通信キャリア版iPhone、アップルストアでの購入も意外とお得!※楽天モバイル除く [お役立ち情報]
新しいスマホ購入のため、伊勢丹百貨店向かいにある「アップルストア新宿」訪問の黒猫こまち。
いい買い物、できるといいね。
高額スマホ
機種変でお得に買うには
機種変でお得に買うには
通信会社を変更すると端末が「一括0円」で手に入り、乗り換え先から高額なキャッシュバックまであったひと頃のスマホ契約・販売事情。
”のりかえ貴族”なんて言葉も産まれたこの顧客取り合い合戦は、総務省の指導により今では表向き鎮静化。
キャリアを変えないで新端末に変更したい私のようなユーザーにも、お得なプランが会社側で用意されています。
私が契約しているauだと、「スマホトクするプログラム」がそれ。
4年契約の分割払いで、私の希望機種iPhone12mini・64Gを購入。
23回支払いがすんだところで端末を会社に返却すれば、24回目以降の残債は免除されます。
名前とプランの内容に若干の違いはあれど、
という趣旨はほかのキャリアでも共通。
という趣旨はほかのキャリアでも共通。
auのこのプランだと販売価格71650円のiPhoneが、41170円になる計算。
さらにaupayカードで支払うと適用される「スマホトクするボーナス」により、2年で3580円がポイント還元。
差引38090円となり、確かにお財布には優しい購入方法なのですが…。
”月賦”への抵抗感と
端末使用期間縛りがネック
端末使用期間縛りがネック
にはこのプランが、現状一番お得に高額なキャリア版iPhoneを手に入れる方法でしょう。
でも私のように
という人間には向きません。
という人間には向きません。
この買い方だとどうしても、
感覚になってしまうので。
感覚になってしまうので。
スマホは一括払いで買いたい私の、次なる購入方法選択肢。
それは「アップルストアでのSIMフリー端末購入」ということになります。
それだとiPhone12mini・64Gが、69800円(税込)。
auだとオンラインの手続きでも発生する3300円の機種変更手数料を払わなくてすみますから、体感的には66500円で買える。
auだとオンラインの手続きでも発生する3300円の機種変更手数料を払わなくてすみますから、体感的には66500円で買える。
そうだそれにしようとアップルストアのサイトを開いてみると、途中でこんな案内が目に留まりました。
本家キャリアより安い
”アップルのキャリア版”
”アップルのキャリア版”
ページ上部にひっそりと掲載されたリンクから飛ぶと、この画面に遷移。
ええーっ!
アップルストアでキャリア版iPhoneも扱っているのは知っていましたが、この割引は初めての情報。
ネットでざっと調べてみると昨年の夏にはもう行われており、意外と人に知られていないキャンペーンのようです。
私の欲しい12miniが、61000円と一括価格としては最安値に。
機種変手数料を入れても、64300円。
購入後はキャリア版と同じ条件を満たせば、SIMロック解除にも問題なし。
これは、アップルストアで買わない手はないでしょう。
さっそく先ほどのページから、歩いて行ける新宿のストアに予約を入れました。
※キャリア契約のiPhoneはオンラインでは購入できず、来店にも予約が必要。
広くて明るい店内
最新機種眺めながら
最新機種眺めながら
2018年4月・マルイ本館1階にオープンした、アップルストア新宿店。
前は通ったことがありますが、中に入るのは初めて。
予約時刻5分前に、店の前に到着。
入口に輝くリンゴマークに、なんだかワクワクドキドキ。
通りに面した表はガラス張りの店内、広くて明るくて開放的。
青いTシャツ姿のスタッフたちが、道端で世間話するような感じで接客中。
こらこらこまち、店の中で走っちゃいけないよ。
青いTシャツ姿のスタッフたちが、道端で世間話するような感じで接客中。
こらこらこまち、店の中で走っちゃいけないよ。
受付で予約番号を見せると、ちょうどau担当スタッフの手が空いておらず少し待たされました。
その間に、店内をぶらぶら。
ずらり並んだ最新機種たち、見てるとどれも欲しくなっちゃいます。
壁の巨大ディスプレイ・映し出されたデュアルレンズのiPhone群に、こまちびっくり。
新しい相棒
1時間弱で契約完了
1時間弱で契約完了
10分ほど待つうち「すいませーん」とやって来た若い女性スタッフが、てきぱきと手続きを進めてくれます。
途中au本社との通信が途切れるアクシデントがありましたが、すぐ復旧。
来店から1時間弱で、契約と端末購入完了。 これまでの相棒・無印iPhone8に代わって、これからはこの子が私のパートナー。
来店から1時間弱で、契約と端末購入完了。 これまでの相棒・無印iPhone8に代わって、これからはこの子が私のパートナー。
わが家に帰って商品開封の儀、丁寧に保護フィルム貼ってケースに収めた12miniで。
念願の純正ポートレートモードにして、背景ぼかしたこまちの写真をパチリ。
新スマホでの撮影に、やんちゃなこまちも心なしかおすまししているよう。
さぁ、処理性能とカメラ機能アップした新しい相棒と。
明日はどこへ出かけて、どんな風景を切り取りましょうか。
お開きまでお付き合いいただきまして、まことにありがとうございます。ぜひまた、ご訪問くださいませ。
入船亭扇治拝
入船亭扇治拝
タグ:iphone 写真
寿司折下げて、家路を急ぐ~2021年にっぽん丸秋のクルーズ番外編~ [旅のアルバム]
持ち帰り寿司が気になるこまち、蓋の上から舌なめずり。
客室で贅沢な夕食!
