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桜咲く公園そぞろ歩き、「花見」で楽しく言葉遊び [web雑俳]


2024年4月2日、うららかな春の陽気に誘われ新宿中央公園を訪れました。
木によってはもう八分咲き以上、その下では大勢の方が桜を愛でつつ飲食や歓談に興じてらっしゃいます。
花見にはブルーシート.jpg

花見には、ブルーシートがよく似合う。
そんな当たり前のことが、コロナ自粛期間が長かった身には新鮮に感じられます。

周りにそびえる高層ビルを覆い隠し咲き誇る桜たちは、「この季節は自分たちが主役!」と言っているかのよう。
高層ビルを覆う桜.jpg
今日は桜が主役.jpg

いろんな種類の桜がある中央公園、木の下から見上げると花びらの色がそれぞれ違うのがわかります。
まさに「桜色」淡いピンクのものや、
ピンクの花弁アップ.jpg
ソメイヨシノの上品な白がかった花。
白い花弁アップ.jpg

人並みに花見気分で散歩していると、ちょいと一句ひねってみたくなりました。でも私も噺家のはしくれですから普通の俳句ではなく、江戸言葉遊び・雑俳の一つ「折句附」を拵えてみることに。

今回は自分で「花見」と題を決め、「はなみ」の一音節ずつを五七五の先頭に置いて川柳を詠むのです。

川柳には馴染みのある方が多いので雑俳の中では比較的とっつきやすい折句附ですが、気をつけなくてはいけないのが「ちゃんと意味が通り、受け手に(気が利いてるなぁ)と思わせる句を詠むこと」。

字を織り込む方ばかりに気が行き過ぎていると、
歯を磨き仲間誘ってミントティー
なんて自分にしかわからない絵日記みたいなのになっちゃいますんで。

考えるアイコン.jpg

誰が聞いても読んでももっともで、さらに洒落が利いた「は・な・み」の折句…。 うん、まずこんなのはどうでしょう。

犯人を名指すは最後ミステリー

小説やドラマの名探偵はよく最後の謎解きをする時、「実は事件後かなり早い段階で真犯人の目ぼしはついていた。ただ決定的な証拠がないので今まで伏せていたのだ」なんて平然と言ってのけたりしますよね。
わかってんならほかの被害が出る前になんとかしろよ、と突っ込みたくなる「ミステリーあるある」。



はや別れ名残り惜しげな乱れ髪

「人目をはばかる恋人同士の密会、逢瀬の時はあっという間に過ぎ…」という句意。なんとなく色っぽいねーと感じていただければ。



雑俳では「清濁随意」といって、「はなみ」の「は」を「ば」「ぱ」に変えてもいいという付帯ルールがあります。
それで一つ時事的なのを詠んでみると…。

万博は何年たっても未完成

いろいろと味噌がつくことが多い2025年大阪万博。今度は会場敷地内でメタンガスによる爆発事故が発生したり、プレミアムパートナーの小林製薬が健康被害を出したり。
資材も人手も足りないのだし、無理してやらなくてもいいような気もするんだけどなぁ。



さらに「気結び」という式目(ルール)が加わると、題にした「花見」と関連した内容を詠むことが必要になってきます。

場所取りと並ぶトイレで見ない花

花見に力いれてる会社だと、前の晩から泊まり込みでいい場所を確保しておくのが新入社員の重要な役目だったりしますね。
苦労して場所取って、いざ花見宴会が始まると上司にお酌してまわって気を使ってばかり。日が沈むとけっこう冷えてきて小用が近くなるんだけれど、同じような人ばっかりだから公園のトイレ大渋滞。

終わってみるとどっと疲れが出て、(そういえば花なんてほとんど見なかったな~)となるのも「花見あるある」。
あったかな桜.jpg



おしまいにもう一句、気結びっぽいのを。

春が来て夏秋過ぎて見る暦

「桜が咲いたねー」と言っているうちに暑くなって立秋迎えて、何にもしないうちにあれよあれよという間にカレンダーもあと一枚。
もう師走.jpg

そんなことにならないよう、一日一日を充実させなくては!

こま正面アイコン基本形.jpg

こんな具合に花見の散歩がてらにでも、思い立ったらすぐ遊べるのが雑俳の楽しさ。気軽に頭の体操をしながら、言葉とユーモアの感覚を磨くことができますよ。

皆様もぜひ、おやりになってみてください!

蔦飾り線.png

入船亭扇治・記

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