新型コロナウイルスワクチン、2回目接種体験記~しっかり備えて、副反応に対処しよう~ [日々雑感]
「裏をかえす(裏がかえる)」。
昔の花柳界用語で、お客が二度目に同じ花魁と遊ぶことをこう言います。
これから女性とどんどん深い仲になっていく、本来男からすると胸がワクワクする言葉なのでしょうが…。
同じ”裏をかえす”と言っても痛い注射を二度打つのは、できたら願い下げにしてもらいたいもの。
複雑な想いの、
二度目接種
二度目接種
☆自治体対応よりひと足早く、文化庁の「職域接種」を受けてみました!~世界で一番呑気な、新型コロナワクチン体験記~では、新型コロナウイルスワクチンの職域接種を受けた体験を綴りました。
第1回目のその時は思いのほか予約がスムーズに取れた嬉しさもあり、ブログのネタになるなと好天のもとピクニック気分で出かけた私。
しかしそれから約1か月後・2回目接種を控えた私の心境は、複雑に揺れ動くことに。
国が副反応で亡くなられた方への救済措置を決めたのに伴い、ワクチンへの疑念や反対意見が新聞やテレビ・ネットで今まで以上に多く目に入るようになってきましたから。
(後半二つは冗談ですが)こういった副反応のリスクについて警告するコメントやニュースに接する機会が増えるに従い、私の中でもワクチンへの抵抗感がだんだん強くなっていきます。
第2回目接種前々日には、真剣にキャンセルも考えたほどだったのですが…。
もう一度色んな情報を整理して熟考した結果、ここは予定通り接種を受けることにしました。
9月16日午前、再び六本木の国立新美術館へ向けて出発。 私の複雑な心境を映したかのように、当日の空は曇りがち。
前回より、人が少ない!
10時30分、美術館に到着。
入り口には、10月から始まる企画展『庵野秀明展』の大きな看板。
大好きな『新世紀エヴァンゲリオン』監督の名前を見て、私の脳裏に鳴り響く「ヤシマ作戦」の緊迫したBGM。
大好きな『新世紀エヴァンゲリオン』監督の名前を見て、私の脳裏に鳴り響く「ヤシマ作戦」の緊迫したBGM。
使徒との決戦を控えた碇シンジ君のような気持ちで、美術館3階の接種会場を目指します。
1階ロビーへ入った時から、前回接種時8月19日と様子が違うのに気づきました。
接種会場へ向かう人の数が、かなり少ない。
原則として接種予約は1回目と2回目がセットになっているので、前回より人が増えるということはないわけですが…。
午前中の予約で来場している人数、ざっと見たところ8月19日の半数くらいの感じ。
(まぁひと月近く間が開けば、予定が変わる人もいるだろうから)自分に言い聞かせても、副反応を警戒して2回目辞退した人が多いのかとまた不安になってきます。
「怖いと思うと棕櫚箒が鬼」のたとえ、そういう気持ちで見ると誰も乗っていない長~いエスカレーターがなんとなく恐ろしい。 こまちは呑気でいいなぁ。
じゃあ人がいないんだから、特別にここで遊ばせてもらいな。
接種会場内も
ほぼ待ち時間ゼロ
ほぼ待ち時間ゼロ
エスカレーターを上りきった3階から吹き抜けになっている下のロビーを眺めると、やはり人影はまばら。
なんだか心細い気持ちになります。
この間は10人以上の人が座って待っていた喫茶レストランコーナーにも、今日は誰もいません。
これではちょっと寂しいので、景気づけにここでもこまちに遊ばせてやるとしましょう。
「11時ご予約の方、お進みください」係の人の案内で受付に行くと、前回のような行列一切無し。 これこれこまち、そんなとこくぐると首がオゲっとなるよ。
待ち時間ゼロで接種ブースへ直行、チクっと注射されてハイおしまい。
15分の待機時間を過ごすスペースも、前より空いています。
待っている間係の人たちが「水分をたっぷり摂ってください」と声をかけて回っているのは、前回には見られなかった光景。
ワクチンの副反応は2回目の方が激しいそうですから、そのための注意喚起なのでしょうか。
やられた!
