下町の風情ある神社で、粋な都々逸~『お歳暮スピリッツ』その④互選結果・前編~ [web雑俳]
青空のもと、下谷神社の鳥居をくぐる黒猫こまち。
一字縛り都々逸
お客さまの互選結果
お客さまの互選結果
令和3年師走の日曜に行われた、古今亭駒子師主催の雑俳落語会『お歳暮スピリッツ』・連続5回公演のうちその④。
私が参加させてもらった回・言葉遊びの兼題は、「一字縛り都々逸 古今有名落語」。
古典から新作までの、有名な落語のタイトルを読み込んだ都々逸を作る…のではありません。
「古・今・有・名・落・語」のうち任意の一字だけを入れて、七七七五の文句をこしらえるお遊び。
出演者とお客様から集まった作品、計69句。
傑作揃いの中から、まずは当日ご来場くださったお客様の選をご紹介しましょう。
(私はこういう解釈で、この句を採らせていただきましたよ)という意を込めての作品を引き立てる七七の「効き」のつけ方。
そしておしまいに添える新作「軸(自句)」をお楽しみください。
キッチュ選
人の位
地の位
天の位
雲隠し
軸(自句)
なまけ亭でぶじい選
人の位
地の位
天の位
雲隠し
張子の猫選
人の位
地の位
天の位
雲隠し
軸(自句)
出演者選
まずは一人目
まずは一人目
続いて楽屋一同の選を発表。
出演者はお客様より5句多く採らせていただいているので、一度に書き連ねると読むのが(記事にする方も)ちょっと大変。
そこで今回はまず、トップバッターひとりの選を公開いたします。
前項お客様の選に何作も入選、なかなかに都々逸の肝をわきまえているこの人の互選結果。
柳家小もん選
客の一
客の二
客の三
客の四
客の五
人の位
地の位
天の位
雲隠し
軸(自句)
ブログ主の
自作振り返り
自作振り返り
筆者の拙句もいくつか採ってもらえて、ありがたい限りです。
そのうち「張子の猫」さんの天に抜けた
は、一番最初に思いついた句。
は、一番最初に思いついた句。
語りかけている相手はもちろん古女房、なんでしょうが…。
わが家の場合だと、こんなシチュエーションもありかなと詠んだ句です。
以前☆「猫から守れ、人間の食卓!」でご紹介した、人のトンカツをかっさらっていく食いしん坊猫。
困ったものですが、歳をとってもなおその元気があればそれはそれで嬉しいこと。
共同執筆猫こまちと共白髪まで、楽しく呑気ブログ続けていけたらいいな。
長生きしてね。
長生きしてね。
こまち
「でもそのためにはまず栄養つけなきゃ。 手始めにそのお刺身を、ちょいといただきましょうかね」
お開きまでお付き合いいただきまして、まことにありがとうございます。ぜひまた、ご訪問くださいませ。
入船亭扇治拝
入船亭扇治拝
※この会互選結果の続きは、☆選者のセンスで、同じ句もガラっとイメチェン!~『お歳暮スピリッツ』その④互選結果・中編~にてご覧いただけます。
タグ:web雑俳 都々逸 猫
穴の向こうに、猫がいる~猫画像で振り返る、2021年その② [猫のいる風景]
自分を狙う敵より一瞬早く、相手の銃口越しに必殺の一撃を放つ敏腕スパイ。
007映画の、有名なオープニングシーンを気取ってみた黒猫こまち。
ついでに映画会社のマークも、演じてもらいましょうか。
名門映画会社も、今ではAmazonの傘下。
時代は、変わるものですね。
穴の向こうの
黒い猫で遊んでみた
黒い猫で遊んでみた
2021年の写真を整理していると、冒頭イラストのような「何かの穴越しに見た猫」の画像が何パターンか出て来ました。
一番初めにそういう写真を撮ってみたのは、これがきっかけ。
晩酌の肴、
『東ハトポテコ』。
『東ハトポテコ』。
女房と、”どっちがポテコを高く積み上げられるか”なんて呑気な遊びしている時。
ふと007映画のこと思い出し、銃口のバレルに見立てて穴あきお菓子越しにこまちを撮影してみました。
言いたげな表情のこまち。
今度は
魚介類で007!
魚介類で007!
