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落ち蝉を見送りながら、夏は行く [日々雑感]


二度あることは、三度ある。
短い夏を精一杯生きた命を見送った直後、
また別の生の終わりに立ち会うことに。

掲載記事の、真実を追記


東京は連日の猛暑
一時はバテかけていたこまち、夏との折り合いのつけ方思い出したらしく新しくもらった箱ですやすや。

新しい箱入る?.png


いや、今は遠慮しときます。
ああ、猫がいる風景って平和だなぁ。

癒されつつ眺めていると女房が大笑いしながら、
「お父さんこまちったらね、さっきまで窓際のラックの上で
寝てたんだけど伸びすぎて落っこっちゃったの!
きまりが悪いからひと暴れして、そこでふて寝してんだよー」
こまちの失敗談を暴露。

ふーん、そうだったのか。
そんな修羅場があったなんて、露ほども感じさせない穏やかな寝姿。
当猫はなかったことにしたいんだろうけど、
面白いから記事に書いちゃえ。
真実を、蔑ろにしてはいかんからね。

そうそう、「真実」と言えば。
夏に出会った、懸命に生きる地球の仲間たち
の記事で書いた、歩道で力尽きていた蝉。
植え込みにそっとその亡き骸を横たえ、限りある命に思いをはせつつ
家路をたどる…。
という内容で文章を綴りました。

しかし文字数の関係で触れられなかったのですが、
実はその日のうちに別の落ち蝉と出会っていたのです。
いい機会なので、先記事の後日談を書かせてもらいましょう。

もう1匹の、落ち蝉


幡ヶ谷の七号通り商店街で出会った落ち蝉を私なりに供養してから、
汗を拭きふき車が多く行き交う甲州街道脇の歩道を歩いていると。
視線の先、街路樹の下にまた蝉らしき姿が。
近寄ってみると、本日2匹めの蝉大往生
2度目の見送り.png


街路樹にとまって最後の鳴き声を発したあと、力尽きたのでしょうか。
先の蝉と同じように舗装されたコンクリートの上では不憫だと、そっと街路樹の植え込みに身体を移します。
木の葉を枕に.png


草枕ならぬ、木の葉枕。
君も、やすらかにお眠り。
しばし合掌してから買い物袋を担ぎ直し、日陰を選びながら家を目指しました。

我が家は、蝉のターミナルケア?


亡き骸とはいえ蝉が人に踏まれたり車に轢かれてペっちゃんこというのは、できれば見たくないもの。
落語『野ざらし』のご隠居のように、ああいい功徳をしたと炎天下
うちまで戻ってくると…。

直射日光が降り注ぎ白々と光る駐車場に、見覚えのある小さくて黒っぽいものが横たわっています。
まさかと思い足を速めそばに寄ると、ビンゴ。
本日3体めの落ち蝉が、今度は背中を見せうつ伏せで息絶えているではありませんか。

3匹目の落蝉.png


周りに大きな木はありませんし身体の柔らかいところはくり抜いたようになっていますから、蟻たちがここまで引っ張ってきたのでしょうか。

ご苦労様と、我が家のツワブキの上に乗せてあげます。

我が家の土に.png


形が似ているから、蓮のうてなで極楽往生。
それにしても、街なかで短時間のうちに3匹の蝉を見送る。
あまり、過去に前例のないこと。

いかに落ち蝉の多い時期とはいえ出先だけでなく自宅の前でも出会うというのは、なにか運命的なものを感じます。
ひょっとして通りすがりにかけた情けが、テレパシーのようなもので
周辺の蝉仲間に伝わったのでしょうか。

「もし道端の固いとこへ落っこって息を引きとっても、あの人なら土のある場所に連れてってくれるよ」
南中野地域の蝉業界で、評判なのかも。



「地域猫」という考え方がまるでなかった頃は、飼えない猫の子を箱に入れて親切で猫好きな人のお宅の前にそーっと置いておくということが今よりもっと頻繁に行われていました。
こんな感じですね。 こま.png


箱の中みぃみぃみゃーみゃーと、か細い声で不安と空腹を訴える子猫。
それを聞きつけて表に出てくる、その家の猫おばさん(それともおじさん、若い人かも)。

かわいそうだしうちはもう何匹も猫がいて、あと1匹増えてもおんなじとその猫を引き取る。
「ああ、あのうちの人は本当に猫をかわいがる、
 親切で心の優しい人だ」


近所で評判になって、朝その方が玄関の扉を開けると表には
増殖する猫.gif

なんてことになったら、そのお宅にご迷惑。
何より動物の遺棄は、犯罪です。
気をつけましょう!



ちょっと話がそれましたが、この夏蝉たちの間で私は彼彼女らの
「送りびと」
のように思われているのでは。

蝉専門納棺師の
「セミプロ」
として、認められたのかも。

蝉と猫のアニメーション


落ちがついたところで、今回の動画をご覧いただきましょう。

先代猫は連れて帰った岐阜の実家で、網戸に張り付いたカナブンと大格闘したことが。
こまちはまだそこまで大きな虫と出会ったことはありませんが、もし蝉を見たら大喜びで追いかけるかも。

こまち、いったん捕まえても、あとで必ず離してあげるんだよ…。
と教えるまでも、ないようです。


こまちのアニメは、
真夏の猫の、見る夢は?
にも。
夏休みのこまちも、見てやってください。

蔦飾り線.png


お開きまでお付き合いいただきまして、まことにありがとうございます。
ぜひまた、ご訪問くださいませ。
入船亭扇治拝

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