ひと月の電気代は、立ち食いそばより安い!~布団乾燥機で寒い冬も快適に~ [お気に入り・おすすめ]
上天気の一日、干してある布団を愛でる黒猫こまち。
今夜はお日様の匂いに包まれて、どんな夢を見るのでしょうか。
干した布団 喜ぶ猫
そうでもない猫
そうでもない猫
猫同居歴ではこまちがまだ二代目のわが家、それでも先代猫との歴然とした個性・好みの差は実感しています。
初めて一緒に暮らしたキジトラ女子「こにぼし(通称こに)」は、干した布団が大好き。
私が一枚ずつ取り込み、押し入れに片づける前に床へ積んでいく布団。すかさず、嬉しそうにその上に乗っかるこに。
「まだこのあと布団がくるから、全部積んだら一番上で寝てよ」頼んでも、聞く耳持たず。
とにかく取り込むはじから、布団の上を占拠。 しかたがないので後から取り込むたび、乗っかっているこにをどかして布団を積み上げていくことに。
まるで「逆だるま落とし」だねと、女房と顔見合わせて笑ったものです。
時には夏の暑い盛りでも、積んである布団の中に潜って寝ることも。
さすがにしばらくたつと、暑さででろ~んと伸びていますが。
そんな先代より、ずっと暑がりなこまち。暖かい寝床はもちろん好きですが、干した布団には今のところあまり執着しません。
屋外で干せない時には、
ふとん乾燥機の出番!
ふとん乾燥機の出番!
天気のよくない日や、私たちが外出がちで布団を表に干せない時。たいへんお世話になったのが、結婚祝いでいただいた布団乾燥機『ほすぞうくん』。
その丸っこい本体とノズルのフォルムから、「布団を干す象」という意味でつけられたネーミング。
梅雨時などこれを使っていると、やはり乾燥中の布団にこにが嬉しそうに乗って来たのを思い出します。
今ではノズルと本体部分をつなぐ金具が壊れてしまっているのですが、直接接合口に突っ込んでやればなんとか使えてはいる『ほすぞうくん』。
暖め方としては、ノズルの先にマットを付け温風で膨らますタイプ。
すぐそばでマットが音をたてて膨れ上がっても、いたって平常心のこまち。
取り回しに便利な、
マットなし乾燥機
マットなし乾燥機
問題なく使えていても、部分的に破損している年代もの。もし破損個所から発火でもしたら大変です。
また贅沢を言うようですが、加齢とともに人間いろいろと億劫になるもの。
最近「敷布団の上にマットを広げ、さらその上に掛布団」という作業が煩わしく感じられるように。
そこで1年半前に購入したのが、二代目布団乾燥機・アイリスオーヤマの『カラリエ ハイパワー FK-H1』。
マットを使わず、長く伸びるノズルで直接温風を送るタイプです。
ノズル収納時の大きさ、幅16.8cm×奥行15cm×高さ38cm。重量1.8kg。
靴乾燥用アタッチメント付属で2021年1月31日現在、たとえばAmazonでは12800円(税込)で販売されています。 私は楽天市場のセールで、もう少しお安く買えた記憶が。
以前は「マットなしは暖めの効率が良くない」と言われた時期もあるそうですが、今の機種はその点も改善されてマット式に遜色なし。
なんと言ってもマットがない分、本体だけでの取り回しが実に便利。
倅の寝床を暖めてすぐ、私と女房の部屋へ持ってきて使うのがまるで苦になりません。
便利な布団乾燥機
使用時の電気代は?
使用時の電気代は?
