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読者の皆様が、弱小ブログを育ててくれる [日々雑感]


4月14日からお客様のご投句を募っておりました江戸言葉遊び『web版言の葉落語会』、26日23時59分をもって応募は締切。

まだの方、前記事をご確認のうえ

zappitouku@gmail.com
までご投句ください。


でも、もちろんこれで終わりではありません。
4月27日からは
ネクストステージ
へと突入!


句を投じて下さった方もそうでない人も、一緒に噺家とwebで遊べるネット雑俳。
これからもみんなでワイワイ、賑やかに行きましょう!


仕事キャンセルで、揺らぐアイデンティティ


デジタルやネットは人並みに使えるつもりですが、とにかく私は人見知り。
けっこう早く作ったSNSのアカウントも、まるでほったらかし。


デザイナーの管理人さんが運営してくれている『扇治の道も一歩から』というブログも、私が記事を提供しないので5年くらいただの倉庫と化したまま。


webで広く告知しないから勉強会のお客さんがじり貧で減っていき、そうすると会をやるのが怖いので開催自体控えてしまう。

ネット上に情報がないので、落語ファンからどんどん忘れ去られる。


この数年、この繰り返しでした。
自分の勉強・営業努力不足でしょうがないんですが、寄席の出番もぐっと減りましたしね。


でも地方の落語会や学校公演・図書館寄席など脇の仕事はあるんで、まあなんとか家族ともども食べていくことはできます。


あとから威勢のいい若手が次々に出てきては、自分を追い越していく。

私も人生折り返しを過ぎたことでもあり、まぁこれでもいいんじゃないのと噺家としてかなりアイドル運転の日々でした。


そこへ降ってわいた、新型ウイルスの脅威。
最初は中国の対岸の火事と思っていたのが、あれよあれよという間に日本上陸。


2月に入ってから次第に世間も騒然となり、各仕事先から続々中止・延期の連絡が入るように。
ほとんど真っ黒真っ白な手帳の数少ない予定を[×]で消しながら、呑気な私もさすがに

これは尋常ではない

ことに気づき始めたのです。遅いよ。


2月下旬、近々に公立校の休校要請が出るだろうという頃、最後に残っていた学校寄席がなくなりました。
開店休業。失業。無職。


これからの先行き、真剣に悩みました。
幸いこれまで『片棒』の旦那ほどではありませんが、爪の先に火を灯すようにしてきた蓄えがいくらかある。
贅沢しなければ家族4人と猫、しばらくは食いつなぐことはできます。


しかし暮らしの不安もですがそれ以上に


いきなり足元にぽっかり真っ黒な穴が開いたような
肩口を冷たい風が吹き抜けていくような


寄る辺のない恐怖を感じたのは、
「高座がない間、オレは何して毎日過ごせばいいんだろう」。


噺家が喋りたくても喋れない。
「なくても無くてもいい商売」と周りも当人も認める商売ですが、拙い芸でも私の落語を聴いてくださるお客様は僅かですがいらっしゃる。

唯一の生きていくよすが・噺家のしての存在意義を失って
迷い道くねくね~
というお手上げ状態。


でも、仲間みんなが同じ境遇。
ひとり腐っててもしょうがない。
いざ世の中が平常運転になった時再スタートダッシュに出遅れないよう稽古に励み、今まで怠けていた自分からの積極的な発信を再開しよう!


まず休眠状態のTwitterにつぶやかせるところから始まり、続いて幼な子のつかまり立ちのようにおぼつかない足取りで新しいブログを開設する作業に入りました。

初めは、開店休業


数ある無料ブログサービスから、どれを選ぶか。
長い目で見れば「Word Press」なのでしょうが、サーバーを自分で用意するのがちょっとかったるい。


同じサービスでブログをやってる方が読みにきてくれるから、アメブロやFC2・はてなブログが初心者にはいいかな。
比較検討の結果、接続会員だとお得に使えるso-netの「SSブログ」に決定。


アカウントをとりスタイルシートとレイアウトを決めカバーも作り、パソコンに向かってさぁまずはひと記事書き上げよう!
最初はhtml編集ではなく初心者向けのテキストモードで書き始めましたから、何度もプレビューでイラストの位置など確認しながらなんとか記事らしきものをでっちあげました。


これで自分もブロガーの仲間入り!と初記事をアップした瞬間はアドレナリン全開でしたが、すぐに
プシュぅう~
穴のあいた風船のように意気消沈することになったのは、


誰も来てくれない。


まぁ開設したばかりの、弱小噺家のブログ。世間様は誰もその存在を知らないんだから当たり前なんだと頭でわかっていても、寂しいもんですよ。


なまじブログの管理ページで読者の訪問・閲覧状況が簡単にわかるので、なお精神衛生上よくない。


恥ずかしながら、その頃のアクセス解析画面がこちら。


アクセス解析こまち.png

失礼な。

株や投資・ファッションやコスメなどに特化したブログのほかは、日記雑記系の記事は最初こんなもんなんだよ。

こまちや、お前さんだってうちへ来たばかりの頃はずーっとちっちゃかったろ?

