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寿・大締め『第1回web版言の葉落語会』 そして次なるお題へ [web雑俳]

雑俳互選 採点方法

約1ヶ月に渡り皆様(もちろん、投句・選句無しでご観覧の方も含む!)と遊んでまいりましたネットで楽しむ粋な江戸言葉遊び・雑俳。


本当に沢山の秀句・麗句の中から、お客様有志の方々と噺家たちで選びました優秀作・自分の好きな句。
互選結果が出揃ったところで、「開き」の大締めは採点


雑俳では、


・点盛り(てんもり)=どの句が一番多く採られたか
・合点(がってん)=誰がより多く選に入ったか


の二つの採点をいたします。


私は本当に数字が苦手で、自分の師匠が亡くなった年を未だに西暦ですぐ言えないくらい。
とても自分ではできないなと思い古今亭駒子師にお願いしたところ、なんと中一日で集計結果を出してくれました!


あとさき考えないで私が作り散らした各ファイルをプリントアウトし、手作業での仕事大変だったと思います。
駒子さん、本当にありがとう。
店に行ける状況になったら、鳥貴族か串カツ田中で精一杯ごちそうさせてください。


それでは「洒落附」「折句附」の順で点盛りと合点、発表いたします。
いずれも上位のみ。
お客様名は敬称略、噺家は芸名表記とさせていただきます。
ご了承ください。


※互選は選ぶ人の好み・主観が反映されますから、句の技術的・文学的な完成度と必ずしも一致しません。
特に雑俳では「キキもらい」、自分がいいキキを思いついたから抜くということがかなり多いです。
今回あまり選に入らなかったという方、一回で雑俳が嫌にならないでぜひ引き続きご参加くださいませ。

「洒落附」採点結果

洒落附
【点盛】


一位 八票
No.94 大漁に吠えろ  なかよし


二位 七票(ニ句)
No.24   喜寿の踊り子  朝梅干
No.122 表彰するなら金をくれ  駒子


三位 六票(五句)
No.4   栄転のライバル  三三
No.14   懐妊二十面相  駒子
No.22   喜寿だらけの天使  長助
No.118 晴れ着も山の賑わい のだぬき
No.126 米寿元気で留守が良い  朝梅干




【合点】


一位 十六票 駒子

二位 十三票 朝梅干

三位 九票(二人)
三三
長助

四位 八票(三人)
とも子
なかよし
のだぬき

「折句附」採点結果

折句附
【点盛】


一位 七票
No.111 話したいなんでもないことしゃべりたい いとや


二位 六票
No.68  はじめから無かったことにしてる人 藁井出


三位 五票
No.4  ジオラマの中はいつでも花盛り 唱子
No.67 始めウケ中はややウケ尻すぼみ オデオン座




【合点】


一位 十二票 朝梅干

二位 十票 三三

三位 九票 いとや

四位 七票 (四名)
扇治
小ゑん
みゆきん
唱子

お客様への特典

各題での点盛り・合点の上位は、以上の通り。


企画当初、合点上位のお客様には何かしら心ばかりの賞品をという案も出ておりました。
その頃ですから、時節がらマスク詰め合わせなんか宅配便でお送りしたらどうだろうと。

でも今はマスク値崩れ始まってますし、物流現場の方々も大変な時。
何よりも「家から一歩も出ることなくネット上で完結する」のがコンセプトの企画、賞品をお客様のもとまでお送りする案今回は見送りとさせていただきます。


駒子師の『スピリッツ』・池袋の『リアル言の葉』でも、上位入選の方には高座とお客席から温かい拍手をお送りすることで景品に変えさせていただいております。
それではここで皆様ご一緒に、盛大な拍手をお送りしましょう。


上位入選、おめでとうございます!


え、なんです?


ちょっと待て確か投句募集の時に「入選すると景品があるかも」と言ってなかったか?吐いた唾飲もうってのか約束と違うぞ、表へ出ろ!


いやいやそう興奮なさらないで、落ち着いてください。
誠実丁寧がモットーの『web版言の葉落語会』、お約束は違えません。
噺家が天に採らせていただいた句は、選者当人が直筆で揮毫・当方で加工した『web色紙』の形でメールにてお送りいたします!


