどうぞお楽しみに。
※本乗船記シリーズ他記事
客船横浜発着時の名物ベイブリッジ通過風景、今回はライトアップされた橋を真下から撮影した動画をYouTubeチャンネルに投稿しております。よろしければ以下のリンクからご覧ください。
https://youtu.be/i40OozKzF5A
https://youtu.be/i40OozKzF5A
入船亭扇治・記