2回目の副反応
2回目の副反応
どんな副反応が出るかとビクビクしながら帰宅しましたが、帰り道はまるでそれらしい兆候無し。
前回接種時は注射を打った直後から腕の痺れをおぼえましたが、今回は違和感ないまま午後を過ごします。
これは大丈夫かなと思っていたら、夕方からだんだん左上腕部に腫れと痛みが出て来ました。
痛みは前回より突き刺すように鋭く、就寝時には左を下にできないほど。
痛みは前回より突き刺すように鋭く、就寝時には左を下にできないほど。
それでも係の方の「今日は過度な飲酒は避けてください」の注意をきちんと守り適度に摂取したアルコール成分の効能で、いつしか痛みを忘れて眠りに落ちたのですが…。
明け方こまちにご飯を催促され、寝ぼけ眼で床を出た瞬間。 激しい悪寒に、歯の根が合わないほど身体が震え出しました。
額に手をやると、燃えるように熱い。
噂に聞く2回目接種の副反応が、私にも出たのです!
体温計で計ったら、なんと38.5度。
平熱が35度代後半~36度前半の私にとって、危険水域の高熱。
ガタガタ震えながらなんとかこまちの面倒を見て、そのあと急いで女房が用意してくれていた解熱剤を服用。
倒れ込むように布団に戻ると、薬の効果が出るのを待ちます。
備えあれば
副反応も憂い無し
副反応も憂い無し
普段あまりこの手の薬飲まない分、身体によく薬効成分が回るのでしょうか。
寝直してすぐに、あんなに激しかった悪寒がスーッとおさまり。それに伴って身体の芯にある熱の塊が、徐々に小さくなっていくのもわかります。
大事をとって午前10時過ぎまで寝坊させてもらったら、すっかり熱は下がり身体も通常営業に戻りました。
いやーいきなりの発熱には驚きましたが、これもいい経験。
いやーいきなりの発熱には驚きましたが、これもいい経験。
もし仮に3回目のワクチン接種機会があったとしても、平常心で注射と「馴染み」になれそうです。
これから1回目・2回目の接種を受けられる皆様。
平均して2回目の方が強い副反応が出ることが多いようですが、健康体の方は備えがあれば何も慌てることはありません。
接種後は水分をたっぷり補給し、頭痛・発熱等の症状が出たら無理に辛抱しないで鎮痛・解熱剤を服用しましょう。
こまちは看病してくれながら、自分で食べちゃいそうですけどね。
お開きまでお付き合いいただきまして、まことにありがとうございます。ぜひまた、ご訪問くださいませ。
入船亭扇治拝
入船亭扇治拝
タグ:猫 イラスト
なかなか変わらない「月次支援金ステータス」対処法〜待ちと攻めを使い分けて給付を勝ち取れ!~ [お役立ち情報]
赤いグローブとトランクス姿も勇ましく、タイトル戦のリングに立つ黒猫こまち。
挑むはあの強敵、「月次支援金」!
※支援金申請後まるで音沙汰がなくてお困りの方に、当記事が少しでもご参考になれば。
※新作イラストも何点かありますから、「関係ないよ」という方もざっとご覧いただけたら嬉しいです!