製作に少々お時間を頂戴します点ご了承のうえ、楽しみにお待ちください。

これにて、第1回お開き

ご投句・選句、ご観覧の皆様。
一ヶ月の長きに渡りお付き合いいただきまして、まことにありがとうごさいます。
本当なら、これで番頭は潔く退出するつもりでおりました。


新型コロナウイルス感染拡大防止のための行動制限の数々。
寄席はお休み落語会は軒並み中止。
第2次世界大戦以来という生活様式の変化、辛抱を強いられる毎日。


「ああ、落語が聴きたい…」
「洒落と笑いに餓えている!」


そんな方たちのお役に立てればと、人見知りでたまたまぼっち耐性のある弱小噺家が始めた企画。
言ってみれば、非常時の隙間イベント
賑やかにお囃子が鳴り響き、会の告知が『東京かわら版』に溢れるいつもの日常が戻ってくれば、もう私なぞは用済みでしょう。


人間、引き際が肝心。
この企画を思いつき小ゑん師匠に電話した時から、お開きの時にご贔屓いただいた方々へはこうご挨拶しようと考え続けていました。

蔦飾り線.png

『web版言の葉落語会』、ご愛顧いただきまことにありがとうごさいます。
企画した時は果たして何人のお客様が参加してくださるんだろう、あまりに少なかったら知り合いに頼んで投句してもらわなきゃいけないかな…。
心配で眠れない夜もありました。


それが蓋を開けてみればこちらの予想を上回る数の句が集まり、事務作業で嬉しい悲鳴の毎日。
録りためた深夜アニメを観ている時間も、スマホのリズムゲームをさわるヒマもないくらい忙しい日々となりました。

コロナ禍以前よりはるかに毎日あっという間で、女房から
「お父さん、web雑俳始めてからなんかいきいきしてるね」
言われたほど。


あれから一ヶ月。
いろいろ不手際も多々ございましたが、お客様のご理解・ご贔屓と小ゑん師匠・仲間の噺家連の助けのおかげでなんとかお開きまで漕ぎ着けることができました。


ありがとうございました。
心より、御礼申し上げます。
仕事が全てなくなり呆然としていた私が、皆様と手を携えてこんな遠くまで来ることができた。
今回の企画でおそらく一番楽しませていただいたのは、番頭の私自身でしょう。


皆様にも少しでも豊かで明るい時間をご提供できたのなら、噺家冥利につきるというもの。
さあちょっぴり寂しいけれど、お開きの時を迎えました。
楽屋では追い出し太鼓が鳴っています。


立つ鳥あとを濁さず、忘れ物がないかもう一度机の周り整理して。
うん、大丈夫のようです。
それではこれにてひっそりと番頭退場、めちゃめちゃ忙しいわけでも頻繁に寄席へ出ることもないけれどまあまあ食ってはいける暮らしに戻ります。


時を経ておひとりでもおふたりでも
「そういえばあん時、扇治ってのがなんかやってたな」
思い出して下さる方いらっしゃったら嬉しいかな。


またもし、あなたが何かに躓いたり落ち込んだりした時。
呑気な駄文やイラストでよろしければ、当ブログは細々ながら更新しておりますのでまた覗いてやってくださいね。
扇治はいつでも、ここにおりますので。

『web版言の葉落語会』へのご愛顧、重ねて御礼申し上げます。

入船亭扇治拝


ついでだから退場用イラスト公開、そして第2回情報

うわ、自分で書いてて身体中痒くなってきた。
まあ、いっときは地に足が着いてなくてこんな気持ちでいましたよというだけのことで…。


退場用のイラストも、準備してたんですよ。
ここまで来たらついでだから、それも見てやってください。
初代『ゴジラ』1作目。倒壊するテレビ塔の中で実況のアナウンサーが
「さようなら皆さん、さようなら…」
と繰り返すシーンを描こうかなとも思ったんですが、やはりここはこれでしょう。


アニメ『宇宙戦艦ヤマト』第1作。一年の外宇宙への旅を終え、使命を果たしての地球帰還目前に息絶える名艦長・沖田十三の辞世の句、じゃなかった最期の言葉。


沖田艦長こまち.jpg


これがアップしたくて始めたようなもんですから、ああこれでスッキリした!
もうコロナも自粛も怖くない、矢でも鉄砲でも持って来い。
緊急事態宣言段階解除のスケジュールもゼーレのシナリオ(わからない方は聴き逃してください)も気にすることなく


『第2回web版言の葉落語会』はひと足早く平常心で新たにスタート!