ゴォーっと力強い音をたてて、温風を吹き出す布団乾燥機。さぞや電気代がかかるだろうとお思いの方、多いのでは。
私も気になったので、ざっと計算してみました。
乾燥でなく冬場に布団を暖めるだけなら、20分の高温風運転でじゅうぶん。 そのための電気代、8.1円。
冷えた床に入った瞬間の「おお、寒さむっ!」が解消されて、1回10円でお釣りが来る。
わが家の布団専属の木下藤吉郎を、格安で一人雇っているようなもの。
去年の暮れにカラリエハイパワーの使用を始めてから、ほとんど毎晩就寝直前に私と女房の布団を同時に暖めています。
晩酌すませて、ポカっとあったかい床に就く幸せ! その幸福感の代価、ひと月250円。
立ち食いのかけそば以下の額で、寒い冬を快適に過ごせる。
今やわが家では、布団乾燥機なしの暮らしはちょっと考えられなくなりました。
人間年齢を重ねると、急な温度差が健康に障ることも。 快適な睡眠・心身の健康のため、一家に一台の布団乾燥機。
実際の使用体験から、自信をもっておすすめさせていただく次第です。
夏はそんなに使わないから、置き場所に困るんじゃないかとご心配の方。
最近の布団乾燥機は、本当に軽くてコンパクト。
おしまいに現在使用中のカラリエハイパワー、こまちとの大きさの対比をご覧ください。
本当はこまちのカメラ目線が欲しかったのですが、そこまでは協力してくれない共同執筆猫でした。
お開きまで
お付き合いいただきまして、
まことにありがとうございます。
お付き合いいただきまして、
まことにありがとうございます。
ぜひまた、ご訪問くださいませ。
入船亭扇治拝
入船亭扇治拝
「爪の先に灯をともす」から飛び出す、あのスーパーロボット! [江戸のトリビア]
陽当たりのいい縁側で、
ぱちぱち爪を切るこまち。
ぱちぱち爪を切るこまち。
「食べられるかな?」庭で食いしん坊スズメたちが狙ってますが、口に入れるのはよした方がいいでしょう。
猫の爪は鋭いから、うっかりするとまた「舌切り雀」になっちゃうよ。
爪を表すことわざ
と聞いて、私が真っ先に思い浮かべるのは
今のようにLED電球なんかないその昔、乏しい明かりのもとで無理して爪を切ると。
幼い頃にそう母親から教わり、今でも守り続けています。それでも父の臨終には立ち会えませんでしたが…。
「夜爪」と並んで人口に膾炙しているのが、
「爪の先に灯をともす」。
極端な倹約家、はっきり言えば「けちん坊」を表す言葉。
落語『片棒』『味噌蔵』などのマクラで、よくこのことわざを引用します。
冬の大作『富久』には、
「火元は、あののり屋のババァんちか…。あの婆さん、普段から爪の先ぃ灯ともすように銭ばっかしためやがって。その爪の先から火が出て、隣の俺のうちまで焼けちまった…」
主人公・幇間の一八が火事場を前に、呆然とつぶやくくだりが。
江戸時代から続く
「爪の先に灯を」
「爪の先に灯を」
あの有名な牛にまつわることわざの、真実に迫る!の記事を書く際参考にした、東京書籍刊『絵で楽しむ江戸のことわざ』(時田昌瑞・著)。
その中には、「しわん坊」=「爪の先に灯をともす」さまを描いた図版が掲載されています。
『新造図彙』の説明は、
『画本纂怪興』では
妖怪変化・魑魅魍魎を描いて大人気、江戸の水木しげる=河鍋暁斎もこんな絵で「爪の先に灯」を扱っています。
『絵で楽しむ江戸のことわざ』より転載
「爪の先に灯をともす」
そのいわれは?
そのいわれは?
人間の爪は皮膚の延長で、硬質ケラチン(なんだかかわいい名前)というたんぱく質でできているそうです。
髪と同じで、伸び過ぎたら邪魔で切らなくてはいけないもの。
昔は切った後の女性の髪は、かもじとして再利用されたりしました。
でも爪の方は、どう工夫しても使い道ないんですよね。 身体を離れたら、ただの老廃物。
しかしそれにも何らかの価値を見いだそうとするのが、折り紙つきのけちん坊。
『男はつらいよ』主題歌の文句、「目方で男が売れるなら こんな苦労もかけまいに」のように。
自分の身体髪膚、
すべてに値打ちがあるんだ!
すべてに値打ちがあるんだ!
爪もただ捨てちゃもったいない、なんかに使ってやろう。
そうだ燃やしてみたら、灯りや暖をとるのに役立つんじゃないか?