月次支援金対応は
長期戦と覚悟
長期戦と覚悟
2021年4月以降の月間売上が、昨年か一昨年に比べ50%以上減少した中小企業法人・個人事業者の救済措置「月次支援金」。
私は7月初めに3か月分をまとめて申請・5月6月分は1か月弱で振り込まれましたが、4月分は不備があり再申請することに。
その間の経緯は、☆青色申告個人事業者なら「青白」柔軟な申請が可能!~押さえておきたい「月次支援金」の重要ポイント~に書いております。
8月16日に再度新規申請してから、4週間が過ぎても支援金マイページのステータスは「申請内容確認中」のまま変わらず。
4月分1回目の時も不備連絡があったのは申請してから36日後だったので、現在の月次支援金事務局の対応は時間がかかる場合が多いようです。
ある程度の増員はなされているかもしれませんが、そのマンパワーで対応できる作業量の限界が「月次は一時より遅い」要因の一つかもしれません。
中には2か月近く放置というケースもあるそうですので、私のように「けっこう待たされてんだけど、どうなってんの?!」という方。
まずは落ち着いて、1ヶ月を目安にもう少し様子を見られてはいかがでしょうか。
まずは落ち着いて、1ヶ月を目安にもう少し様子を見られてはいかがでしょうか。
ただその前に支援金事務局コールセンターにダメもとで問い合わせてみることも、まだでしたら絶対一度はおやりになった方がいいです。
"不備グループ"に入れられて、後回し の可能性もありますので。
今回の私がズバリ、そのケースでした。
問い合わせから
1時間後に変化が
1時間後に変化が
そろそろ7月と8月分の申請をしたいのですが、4月分が宙ぶらりんのままではスッキリしない。
そこで9月15日午後一で、コールセンターに電話。混んでいる時は5分ほど待たされることもありますが、この時はすぐつながりました。
そこでオペレーターの方に
以上を苦情でなくお願いという形で、言葉を荒らげることなく説明しました。
以上を苦情でなくお願いという形で、言葉を荒らげることなく説明しました。
「ご心配おかけして申し訳ございません。それでは上の者に申し伝えます」という担当の方のお返事に礼を言い、電話を切ってから1時間もしないうちに。
事務局から
メールが届きました!
メールが届きました!
打てば響くとは、まさにこのこと。
ちょうど向こうが連絡してくるタイミングと、私の電話がたまたま一致したという可能性もゼロではありませんが…。
ここは問い合わせがあったので事務局が確認した結果だと考える方が、より自然というものでしょう。
1か月以上待たされ痺れを切らして電話したら、「その翌日ステータスが変わった」体験談も少なからずネット上に見られますので。
心配だったらまずコールセンターへの問い合わせ、重ねておすすめする次第です。
気づかなかった
こちらのケアレスミス
こちらのケアレスミス
さて、事務局から指摘のあった今回の不備事項は…。
「取引先情報」として売り上げが発生した仕事先を2件記入しなくてはいけないのですが、その2019年1件目に何を勘違いしたのか私自身の芸名と住所を入れてしまったのです!
本名の私と芸名の自分の間に、商取引なんて成立しようもありません。
もしあったとしたら、落語『花見酒』のような究極の自給自足経済ということになるでしょうか。
本当に単純な記入ミス。自分がそんなことしていたの、今日までまるで気づきませんでした。
自分では意識していないこういったケアレスミスやデータのアップロードエラーのせいで審査が滞っていることもあるので、やはり問い合わせてみることは大切かと。
基本的に支援金は不当申請でなければ途中どう時間がかかっても、最終的には給付されるというのがこれまでの私の体験。
この記事がステータス変更をお待ちになっている間のストレス軽減に、少しでもお役にたてたなら幸いです。
お口直しに
名作漫画のひとコマを