こまち座椅子1.png

こまち座椅子2.png

『巨人の星』状態から、少しずつ改善


こまちに言い聞かせてはみたものの、やはり自分としては一生懸命支度して待っているのにほとんど誰も来てくれないってのは胸にこたえる。


解析画面の日付のうち、3月10日の閲覧20はほとんど自分が画面プレビューのためアクセスしたもの。
12日は大学の先輩に泣きついたら複数ページまとめて読んでくれたので閲覧数こそ50近くありますが、訪問者8


店を開けてても、1日8人しか来てくれない。
しかもその8人中、2人か3人ずつは私自身(違うデバイスでアクセスしたので)とGoogleの検索エンジンからの巡回いわゆるBOTというプログラムのはず。


頼み込んだ知り合いと自分と、AIしか見に来てくれない私のブログ。
あまりにも不憫。
その時私の頭に浮かんだのは、あの有名なテレビアニメ『巨人の星』第92話「折り合わぬ契約」の回。


テレビの「懐かしのアニメ名場面一挙公開!なんて特番では必ずといっていいほど取り上げられるエピソード。




志半ばでプロ球界を去らざるを得なかった父から野球ひと筋の英才教育を受け、読売ジャイアンツに入団した天才投手・星飛雄馬。
魔球「大リーグボール」を駆使し、若くして一流選手の仲間入り。

ある日敵チームの外国人選手から言われた
「お前は俺と同じ、人間じゃない。野球のことしか知らない、感情のないロボットだ」
との言葉に反発。


自らを人間だと証明するため、これまでやったことがなかったゴーゴーバー(!)に行って遊んだりテレビ出演ではじけてみたりする飛雄馬。


その一環として、自分が主催するクリスマスパーティーを企画。
寮の自室にツリーを据え、、壁をモールで飾りケーキも用意。チームメイトや知り合いに招待状を出してさあ、あとはみなが来るのを待つばかり…、だったのだが。


結果は、


誰も来ない。


チームの仲間は、態度が激変した飛雄馬に反発して。


ライバルの左門豊作と花形満は、
「お互いグラウンドでの勝負。馴れ合いはせん!」
と断り。


ま、そりゃそうだろうな。
てか、なんで敵までよぶんだよ。


最後の頼みの綱、実の姉明子からも
ザンネン ユケヌ
の電報(!!)
が届く。

せっかく準備して待っていたのに!


うおぉおおおおーーーーっ!


とマウンドに立った時以上に激昂した飛雄馬が次にとった行動は…?




未見の方へのネタばれになりますから、ここまでにしときます。
スマホで「『巨人の星』」「ク」…と打ち込むだけで
『巨人の星』 クリスマス
と検索候補がずらり出てくるくらい有名な回でもあるんで、先が気になる方は調べてみてください。


さてその『巨人の星』クリスマス状態だった私のブログが最初に動いたのは、3月28日。
3月27日池袋演芸場で予定していた『入船亭一門会』を、状況に鑑みて前日に中止。


楽しみにしてくださっていたお客様に何とかご挨拶できないかと考えた




の記事。
仲間がボイスメッセージを快く提供・自分たちのSNS等で告知してくれたたおかげで、28日のアクセスは


訪問者数363 閲覧数764


私にとっては、異次元の数字。


すまん、飛雄馬!

先に行かせてもらうぞ!!


人からもらった音源でのプチバズり、他人の褌で相撲と言えばそれまでですが…。


寄席の休みが決まり落語会も次々と中止・延期になっていく中、
「噺家さんたちの元気な声が聴けて良かった」
とのお客様からの反応を数多くいただきました。


呑気な雑記帳ではありますが、少しでも読者の方々に来ていただき喜んでもらえるブログ上の「企画」を考えるのも噺家として一つのやり方ではないか。

そう思い立ち上げた『web版言の葉落語会』。


こちらも幸い、仲間の協力のもと多くの皆様に興味を持っていただけたようです。

こまちや、もう一度アクセス解析見てごらん。


アクセスに押されるこまち.png


ブログランキングサイト「にほんブログ村」での順位もちょいとご披露。

にほんブログ村アクセスランキング.png

お客様方に、ただただ感謝。

さらご協力いただける方、よろしければお帰りの際脇のバナーをちょこっと押してってやってください。


この先も、ぜひご一緒に


この記事を書いている最中にも、お客様からの投句が続々届いております。
できるだけ早めにとりまとめ、ネット雑俳は26日からの次なるお楽しみへと進化します。


引き続き、私どもとご一緒に遊んでいただけませんか?

また、雑俳企画と並行して


猫の可愛い・笑える写真やイラスト
日常のちょっといい話


噺家ならではの切り口でお届けできるよう、工夫を凝らしてまいります。

これをご縁に、今後ともよろしくお願い申し上げます。


お開きまでお付き合いいただきまして、まことにありがとうございます。
またのご訪問、お待ちいたしております。


入船亭扇治



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