すでに小ゑん宗匠から兼題をふたつ、お預かりしています。
5月16日(土曜)、当ブログにて発表予定。

第1回ご参加いただけなかった方は、ぜひこの機会に
経験者の方も、さらに腕を磨いて
今回以上の大勢さまのご投句で、また番頭たちに嬉しい悲鳴あげさせてやってください!


お楽しみは、始まったばかり。

ご一緒に、陽気に賑やかに行きましょう!

皆様のご参加、心よりお待ち申し上げております。

それでは公式ソング歌いながら、今回はお開き。

『web版言の葉落語会のテーマ』



またぜひ、ご訪問くださいませ。


入船亭扇治拝


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第1回言の葉落語会 大締めを前に [web雑俳]

宗匠選『本巻』公開

【5月1日10時7分投稿記事に、イラストを加筆したものです】


在宅時間が増えたお客様と高座のなくなった噺家たちで、1ヶ月に渡り遊んでまいりました『web版言の葉落語会』。


では会の宗匠・篝火舎小ゑん師匠による選と講評を、スライドショーにてご覧いただきました。
以前に古今亭駒子師主催の『スピリッツ』シリーズ・池袋演芸場での『言の葉落語会』では、大喜利として雑俳の互選発表を開筵。


お客様からは、


「客席で次は誰がどの句を採るのかと聴いている、ワクワクドキドキ感がたまらない」
「高座で噺家から、自分の句が読み上げられた時の嬉しさは最高!」


とのお声頂戴しております。

選句結果発表では大トリになる宗匠選。
ぜひ皆様にリアル「雑俳の開き」の臨場感を味わっていただきたく、あえて宗匠から預かっております選の文書ファイルは同時公開しませんでした。


さあ、一夜明けたところで満を持してその宗匠選句結果『本巻』を一般公開。以下のリンクからご覧ください。

web版言の葉落語会本巻
ベテランならではの選とキキを文字で確認しながら、もう一度あらためて


小ゑん師匠折句附選
お聴きになられてはいかがでしょう。

どなたが一番多く選に入られたかの集計は、現在古今亭駒子師が進めてくれております。
天に抜けた方の特典と併せ、もう少々お時間頂戴しますことご了承ください。
「本巻」こまち.jpg
落語・雑俳・猫ファンのお客様もそれ以外の方々も、呑気な駄文とイラスト・加工写真の当ブログよろしくお願い申し上げます。
入船亭扇治拝

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web雑俳第1回 おめでたく大団円 [web雑俳]

ご贔屓御礼

外出・イベントの自粛により増える在宅時間を、少しでも明るく豊かなものにできればと開催してまいりました
『web版言の葉落語会』


4月14日の投句募集に始まり、5月8日からは
・お客様
・ゲスト噺家選者
・レギュラー噺家選者
・スペシャルゲストによる花選
の順で互選結果を掲載してまいりました。


※未読の方はお手数でも、前記事をたどってリンクからご覧ください。いずれ関連ファイルは一つのフォルダーにまとめて閲覧いただくようにいたします。


今回は、いよいよ大詰め
宗匠選の発表です。


企画開始からひと月あまり。
途中何かと不手際ございましたが、お客様のご愛顧と仲間の指導・協力に助けられなんとか第1回のお開きまでたどりつくことができました。
まことに、ありがとうございます。


いかがでしたか?
少しは、落語ロス・コロナストレス・巣ごもりノイローゼ解消のお役に立てましたでしょうか


私は、楽しませてもらいました。
連日投句と互選の整理・ブログ記事作成・SNSでの告知等で、時があっという間に過ぎていきます。
仕事キャンセルになってプロ野球中継もなし、


「毎日、何してヒマつぶそうかな」
(稽古をしろ稽古を)


思っていたのが嘘のよう。
あらためまして、我が家の愛猫こまちからも御礼のご挨拶。

口上こまち.png


第2回近日中にスタート!