名作漫画のひとコマを
ここまで支援金がらみの、所帯じみた話題で失礼いたしました。
それではおしまいに、あの名作漫画の抜粋で気持ちをリフレッシュしていただきましょう。
当ブログでは以前にも☆イラスト世界に遊ぶ猫が、あの名作漫画を連れて来る!などで取り上げている、佐々木倫子さんの『動物のお医者さん』。
今回ご紹介するのは、主人公ハムテル(西根公輝)がこんな感慨を抱くシーン。
気の強い祖母と母に押され、劣勢を強いられる男性軍(ハムテルと父)。
最後の局に入る前に、諦観に満ちた表情でこう思うハムテル。
※『動物のお医者さん』(白泉社刊)第5巻より抜粋。
最後の局に入る前に、諦観に満ちた表情でこう思うハムテル。
※『動物のお医者さん』(白泉社刊)第5巻より抜粋。
う~む、漫画のひとコマとは思えぬ深い言葉。
今回の月次支援金ミス 「取引先相手に、うっかり自分を指定してしまった」 からの連想で、思い出したこの名セリフ。
佐々木倫子さんの作品はどれもネーム(吹き出し)の間が良くて、何回読んでも飽きません。
今でも版を重ねている、
動物漫画の名作。
動物漫画の名作。
夜長に向かうこれからの季節、ご就寝前などにぜひ手に取られてみてはいかがでしょう。
お開きまでお付き合いいただきまして、まことにありがとうございます。ぜひまた、ご訪問くださいませ。
入船亭扇治拝
入船亭扇治拝
現代にもつながる、人間心理につけ込んだ巧妙な詐欺~古典短編ミステリ『放心家組合』~再読~ [お気に入り・おすすめ]
ごはんたいらげたばかりのお皿を横目に、すごい眼圧でこう言わんばかりに追加を催促するこまち。
食いしん坊猫の
ごはん催促術
ごはん催促術
猫いち倍食らい意地の張っているこまちは、隙あらばこうして「ごはんまだもらってない」ふりをしてあわよくばもう一食ありつこうとします。
冒頭画像は女房からもらった食事をこまちが済ませたところへ、私が表から帰ってきた時の様子。
おそらく、彼女の言い分としては
という論法のようです。
という論法のようです。
こちらも理詰めで説得しようとすると…。
今度は、落語『真田小僧』のこまっしゃくれた男の子みたいな要求を。
”前借りの先送り”で
思い出す古典ミステリ
思い出す古典ミステリ
『真田小僧』では今月のお小遣い使っちゃた子どもが、父親に来月分の前借りを頼むこんなやりとりが笑いを誘います。
私はこのくだりを自分で演じたり人のを聴くたび、あるイギリスのミステリ短編を思い出します。
タイトルは「放心家」=物忘れしやすい人が、大勢集まっているという意味ですね。
シャーロック・ホームズを意識したフランス人探偵・ヴァルモンを主人公とするシリーズ中の一編、これ一作で多くミステリファンの記憶に残っている作家です。
『真田小僧』と具体的な手法は違えど、作中の詐欺の手法がどこか似通ったニュアンスを感じさせる古き良き時代の英国ミステリ。
『放心家組合』あらすじ
スコットランドヤードの知人から、ロンドンの高級住宅地に住む紳士・サマトリーズが銀貨贋造団に関与している疑いがあると聞いた名探偵ヴァルモン。
警察とは独自の捜査の結果、そちらの件ではシロと判明するもやはりどこか胡散臭いサマトリーズ。
彼が毎日変装し身分を隠して通っていく骨董店が怪しいと目星をつけたヴァルモンは、サマトリーズが自宅でとっている多数の新聞に共通の奇妙な広告が載っていることに気づく。
という内容の広告。
末尾に書かれたパンフレット請求先は、サマトリーズが二重生活を送る骨董店。
ピンときたヴァルモンが偽名でそこへ手紙を出すと、パンフレット到着前に訪ねてきたのは稀覯本を何冊か携えた古書商。
古書蒐集道楽のヴァルモンは、飛び込みの古本屋に疑念をおぼえながらも高額な古書を一冊購入。その場で週単位の割賦契約を結ぶ。
翌日深夜サマトリーズの骨董店に潜入した名探偵が隠し部屋で発見した帳簿には、悪党たちの功名な詐欺の手口が記録されていた!
