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(おそらく)世界で一番面白い、PCR検査体験記/猫、ゆく夏を惜しむ [お役立ち情報]


ひところに比べ敷居が低くなった無症状・自費での新型コロナウイルス陽・陰性検査。
仕事で必要なんだけれど、どこで受けたらいいのかわからない・何だか不安…という方々のために。

噺家でいち早く検査を受けた不肖・私が、
その顛末を楽しく解説。


この季節にふさわしい、猫アニメ・のようなものもありますよ!

まだ意外と少ない、民間医療機関での検査情報


web雑俳お客様へのお願い/黒猫、再び縁日へ行く
の記事で触れました、北海道北見市留辺蘂町図書館を軸とする旅公演。
令和2年で24回目、途中北見市との合併・予算縮小などの事情で何度か「今年で一旦お開き」が検討されたことも。

しかし熱心な図書館スタッフ・図書館友の会の皆様、図書館を愛する近隣の方々のご尽力で会として成人式を迎えることができました。
そんな大事な土地に伺うにあたり、少しでも聴衆・担当部署の方に安心していただけるよう、PCR検査を受けることに。

新型コロナウイルス陽陰性判断の手段は、現在三種類。
抗体・抗原・PCR。

その違いについてはネット上に多くの情報が上げられていますから、受診したのに「PCR」が何の略なのか未だに知らない私が付け焼き刃で解説するのは控えさせていただきます。

一番判断精度が高いのがPCR検査、それだけにお値段もよろしくなっておりまして。
無症状・自費での検査費用、抗体検査の3000円〜5000円に対し、
PCRコース26500〜28500円

飲食代だったら、ふんだんに前菜とデザート・飲み放題付けてもらわないと。 いや、黒塗りの車で送迎してもらったってお釣りが来る金額。
でも金額の多寡を言っている場合ではありませんので、『第3回言の葉落語会』直前準備と並行して情報収集。

比較的近所で、検査できる医療機関はどこか。
私がネットで調べた限りでは、 「当院にて無症状での検査可 」
と表に出しているサイト、中野区では意外と少ないという印象。

検査体制整っていてもサイトに大きくアップしていないか、
検索エンジンにかかりにくい情報掲載だったりするのでしょうか。
ざっと調べて目に留まった東中野の耳鼻咽喉科に電話してみると。

「お仕事で出張のためだったらやはり精度が高く検査結果も早く出るPCR検査を、経済的に余裕があるならお薦めする」
「ついては当院ではやっていないので、PCR検査体制のある他院の名称のみお伝えする(連絡先を教えると、紹介という形になって料金が発生するから)」

とのこと。

お客をよそに譲るとは「医は仁術」を体現した、なかなかに良心的な病院
今度喉か鼻をやられたら、足を伸ばして受診してみようかな。
なんてことを思いつつ、教えてもらった「落合駅前クリニック』の電話番号を調べまずは検査の予約を取るところまで漕ぎ着けました。

当日受付までは、サクサクと


検査日は、8月21日午前中。
ピンポイントで時刻を決めなくても、ざっくり9時から12時の間に来院すればいいと。
無精な噺家には、ありがたい対応。

『第3回言の葉落語会』の翌日、早起きした私は斎戒沐浴・は別にすることなく徒歩で落合へと向かいます。
中野のいちばん南寄りの我が家から、できるだけ汗をかかないようゆっくりめに歩を進めて30分強。

早稲田通りに面したビルの1階にある、
「落合駅前クリニック」
そんな広い敷地ではないのですが、内科・外科・小児科・皮膚科・アレルギー科など手広くやってらっしゃる様子

曜日や時間によって、診療科目やり繰りしているのでしょうか。
平日午前中でも、ご近所らしい患者の方々がけっこう間を置かず来院しています。

受付で名乗るとすぐ問診表を渡され、記入し終わってすぐにまず担当の先生と面談。
無症状だけれど仕事で検査が必要という点を再確認しただけで、
「ではご案内します。どうぞこちらへ」
と別室へ通されます。

別室と言っても、急遽このために捻出したスペースなのでしょう。
裏口の物置きみたいなところの一角を整理して、ビニールシートで囲ってあるだけ。
焼きとんやもつ焼き屋の店頭に、こういうスペース作ってあったりしますよね。
PCR検査室こまち.png