勘違いなさらないでくださいね。
ご挨拶は、あくまでここまでのご贔屓への感謝の気持ち。
これで


「ハイ、おしまい」
シャッターがらがらピシャーン!


ではございません。

むしろ、その逆
お客様が興味を持ってくださっている一番いい時期に、


思い立ったが吉日
鉄は熱いうちに打て
善は急げ
大事なことは3回言う
毒を喰らわば皿まで


おしまいのはちょっと違うような気もしますが、とにかく続けてすぐ

『第2回web版言の葉落語会』開催決定!

一両日中には新しいお知らせ(今回天に抜けたお客様への特典情報なども含む)を、当ブログにてさせていただく予定。
イラストと写真で飽きない記事作り目指しますので、まめに更新チェックしてみてくださいね。


さあそれでは大団円の前に、恒例公式テーマソング斉唱。

『web版言の葉落語会のテーマ』


テーマソング企画についても、このあと新しい趣向を考えております!

宗匠選はスライドショー付きボイスメッセージで

お帰りなさいませ。
皆様、お手洗等お済みですか?
大変長らくお待たせいたしました。
それでは『言の葉落語会』の誇る宗匠


篝火舎小ゑん=柳家小ゑん


の登場。
届けられた音声メッセージに、提供の写真とキャプションをつけたスライドショーでご覧いただきます。


宗匠選をまとめた『本巻(ほんまき)』PDFは、あえて添付しません(後日公開予定)。

あればどうしても、先に見たくなっっちゃうでしょ?
「洒落附」→「折句附」の順で、ゆったり宗匠の選と講評ご堪能ください。
そう、ひと時ご自宅を離れweb雑俳「開き」の場にいるつもりで。


大団円にふさわしいボリュームの宗匠選、時間とデータ量は以下の通り。

・「小ゑん師匠洒落附選」:62.5MB 17分6秒
・「小ゑん師匠折句附選」:58.2MB 14分5秒

蔦飾り線.png

それでは、行ってらっしゃいませ。


小ゑん師匠折句附選
明日以降もお会いできるのを、扇治は心待ちにいたしております。


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コロナ第2波も怖くない 洒落と笑いで免疫力アップ [web雑俳]

状況長期化なら、それに合った暮らしを

新型ウイルス対処成功例の一つとされる、『韓国モデル』
しかし5月12日、ソウル市内のクラブで101人の集団感染が発生。


日本でもいち早く週末の外出制限を要請し、新規感染者が減った北海道。
いったんは抑え込みに成功しましたが、制限解除後にまた増加傾向に。


緊急事態宣言の地域的・段階的解除について国と自治体が調整を続けていますが、その後また感染拡大第2波が来て再度行動制限要請…。
特効薬かワクチンができるまでこのループを何回か繰り返すことも、現実味を帯びてきました。


最初は2週間出控えてくれ、次はGW開けまで辛抱。
それではまだ不足だったので5月いっぱい緊急事態延長。
ちびちびと先送りされる、日常への復帰の時。
経済的には逼迫しておらず当面生活の心配はなくても、もう我慢の限界!


でも、どうもこのCOVID-19とは長い付き合いになりそう。
事態宣言解除されてもしばらくは、時差出勤通学・飲食店や映画館の入店制限などは続くでしょう。
今後

「明治維新・第2次世界大戦後と同等かそれ以上に、日本人の生活様式の変化が求められていくだろう」

そう予測する識者の方がいらっしゃいます。

私も不安やストレスがないわけではありませんが、貯金や給付金で食いつないでいけるうちはとにかく前を向こうと決めました。
こんな駄文や拙いイラストも、ひょっとしたらたまたま見てくれた人に一瞬でもほっこりしてもらえるかもしれません。


web雑俳 延長なのは選句締切だけじゃない
での記事とイラストを、ぜひ見てください。
ウイルスとのせめぎ合いが延びるんなら、受けて立とうじゃありませんか。
真正面からの、正攻法でなくていいんです。
猫だまし・砂かけ・急所蹴り・闇討ち騙し討ち、敵が塩を撒いてる隙につっかけるのもあり。
この状況をうまくいなして、最後にはこちらが笑えるようにしましょうよ。