ここで、読者の皆様にご注意を。 次項は作品のメイントリックに触れていますので、ご了承のうえお進みください。
新鮮な気持ちで作品を味わいたいという方は、いったん当記事は閉じて実際に『放心家組合』お読みになることをお勧めします。
日本でも様々なアンソロジーに収録されていますが、現在でも版を重ねている『世界短編傑作集2(旧版では1)』江戸川乱歩・編(創元推理文庫)が入手しやすくておすすめ。
※リンクをクリックすると、Amazonの商品ページが開きます。
”放心”につけこむ
巧妙な詐欺
巧妙な詐欺
〈さて、詐欺師サマトリーズの企みとは?〉
骨董店に隠してある帳簿には、放心症治療パンフレットを請求した者の住所氏名とともにこんなことも記載されていました。
そうです。
サマトリーズ一味の狙いはパンフレット請求にかこつけて、物忘れしがちな人たちの名前と住所を収集。
サマトリーズ一味の狙いはパンフレット請求にかこつけて、物忘れしがちな人たちの名前と住所を収集。
そして購入者たちは1回ずつはわずかな金額を、長い間払い続けているうち…。
かなりの人数が、いつ割賦終了かを忘れてしまうのです!
かなりの人数が、いつ割賦終了かを忘れてしまうのです!
所定の額を払い終わってからも、延々と毎週訪れる取り立て人に何の疑念も抱かず支払いを続ける放心家たち。
藁にもすがる思いで新聞広告に反応するような、物忘れに悩む人々の弱みにつけ込む巧妙な詐欺。
真相を見抜いたヴァルモンですが、サマトリーズ一味の思わぬ反撃に遭い物語は皮肉な結末を迎えることに。
ラスト1行の台詞など、”奇妙な味わいのミステリ”と評価される所以ですね。
現代人も
”うっかり”に注意!
”うっかり”に注意!
そしてサマトリーズが考案したこの手法は、現代でも形を変えて生き続けています。
ひと頃携帯ショップで端末を購入すると、一定期間無料ですがすごく解除しづらい有料アプリを店側が勝手にインストールするのが問題になったことも。
そこまで強引ではなくても、ネット通販・キャッシュレス決済に慣れた現代人が陥りやすい”サブスクリプションなどでのうっかり”。
有料の動画・音楽配信サービスなどに初めて加入すると、何日間かの無料お試し期間が付いていることが多いですよね。
でも加入した時はちゃんと覚えてたはずのお試し期間終了日、ついうっかり忘れちゃうことも。
ちゃんと運営サイドからお知らせが来てるんですが、こちらの思い込みで気のつかないうち有料契約に移行してしまっていた…。
私自身、スポーツ配信の「DAZN」でやらかしてしまったことが。
楽しく便利なネットサービス、”うっかり課金”でがっかりしないよう気をつけて利用したいものですね。
お開きまでお付き合いいただきまして、まことにありがとうございます。ぜひまた、ご訪問くださいませ。 入船亭扇治拝
後発ながら使いやすくお得なデリバリーサービス『menu』ご紹介 [お気に入り・おすすめ]
おいしい物を温かいうちにお届けしようと、デリバリーバイク走らせる黒猫こまち。
注文した方のお宅に到着する前に、ストッカー内のピザは配達員のお腹におさまってしまいそう。
出前の定番
「今出ました」
「今出ました」
☆400年前から大人気、江戸のファストフード二種で触れました食事テイクアウト以上に、コロナ禍の日常で飛躍的に増えたデリバリー需要。
現在わが家では月に2~3回ほど、各種デリバリーサービスを利用。昔ではちょっと、考えられないペースです。
けっして豊かな方ではなかった私の幼少期、うちで「出前」というのをとってもらった記憶は数えるほどしかありません。
母親がきちんきちんと家計をやり繰りしておいしい食事作ってくれてますから、もちろん不満はありませんでしたが…。
テレビや漫画で見たことがある”家の外からご飯が届く”という体験、なんとなく憧れるもの。
何年かに一度お客さんの食事を頼む時、家族の分も一緒に出前をということになるとそれはもうワクワク…しましたが。
子ども心に一つ嫌だったのは、注文した物がなかなか届かなくて父親が不機嫌になること。