緊急事態宣言は解除されても、まだまだ油断ならない新型コロナウイルス。
豪華客船にっぽん丸での船内生活も、通常時とは違うところが多々あります。
で綴りました2021年秋のクルーズ。
今航海中船内での私の高座は、一晩に3回ずつ。
ダイニングで食事をする時間がありませんので、ある日の夕食は終演後ルームサービスで用意してもらえました。
お客様が召し上がった御膳と同じものを部屋でいただけるのですから、デラックスルームばりの贅沢。
豪華客船内で
寿司折を手に…
寿司折を手に…
初日と最終夜は、6階にあるお寿司屋さんに私の食事がセッティングされています。
混んでいなければカウンターに座って、大将と話しながら一杯やるのが楽しみなのですが…。
今クルーズではお客様との接触を最低限にするため、やはり
「お部屋でお召し上がりを」
ということに。
「お部屋でお召し上がりを」
ということに。
3回目の高座が終わるとその足で、寿司処『潮彩』へ。 支度されていたお寿司を受け取り、いそいそと自室へと急ぎます。
その途中売店のショーウインドウに映った自らの姿を見て、自分で笑ってしまいました。
紋付の上下を着てマスクをして、手に寿司折をぶら下げ速足で歩くおじさんが一人。
後ろに見える柳原良平さんのイラストとの、ギャップが我ながら凄い。
そうそう、寿司折とおじさんと言えば。
ふた昔くらい前までの漫画などで、よく描かれていましたよね。
さぁ、
部屋でのんびり!
部屋でのんびり!
気のいいお寿司屋さんの大将と語り合えないのは残念ですが、高座がすんで部屋でのんびり過ごすのもまた良きかな。
4階の自室に戻ってくると… 黒猫こまちがお出迎え。
そうか、大将の代わりにこまちが話し相手になってくれるのかい。
じゃあ早速手洗いうがいして、楽な恰好に着替えて。
缶酎ハイ開けて、
豪華握り寿司で打ち上げだ! こらこらこまち、これはサビ入りだから食べたら大変だよ。
豪華握り寿司で打ち上げだ! こらこらこまち、これはサビ入りだから食べたら大変だよ。
お開きまでお付き合いいただきまして、まことにありがとうございます。ぜひまた、ご訪問くださいませ。
入船亭扇治拝
入船亭扇治拝
タグ:にっぽん丸 猫
昼下がりのひとり酒も快適!カレーの名店『ガンジス』で優雅な打ち上げ [お気に入り・おすすめ]
令和3年11月初め、
ひと仕事終えた私。
ひと仕事終えた私。
まだ日があるうちからの”ひとり打ち上げ”で、インド料理『ガンジス』新宿オペラシティ店を訪問。
「衆議院御用達」の名店
『ガンジス』の麹町本店は、英国大使館そば。
なんとなく、高級感漂う立地。
なんとなく、高級感漂う立地。
近くにある『アジャンタ』と並び称される本格インドカレーの老舗として、多くのファンに親しまれています。
また『ガンジス』は日本橋三越店・オペラシティ店のほか、衆議院庁舎内の2か所で「国会カレー」を出していることでも有名。
議員の方々の舌が、一般人より肥えているかどうかはわかりませんが…。
『ガンジス』ホームページに燦然と輝く「衆議院御用達」の看板は、(うん、ここなら味に間違いないだろう)とこちらを信用させるだけのインパクトがあります。
本格カレーの店は
「昼呑み」にも最適!
