お賽銭も電子決済、いずれ「ご○○」もスマホで?/扇橋一門の懐かし写真もご披露 [落語情報]
初詣のお賽銭、
電子決済で。
電子決済で。
テレビやネットのニュースで取り上げられ、印象に残った令和3年のお正月風景の一つ。
えっ、「スマホがお賽銭?!」
冒頭イラストで、こまちが首をひねっているのも当然。
私たちだって、いきなり「今年からお賽銭は、スマホでお願いします」言われたら一瞬戸惑います。
とっさにこんなシーン頭に思い描いた方、けっこう多いのでは。
「神社やお寺の人たち、そんなにたくさんスマホ集まって来たら。電話やメールの着信があった時、うるさくて大変だろうな」。
真剣に心配しているこまちのために、「お父さんよく、スマホに入っているSuicaや~payアプリで買い物するだろ?それと同じだよ」。
イラストで説明してあげました。
こまち「納得!」
ご信心も、
キャッシュレス時代
キャッシュレス時代
東京五輪が開催されたら予想される、大勢の海外からの訪日客。
それに向けて安倍政権の頃から政府は、「買い物はキャッシュレス」でと電子決済普及策を推進。
交通系電子マネーやセブンイレブンのnanacoなどに始まり、今は本当に多くの電子決済方式がスマホ対応で手軽に使えるように。
私も登録したクレジットカードと共に、aupay・paypayなど複数を併用。今では硬貨やお札で支払いをするのは、週に一度あるかないか。
そんなキャッシュレス時代の波は、神信心の世界にも押し寄せています。
2014年に東京愛宕神社が初詣の混雑を緩和するため、楽天Edy・payでのお賽銭を受け付けたのが寺社での「電子決済」の先駆け。
参詣客どうしの密な接触を避け、不特定多数の人の手に触れるお金を極力使わないように。
新型コロナウイルス感染拡大防止のため、愛宕神社に続き電子お賽銭を取り入れる寺社はいくつか出てきましたが。
何と言ってもインパクトが強かったのは、京都東本願寺ホームページに掲載されているこの画像。
※東本願寺ホームページより抜粋
2020年10月より真宗大谷派総本山が、電子的にお賽銭の受け付け開始。
それ以前に江戸時代から続くトレンド神、お稲荷様人気の秘密に迫る!にも書きましたように、今やネット通販でお稲荷様一式が手に入るご時世。
神様仏様の世界も時代に応じて変わっていくんだなと、しみじみ感じます。
噺家が大好きな「あれ」も
いずれ…?
いずれ…?
本記事を書こうと思ったきっかけは、新春から、楽しく江戸言葉遊び!~『雑俳寒稽古』第一夜互選結果発表~でご紹介した雑俳の会での投句から。
「洒落附 正月・新年に関する物事一切」私の三才(天地人)には惜しくも入れられませんでしたが、佳作の最優秀「客の五」で採らせていただいたこの作品。
2021年の今だからこそ、ずばりタイムリーですよね。実際に、電子お賽銭のことでキキを付けている選者がいました。
私の方のキキは、
落語会の楽屋や、打ち上げの席で。お客様から頂戴する、紙にくるんだりポチ袋に入れた「お心遣い」。
古今東西、これが嫌いな噺家は一人もいません。
そんな、私どもにとっての、「懐と心のビタミン」=ご祝儀も。
時代の趨勢によっては、近い将来こんな形に変わっていくかもしれません。
忘年句会での、
懐かしい短冊
懐かしい短冊
「年始マネー」につけたキキからの連想で、さらに思い出したのが。
扇橋一門忘年句会で詠んだ、私の拙吟。
互選で弟弟子の扇辰師が、天に採って短冊に書いてくれました。
振り込みの
世も年玉は
手から手へ
世も年玉は
手から手へ
裏には、「平成14年(2002)12月29日」と日付が。
いつ見ても、扇辰師の字は味があっていいですね。まずい句も、三割がた引き立てられるようです。
今でも実践「手から手へ」
電子決済全盛の時代になっても、金額でなく心を包むお年玉。
これだけは、自分の手でしっかりと届けたいもの。
楽屋での前座・お囃子さんたちへのお年賀は、まとめて預けますが。家族の分は、ひと言添えてちゃんと手から手へ渡しました。
webおみくじで占う、令和3年あなたの運勢!で書きました、黒猫こまちにあげたお年玉。
こまちもよーく見ると、前脚で受け取ってくれています。
懐かしつながり、
前座時代の写真
前座時代の写真
人生も半ばを過ぎると、想い出に浸ることが増えてくるもの。
「年始マネー」→「電子お賽銭」→「忘年句会での一句」→「扇辰師」から、さらにさらに連想は過去へと遡り。
こんな写真を、タンスの奥から引っ張り出して眺めたりして。
前座時代、
師匠宅での大掃除風景。
師匠宅での大掃除風景。
扇辰師と二人で働いている最中に、師匠が「二人ともこっち向きな」と撮ってくれたもの。
寝坊な連中決死の早起き!噺家の正月風景 扇治独演会告知もあり!では、正月に一門揃った写真を掲載。
ご覧いただいた方から「えっ、右から~番目に写ってるの。~さんだったの!」驚かれたりしました。
二十年くらい前の画像ですからね…。みんなそれぞれ、様変わりして当たり前。
扇辰師ファンの皆様、この写真はいかがだったでしょうか。
そして二人で撮影してもらったあと、カメラを扇辰師に渡して「今度は扇べい(私の前座名)と一緒に撮ってくれ」ともう一枚パチリ。
弟子のそばで、いかにも「手伝ってるふりしてますよ」という表情の扇橋。
その時は正直、「う~ん、早く掃除すませて帰りたいのにー。師匠なに呑気に、写真なんか撮ってんだよ」思ったものですが…。
今はただ、
しみじみ懐かしい。
しみじみ懐かしい。
もっと、愛想のある顔しとけばよかったなぁ。
第二次緊急事態宣言で、またもらえた身辺整理の時間。
いい機会と前向きに考えて、こういった昔の写真なぞもおいおい発掘してご披露していきたいと思います。
その節はまた、
ご訪問くださいませ。
ご訪問くださいませ。
ご精読、
まことにありがとうございます。
入船亭扇治
まことにありがとうございます。
入船亭扇治
タグ:落語 猫 イラスト
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