近所のそば屋とか寿司屋に頼んだのに1時間近くたっても持ってこないと、父が怖い顔で母に「電話で催促しなさい!」。
ハイハイとかけた電話に店の人が出て、「いやぁすいませんねー、ちょっと混んでて」詫びに続いての言葉は
そう、”今出たとこ”。
出前というサービス開闢以来、時代を超越して使われる飲食店・伝家の宝刀。
この言葉の凄いのは、
同時に与えられる点。
同時に与えられる点。
頼んだ方はこれを聴いて、こんな場面を想像するはず。
(ここまで待たされたけど、今店を出たんならもう届くだろう)。
ところが店の方では「配達する者が品物を持って、今店を出た」とは言っていません。
”何が、どう出た”のか、いろんなシチュエーションが考えられます。
もちろん、本当に出前が店を出発していることもあるのでしょうが…。
もちろん、本当に出前が店を出発していることもあるのでしょうが…。
それ以上に多いのが、これからやっと注文の品をこさえ始めるケース。この場合、食材が冷蔵庫から板場にやっと”出てきた”ところ。
あるいは食事は完成しているのに、店でたった一人バイクに乗れる店員が急に腹痛訴えて個室の住人に。
店主が気を揉んで待っていると、やっと中から水を流す音が。
店主が気を揉んで待っていると、やっと中から水を流す音が。
尾籠なたとえで恐縮ですがことほど左様に”今出ました”は、店側の様々な事情をカバーする魔法の言葉と言えるでしょう。
スマホ特化の
国産デリバリーアプリ
国産デリバリーアプリ
これまでは”ちょっとした贅沢”だった出前は、コロナ禍以降身近な「デリバリーサービス」として私たちの暮らしに浸透。
300~500円程度の配達料が加算されるか、店内より商品が若干割高になったりはしますが。
体調が良くないまたは疲れている・食事の支度と片づけ時間を節約したい時、人に一食分を作って運んできてもらえるのは本当にありがたいもの。
体調が良くないまたは疲れている・食事の支度と片づけ時間を節約したい時、人に一食分を作って運んできてもらえるのは本当にありがたいもの。
そんなデリバリー業界にあって急成長したのが、UberEats。
コロナ前は「海外のちょっとお高い、ネット外食宅配」という印象で、加盟店も『出前館』や『楽天ぐるなびデリバリー』ほど多くありませんでした。
しかし長く続く国民の自粛生活により増したデリバリー需要の流れに乗って、巷にはロゴ入りバッグを背に自転車で疾駆するUber配達員の姿が目立つように。
というタクシーの予約配車と同じシステム導入が、成功の一因と言えるでしょう。
そんなUberEatsなど先行のデリバリーサービスを研究、いいとこどりした後発のスマホアプリ『menu』。
私は最初アプリのロゴが似ているので(メルカリの系列かな)と思いましたが、まるっきり関係ない「menu株式会社」の運営。
親会社は、大ヒットソーシャルゲーム『ドラゴンエッグ』などを作った「レアゾン・ホールディングス」。
親会社は、大ヒットソーシャルゲーム『ドラゴンエッグ』などを作った「レアゾン・ホールディングス」。
外食・流通関連ではなくシステム開発業者がデリバリーに参入してきたというのも、今の時代を象徴しているような気がします。
ネット環境であればPCからも注文できる他サービスと異なり、スマートフォンからの利用に特化しているのも『menu』の特徴。
親しみやすい
『menu』使用感
『menu』使用感
後発なので顧客を開拓しようと、頻繁におトクなクーポン配信やキャンペーン展開中の『menu』。
わが家にも初回2000円offクーポンコードが記載されたDMハガキが来たので、試しにアプリをダウンロードしてみました。
「配達」タブを見ると、出前館やUberには加盟していないような近所のお店がけっこうあります。
IDとパスワードで専用アカウントを作る必要もなく、名前と住所・支払い方法を登録すれば即サービスの使用開始。
さっそく、以前何度も訪れたことがある中野新橋駅そばのインド料理店に注文。
さっそく、以前何度も訪れたことがある中野新橋駅そばのインド料理店に注文。