「昼呑み」にも最適!
☆スパイシーなのにまろやかで優しい、インド中西部カレー料理の魅力~笹塚駅そば『プリヤマハル東京』訪問記~では私の住まいから近いインド・マハラシュトラ州料理店『プリヤマハル』をご紹介。
血圧が低く冷え性の私にとって、スパイスが身体が活性化してくれるカレーはまさに医食同源の大好物。
週のうち3日、いや4日食べても飽きない自信があります。
そして本格カレーのお店、実はおそば屋さんと並んで「昼呑み」にもぴったり!
ピリリと辛い料理はビールやワインに合いますし、ランチから休憩無しでディナーまで通し営業をしている店も多い。
『ガンジス』オペラシティ店も、16時から夜のメニューに切り替わっています。
名古屋の学校公演終えて15時30分に東京駅到着の私が、帰り道に寄るには絶好の営業時間と立地。
いそいそと広くて開放的な店内に入ると、奥のベンチシート席に腰を落ち着けます。
1年10カ月ぶりの
”ひとり昼間打ち上げ”
”ひとり昼間打ち上げ”
向かいの椅子に鞄を置き、おしぼりでよーく手を拭いて。
まずは生ビール中ジョッキで、今日頑張った自分に乾杯。
まずは生ビール中ジョッキで、今日頑張った自分に乾杯。
あー、しみじみうまい。
こうやってまだ日のあるうちから打ち上げで呑み出すのって、いつ以来だろう。
長い緊急事態宣言中は基本的に飲食店ではアルコールの提供が制限されていましたから、なかなかひと仕事終わったタイミングで一杯ということがやりづらい。
またコロナ禍で仕事が激減している最中、とても表でのんびりお酒と料理味わう精神的・金銭的な余裕もありませんでした。
頭の中で手帳を繰ってみると、明るいうちからお酒で打ち上げするのは2020年2月半ば以来。
実に1年10カ月ぶりのこと。
実に1年10カ月ぶりのこと。
ありがたいことにここへ来て少しずつ、落語の仕事も入って来るようになりました。
ずっと締め続けていた財布の紐も、今日だけは少し緩めてもいいでしょう。
よーし、贅沢しちゃうぞ!
決心するとお店の方を呼び、ハウスワインの白をグラスで注文。
一緒に前菜として
も頼みました。
も頼みました。
いずれも価格は500円(税抜き。この後の表記も全て本体価格とさせていただきます)。
加速する
”スパイスハイ”
”スパイスハイ”
角切りにしたカジキマグロをヨーグルトベースのソースに漬け込んだティッカ、ジューシーでボリュームたっぷり。
胡瓜・トマト・大根・玉ねぎなどのスパイシーサラダ「クチュンバー」、お店によってはやたら水っぽいのがありますがここのはシャキシャキして美味!
ここでメインのカレーに備え、飲み物を赤ワインにシフト。
1980円のアメリカ産・2200円のチリワインいずれも品切れ。
じゃあここは奮発して、2500円のインドワインを!
じゃあここは奮発して、2500円のインドワインを!
インドの赤ワインは滑らかな舌触りのものが多い印象で、私はファンなのです。
さてさて、カレーの前にもう一品くらいおつまみが欲しいな。
魚とサラダに続いて、じゃあ今度はボリュームのある揚げ物にしよう。
インドのカッテージチーズのフライ、
☆パニールパゴダ(300円)
うんうん、これも古い油使ってて胸やけするようなの出す店もありますが…。
当店のパゴダは衣さくさく、チーズしっとり。
当店のパゴダは衣さくさく、チーズしっとり。
おいしいから、もう一つ揚げ物頼んじゃえ!
ここまでいただいた料理に使われているスパイスとお酒が相まって、気持ちがどんどんハイになる私。
でもいいでしょう、何と言っても今日は
なんだから。
なんだから。
そこで頼んだ
☆オニオンリング(300円) こちらも、かなり食べでがありました。
☆オニオンリング(300円) こちらも、かなり食べでがありました。
サービスのデザートで
お腹も心も大満足!
お腹も心も大満足!
