外出・会話不足で突然襲う物忘れ 今すぐ対策を！

呑気にイラストを描いている場合ではない緊急事態

いらっしゃいませ。
私のような弱小芸人のブログを覗いていただきまして、まことにありがとうございます。

あまたあるサイトから、わざわざ選んで来てくださる読者の方々。
少しでも噺家らしい切り口の話題と、うまくはありませんがオリジナルイラストで手作り感ある記事を発信していこうと日々努めているつもりですが…。

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今日は、呑気に猫の絵を描いている場合ではなくなりました（でもおしまいにチラッとイラストは出てきます）。

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自分の身にえらいことが起きてしまったのです。
緊急事態宣言中の、さらに個人的非常事案件。
おそらく同じ経験された方もおいでかと、情報共有そしてこの症状への効果的な対処法を以下に記させていただきます。

1日家にこもっただけで、「あれどこやったっけ？」

4月8日、新型コロナウイルス感染拡大防止のための緊急事態宣言発令下の東京。
中野区の自宅で私は、玄関先に布団を干しに出ただけで終日一切外出せず過ごしました。

狭いながらも楽しい我が家。
時に猫と戯れながら、当ブログで使う素材の作成・整理や噺の稽古で1日が暮れていきます。

そろそろ作業に切りをつけて、ひとっ風呂浴びようかというのどかな心境の時にその現象が起きました。
明日の作業に備えて手元に出しておこうとした「あるもの」が見当たらない。

度忘れというやつ。
身の周りの心当たりをひっくり返しても見つかりません。

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焦って家内に尋ねて、あんたのものなんか私は知らないと怒られ。

倅に相談しても、お父さんも歳だねぇと笑われただけで埒あかず。

ほうぼう開けたり閉めたりするのを、遊んでくれるのかと思う猫にじゃれつかれ。

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探すこと30分以上。半分泣きそうになって「あ、今朝掃除する時に高いとこ上げたんじゃなかったけ」と思いつき和ダンスの上を覗くと…。

自分でもよくこんなとこに押し込んだなという、いろんな箱が積みあげてある隙間に探し物の入ったA4封筒が突っ込んでありました。

全身ほこりだらけになってでもやれこれでひと安心、では夕食の前に汗を流そうと風呂場に向かったのですが…。

ひと晩越しで続く物忘れ

この時期風呂上りに私は、指先が乾くので保湿剤を手に塗り込むのが習慣。
パソコンでの作業中も何度もその薬を使うので、洗面所に置きっぱなしにせず風呂から上がって使ったらいったん自分の部屋の定位置に戻しに行くようにしています。

しかしその日は探し物で思わぬ時間をくい夕食が遅くなったので、保湿剤を持ったままダイニングキッチンに駆け込みました。
なごやかに愚妻と晩酌を交わして、さあお休みと布団に入って…。

あくる日の朝起きて保湿剤を探すと、いつもの場所にない。
夕べ台所に持ち込んだのは憶えているのですが、そのあとどうしたのかまるで記憶にない。

早朝から昨夜以上に焦りまくって探した結果、夕食の途中暑くなって脱いだドテラのポケットに入っているのを発見。
安堵のため息をいったんはつきましたが、「これはちょっと危ない状態なんじゃないか？」と不安に。

昨夜から続けて2度のもの忘れ。風呂上りは酒が入っていたといえ泥酔したわけではなし、ひと晩越しでこれだけ記憶が曖昧になったのは初めて。

いても立ってもいられずスマホを立ち上げ「外出しない」
「運動しない」「もの忘れ」などのキーワードで検索してみると、すぐに答えは見つかりました。

脳の活性化に必要な、外部からの刺激

医師・専門家の方々がたくさん情報をネットに上げてくれています。
ざっと検索上位のサイトを回ってわかったのが、私の状態はどうも

通常の社会生活を送っていた人間が、外出・家族以外との会話機会などを絶たれた際に生じる、一時的な脳の不活性化の一症状

らしいと。

私ももう50代後半ですから、脳細胞はゆるやかに衰えつつあります。
脳の貯金で喰っている状態。
今回のもの忘れは急に引きこもったせいで脳の回路が細かいバグを起こした程度なので、まだそう心配する段階ではないようです。「加齢による当たり前のもの忘れ」の範疇かと。

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でもこの状態が長く続くと、

・外出・運動しないことによる肉体的刺激不足
・他人と親しく会話しないことで生じる精神的刺激不足

の2点が脳に悪影響を及ぼし、ひいては
認知症
に繋がる危険性があるとのこと。

だから適度な運動と社会性が有効

高齢者の方の認知症予防策として

・適度な運動
・積極的に他人と交流する

ことが大切とはよく耳にする言葉ですが、まだ自分には関係ないと聞き流して来ました。

でも、もう対岸の火事にあらず。
今回の私のように1日半にわか引きこもりしただけでダメージを被ることもあるほど、人間の脳と心は繊細にできているんだなと実感。

全盛期からゆるやかに数を減らしていく脳細胞たち。
歳とともに、人間だれでも通る道。
今ある脳とうまく付き合い長持ちさせることを、今回の経験を気に心がけていきたいと思います。