そこはかとなく”翻訳感”が漂うUberEatsアプリのUIに比べ、純国産らしく親しみやすい使用感だなという印象。
品物を選び支払いを済ませると、自動的にこの画面に遷移。
五段階に分けて、注文のステータスを表示。
UberEatsアプリでも配達状況の確認はできますが、操作にはひと手間必要。menuの方は自動的に表れるこの画面で、逐一「自分の頼んだ食事が、今どうなっているか」を見られる。
これならうちの父のように、なかなか来ない出前でイライラすることもありません。
元気なうちに一度、体験させてやりたかったな。
元気なうちに一度、体験させてやりたかったな。
この時の注文では「確認」と「受付」はほんの数秒でクリア、すぐ「準備」段階に。
「③調理中です…」
この表示を見ると
いろいろ想像して、待っている間もなんだか楽しみ。
この表示を見ると
いろいろ想像して、待っている間もなんだか楽しみ。
次第に接近する
配達員の姿に…
配達員の姿に…
調理が終わると、担当が決まった配達員の方がピックアップに。
担当者の名前と顔写真入り、これにも親近感と安心感を覚えます。
「体調」欄の◎が、心強いですね。
「安全運転で、お願いしますよ!」スマホに向かって、思わず声をかけたくなります。
そしていよいよ最終段階、配達員さんがこちらに向かって出発!
やがて私が見ている目の前でmenu画面の⑤到着が赤く点灯し、配達員の方から「今、着きました」のメッセージが届きます。
それとほとんど同時に、わが家のインターフォンが「ピンポーン!」。
玄関先に出て
熱々の品物を受け取って、食卓へと。
熱々の品物を受け取って、食卓へと。
…向かいながら、激しい既視感をおぼえる私。
menuで注文したものが、
なーんかどっかで、こういうの聞いたことがあるよなー。
なーんかどっかで、こういうの聞いたことがあるよなー。
つらつら考えて思い出したのが、こちら。
都市伝説怪談『メリーさんの電話』。
都市伝説怪談『メリーさんの電話』。
ああ、自分で思い出しといて怖くなってきちゃった。
サービスエリア拡大中
お得キャンペーンも随時
お得キャンペーンも随時
もちろん実際の配達員の方はメリーさんのように怖い存在ではなく、過去5回の利用とも皆さんとても感じのいい方でした。
先日笹塚にある中華料理店の料理を注文したら、持ってきてくれた配達員さんから丁寧なメッセージが。
ついつい機械的で無機質になりがちなネット注文で、こういう触れあいは一服の清涼剤。
そんなmenuサービス・デリバリーエリアは東京・大阪などはかなりの範囲をカバー、その他の地域も都市部を中心に順次広がっています。
こういったキャンペーンも、かなり頻繁に開催。
サービスエリア内にお住いの方、週末や休日など一度お試しになられてはいかがでしょう。
お腹も満足・けっこう話のネタにも、なると思いますよ!
※サービス開始2年を過ぎさらにパワーアップしたmenuについては、
で綴っております。
で綴っております。
お開きまでお付き合いいただきまして、まことにありがとうございます。ぜひまた、ご訪問くださいませ。
入船亭扇治拝
入船亭扇治拝
400年前から大人気、江戸のファストフード二種 [江戸のトリビア]
猫に大人気のハンバーガーチェーン『にゃんドナルド』で、テイクアウトのこまち。
江戸の街でも
ファストフード大繁盛
ファストフード大繁盛
新型コロナウイルス感染拡大防止のための外出自粛・飲食店のアルコール抜き時短営業の影響により、爆発的に増えた「テイクアウトできます」のお店。
フレンチの名店や行列のできるラーメン屋さんなど、これまでなら考えられなかったような店が持ち帰りを始めました。
そんな中でまた存在感を増しているのが、元々テイクアウトに力を入れていたハンバーガーショップ・牛丼屋さんといったファストフード店。
そして時代を遡った江戸時代・将軍様のお膝元であるわが国の百万人都市は、ファストフード産業が大繁盛の街でもありました。
なぜ江戸の街でそんなにお手軽外食が流行ったのか、大きな要因として次の三つが挙げられます。
匂いがたまらない!
