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テレワーク・外出自粛での「話し力不足」を、口角上げと腹式呼吸で解消! [日々雑感]


気づかぬうちに、喋り方が猫背に

「最近人と会うことが減って、なんだか喋るのが億劫だな」「電話やインカム越しに話してばっかりで、前と口調が変わってきた」

そうお思いの方、いらっしゃいませんか。


自身も含め、周りにそういう人が増えたなと私は感じています。
「密集」「密閉」「密接」を避け
・仕事をテレワークでしている方。
・国や自治体から要請に従い、不要不急の外出を極力控えている方。
・友人との繋がりは当面メール・LINE・SNSなどを主としている方。


新型コロナウイルス感染拡大防止に積極的に協力している=他人との直接対話機会が減っている人ほど、この喋りづらさと口調の変化を感じているようです。
社会的な閉塞感・抑圧感から来る精神的な疲れもあるのでしょう。

喋り方が猫背になっている。

本意気の会話を忘れている


それを解消するには簡単。

口角を上げ、
腹式呼吸を意識する。 
この2点をまず実践しましょう。
こま頭角.jpg


会話は人と人との間の、言葉のキャッチボールとよく言われます。 だから自分で一方的に喋るのではなく、相手のペースにも合わせなさいと。
Skypeやハングアウトでのチャット・電話での会話は、生身の相手が目の前にいないので長く続けば続けるほどつい喋り方が自分の楽なペースになっていきがちです。

初めは気をつけていても次第に相手のことをあまり考慮しなくなり
唇の先の方だけ動かして
あまり息を吐かないで
喋るようになる。

業界の言葉でいう
「本意気(本息・本域とも。歌手・役者などが稽古・テストで本番通りの発声をすること)」
で会話できていないのですね。

会話が素人に
私もそうです。
3月27日に開催予定だった会を中止にしたお詫びに、出演者からのボイスメッセージを当ブログにて公開。 私は
外出自粛で落語ロスのあなたに、噺家がwebからご挨拶!~千穐楽~
の記事にてお喋りしております。

家族が寝静まった深夜ダイニングキッチンで録音した音源をチェックして愕然としたのは、
「これ…口調が素人になってる!」。

仕事が全キャンセル、寄席の出番もしばらく先までありません。 芸がなまらないように家で稽古はしていますが、昔から先輩が言う
口から息をしているお客さんの前で喋らないと、噺はうまくならない
との教えを実感しました。


私と同じように、この1ヶ月あまり他人とじかに会う機会が減って無意識のうちに「会話の素人」になりつつある人、けっこう多いと思います。
口角筋とは?
そもそも母音をはっきりさせる欧米の言葉に比べて、日本語は顏の筋肉をあまり使わなくても発音できるのだとか。

ひと口に「表情筋」と言いますが、顔面の筋肉の中で言葉を操るのに関与するのは
・頬筋:頬を歯に押し付ける。
・口角挙筋:口の両端を引き上げる。一般に「口角筋」と呼ぶのはこの筋肉のこと。
・広頚筋:口の両端を引き下げる。
・口輪筋:唇を開閉させる。
おもにこの4つ。

江戸っ子は、他の筋肉はあまり使わず口輪筋と舌だけで喋るので早口で巻き舌になるのだそうです。 私のような地方出身の噺家からすると江戸弁は憧れですが、ほとんど口先しか動かさないので口元の表情に乏しい。
「江戸のお方は、なんであないにのべつ喧嘩しとるような喋り方しはるんやろな」 上方の旅人が不思議がる場面が、落語『祇園会』にありますね。

ウイルスとの先の長い闘いに、外出もままならない。 精神的に落ち込みがちな今だからこそ、グーッと口角を引き上げて明るい発声を心がけてみられてはいかがでしょう。

よろしければ今すぐエクササイズ

口角を上げるトレーニング法などは本でもweb上でも星の数ほど見つけることができますが、よろしければ今からご一緒にやってみませんか?


まずはイーっと口の両端をこれ以上できないくらい横に引っ張っておきます。次に下あごを引きながら口角を目の方へグーっと持ち上げていく。

ご一緒に、恥ずかしがらないで。口をはっきり三日月に「」の発声の形にしてください。 できましたか?では両手で脇腹を支えながらたーくさん息を吸い込んでいきましょう。お腹が膨れていくのがわかるように、肺の奥までしっかりと。

もう入らないというところまで吸い込んだら、添えた手で少しずつ押し出すようにしながら 「え~~~~~~」 続くところまで声を乗せて息を吐き出しましょう!

ハイ、お疲れ様です! これで口角が上がった発音・お腹の中からの発声はOK。
あとは普段の会話の中で、いちばん口角が上がった「え」の発音状態を折りにふれて思い出しながら喋るのを心がけていただければいいのです。

心がけると言っても別に難しく考えていただく必要はありません。
今までより、少しだけ意識してゆっくり喋る
ようにすれば、自然と口元がはっきり開いてきます。
1音1音、ひとりでに口先だけでなく息に乗せる呼吸法がわかってきます。
そのためにおすすめしたいのが、一度ご自分の声を録音して聴いてみること。 

皆様、最後に録音したご自身の声お聴きになったのいつですか? 歌や演技がお仕事か趣味・講演で食べているという方などでなければ、聴く機会はないと思います。 自分で知っているのとまるで違った声に聴こえて、気恥ずかしいですからね。 
私も稽古のため録った音を聴くたびもう穴があったら入りたくて身もだえしますが、定期的に年々変化する自分の口調をチェックしておくのはとても重要。

口角引き上げ隊!
精神科医やカウンセラーの方々がコロナ疲れの解消策の一つとして 
意識して口角を上げてお腹の底から笑い、
自分で自分を明るい気持ちに持っていく
ことを推奨しています。

同じやり方を会話の中で実践していただくと、自分だけでなく相手・周りも前向きに。
感染拡大が終息に向かうまでは、もちろん相手の方と充分距離をとって。

 
このご時世だからこそ皆様、言葉の背中をしっかり伸ばして口元を明るく引き上げる。 押井守監督の大ヒットアニメ『攻殻機動隊』ならぬ
「口角引き上げ隊」
に、ぜひご参加くださいませ。

家の中ならともかく、今表じゃたいがいマスクしてるからやりづらいという方いらっしゃるかもしれせん。

でもできるだけ、そういう気持ちを持ち続けたい。

口元を覆っていても、心にマスクはしたくないですから。


おしまいまでご拝読いただきまして、まことにありがとうございます。
入船亭扇治

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