本日の打ち上げ・メインは
よく火の通った玉ねぎとトマトベース、骨なしチキンを煮込んだ赤いカレーはその名の通り各種スパイスが効いています。
コクがあるので舌触りは甘いのですが、食べ進めるうち身体の奥がポッポとしてくる心地よい辛さ。
バターライスもべちゃっとしておらず、サラサラ系のカレールーによく合います。
カレー・ライスとも量はたっぷり、そちらでお腹いっぱいになりワインを半分くらい残してしまったほど。
お腹さすって食後の余韻にひたっていると、私のテーブルにもうひと品運ばれて来ました。
ガンジス特製マンゴープリン、
お店からのサービスです!
お店からのサービスです!
別腹のデザートを平らげ、お会計をすませ。
残ったワインを紙袋に入れてもらって、身も心も大満足でお店を後に。
残ったワインを紙袋に入れてもらって、身も心も大満足でお店を後に。
吹き抜けの庭
元気に駆ける黒猫
元気に駆ける黒猫
オペラシティ地下1階の吹き抜け広場「サンクンガーデン」に出ると、もう日は暮れていました。
17メートルを超すオブジェ「シンギングマン」を見て、びっくりの黒猫こまち。
平日の18時半頃、かつてのデートスポット・観劇の人々の憩いの場としての賑わいはまだありませんでしたが…。
人との距離を適度に保ちながら広場を行き交う人たちの様子には、コロナ禍中にはなかった解放感が見てとれます。
どうかこのまま、少しづつでも新型コロナウイルスに怯えずにすむ日常に向いますよう。
そんな願いをこめ、イラストこまちにオペラシティの広場を存分に駆け回らせてあげるとしましょう。
ほら、行っといで。
ほかの人の迷惑には、ならないようにねー。
お開きまでお付き合いいただきまして、まことにありがとうございます。ぜひまた、ご訪問くださいませ。
入船亭扇治拝
タグ:おすすめグルメ
繊細な筆とガチの本格ミステリ魂が産む、独自の世界~北山猛邦『さかさま少女のためのピアノソナタ』レビュー~ [お気に入り・おすすめ]
令和3年10月末から11月初めにかけての、北海道公演。
6泊7日の長旅のお供に選んだ本の中から、この作品をご紹介しましょう。
繊細な筆で綴られる
ラノベ風味本格ミステリ
ラノベ風味本格ミステリ
北山猛邦・著
『さかさま少女のためのピアノソナタ』。
『さかさま少女のためのピアノソナタ』。
2019年に『千年図書館』のタイトルで出た講談社ノベルス版を読み逃していた私、2021年文庫化されたものを今回旅支度の中に入れました。
今回取り上げる『さかさま少女のためのピアノソナタ』は、
に続くノンシリーズのオリジナル短編集三作目。
”弾いてはいけない”
謎のピアノ楽譜
謎のピアノ楽譜
表題作『さかさま少女のためのピアノソナタ』は、2019年に『世にも奇妙な物語』中の一作としてテレビドラマ化されています。
文庫化にあたりタイトルを変えたのは、それが一因かもしれませんね。
『さかさま少女のためのピアノソナタ』あらすじ
収録作中最も短い作品でありながら、謎の曲がもたらす現象を知った聖がとる行動が深く胸に残る一作。
収録作はすべて
粒揃いの名短編たち
粒揃いの名短編たち
『さかさま少女のためのピアノソナタ』に収録された、ほかの作品たちも簡単にご紹介。
☆”司書”という名の人身御供として、住み慣れた村の西の果てにある小島に送られた少年。
島に残る広大な図書館に残された鉛の箱を、さらに地下の書庫に運ぶのが司書の役目。
いったいこの図書館は、誰がなんのために建てたものなのか?
