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噺家の必須アイテムが、コロナを打ち負かす [日々雑感]

金沢の人気店から、応援物資が

5月9日午後、ブログ記事執筆中スマホに着信。
発信者名はと見ると、お世話になっている金沢のお寿司屋『のり好』さん。


知人の紹介で、お店での不定期の落語会をもう15年近くやっていただいてます。
新神田という住宅街の一角。鉢巻姿が鯔背で気っぷのいい大将とお姉さん二人で、おいしい魚を確かな腕とサービスで提供する地元の人気店


職人肌の大将はこれまでグルメ本やテレビ番組の取材をずっと断り続けていたそうですが、近年あるガイドブックに取り上げられるやいなや連日超満員。

予約でいっぱいで、なかなか落語会開催というわけにはいかず1年ほどご無沙汰してました。


久しぶりに聴く大将の元気な声。


「東京もいろいろ大変やろうね。少しやけど昆布〆送るから食べて元気出してなー。
それと一緒にお客さんが作ってくれた◯◯◯も一緒に入れて送るから、扇治さん明日の午前中うちにおる?」


ええもうこんな状況ですから基本的に家にいますよ、ありがたく頂戴します。大将もお身体お大事に…。


丁重にお礼を言いつつ、スマホに向かって最敬礼し通話を終えました。

年末限定、絶品の昆布〆

のり好さんでは毎年暮れに、常連さんサービスとして白身魚を贅沢に使った昆布〆を作っています。
年末年始お店が休みになるので、その間はこれ食べてうちへ来た気になってなーという大将の心遣い。


私も毎年送っていただき、新年の食卓を紅白の昆布〆(鯛のような魚と、クエなど白身でもちょっと赤みがある魚を取り合わせてある)がおめでたく彩ってくれる。


おそらく今は要請を受けて、20時頃までの営業にしているのだと思います。


「ゆっくりお寿司とお酒を味わえってもらえなくて、悪いねー。せめてこの昆布〆、持って帰ってちょうだいよ」


あの大将ですから、きっとそういう気持ちで本来暮れだけの特別料理を作ってくれたんでしょう。

一流料亭が宴会・会合の自粛で、高級魚の行き場がなくなり値が下がっているのもうまく利用した金沢からの応援物資


昨日、到着しました。
さあ、どんな魚の昆布〆だったのでしょう。
それについては、また日をあらためて書きたいと思います。

噺家の◯◯◯が、「アレ」に変身!

クール便で届いた発泡スチロールの箱の中には、もうひとつ(数は二つですが)このご時世大変ありがたいものが入っていました。


こちら

IMG_2288.JPG

『のり好』さんご常連のお客様お手製、洗って使える布マスク。
「平マスク大」と、「新立体マスク」の2種類。
お作りになった方のメッセージ。

マスクカード.JPG

ああ、しみじみありがたい。
そちらも大変な時に、遠く離れた東京の弱小噺家を忘れず気遣ってくれる『のり好』大将とお客さん。
これがあれば、もう届くかどうかもわからない「アベノマスク」なんて犬に食わせろです。


そしてさらに嬉しかったのが、このマスクの素材
もう一度画面上へスクロールして、2枚並んだマスクの写真見てきてください。
そして今度はこの画像。

扇治てぬぐい.JPG


私、入船亭扇治の名入り手拭い
デザインしてくださったのは、寄席文字の大家・橘左近師匠。


今回マスクをお作りになったお客様は、趣味で手芸をなさる方。
同じお客様だと思うんですが…。
以前にもさしあげた手拭いで、こんな素敵な巾着を作ってくださいました。

巾着手ぬぐい.JPG

裏が付いて、中にはポケットもあるという贅沢な作り
お正月の寄席への行き帰りなど、着物で歩く時に愛用しております。

その方が、今度は手拭いでマスクを。
ずいぶん前にさしあげたはずの色の手拭いですから、大切にとってあったのをこの機会に有効利用してくれたんですね。


品薄解消されても、これからしばらくは新型ウイルスありきの生活に欠かせないマスク。
高座での必須アイテムが、そのマスクに華麗に変身。


おそらくこの手作りマスクは、噺家の手拭いが世間さまのお役にたてた希有な事例として末永く語り継がれていくことでしょう。

お客様に使っていただいて、手拭いは活きる

芸人の名入り手拭いは高座での小道具であるとともに、新年や昇進・襲名時ご贔屓と仲間うちにご挨拶として配るもの。

私はお客様に手拭いさしあげる時は、


「お手数でもいったん水通していただいて、布巾や台拭きでどんどんお使いくださいね。
で一番おしまいは(さすがに最初からは辛い)、雑巾にしちゃってください、実用品なんですから」