私は実際にやったことはありませんが、硬質ケラチンというのは普通の皮膚より火がつきにくいのだそうです。
無理に燃やしてみたら、
激しい悪臭が発生!
激しい悪臭が発生!
そんな苦労をしてまで爪の再利用を考える人は、本当のけちん坊。そこから、このことわざは言われるようになったとされています。
さらに突っ込んだ「爪の先に灯」語源として、日本語の語源.comさんがご自分のブログ記事で興味深い説を挙げてらっしゃいます。
ここでなぜか、
あのスーパーロボット登場!
あのスーパーロボット登場!
先に掲載した「爪の先に灯を灯す」絵を見ていたら、突然頭の中に響いて来たのが。
超合金の鎧をまとったスーパーロボット・マジンガーℤの必殺技の一つが、胸の放熱板から発射される摂氏3万度の熱線「ブレストファイヤー」。
発動の際、2枚の赤い胸板がじわじわっと赤みを帯びて来て。
「ブぅレぇストおおおおー、ファイヤああああー!!」の掛け声とともに、機械獣目がけ一直線に放たれる超熱線。
かっこいいなぁー。
スケールは違いますが、その発射シークエンスがなんとなくせっせと爪を燃やしているけちん坊の姿につながるような気がします。
これを聞いていた黒猫こまち、縁日で買ってもらったお面かぶって。
大空そびえる黒鉄の城・マジンガーになり切って、爪の先から本当に火を放ってご覧に入れましょう!
必殺技とことわざの、
意外な関係?
意外な関係?
ほかにマジンガーℤの必殺技では、
「ルストハリケーン」も有名。
「ルストハリケーン」も有名。
頭部口部分から噴射する、気化された超強力溶解液の突風。
この技も、日本のことわざに通じるところがあるのに気がつきました。
こじつけだとおっしゃいますか?
『マジンガーℤ』作者の永井豪先生は、『ハレンチ学園』などでわかるようにギャグのセンスが凄い人。ボキャブラリーも、大変に豊富な方。
ロボットの設定する時に、こういったことわざや文句が頭をよぎったのでは?そう想像するとなんだか楽しくなってきます。
ブレストファイヤーも、
なんてやり取りから、 産まれたのかも。
耳に馴染んだ言葉も、見かたを変えるとちょっと面白いネタになったり。
噺家ならではの視点で、いろんな言い回しを解釈して遊んでみる。 機会があれば、また別の言葉でやってみたいと思います。
その節は、
またご訪問くださいませ。
ご精読、
まことにありがとうございます。
入船亭扇治拝
またご訪問くださいませ。
ご精読、
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入船亭扇治拝
なかなかに奥が深い!お寺の「山」と「院」~『雑俳寒稽古』第二夜互選結果発表~ [web雑俳]
江戸言葉遊び・雑俳の兼題の一つ、「院山寺号」。
今回は令和3年1月開催『雑俳寒稽古』第二夜、その互選結果発表。
そもそも、
お寺の 「院」「山」とは?
お寺の 「院」「山」とは?