『千年図書館』
☆ある日突然太陽系外から飛来した物体により、大きな縞模様が刻まれた月面。
その出来事からしばらくして、主人公の大学生が持つラジオから不思議な声が流れ出す…。
奇妙な地球外生命体が、ユーモラスなストーリーを意外な結末に誘う。
『今夜の月はしましま模様?』
奇妙な地球外生命体が、ユーモラスなストーリーを意外な結末に誘う。
『今夜の月はしましま模様?』
☆転地療養を兼ね十年ぶりにイングランド東部の村に帰った医師が目にしたのは、数々の高い塔が立ち並ぶ異様な光景。
元海軍将校で”船乗りさん”と呼ばれる村長が始めた、塔の上に死者を葬る「塔葬」。 この習慣が根付いてからの村は、豊作に恵まれ人々の心は穏やかになったという。
しかし医師には村人から慕われる”船乗りさん”に、どこか暗い影があるように感じられてしかたがないのだった…。
『終末硝子(ストームグラス)』
いずれも、小説を読む楽しさに満ちた傑作揃い。
筆者一押しは
巻頭のこの作品
巻頭のこの作品
そんな5作の中で、私の個人的おすすめ度NO.1は巻頭に置かれた『見返り谷から呼ぶ声』。
『見返り谷から呼ぶ声』 あらすじ
私がこの作品をおすすめする理由としては、まず
が挙げられます。
”振り返る”という行為が、ある自然現象と結びついた時予想外の事態が起きる。
現実に可能かどうかは置いといて、作中ではミステリの仕掛けとして充分納得できるよう描写されています。
そしてもう一つのおすすめポイントは、
この語り手の設定は1999年大ヒットのハリウッド製スリラー映画以来、青春系ライトノベルやミステリでけっこうよく使われているもの。
一歩間違うと、(ああ、またあれか)と読者をがっかりさせがちですが…。
そこは、巧緻な作品作りに定評ある作者の腕。
かなりミステリ慣れしているつもりの私、初読の時はこの趣向にまるで気づかず。
ラストまで行ってからすぐもう一度読み返し、丁寧に伏線が貼られている快感に思わず膝を打ちました。
ラストまで行ってからすぐもう一度読み返し、丁寧に伏線が貼られている快感に思わず膝を打ちました。
私は旅の道中でゆっくりこの『さかさま少女のためのピアノソナタ』を満喫しましたが、いろんな形で楽しめるのが夜長の読書。
皆様にもこの秋、素敵な一冊との出会いがありますように。
お開きまでお付き合いいただきまして、まことにありがとうございます。ぜひまた、ご訪問くださいませ。
入船亭扇治拝
入船亭扇治拝
タグ:おすすめミステリ 猫
島の親切な図書館員さんが導いてくれた、日本唯一の「図書館文化船」~にっぽん丸で訪問・秋の生口島③~ [旅のアルバム]
生口島・尾道市瀬戸田のおいしいジェラート屋さん、「ドルチェ」。
島内に2店舗あるうちの本店前で、一番人気の「伯方の塩ジェラート」買ってもらいご機嫌の黒猫こまち。
島の図書館
訪問してみたが…
訪問してみたが…
「ドルチェ」さんは観光客・サイクリスト・地元の方に愛されている名店だそうですが、私が今目指しているのはここではありません。
”ドルチェの角を右に曲がったところにある展示物”を、見に行くところなのです。
港から歩いて2キロの道のり、どうして筆者はそこに向かって歩いているのか? それを説明するには、少し時間を巻き戻さねばなりません。
での向上寺参拝、
で出会った1匹目の猫ちゃん。
早朝の生口島で楽しい体験をしながら、しおまち商店街を左に曲がります。
観光案内所脇にあった、大きな柑橘のオブジェ。
見ているだけで、口の中に唾液がわいてきそう。
その先の市民会館内にある、瀬戸田図書館が次なる目的地。
曲りなりにも、「司書噺家」を名乗らせてもらっている私。
仕事で訪れた先の港や駅からの徒歩圏内にある図書館は、できる限り訪問するようにしています。
今回もあらかじめ所在地を調べ、日曜の午前9時過ぎに瀬戸田図書館の前に立ちました。
ところが、なんと…!
開館前の
親切な対応に感謝!
親切な対応に感謝!
正面自動ドア前には、赤い字で書かれた「準備中」の文字が。
開館時間の案内を見ると、”10:00~18:00”としてあります。
オープンまで、あと1時間弱。
オープンまで、あと1時間弱。
どうしようかな… 平山郁夫美術館見て、時間つなごうかな。
迷いながらガラス越しに、明かりは点いている館内を覗き込んでいると…。
迷いながらガラス越しに、明かりは点いている館内を覗き込んでいると…。
「何か、ご用ですか?」中からスタッフの女性が出てらして、私に声をかけます。
(しまった、不審者と思われたか!)と一瞬慌てましたが、さにあらず。
うっかり時間外に来た地元利用者かもしれないと、けっこうお若いのに施設長のその女性・Mさんは親切に尋ねてくださったのです。
そこで私も安心して、
説明してお願いしたところ、Mさんは快く写真撮影を許可してくださいました!
説明してお願いしたところ、Mさんは快く写真撮影を許可してくださいました!