と言ってお渡しするんですが、皆さん恐縮なさって大事にしまっておかれる方多いよう。
でも押入れの奥で忘れ去られるより、本当に噺家だけでなくお客様にも使っていただいてこそ手拭いは活きると思うんです。


私のお客様で、何年分かの手拭いつなぎ合わせてご自宅ののれんにしくださった方。
浴衣や甚平に仕立てて、夏場粋に着こなしてらっしゃる人もいますね。

私もこれを機に高座以外での手拭いの有効活用、いろいろ考えてみようと思います。
なにかいいアイディアございましたら、お気軽にコメント欄からご教示ください。

蔦飾り線.png

それでは金沢からの愛情こもった手作りマスク、開封の儀とまいりましょう。
まずは「平マスク大」広げてみます。

マスク手拭い.JPG

うん、名前が入ってないからお洒落マスクとしていいですね。

「新立体マスク」は、その立体感がわかるよう我が家の招き猫につけてもらいました。

立体マスク福猫.JPG

ふくよかな顔を、充分カバーしています。飛沫感染防止効果大。




ニャ~、ニャー。

ん、なんだい愛猫こまち。どうしたんだい。
え、ぬいぐるみだけじゃなくて自分もそのマスクしてみたい?
好奇心旺盛だねぇ君は。

じゃあ、さっきは広げただけの「平マスク大」のモデルになってもらおうか。
よいしょっと…。

マスクこまち.jpg



874>567、数が大きいから「はなし」の勝ち!


おお、勘定ができてえらいぞこまち。
お母さんに、ご褒美のCAIOちゅ~るもらっといで。

ちゃんとあります、web雑俳互選結果発表

ここまでいきなりスクロールしてきた方、いないでしょうね?
途中まで読んで、今日は雑俳ないのかと不安にかられたお客様。


誠実丁寧がモットーの、当ブログと『web言の葉落語会』
ちゃんとこのあと噺家の互選ありますから、皆さん落ち着いてお手洗い行ったりお茶淹れかえたり、何より公式テーマソングお歌いになって戻ってきてください。

『web版言の葉落語会のテーマ』



その間に支度しときますから


ハイ、お待たせしました!
ネットで楽しむ粋な江戸言葉遊び・雑俳『web版言の葉落語会』、今回は


に続いて企画当初から参加のレギュラー噺家の、「折句附」選句をメッセージとともにご覧いただきます。

データ量と時間は、
・金八師折句附互選:149MB 5分52秒
・三三師折句附互選:45MB 4分37秒
・扇里師折句附互選:20.2MB 5分27秒



※今企画では動画の画質は最低でも560pです。
ほとんどは760pのじゅうぶんご視聴に耐えるものをアップしているつもりですが、ストリーミング再生のためお使いの通信環境等により画質が低下することがございます。
またYou TubeなどほかのGoogleの動画共有サービス全てそうですが、動画アップ時は最低画質の360p版が自動生成されます。
そこから順次アップ時の画質と同じ版が作られますが、生成まで数時間~1週間ほどかかると公式から発表されております。
アップ直後に画質が良くなかったお客様、恐れ入りますがお時間おいての再試聴お試しください。


ご注意事項長くなり、申し訳ございません。


それでは今回もごゆっくり、噺家たちの選句と「キキ」をお楽しみください。

以下のリンク、よろしきところから。






扇里師のメッセージには、貴重なアイテムも入っています!


お帰りの際は、お布施代わり他記事もよろしければご訪問ください
マスクつながりだと、こんな記事もございます。


お開きまでお付き合いいただきまして、まことにありがとうございます。


入船亭扇治拝


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