仏教が盛んになってきた頃の中国では、寺院が多く建立されました。 中には近接した立地に、同じ名のお寺がいくつも林立するなんてケースも。
お寺の名称は仏様の教えの中から、一つの言葉を頂戴してつけるもの。「安楽寺」とか「興福寺」とか。
ありがたくて音感・字づらがいい言葉は誰しも使いたいから、同名のお寺ができるのもうなずけます。
当時中国のお寺は人里離れた山中に建てられることが多かったので、同名の寺院は「○○山にある方の~寺」と呼んで区別した。
それが日本に取り入れられ、お寺自体の名称とは別の「山号」という呼び方になったとされています。
「比叡山延暦寺」「身延山久遠寺」のように、実際の山を冠したお寺。
そして 実際の山と関係ない立地のお寺は、「吉祥山永平寺」と仏教用語から山号をつけるところも。
お寺自体の立地や性質を表す山号に対して、後につけられるようになった「院」は”僧侶・寺院関係者の住む場所”の意。
浄土宗総本山・京都華頂山大谷寺の院号は、寺号より有名な「知恩院」。
噺家にも馴染み深い浅草の観音様は、「伝法院」という院号を持っています。
“御仏の法を伝える者たちが、集うところ”の意、お寺の「セールスポイント」アピールの一環とも言えるでしょう。
冒頭イラスト、修行僧猫こまちが佇むお寺。なんだかお腹が鳴りそうな山号寺号、こまちもつい煩悩に心が動いています。
雑俳「院山寺号」
詠む際の留意点
詠む際の留意点
院山寺号、雑俳でやるのは私今回初めて。宗匠・小ゑん師匠から、詠む際に気を配った方がいい点を教わりました。
本来、雑俳の兼題としては「山号寺号」。 落語『山号寺号』では、若旦那と幇間の一八がこの言葉遊びをやっています。
両者が拵えた山号寺号「お乳母(んば)さん子が大事」「時計屋さん今何時」とか、「○○さんと~じ」の組み合わせだけではバリエーションが限られがち。
言葉遊びとしての幅を広げるため、「△△いん」も入れるように変わって来たのだそうです。
私はてっきり「山・院・寺」が三つ揃った方が高評価に繋がるのかと思ったら、必ずしもそうとは言えないと小ゑん宗匠。
無理に全部詰め込んで冗漫な句になっては、本末転倒。
大切なのは句としてちゃんとまとまっており、「気の利いたこと言うね」という雑俳の肝を押さえているかどうかということ。
扇治拙吟ご披露
このあと互選発表ですが、その前にもう少しだけお付き合いください。
今回私が投じましたのは、以下の10句。
「衆院解散」は皆思いつくようで、かなりの数類句が出ていました。
詠んだ側としては「ただの世辞」と「陰陽師」が気に入っていた句、はたしてどなたかの選に引っかかるでしょうか?
扇治互選とコメント
それでは当日参加のお客様・噺家の選に先立ちまして、不肖私・扇仮名女(おうぎのかなめ)が採らせていただいた句を。
2006年、夏の甲子園決勝。
高校球史上に残る名勝負、 駒大苫小牧・田中将大 早稲田実業・斎藤佑樹 両エースの投げ合い。
気迫を前面に押し出し、どちらかというと泥臭いイメージのマー君に対して。
ピンチのマウンドで、ポケットから取り出したきれいなハンカチでそっと汗を拭う斎藤選手。
「まぁ、こんな時でも冷静で、礼儀正しいイケメンエース!」一気に世の好感度アップ。
大学進学を経て、複数球団競合の末ドラフト一位で日本ハムファイターズ入団。高校卒業後先にプロ入りしていた田中投手との、息詰まる投げ合いの再現が期待されましたが…。
残念ながら現時点では、押しも押されぬ大リーガーのマー君とは大きな差が生じてしまった、かつての「ハンカチ王子」。
自ら”背水の陣”の覚悟で臨むという、今シーズン。
科せられたプレッシャーも、新型コロナウイルスの脅威も。 胸のポケットにしまってある真っ白なハンカチで、きれいに拭いさってくれよ!
そんな斎藤投手への期待を込めて、採らせていただきました。
アニメファンの私としては、ぜひ抜かせていただきたかった句。
西崎義展プロヂューサーからの持ち込み企画だった『宇宙戦艦ヤマト』以上に、漫画家・松本零士が魂を打ち込んだ超銀河ライフワーク。
劇場版二作とも、公開初日に朝一番で岐阜まで観に行ったなぁ…。
夢のあるストーリー・緻密なメカと共にこの作品の大きな魅力は、主人公・星野鉄郎に付き添う謎めいた黒衣の美女メーテルの存在。
『男おいどん』の大山昇太・『宇宙海賊キャプテン・ハーロック』の主人公と並ぶ、松本ワールドの名キャラクターの一人。
今でも大きなコミケなどでは、リキの入ったメーテル姿のコスプレイヤーけっこう目にします。
なになに、こまちもメーテルになってみた?