洒落と笑いの底力で、辛抱の時を心豊かな時間にするお手伝いができればとの『web版言の葉落語会』。
現在結果発表中の企画に続き、新しい兼題での募集もすでに準備中。

コロナ第2波には、『web言の葉』第2回で立ち向かえばいいのです。

さあ公式テーマソングを歌って、今日もコロナストレスを吹き飛ばしましょう!

『web版言の葉落語会のテーマ』



今回は『花選』を発表

これまで

・お客様
・ゲスト選者
・レギュラー選者(2回に分載)
の順で、互選結果を発表してまいりました。
未読の方は、前記事をたどってご覧ください。
いずれ、一か所にまとめますね。


宗匠選を前に、今回は『花選』
互選に際して宗匠が、自分と同等か格上の人に


「ひとつ、そちらの選句で開き(互選発表会)を盛り上げてやってくださいよ」


と頼むスペシャルゲスト選のこと。

「花を添える」から詰めて『花選』。

二人の噺家が、『web版言の葉落語会』に花を贈ってくれています。




まず


植木歌人(うえきのうたびと)=柳家小せん

小せん師写真.jpg

学生の頃から音楽活動を続け、美声と音感の良さは落語協会で1,2を争う。文蔵・扇辰両師と組んだバンド活動も大人気。
※ご当人は「『花選』は格上の人がするもので、私ごときがおこがましい」と初めは遠慮を。
しかし番頭の方からお願いして噺家雑俳『たちみ連』のメンバーとしてではなく、『web版言の葉落語会』公式テーマソングのギター&ボーカル担当の立場で花選に加わってもらいました。




そして大御所登場!

小燕枝師写真.jpg

篝火舎小燕枝(かがりやこえんし)=柳亭小燕枝


確かな口調と仕草に裏打ちされた、飄々とした芸風。
1972年『NHK新人演芸コンクール最優秀賞』
1982年『浅草演芸大賞新人賞』
の、いずれも賞制定第1回目の栄冠に輝く。
年輪を重ねさらに円熟味をました高座は、お客様が安心して落語の世界に浸れるまさに至福の芸

「つ離れ(つばなれ)とは?

小燕枝師匠は、小せん師らの『たちみ連』・私どもの『つっかけ連』に先立つ大先輩格『つばな連』のメンバー。

連の名前は、寄席の符牒「つばなれ」をもじったもの。

今と違って昔の寄席ことに夜の部は、お客様があんまりお入りになりませんでした。
雨が降って肌寒かったりすると、夜の開演時間になってもお客席はガラガラ
小池知事なら泣いて喜びそうですが、あまり人が少ないとお客様は気恥ずかしいし芸人も張り合いがない。
そこで開演を少し延ばして、ある程度お客席が埋まるのを待つことに。
開演の目安は、お客様が十人以上になったら。
数を勘定するのに一から九までは

ひとつ、ふたつ、みっつ・・・やっつ、ここのつ

ですが、十になると

とお

で初めて「つ」がつかなくなる!
「つ」から離れるから「つ離れ」。


小燕枝師匠方の連はいっとき『つ花連』と表記したことも。
つ離れした寄席がどんどん賑やかになっていく様子と、春先これから夏に向かって開くよう膨らんだ「茅花(つばな)」をかけてあるのでしょう。
日本語の洒落って、いいですよね。

蔦飾り線.png

ここでひとつ、目のトレーニングを。

下に掲載の茅花の群れの中には、我が家の愛猫こまちが末広がりの8匹隠れています。

あなたは、何秒で全員見つけられますか?
ヒントは、見えているのは顔とは限りません。

探してこまち.png

互選結果をゆっくりお楽しみいただいたあとで、もちろん結構ですからね。

つばな間違い探し.png

過去記事も覗いていただけたら、なお嬉しいです。


それではお待たせしました、これより花選。
はたして誰の句が、入っているでしょうか?