真夏の猫の、見る夢は?
の記事以来盆踊りに凝っているこまち、景気づけに余興をと提案してくれました。
ありがたいけど、ここではけっこうです。 

待合スペースの丸椅子に座って手指を消毒すると渡されたのが、こちら。
減菌遠沈管.JPG


うーん、この形。
どことなく『ウルトラマン』でハヤタ隊員が変身に使う、
ベータカプセルに似てる。
尖った方を上にして、天に掲げたいな。

この容器の正式名称「減菌遠沈管」
中に唾液を入れ、それが検体となるわけですが…。

してみるとこのスペースは大学の先輩・三遊亭とん馬師匠がマクラで使う、いわゆる「つばきの間」

「天に唾する」と言うけれど…


私はてっきり採血か舌下の細胞を採る方法だと思い込んでいたので、いきなり「この中に唾液を」言われてちょっと戸惑いました。
だって意識して容器の中に唾液を溜めるなんて、普通だったらまず生涯経験することはないでしょう。

「必要な量だけ溜まりましたら、ブザーでお呼びください」
言い置くと看護師さん、ショッピングモールのフードコートで渡される呼び出しブザーみたいな装置を渡して去っていきました。

壁になっているビニールシートに、唾液採取のやり方が書いてあります。
それによると、検査に必要な唾液の量 1〜2ml
大したことないと思われるかもしれませんが、
養命酒付属コップの真ん中の線あたりまで。

先ほどの画像、遠沈管先端に付けられた赤い線より上がノルマ
これを超えると、本当の「つ離れ」
まあ必要なことだしブログのネタになると、口中につばきを溜めてフッ!と管の中に吹き入れる作業を始めた、のですが。

想像以上に、これが難しい!
狭い管に効率よく唾液を吹き入れるのは、最初けっこう大変でした。
どう口をすぼめても、尾籠な話で恐縮ですがかなりの量管の外に飛び散ってしまいます。

「天に唾する行為」なんて言葉がありますが、ズボンの膝を自分のつばきで濡らすのもなんだか後ろめたい心持ち。
そもそも日本人には 「人前で唾を吐くなんて、とんでもない」が 常識として刷り込まれていますから、頭でわかっていても身体が抵抗を感じてうまくいかないのです。

ましてその日の私は、会がお開きになった安心感から前夜自宅でけっこうお酒を呑んでいました。
普段から唾液の出が少ないところへもってきて二日酔い気味で口中乾いてますから、いや出づらいこと出しにくいこと。

10回を過ぎたあたりで、かなり疲れてきました。
でもまだ目標の3分の1にも届きません。
途中3回看護師さんが様子を見に来ましたから、明らかに通常よりよりも時間がかかっていたのでしょう。

「あの自費PCRの人、今見に行ったらまだ半分も溜められてないのよ」
「やっぱり歳とって、唾液の出が悪くなってんのねー」

「やーねー」
なんてこと向こうで言われているのでは。

焦りつつも後半だいぶ要領がわかってきて、
「小刻みにちょっとずつではなくじっくり溜めてどっと出す」
ようにしてからはぐっとはかが行くように。
吹き入れること28回・時間にして6分22秒で何とか規定量到達。

疲れながらも達成感おぼえつつ、意気揚々とブザーを鳴らします。
すぐ来てくれた看護師さん、量を確認して
「はいけっこうです、お疲れさまでした。
では容器をこのケースにお入れください」

案外あっさり向こうへ行ってしまいました。
こんなに、頑張ったのにな
子どもの頃みたいに飴やシールくれとは言わないけれど、
もう少しほめてくれてもいいんじゃないかなぁ。

皆勤賞ならぬ、「唾液ん賞」なんて。
お粗末でした。

ゆく夏を惜しんで、こまちアニメ新作


PCR検査で、ここまで記事を書くことができました。
このあと方々の高座で喋ることを考えれば、検査費用の元は充分取れるでしょう。

こんなことでもないと知らないままだったであろう
「減菌遠沈管」を手に取って写真が撮れただけでも、収穫というもの。
ん、なんだい。 こまちは、あれのいい使い方思いついたって?

へーえ、どうすんだろうね。
いいよ、もう検査は済んだから。
好きに遊んでごらん。
ありがとう、了解!

ではこまちの工作から、始まりはじまり。


うん、使い捨ての遠沈管もこうして再利用してもらえて嬉しいんじゃないかな。
ただアニメの中の台詞「こまちのこの愛銃が、火をふくぜ!」は
「水をふくぜ!」
の間違いじゃない?

蔦飾り線.png


お開きまでお付き合いいただきまして、まことにありがとうございます。
ぜひまた、ご訪問くださいませ。
入船亭扇治拝

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