う~ん、年下の主人公を優しく導く本家と違って。黒猫メーテルは、ずいぶん財布の紐が固いよう。
車内レストランでの食事も、おそらく割り勘でしょう。
あー、ここまで書いてきたら『999』観たくなってきた。 記事書き終わったら、さっそくAmazonPrimeで鑑賞しよう。
皆様にはよろしければ、『銀河鉄道999』の雰囲気を味わっていただけるYouTubeの視聴動画を。
・低画質ながらおいしいシーンを繋げた、ゴダイゴの『The Galaxy Express 999』(劇場版エンディング)。
・韓国の有志の方ご提供、テレビシリーズオープニング。
※この動画は、投稿者の方が他のサイトでの再生を無効に設定なさっています。YouTubeへのリンクが開かれますので、そちらから視聴できます。
※動画は2021年1月26日現在、掲載が確認されたものです。予告なく削除される場合がありますので、ご了承ください。
※ご投句いただいた作は「初産退院空に架かる虹」でしたが、ここは短い方がさらに締まって味わいも深くなるかと。
僭越ながらこちらで「斧(ふ)を入れる=句の手直し」させていただきました。ご了承ください。
いつの時代にも、新しい命が産まれて来なければ人類は先へ進めない。
この世に生を受けた赤ん坊の姿は、その精一杯の泣き声を含めて私たちに元気をくれます。
私もうちの子たちが誕生した時、見慣れた風景がアナログから4K映像にバージョンアップしたような高揚感をおぼえたもの。
しかし今は新型コロナウイルスの影響で、全てに窮屈な今の世の中。
そうでなくても大変な子育て、新しく子を授かる・育てることを、躊躇する方も多いのではないでしょうか。
そんな方たちへのエールを込めた句という解釈で、天に抜かせていただきました。
幼いわが子と一緒に聴いた、『おかあさんといっしょ』あの歌のフレーズも耳に蘇ります。
『虹のむこうに』
雨があがったよ
お日さまが出てきたよ
青い空のむこうには
虹がかかったよ
作詞:坂田修
寝坊な連中決死の早起き!噺家の正月風景 扇治独演会告知もあり!の記事に書きました、私にとって想い出深い噺の演目『二番煎じ』。
寒い晩の夜回りをすませ、番小屋に帰って来た町内の気の合った人たち。
炉を囲んであったまり、内緒で持ち込んだ酒と猪鍋で楽しくやっているところへ…。
見回り役人の、抜き打ち査察が入った!!
酒が入っている土瓶・表の戸を叩いた時の返答などについて、侍から問い質される世話役の月番さん。
すぐそばにいる宗助さんに「そのことについては、この人に聞いてください!」と、ついつい話を振ってしまう。
それくらい人が良くて、おそらく弁も立つであろう宗助さん。
もし浮気の口裏合わせ頼んだら…なんて発想が刺激され、色っぽさを感じる雲隠しに採らせていただく次第です。
その他の選者、互選結果
皆様の互選結果は、
『雑俳寒稽古 歌会始スピリッツ』フォルダ内
に置いてあります。
1月30日の『雑俳寒稽古』第三夜・兼題「立入川柳 魚の名」の投句一覧「地巻」も公開しておりますので、ぜひご覧ください。
そして30日17時30分から日本橋亭での第三夜、ご投句いただいてないお客様もよろしければ落語会をお楽しみにお出かけいただけましたら!
お申し込みは
ご来場、お待ち申し上げております。
第二次緊急事態宣言解除まで、落語と雑俳で明るく楽しく行きましょう!