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噺家の必須アイテムが、コロナを打ち負かす [日々雑感]

金沢の人気店から、応援物資が

5月9日午後、ブログ記事執筆中スマホに着信。
発信者名はと見ると、お世話になっている金沢のお寿司屋『のり好』さん。


知人の紹介で、お店での不定期の落語会をもう15年近くやっていただいてます。
新神田という住宅街の一角。鉢巻姿が鯔背で気っぷのいい大将とお姉さん二人で、おいしい魚を確かな腕とサービスで提供する地元の人気店


職人肌の大将はこれまでグルメ本やテレビ番組の取材をずっと断り続けていたそうですが、近年あるガイドブックに取り上げられるやいなや連日超満員。

予約でいっぱいで、なかなか落語会開催というわけにはいかず1年ほどご無沙汰してました。


久しぶりに聴く大将の元気な声。


「東京もいろいろ大変やろうね。少しやけど昆布〆送るから食べて元気出してなー。
それと一緒にお客さんが作ってくれた◯◯◯も一緒に入れて送るから、扇治さん明日の午前中うちにおる?」


ええもうこんな状況ですから基本的に家にいますよ、ありがたく頂戴します。大将もお身体お大事に…。


丁重にお礼を言いつつ、スマホに向かって最敬礼し通話を終えました。

年末限定、絶品の昆布〆

のり好さんでは毎年暮れに、常連さんサービスとして白身魚を贅沢に使った昆布〆を作っています。
年末年始お店が休みになるので、その間はこれ食べてうちへ来た気になってなーという大将の心遣い。


私も毎年送っていただき、新年の食卓を紅白の昆布〆(鯛のような魚と、クエなど白身でもちょっと赤みがある魚を取り合わせてある)がおめでたく彩ってくれる。


おそらく今は要請を受けて、20時頃までの営業にしているのだと思います。


「ゆっくりお寿司とお酒を味わえってもらえなくて、悪いねー。せめてこの昆布〆、持って帰ってちょうだいよ」


あの大将ですから、きっとそういう気持ちで本来暮れだけの特別料理を作ってくれたんでしょう。

一流料亭が宴会・会合の自粛で、高級魚の行き場がなくなり値が下がっているのもうまく利用した金沢からの応援物資


昨日、到着しました。
さあ、どんな魚の昆布〆だったのでしょう。
それについては、また日をあらためて書きたいと思います。

噺家の◯◯◯が、「アレ」に変身!

クール便で届いた発泡スチロールの箱の中には、もうひとつ(数は二つですが)このご時世大変ありがたいものが入っていました。


こちら

IMG_2288.JPG

『のり好』さんご常連のお客様お手製、洗って使える布マスク。
「平マスク大」と、「新立体マスク」の2種類。
お作りになった方のメッセージ。

マスクカード.JPG

ああ、しみじみありがたい。
そちらも大変な時に、遠く離れた東京の弱小噺家を忘れず気遣ってくれる『のり好』大将とお客さん。
これがあれば、もう届くかどうかもわからない「アベノマスク」なんて犬に食わせろです。


そしてさらに嬉しかったのが、このマスクの素材
もう一度画面上へスクロールして、2枚並んだマスクの写真見てきてください。
そして今度はこの画像。

扇治てぬぐい.JPG


私、入船亭扇治の名入り手拭い
デザインしてくださったのは、寄席文字の大家・橘左近師匠。


今回マスクをお作りになったお客様は、趣味で手芸をなさる方。
同じお客様だと思うんですが…。
以前にもさしあげた手拭いで、こんな素敵な巾着を作ってくださいました。

巾着手ぬぐい.JPG

裏が付いて、中にはポケットもあるという贅沢な作り
お正月の寄席への行き帰りなど、着物で歩く時に愛用しております。

その方が、今度は手拭いでマスクを。
ずいぶん前にさしあげたはずの色の手拭いですから、大切にとってあったのをこの機会に有効利用してくれたんですね。


品薄解消されても、これからしばらくは新型ウイルスありきの生活に欠かせないマスク。
高座での必須アイテムが、そのマスクに華麗に変身。


おそらくこの手作りマスクは、噺家の手拭いが世間さまのお役にたてた希有な事例として末永く語り継がれていくことでしょう。

お客様に使っていただいて、手拭いは活きる

芸人の名入り手拭いは高座での小道具であるとともに、新年や昇進・襲名時ご贔屓と仲間うちにご挨拶として配るもの。

私はお客様に手拭いさしあげる時は、


「お手数でもいったん水通していただいて、布巾や台拭きでどんどんお使いくださいね。
で一番おしまいは(さすがに最初からは辛い)、雑巾にしちゃってください、実用品なんですから」


