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誰にもある「なんでもないのに、苦手なこと」 [日々雑感]


毎日、食欲旺盛。
遊びも、全力投球のこまち。

間もなく5歳になる今日まで彼女と付き合ってきて、その遊び方にも「得手不得手」があることがわかってきました。

運動 得意不得意.png

本来、猫は苦手な
「垂直運動」

物陰で獲物を待ち受け、見つけたらベストタイミングでダッシュ。猛スピードで襲いかかり、相手を倒す。

その狩りの本能ゆえ、ネコ科の生き物は基本的に短距離ランナーの特性を持って産まれてきます。

「万能のアスリート」ではない猫、狩りのやり方にも”得意な技”と”苦手なパターン”が。

まだまだ若くて元気なうちは後脚の強靭な筋肉を躍動させて、驚くような高い場所へヒラリ!飛び上がることもできる猫。

軽々とやっているようですが、なんと言っても重力に逆らう動作

全力疾走での水平移動に比べ、はるかに多くのカロリーを「垂直運動」では消費しているのだそうです。


縦への動きは猫にとって「苦手」でなくても、「横移動より狩りの効率が良くない」から必要でない時にはセーブするべきアクション。

わが家のこまちは食いしん坊な分、摂取したカロリーを温存したいのでしょうか。

おもちゃを高い位置で誘うとちゃんと飛びついてはきますが、壁伝いでないとやりたがりません。

なにも足掛かりのないところで垂直にジャンプするのは、「無駄にお腹が空くだけ」と省エネ遊び。
省エネ遊び.gif



そんなこまちに比べて先代猫「こにぼし(こに)」は、まっすぐ飛び上がるのが大得意で大好き。

立った状態の私が肩の高さにおもちゃを構え、「こにこにジャーンプ!」誘ってやると。まぁ面白いようにその場でぴょんぴょんと、10回くらい垂直飛び。

17歳で旅立つその最晩年まで、遊びの締めは必ずそのジャンプでした。

当時は猫動画を撮ろうという気がなかったので、決定的瞬間のショットがなくて残念。

こちらの画像で、その雰囲気だけでも感じていただけましたら。

こにちゃん遊ぶ.png



人によってさまざま、
「何でもないことが苦手」

人間にも、
「得手不得手」
いろいろありますね。

わかりやすいところだと、
「理系と文系」。

「いやぁ俺、私立文系出だからさー。数字ってほんと弱くって困っちゃうんだよねー」
なんてこと言って。飲み会で自分の割り前、必ず少なめに出す輩がいたりします。



インドア派とアウトドア派、社交的な人と人見知り。

そういった違いほどではありませんが、人間って人によって「ほかの者には何でもないこと」が苦手だったり。

この春大学に進学する倅は、中高とバスケ部。不器用ではないと思うのですが、今でも”袋菓子を横に開ける”のが苦手。

母親に「開けてー」頼んだりしています。
つまみ種 横に開ける.JPG



私にも数々ある不得手なこと、たとえば未だに私は”指パッチン”がうまくできません。

たまーに、なんかの弾みで「パチン!」乾いた音が出ることもありますが。たいていは、こんな感じ。

指を鳴らす.gif

小学生時代、運動会のフォークダンス。先生が考えた振付で、「全員で指を鳴らす」というところがありました。

何度練習しても、クラスで私だけ音を出すことができず…。本番では指パッチンの仕草だけでごまかしたのですが…。

手をつなぐ女子から、「児山くん、そんなこともできないのー。かっこわるー!」。笑われたこと。黒歴史です…。


実は、目にまつわる
この動作も苦手!

もう一つの不得手動作も、カミングアウトしてしまいましょう。

やらぬなら こさえてみよう猫ウインク!の記事で取り上げた、「ウインク」。

もちろんまるでできないわけではありませんが、片目をつむろうとすると。 目の周りの筋肉ごと動いてしまって、なんだか顔面神経痛みたいに。顔全体も、自然に傾いてしまいます。

廓噺の名作、
『明烏』。
堅物の若旦那を「ご利益のあるお稲荷様」だとだまして、吉原へ連れ込んだ遊び人の源兵衛。

嘘がばれて「早く帰りたい」駄々をこねる若旦那を見ながら、源兵衛と仲間の多助のやりとり。

源兵衛
「そりゃ帰りたいんならお帰んなさい。だけどね、気をつけてくださいよ。

あたしたちゃ、三人で遊びに来たんだ。それを今時分からあァたがのこのこ、一人で帰ろうとすんでしょ。

大門てぇ吉原の入り口んとこで見張ってる、係の人から。”こいつは怪しいぞ”ってんで、若旦那あァた止められちゃうよ。

いったん止められたら、なかなか帰しちゃもらえねぇ。

多助、そうだよな。
止められる、よなっ!」


仲間に目配せするところがうまくできなくて、毎回この噺かける時は苦労します。

目くばせ顔ごと.gif



目つながりで、
もう一つの不得手も告白

「目薬をさす」これも私、いい歳をしてうまくできないまま。

疲れ目の時、家族のを借りてさすたびにボロボロこぼして。「お父さんそれ、花粉症用の高いのなのにー!」怒られています。



でも私と同じような人ってけっこういて、たとえば紙切りの名人・先代林家正楽師匠

緊急事態宣言をひと時忘れ 昭和の楽屋にタイムスリップでは、三遊亭金八師匠提供の写真を掲載しています。

その正楽師匠、緑内障の手術をして処方された点眼薬。
出番前の寄席の楽屋でさすんですが、「顔だけ上を向けて」目薬さすことができない。

ステテコにランニング姿で楽屋の畳で仰向けになり、片手で目を開きもう片方に点眼薬構えて。

「あいたたー、しみるよこの目薬ー!あー痛いいたい。ちょっと前座さーん、顔拭くから紙とってー」

目薬は寝転がって.png

目薬ひとつさすのに大騒ぎだったこと、懐かしく想い出します。



そんな「ちょっとした、苦手・不得手」。これもその人の個性だと、うまく付き合っていくのがいいのでしょうね。

こうして記事のネタにもできたし、一概に悪いことばかりでもないようです。

皆様もご自身の「プチ不得手」お探しになるの、一興かも。

蔦飾り線.png

ご精読、
まことにありがとうございます。
ぜひまた、ご訪問くださいませ。
入船亭扇治拝

タグ:落語 猫
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