お開きまでお付き合いいただきまして、
まことにありがとうございます。
ぜひまた、ご訪問くださいませ。
入船亭扇治拝
まことにありがとうございます。
ぜひまた、ご訪問くださいませ。
入船亭扇治拝
タグ:雑俳 落語
お賽銭も電子決済、いずれ「ご○○」もスマホで?/扇橋一門の懐かし写真もご披露 [落語情報]
初詣のお賽銭、
電子決済で。
電子決済で。
テレビやネットのニュースで取り上げられ、印象に残った令和3年のお正月風景の一つ。
えっ、「スマホがお賽銭?!」
冒頭イラストで、こまちが首をひねっているのも当然。
私たちだって、いきなり「今年からお賽銭は、スマホでお願いします」言われたら一瞬戸惑います。
とっさにこんなシーン頭に思い描いた方、けっこう多いのでは。
「神社やお寺の人たち、そんなにたくさんスマホ集まって来たら。電話やメールの着信があった時、うるさくて大変だろうな」。
真剣に心配しているこまちのために、「お父さんよく、スマホに入っているSuicaや~payアプリで買い物するだろ?それと同じだよ」。
イラストで説明してあげました。
こまち「納得!」
ご信心も、
キャッシュレス時代
キャッシュレス時代
東京五輪が開催されたら予想される、大勢の海外からの訪日客。
それに向けて安倍政権の頃から政府は、「買い物はキャッシュレス」でと電子決済普及策を推進。
交通系電子マネーやセブンイレブンのnanacoなどに始まり、今は本当に多くの電子決済方式がスマホ対応で手軽に使えるように。
私も登録したクレジットカードと共に、aupay・paypayなど複数を併用。今では硬貨やお札で支払いをするのは、週に一度あるかないか。
そんなキャッシュレス時代の波は、神信心の世界にも押し寄せています。
2014年に東京愛宕神社が初詣の混雑を緩和するため、楽天Edy・payでのお賽銭を受け付けたのが寺社での「電子決済」の先駆け。
参詣客どうしの密な接触を避け、不特定多数の人の手に触れるお金を極力使わないように。
新型コロナウイルス感染拡大防止のため、愛宕神社に続き電子お賽銭を取り入れる寺社はいくつか出てきましたが。
何と言ってもインパクトが強かったのは、京都東本願寺ホームページに掲載されているこの画像。
※東本願寺ホームページより抜粋
2020年10月より真宗大谷派総本山が、電子的にお賽銭の受け付け開始。
それ以前に江戸時代から続くトレンド神、お稲荷様人気の秘密に迫る!にも書きましたように、今やネット通販でお稲荷様一式が手に入るご時世。
神様仏様の世界も時代に応じて変わっていくんだなと、しみじみ感じます。
噺家が大好きな「あれ」も
いずれ…?
いずれ…?
本記事を書こうと思ったきっかけは、新春から、楽しく江戸言葉遊び!~『雑俳寒稽古』第一夜互選結果発表~でご紹介した雑俳の会での投句から。
「洒落附 正月・新年に関する物事一切」私の三才(天地人)には惜しくも入れられませんでしたが、佳作の最優秀「客の五」で採らせていただいたこの作品。
2021年の今だからこそ、ずばりタイムリーですよね。実際に、電子お賽銭のことでキキを付けている選者がいました。
私の方のキキは、
落語会の楽屋や、打ち上げの席で。お客様から頂戴する、紙にくるんだりポチ袋に入れた「お心遣い」。
古今東西、これが嫌いな噺家は一人もいません。
そんな、私どもにとっての、「懐と心のビタミン」=ご祝儀も。
時代の趨勢によっては、近い将来こんな形に変わっていくかもしれません。
忘年句会での、
懐かしい短冊
懐かしい短冊
「年始マネー」につけたキキからの連想で、さらに思い出したのが。
扇橋一門忘年句会で詠んだ、私の拙吟。
互選で弟弟子の扇辰師が、天に採って短冊に書いてくれました。
振り込みの
世も年玉は
手から手へ
世も年玉は
手から手へ
裏には、「平成14年(2002)12月29日」と日付が。
いつ見ても、扇辰師の字は味があっていいですね。まずい句も、三割がた引き立てられるようです。