江戸の一番人気
江戸の一番人気
数ある江戸のファストフードの中で、No.1人気を誇ったのは「天ぷら」。
南蛮渡来の揚げ物・のちにはお座敷での高級料理にも発展していきますが、日本に入って来た時はいたって安価な庶民の味覚でした。
串に刺した穴子・芝海老・こはだ・貝柱・するめ等、一本あたり四文(約80円)が相場。
『串カツ田中』さんのメニューと比べると、素材にもよりますが現代よりかなりお安い価格設定。
天ぷらが流行り出した頃は上方を中心とした油商人の組合が値段を高めに設定する”油カルテル”が強く、胡麻油は大変な高級品。
黎明期天ぷらは、安い獣脂で揚げるのが定番でした。
でもその素朴で刺激の強い油の風味が、かえって庶民の間では大人気に。
のおいしさご存知の方なら、おわかりいただけるでしょう。
街角の屋台で揚げている天ぷらの匂いは、小腹が空いた江戸っ子たちの食欲への訴求力MAX!
匂いの誘惑に耐え切れず、天ぷら屋台に首を突っ込む浪人者。
※鍬形恵斎『近世職人尽絵巻』東京国立博物館所蔵画像を、切り取り拡大して引用。
浪々の身とはいえ腰に二本たばさむ者が、往来で庶民の味にかぶりつくのは気がひけるのでしょう。
浪人、顔を手拭いで隠して食べています。
こちらは務めの合間せめてもの息抜き、持ち帰りして来た揚げ立て天ぷらを前にうっとりの遊女。 ※月岡芳年『風俗三十二相 むまそう』国会図書館デジタルコレクションより、加工して引用。
ひげを生やした食いしん坊お月さまが、空からよだれを垂らさんばかりに見つめています。
スピード重視の
江戸前寿司
江戸前寿司
手軽につまめる寿司も、江戸時代にはよく食べられた屋台の味。
というのが、江戸前寿司成立の歴史。
「早く作って、早く食べられる」。
製法と食事の形態が、究極までスピードアップされているんですね。
製法と食事の形態が、究極までスピードアップされているんですね。
目にも止まらぬ技で寿司を握り、自分で食べちゃう黒猫板前。
当時の江戸前握り寿司のお値段、車海老・白身・こはだ・まぐろ・のり巻き等は一貫四文。その頃は高価だった玉子焼きは十六文。
☆最新技術でコスト削減、リーズナブルな味を提供!コロナ下での衛生管理にも力を入れる、人気No.1の回転寿司チェーンでご紹介した回転寿司チェーン『スシロー』、郊外店の一番安い皿は二貫で110円。
江戸の寿司は一貫約80円、今より高かったのかというそうでもありません。
江戸東京博物館に当時の寿司屋台の模型が展示されており、それを見ると今の寿司よりひと回りからふた回り大きいのがわかります。
そんな食べでがある江戸のお寿司、深川安宅六間堀にあった超人気店『松の鮓』からお持ち帰りのお母さん。
※歌川国芳『縞揃女弁慶 安宅の松』東京国立博物館所蔵画像を、加工して引用。
お子さんが、「早くちょうだい!」、「はいはい、今とってあげますよ」とお母さん。
気をつけて、後ろから食いしん坊猫が狙っていますよ。
お開きまでお付き合いいただきまして、まことにありがとうございます。 ぜひまた、ご訪問くださいませ。
入船亭扇治拝
入船亭扇治拝