ばかりでなく、まだオープン前の館内を
ともおっしゃってくれたのです。
ともおっしゃってくれたのです。
そのお言葉に甘え、短い時間ですが書架と閲覧スペース見せていただいた瀬戸田図書館。
選書・配架の塩梅、児童書コーナーや企画展のレイアウトなど。細やかな配慮が感じられる、地域密着型の図書館だなぁという印象を受けました。
島々に本を届けた
「図書館船」
「図書館船」
そうこうしているうちに図書館の正式オープンの時刻が近づき、お礼を述べて行こうとる私にMさんは
と黄色いリーフレットを渡してくれました。
と黄色いリーフレットを渡してくれました。
そこには、 かつて図書館のない島々に本や資料を届けた、
「図書館文化船ひまわり」
のことが書かれています。
「図書館文化船ひまわり」
のことが書かれています。
※今旅先で現物が手元にないので、「朝日新聞デジタル」のリンクを貼らせていただきます。
施設から遠いところの住民の方に車で本を届ける「図書館バス」はほかにもたくさんありますが、船でのサービスはこの「ひまわり」号だけ。
施設から遠いところの住民の方に車で本を届ける「図書館バス」はほかにもたくさんありますが、船でのサービスはこの「ひまわり」号だけ。
浅学にして私は、Mさんに教えていただくまでその存在をまるで知りませんでした。
自分の不勉強を反省するとともに、絶好の機会を与えてくれたMさんに感謝しつつ。
リタイアした「ひまわり」が展示されているB&G財団瀬戸田海洋センターに向って、歩き出す筆者。
リタイアした「ひまわり」が展示されているB&G財団瀬戸田海洋センターに向って、歩き出す筆者。
道のり遠く
船は歳をとっていても…
船は歳をとっていても…
「目的地まで片道2キロ強、徒歩だと大変かも…」とMさんは心配してくれましたが、歩くのはまだまだ苦になりません。
秋晴れの空のもと、左手に海・右手に街の風景臨みながらてくてく進んでいきます。
図書館から30分以上歩いたでしょうか、目印のドルチェが見えてきます。
しかしここまで順調だったのですが、しまなみ海道を脇に入ってからがちょっとわかりづらい。
「B&G財団瀬戸田海洋センターって、どっちですか?」尋ねたいのですが、その辺りに歩いている人がいないのです。
やっと畑仕事しているお婆さん見つけて声をかけたら、ご当人耳が遠くてますで通じず。
それでもなんとかリーフレットの地図とGoogleマップを頼りに、ようやくたどり着きました!
「ひまわり」の船体は、全長14メートル。 ちょうど私をにっぽん丸からここまで運んでくれた、通船と同じくらいでしょうか。
船の向こうに見えているB&G財団瀬戸田海洋センターは普通のスポーツ施設で、特に館内に「ひまわり」号の追加展示があるわけでもありません。
2015年に塗装し直したとはいえ、歳老いたリタイア船。
というイメージで期待し過ぎると、中には実際に見てがっかりする人がいるかもしれません。
でも私がこのアングルから見た「ひまわり」は、『宇宙戦艦ヤマト』にも負けない雄姿と私の目には映りました。
そしてそばにある説明文を読むと、胸に迫るものが。 「ひまわり」就航は、1962年(昭和37年)。
この船は、私と同い年だったのです!
図書館船への想いと
レモンの香りに包まれ
レモンの香りに包まれ
1962年代、高度成長期を前に。 まだまだ、現代の豊かさのかけらもなかったあの頃の日本。
本やレコードを好きなだけ買うなんて、よほどのお大尽でなければ無理。
ましてや、本州と違って交通の便が良くない島の暮らし。
文化や娯楽に飢えている人たちのもとへ、
図書館船ひまわり。
図書館船ひまわり。
私が大学に入り上京した1981年(昭和56年)に、ひまわりは図書館バスにその役目を譲ったそうです。
多くの島民の方たちに、夢を届け続けた図書館船。
今は、ゆっくりお休み。
今は、ゆっくりお休み。
そんな想いを胸にしまなみ海道の脇道を歩けば、畑からはたわわに実るレモンたちのいい香りが。
せっかく、日本有数のレモンの産地へ来ているのですから。
お土産にレモンケーキとゼリー、レモンのビールとサイダー買って、
さぁにっぽん丸も出航の時刻です。
お開きまでお付き合いいただきまして、まことにありがとうございます。ぜひまた、ご訪問くださいませ。
入船亭扇治拝
入船亭扇治拝
タグ:図書館 にっぽん丸