今でも実践「手から手へ」
電子決済全盛の時代になっても、金額でなく心を包むお年玉。
これだけは、自分の手でしっかりと届けたいもの。
楽屋での前座・お囃子さんたちへのお年賀は、まとめて預けますが。家族の分は、ひと言添えてちゃんと手から手へ渡しました。
webおみくじで占う、令和3年あなたの運勢!で書きました、黒猫こまちにあげたお年玉。
こまちもよーく見ると、前脚で受け取ってくれています。
懐かしつながり、
前座時代の写真
前座時代の写真
人生も半ばを過ぎると、想い出に浸ることが増えてくるもの。
「年始マネー」→「電子お賽銭」→「忘年句会での一句」→「扇辰師」から、さらにさらに連想は過去へと遡り。
こんな写真を、タンスの奥から引っ張り出して眺めたりして。
前座時代、
師匠宅での大掃除風景。
師匠宅での大掃除風景。
扇辰師と二人で働いている最中に、師匠が「二人ともこっち向きな」と撮ってくれたもの。
寝坊な連中決死の早起き!噺家の正月風景 扇治独演会告知もあり!では、正月に一門揃った写真を掲載。
ご覧いただいた方から「えっ、右から~番目に写ってるの。~さんだったの!」驚かれたりしました。
二十年くらい前の画像ですからね…。みんなそれぞれ、様変わりして当たり前。
扇辰師ファンの皆様、この写真はいかがだったでしょうか。
そして二人で撮影してもらったあと、カメラを扇辰師に渡して「今度は扇べい(私の前座名)と一緒に撮ってくれ」ともう一枚パチリ。
弟子のそばで、いかにも「手伝ってるふりしてますよ」という表情の扇橋。
その時は正直、「う~ん、早く掃除すませて帰りたいのにー。師匠なに呑気に、写真なんか撮ってんだよ」思ったものですが…。
今はただ、
しみじみ懐かしい。
しみじみ懐かしい。
もっと、愛想のある顔しとけばよかったなぁ。
第二次緊急事態宣言で、またもらえた身辺整理の時間。
いい機会と前向きに考えて、こういった昔の写真なぞもおいおい発掘してご披露していきたいと思います。
その節はまた、
ご訪問くださいませ。
ご訪問くださいませ。
ご精読、
まことにありがとうございます。
入船亭扇治
まことにありがとうございます。
入船亭扇治
タグ:落語 猫 イラスト
新春から、楽しく江戸言葉遊び!~『雑俳寒稽古』第一夜互選結果発表~ [web雑俳]
噺家の世界では、節分まではまだまだ謹賀新年。
おめでたい楽しいことは、
長続きした方がいい。
長続きした方がいい。
黒猫こまちもあの言葉遊びを考えて、お正月気分を味わっていますよ。
『雑俳寒稽古』
第一夜無事お開き!
第一夜無事お開き!
粋で楽しいweb言葉遊びで、みんな一緒に素敵なお正月!で告知させていただいた、古今亭駒子師プロデュース公演『雑俳寒稽古~歌会始スピリッツ』。
お客様と噺家が一緒に、粋な江戸言葉遊びで盛り上がろうという企画。
今回は年明け早々、
3回連続での開催!
3回連続での開催!
令和3年1月16日にはその第1回、感染防止に細心の注意を払いつつ無事お開きに。私も、投句と互選で参加させてもらいました。
当日の兼題は、「洒落附 新年・正月に関する物事一切」。
高座とお客席が密を避けつつ一体化し、和気あいあいと進行した互選会「開き」。
その噺家とお客様の選を、総投句一覧「地巻」と共に以下で公開中。 1月23日の会での兼題「院山寺号」の地巻も、併せて置いてあります。
『雑俳寒稽古』リンク
※30日の「立入川柳 魚の名」の分は、駒子師より提供されたら追って掲載いたします。
※「軸」は互選の際、選者が新しく詠んだ句のこと。自分の句=「自句」と、巻物の巻末=軸にその句を書くことが洒落になっています。
よろしければ投句なさっていない皆様も、ご自分でお好きな句を選んで「バーチャル参加」していただけましたら。
余裕のある方は、元句を引き立てる七七の短句「キキ」を付けてみるのも楽しい頭の体操。
もちろん23日・30日の第2回・3回に実際にお運びいただけましたら、噺家連中大喜び!
