コアラのマーチに負けない スナックの激レア

実はレアではない？「眉毛」「盲腸」コアラ

こんな状況ですから、せめて日々の暮らしの中で少しでも心が豊かになるものを探したい。
大枚はたかなくても遠出せずとも、身の回り当たり前の品物で幸せは感じられる。

定価110円くらいのスナック菓子が、窮屈な日常を明るくしてくれたりします。

「ベビースターラーメン」を食べていて、すごーく長い1本をつまみ上げた時の喜び。
「おっとっと」パッケージの中で割れてしまった個体を「これ何だったんだろうね」、家族と首をひねりながら食べる団欒。

その代表格が、ロッテの「コアラのマーチ」。

一番ポピュラーな50グラム入り・あの6角形のパッケージ。
一箱に平均23～25個くらいのコアラが入っていて、一つひとつ違う表情・キャラクター（もちろん重複あり）になっているのが楽しい。

お腹だけでなく心も満たされる、遊び心に満ちたおやつ。
今までにデザインされたコアラの数600超。
毎年30～35種類の新作と入れ替えながら、常に365パターンのデザインがあるのだそうです（1年間毎日食べても飽きないということか？）。

数あるコアラの中でなかなか出会うことができないいわゆる「激レア」物が存在すると言われ、その代表格が

・本当はない眉毛があるコアラ
・お腹にバッテンの傷があり泣いているコアラ

それぞれ『眉毛コアラ』『盲腸コアラ』と呼ばれる2種類。

1990年代、女子高生の間で

『眉毛』見つけたら超ラッキー
『盲腸』は失恋の痛手を癒やしてくれる

という情報が口コミで爆発的に広まりました。

エビスビールの、これみたいなもんですね。

恵比寿様が抱えているもののほかに、後ろの魚籠にもう1匹鯛が踊っている。
缶にはなく瓶ビール限定、出会える確率数百本に1本。
やはり、遭遇したら幸せになると言われています。
我が家の守り神。

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現代でもレアコアラ＝ラッキーを信じている人は多いようで、私もその一人。
子どもたちが小さい頃は、よく一緒に珍しいコアラ探ししたものです。

しかし、今日ではそれは「都市伝説」だということが明らかになりました。

ロッテの担当の方に取材した記事によりますと、

365種類のコアラは全て平均して個々のパッケージに封入されており、どれか一つの出現頻度が極端に低いということはありえない。

とのこと。
ひと際個性的で目立つデザイン、見た時のインパクトが強いので「レア」という印象が拡散したのでしょう。

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私、人生折返し過ぎて初めて知りました。
人に話すネタができて嬉しい気持ちと、夢から醒めてちょっとがっかりとが相半ば。

激レアコアラたちのネーミングも、誰かが洒落で言い出したもの。

・『眉毛』（今ではこれが公式名）は本来ラッパを吹いているコアラで、力が入って眉間にシワを寄せているのが眉毛に見えるから。
・お腹のバッテンは盲腸の手術あとではなく、道で転んで怪我をしたコアラ。

こっちも私には新情報、今夜の『居酒屋我が家』で家族に教えてやろう。
でも女房も倅も、もうとっくに知ってるのかな。

私のお気に入り・亀田製菓の『つまみ種10種』

激レアコアラの正体がわかっても、食べる時の「次は何かな？」というワクワク感は変わりません。
　
形やデザイン・味が違うスナック菓子って、ひとつ摘まむたびに「ミニ福引」みたいな楽しさがありますよね。
スマホゲームの「ガチャ」を引く時と同じ。

そんな楽しさともちろんお味・そしてコスパがよくて愛用しているのが、こちら。

亀田製菓の『つまみ種10種』43グラム入り小袋6個パックが、近所のスーパーで本体価格258円。
ひと袋に10種類の違う味のあられが入っており、どれも美味しくて私の好物ばかり。
それがひと袋あたり税込み50円弱。

ご存知なかった方、ぜひご賞味あれ。

えっ、これって超レア!?

さて先日も晩酌の折、メインディッシュ（と言っても特売豚コマの肉豆腐ですが）前の箸休めに『つまみ種』をポリポリやってました。

すると、
「ン？さっき食べたはずの片口イワシが、もう1匹！」

10種のあられの中にはひと袋に複数個入っているものと、たいてい一個（たまに２個）しかないものとがありまして、片口イワシは後者。

『つまみ種10種』中のセレブ、その他大勢とは一線を画した存在感。

ひと袋につき通常一匹しかご尊顔を配することができないので、当然大事にいただきます。

先ほどのり巻やうまくち豆のつゆ払いに続き、満を持して片口イワシを口に入れたばかり。

それが袋の中をまさぐると、何やら尖った手触り。
まさかと摘みあげると、２匹目のイワシさま。

今日は当たりだったな！でもイワシ食べたばっかりだから、これはもう少し後にとっとこう。

なにかほかのあられ…と小さな袋を覗いてみると、鈍い銀色に光る魚影がちらほら。

えっ、片口イワシがこんなにたくさん入ってんの!?
確認のためそーっと取り出してみると

五体満足なイワシさまは１尾。

気の毒に頭と胴がバラバラになられたイワシさま２尾。

（袋の隅々まで捜索したのですが、頭は１尾分しか発見できませんでした。）
先に私が食べたのと合わせて、計４尾。

通常１匹か２匹の片口イワシが、ひと袋にこんなに。
年末ジャンボに当選などと比べれば遥かにスケールは小さいですが、幸運といってもいいのではないでしょうか。

あまりの嬉しさにすぐ食べないで皿に並べ
「ホラ、イワシがこんなに！明日はきっといいことあるぜ」
自慢する私に女房、

「へー、良かったね。でもそのイワシ３匹とも、ちょっと小さいんじゃない？私のと比べてごらん」
と貸してくれた（あげるとは言わない）個体を並べてみると…。

嗚呼、亀田製菓の従業員の方たちなんてきっちりしたお仕事をなさるのでしょう。
確かに、私の袋に入っていたイワシさまたちはみな小柄な方ばかりだったのです。

それでも、合計4尾の片口イワシ。

やっぱり、超じゃなくても「小ラッキー」。
仲良く皿に並んだイワシ一族を眺めて、
「あ、これ鯉のぼりみたいだな」。

さっそく、イラストに。

これこれ、こまち。
子どもの日がすむまでは、手を出してはいけませんよ。

緊急事態宣言延長、辛抱の時はまだまだ続きそうです。
でも、しなくちゃいけない巣ごもり期間。
愚痴ばかり言って世を呪って過ごしても、前向きに笑って日々を送っても、等しく同じ時の流れ。

だったら、後者のライフスタイルの方がストレス溜まらなくて絶対いいでしょう？
２ヶ月収入０・将来の視界もゼロの弱小噺家自身が、自ら実践済み。

一時は絶望に挫けそうだった心が、こんな呑気な記事書いて楽しめる境地にシフトチェンジできました！
これからも、ご一緒に日常の中のささやかだけど素敵なエピソード、探してみませんか？

皆様のご参加を呼びかけている
ネットで楽しむ江戸言葉遊び・雑俳
については、

5月1日付「web雑俳　延長なのは選句締切だけじゃない」の記事をご覧ください。

お開きまでお付き合いくださいまして、まことにありがとうございます。

また、ご訪問くださいませ。
お待ち申し上げております。

入船亭扇治

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