当猫は好まなくても、私自身がこの絵面気に入ったので。
機会を見つけてはさらにほかの穴あき菓子で、007画像を撮ってみることにしました。
機会を見つけてはさらにほかの穴あき菓子で、007画像を撮ってみることにしました。
次なるアイテムは、こちら。
岩合光昭さんのように語りかけながら、シャッターを切る私。
迷惑そうな目でこっちをにらむ黒猫。
これでめげてちゃ、いい記事は書けません。
続いて、カニはどうだカニは。
うまくはまると、仮面舞踏会の淑女のようじゃないか。
ほめてあげてんのに、当猫は愛想のかけらもなし。
お菓子以外でも
チャレンジしてみた!
チャレンジしてみた!
加工写真やトリック撮影が大好きな私、お菓子じゃないもの越しにもこまちをフレームインさせてみました。
缶酎ハイに付いていた、「東京オリンピックを応援しよう」のタグ。 公式キャラクター『ミライトワ』の向こうで、我れ関せずのこまち。
複雑な状況下で開催された、スポーツの祭典。
右往左往する人間たちの営みを、一歩離れたところから冷静に見ているよう。
右往左往する人間たちの営みを、一歩離れたところから冷静に見ているよう。
倅が女房と私に
と300円ショップで買ってくれた、バルタン星人とガラモン柄のグラス。
私がもらったバルタングラス越しに黒猫を撮影すると…おお!
実相寺昭雄監督がメガホンをとった、『恐怖の宇宙線』の一場面みたいじゃないか!
※この作品については、☆巷で見つけた「猫・のようなもの」で触れております。
おまけで、近所の動物病院の窓越しに撮った風景も。 爪とぎ…なのかな?
巨大な「C」の向こうの三毛猫、これもちょっとシュールな1枚。
締めは
代表的な穴あき菓子で
代表的な穴あき菓子で
さてこのシリーズのおしまいは、穴あき菓子の代表格に締めてもらいましょう。
といっても、実際の時系列的にはポテコやおっとっとより少し前。
女房が買ってきてくれた、ミスタードーナツで撮ろうとしたことがあったのです。
女房が買ってきてくれた、ミスタードーナツで撮ろうとしたことがあったのです。
そう思って、ストロベリーリング片手にスマホを構えてみたら…
穴が小さすぎて、向こうにいるのが猫だかなんだかわからない!
ドーナツの穴は小さいほど食べるところが多くていいのでしょうが、この時ばかりはミスタードーナツの良心的な経営方針を恨みました。
仕方なくリアルの代わりにイラストこまちでこんな画像を作り、Twitterで呟いたことが。
今回は新たに動くGIFで、ストロベリーリング越しのこまちを見ていただきましょう。
お開きまでお付き合いいただきまして、まことにありがとうございます。ぜひまた、ご訪問くださいませ。
入船亭扇治拝
入船亭扇治拝
タグ:黒猫 猫イラスト 猫画像
粋で楽しい都々逸で、年の瀬を愉快に過ごそう!~『お歳暮スピリッツ』直前告知~ [落語情報]
寄席の高座で、得意の都々逸を披露する黒猫噺家。
こまちのはやっぱり、色気より食い気だなー。
雑俳落語会
直前に再度ご案内
直前に再度ご案内
☆慌ただしい年の瀬を、江戸言葉遊びで粋に楽しく!~雑俳落語会『お歳暮スピリッツ』へのお誘い~でお知らせした、古今亭駒子師主催の『お歳暮スピリッツ』。
連続5公演中私の出る会について、直前の再告知をさせていただきます。
お得な前売り
ブログ主でも承り中
ブログ主でも承り中
この回の宗匠を務めてくれるのは、噺家きっての都々逸名人・篝火舎(柳家)小里ん師匠。
大喜利の互選会「開き」でも、いろいろと今後都々逸を作るうえで参考になる話が聞けるのではと期待しています。
前売り料金は2000円と、当日より500円もお得!