投句なしでのご観覧だけでも充分お楽しみいただけるよう、出演者一同一生懸命相努めます。
ブログ主の互選結果・コメント
それでは拙いながらも誠心誠意付けさせていただいたキキと共に、私の互選結果コメントを。
自分の干支の年回りに、 生涯の伴侶と結ばれた女性。
干支がひと回りするたび、奥様のお腹周りに刻まれていく十二年分の月日。家の中での存在感は、ふた回りも三回りも増して。
そんな妻を見ながら十二年おきにしみじみと、ご亭主は新婚ホヤホヤ一年目のことを思い出すのでは。
ああ、一緒になった頃はもっと~だったのになぁ…。
新型コロナウイルスありきの今だからこそ、こういう光景に憧れます。
町内の銭湯、
今日が新年の営業初日。
今日が新年の営業初日。
表には小さいけれど松が飾られ、いつもより華やいだ脱衣所・浴場。
お客さんたちも新しくおろしたタオルや石鹸ご持参で、ニコニコ顔のお正月モード。
石鹸と言えば、
私が銭湯通いしていた頃。
私が銭湯通いしていた頃。
1月2日に銭湯に行くと、干支の形をした石鹸がサービスでもらえて嬉しかったものです。
今はもう、やってないのかなぁ…。
落語『長屋の花見』のマクラで使われる「銭湯で上野の花の噂かな」が本文。
その『長屋の花見』を、年明け早々から高座にかけていたのが先代小せん師匠と私の師匠・扇橋。
早いと言っても初めは節分開けくらいからだったのが、二人で先を争うようにどんどんかける時期が前倒しになり。
しまいには松がとれた8日どころか、三が日中にどちらかがやるように。
楽屋でネタ帳を見た扇橋が、
「おやおや、僕がやろうと思ったらもう先に小せん兄さんが『長屋の花見』やっちゃってるよ。
気が早いね~、まぁ兄さんはジジイで先がないからね。 じゃあ今日は、『長屋の花見』譲っとくよ」
言われた小せん師匠が、
「なんだジジイとは!
そっちだって、たいして年変わんねぇだろう!」
仲の良かった二人が、楽屋で罪のない憎まれ口叩いてじゃれ合っている姿。
まぶたに、蘇ってくる名句でした。
出不精な私は一度もやったことがない、冬のスキー。
さらに私は寒いのと、スピードが出る乗り物なども苦手。
好き好んでお金払って遠くまで行って雪の上で滑って転ぶなんて、論外めっそうもない。
そんなことをうそぶいている私でも、「スキー場での女性は、ひと際きれいに見える」という言葉には全面的に賛成。
映画『私をスキーに連れてって』の原田知世さん、かわいかったなぁ…。
年末にスキーに行って、こんがり小麦色に灼けた娘さん。
年明けには、その肌の上に目にも鮮やかな着物をまとって。
お正月らしいとても華やかで健康的な色気を感じさせる句という解釈で、雲に採らせていただきました。
恥ずかしながら…
扇治作カミングアウト
扇治作カミングアウト
「新年・正月の洒落」は、これまでいろんな雑俳の集まりで詠まれている題。
それだけに「通り句」=前に詠まれた句が多いので、作りやすい反面ハードルが高いとも言えます。
私は噺家でありながら、「元の文の冒頭だけ言い換える」洒落附が本当に苦手。
今回も年末から三が日、歳時記片手に無い知恵絞ってみたのですが…。 なんとかかんとかひねり出したのが、以下の10句。
う~ん、われながらパッとしないなぁ。
なになに、こまちはもっといいの思いついた? へーえ、偉いね。 じゃあさっそく披露してごらん。
「ウン、こういうの」
こまち回して遊びましょ
…なるほどね。 「独楽を回して~」の洒落か。
いちおう、形にはなってるけど。
雑俳では「表が立つ」と言って、洒落た方の文もちゃんと意味が通らないといけないんだよ。
えっ、そっちも大丈夫?ホントに、「こまち」を回してご覧に入れましょう?
あーら、飛んでっちゃった。
ほかの人に、拾われちゃ大変。
急いで、回収に行って来ますね。
お開きまでお付き合いいただきまして、
まことにありがとうございます。
ぜひまた、
ご訪問くださいませ。 入船亭扇治拝
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タグ:落語 猫