と言ってお渡しするんですが、皆さん恐縮なさって大事にしまっておかれる方多いよう。
でも押入れの奥で忘れ去られるより、本当に噺家だけでなくお客様にも使っていただいてこそ手拭いは活きると思うんです。


私のお客様で、何年分かの手拭いつなぎ合わせてご自宅ののれんにしくださった方。
浴衣や甚平に仕立てて、夏場粋に着こなしてらっしゃる人もいますね。

私もこれを機に高座以外での手拭いの有効活用、いろいろ考えてみようと思います。
なにかいいアイディアございましたら、お気軽にコメント欄からご教示ください。

蔦飾り線.png

それでは金沢からの愛情こもった手作りマスク、開封の儀とまいりましょう。
まずは「平マスク大」広げてみます。

マスク手拭い.JPG

うん、名前が入ってないからお洒落マスクとしていいですね。

「新立体マスク」は、その立体感がわかるよう我が家の招き猫につけてもらいました。

立体マスク福猫.JPG

ふくよかな顔を、充分カバーしています。飛沫感染防止効果大。




ニャ~、ニャー。

ん、なんだい愛猫こまち。どうしたんだい。
え、ぬいぐるみだけじゃなくて自分もそのマスクしてみたい?
好奇心旺盛だねぇ君は。

じゃあ、さっきは広げただけの「平マスク大」のモデルになってもらおうか。
よいしょっと…。

マスクこまち.jpg



874>567、数が大きいから「はなし」の勝ち!


おお、勘定ができてえらいぞこまち。
お母さんに、ご褒美のCAIOちゅ~るもらっといで。

ちゃんとあります、web雑俳互選結果発表

ここまでいきなりスクロールしてきた方、いないでしょうね?
途中まで読んで、今日は雑俳ないのかと不安にかられたお客様。


誠実丁寧がモットーの、当ブログと『web言の葉落語会』
ちゃんとこのあと噺家の互選ありますから、皆さん落ち着いてお手洗い行ったりお茶淹れかえたり、何より公式テーマソングお歌いになって戻ってきてください。

『web版言の葉落語会のテーマ』



その間に支度しときますから


ハイ、お待たせしました!
ネットで楽しむ粋な江戸言葉遊び・雑俳『web版言の葉落語会』、今回は


に続いて企画当初から参加のレギュラー噺家の、「折句附」選句をメッセージとともにご覧いただきます。

データ量と時間は、
・金八師折句附互選:149MB 5分52秒
・三三師折句附互選:45MB 4分37秒
・扇里師折句附互選:20.2MB 5分27秒



※今企画では動画の画質は最低でも560pです。
ほとんどは760pのじゅうぶんご視聴に耐えるものをアップしているつもりですが、ストリーミング再生のためお使いの通信環境等により画質が低下することがございます。
またYou TubeなどほかのGoogleの動画共有サービス全てそうですが、動画アップ時は最低画質の360p版が自動生成されます。
そこから順次アップ時の画質と同じ版が作られますが、生成まで数時間~1週間ほどかかると公式から発表されております。
アップ直後に画質が良くなかったお客様、恐れ入りますがお時間おいての再試聴お試しください。


ご注意事項長くなり、申し訳ございません。


それでは今回もごゆっくり、噺家たちの選句と「キキ」をお楽しみください。

以下のリンク、よろしきところから。






扇里師のメッセージには、貴重なアイテムも入っています!


お帰りの際は、お布施代わり他記事もよろしければご訪問ください
マスクつながりだと、こんな記事もございます。


お開きまでお付き合いいただきまして、まことにありがとうございます。


入船亭扇治拝


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