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そのための具体的な方策として

適度な運動

今のところ散歩も控えるようにとの強い要請ではありません。今まで通りの1日1万歩ペースというわけには行きませんが、仕事がなくてもネタ探しを兼ねて近所くらいは歩くように。学生の頃からやっている朝夕5分ずつの体操と併せて、毎日身体から脳にカツを入れ続けてやりましょう。

積極的に他人と交流

・家族とさらに会話を弾ませる。現状を把握することは大切ですが、あまり深刻に現状を憂いていると落ち込んでしまうので、明るい話題を取り混ぜて。
・仲間の噺家と、今できる企画を考えメールや電話で連絡を取り合う。みんなもヒマなので、普段忙しい人も今はけっこう電話口に出てくれます。

私のような環境だと、まずこんなところから始めていくのが効果的かと。

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人によって外出できる活動範囲・人間関係等は様々ですから私が見たサイトの中で、例えば以下のPDF記載のページなどご参考になるのではないでしょうか。

https://www.mizuhokai.or.jp/shiki-mizuhono-sato/pdf/kk-20180218-file2.pdf

埼玉県の医療法人「瑞穂会」主催の家族介護講座から。

脳を活性化する体操や頭のトレーニング問題なども掲載されています。

ここで、噺家の言葉遊びへのお誘い

脳の活性化つながりで、お知らせ。

東京の寄席は5月6日までのお休み。
各種落語会も、機材をそろえてライブ配信できるものいがいはほとんど開催されていません。

「落語ロス」をお感じのお客様と、話したくても話せないもどかしさを抱えた噺家たち。
芸人側も様々な形で、興行再開までに自分たちの芸を届けられるよう頑張っております。

私もその一つとして、
江戸言葉遊び「雑俳」でweb上にてお客様と楽しもう
という企画を進めています。
粋な川柳や笑える洒落を作って、噺家たちと遊んでみませんか？

詳細決まり次第、順次当ブログにてお知らせしていきます。
ご自宅で過ごす時間が増えている方、是非ご参加くださいませ。

余談　昨夜の探し物とは

このあとイラストありますんで、もう少しお付き合いのほど…。

4月8日の夜、私が半べそかきながら探していたのは

レシート・領収書の束。

自由業・個人事業主・フリーランスの場合確定申告により仕事での収入から必要経費を差し引いた所得に対する課税額が、源泉分を下回れば差額分は還付されます。

噺家たちも申告期限の3月半ばが近づくとねじり鉢巻きでレシートの束を繰りながら、必死の形相で電卓を叩くのが季節の風物詩。
今年は早い時期から申告期限の延長が決まって先送りしていたのを、私もそろそろと重い腰を上げたのです。

噺家の確定申告でありがちなのが、必要経費の中で

接待交際費
これを過大計上したり、不明朗な申告をすること。

仕事と直接関係ない、仲間と居酒屋で飲んだだけの店のレシートを、
これは芸論を戦わせ、互いをたかめるために必要な飲食代である
と交際費に紛れこませたりするやつですね。

あまり乱暴なことをすると、もちろん、お咎めを受けます。

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恥ずかしながら私も悪気はなかったんですが知識がなくて、やたら接待交際費の割合を高くし過ぎた年がありました。
地元の税務署へ、過去3年分の領収書持参で出頭。

首うなだれる私の目の前で2時間近くかけてレシートの山を精査した税務署員の方、
「あまりにも接待交際費の管理が杜撰すぎますね。過去へさかのぼって『上様』と記載の領収書は、全て経費の対象外とします！」
厳しいお言葉とともに、けっこうな額の追徴金を私に申し渡したのでありました…。

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この話を楽屋でしたら皆から「そうかいそりゃ災難だったな。まぁいい薬だと思ってこれから『上様』の領収書には気をつけな」と言われましたが、実は噺家の中でたった一人、胸を張ってそのレシートを使える人がいるのです。

当代・桂藤兵衛。

落語協会ホームページでお確かめください。
藤兵衛師の本名は
上弘明（うえ　ひろあき）。

人一倍まじめな方ですからそんなことはないでしょうが、なんかの間違いで税務署に呼び出されたら…。

なんて場面思い浮かべて、少しでもクスリとしていただけましたら。

落語の笑いは、脳を活性化・免疫力アップ。
明るい前向きな話題をお届けできるよう、私も適度な運動と仲間との電話などで引きこもりボケに対処してまいります。

よろしければまた覗いてやってください。
お待ち申し上げております。

入船亭扇治

タグ：物忘れ　認知症　落語　対処法