会主の駒子師のほか、よろしければ
でもお申込み承っております。
でもお申込み承っております。
暮れの慌ただしき時だからこそ、粋な言葉遊びでひと息つかれてはいかがでしょう。
飽くことなき
黒猫の食欲
黒猫の食欲
冒頭イラストで唄った都々逸のように、ご飯食べることに尋常でない意欲を燃やすこまち。
機会があると自分のお皿の前で、「ゴハン、ちょーだい」とおねだりポーズ。
実はこれ、5分前に夕食のカリカリ食べたばっかりなんですよ。
こうやって潤んだ目で見上げていると、たまに根負けした人間が何かくれることがあるのを経験上知っているのです。
またある時は、ごく自然に私たちと同じ食卓へ同席して。 それこそ落語『都々逸親子』に出て来る文句
みたいな格好をしてみたり。
そして近所のスーパーで買った、30%引きのお刺身に目が釘付け。
しょうがないなー。
じゃあ久しぶりだからおめでたく、鮪と鯛のミニ紅白盛りにしてあげようか。
じゃあ久しぶりだからおめでたく、鮪と鯛のミニ紅白盛りにしてあげようか。
ただし特別なご飯食べる時は、あの儀式をちゃんとやるんだよ。
※この「儀式」については、私のTwitter
をご覧ください!
をご覧ください!
お開きまでお付き合いいただきまして、まことにありがとうございます。ぜひまた、ご訪問くださいませ。
入船亭扇治拝
入船亭扇治拝
タグ:入船亭扇治 落語 雑俳
猫画像で振り返る、2021年その①(1月~3月編) [猫のいる風景]
2021年も、いよいよ押し詰まってきました。
なにかと慌ただしい日々、たまには一服してこの一年の来し方を振り返ってみましょうか。
猫と一緒に
迎えた新年
迎えた新年
先日当ブログ記事の整理をしていて、最近『猫のいる風景』記事を書いてないことに気づきました。
ほぼ猫アカウントになっているTwitterにこまちの写真や動画を優先的に上げているので、こちらで扱う素材選びがなかなか難しかったというのがその理由。
今回はいい機会なのでTwitter掲載の動画からひとコマ切り取ったり、ブログ未掲載の画像を発掘したり。
”想い出アルバムの在庫整理”をしながら、こまちとの日々を巻き戻してみようと思います。
まずは令和3年元日。
ミニ門松と黒猫のおめでたい写真撮るところから、わが家の新しい一年は始まりました。
無事撮影が終われば、女房・子どもたちと一緒にこまちへもお年玉を進呈。
最終的には、☆webおみくじで占う、令和3年あなたの運勢!掲載のような絵にすることができました。
※この時やったおみくじみたいな企画、来年も3が日中にやりたいと思っています。お楽しみに!
※この時やったおみくじみたいな企画、来年も3が日中にやりたいと思っています。お楽しみに!
さてここまで来れば奥ゆかしいこまちも、お年玉を受け取る気になったくれたようです。
「ありがとうございます、頂戴します」と、丁寧に頭を下げる黒猫。
年中行事に
付き合う共同執筆猫
付き合う共同執筆猫
皆様ご存知の通り、猫は総じて独立独歩・自由で気ままな性格。
プライドも高いので、こんな具合にお年玉付年賀ハガキとツーショット撮ると…
「ピントが、アタシに合ってないじゃないの!」
お叱りを受けます。
お叱りを受けます。
「すいません、スマホカメラが勝手に焦点合わせちゃったんで」言い訳しながら再撮影。
これで少しは猫モデルとしての自覚が出来たのかと思えば、全然そんなことはなく。
季節は巡り
花はまた開く
花はまた開く
そんな黒猫の写真が増え続けるうち、時はどんどん流れて。
☆「電気ストーブ=非効率・電気代高い」の常識を覆す、優良省エネ家電!で綴った、エアコンが壊れたので急きょ買った電気ストーブ。
ついている時はその前から離れなかったこまちを、柔らかい早春の陽射しが包む季節になりました。
コロナ禍で昨年以上にきつい滑り出しとなった2021年ですが、人間の汲々とした営みを超越した猫の姿には本当に癒されます。
久しぶりで帰ってきた大好きな娘の頭に歓迎のぺしぺしするこまちなどは、その最たるもの。
普段あまり愛想よくしないおねがい猫マスコットとも、この日は仲良く並んで。
その視線の先には、今年も咲き誇る満開の桜が。
お開きまでお付き合いいただきまして、まことにありがとうございます。ぜひまた、ご訪問くださいませ。
入船亭扇治拝
入船亭扇治拝
タグ:猫 イラスト 写真
四国での学校公演で思い出す、先人の名高座 [落語情報]
小学校のステージ上に組まれた寄席の高座で、マイクチェックをする黒猫噺家。
ご苦労さまだけど今どき「本日は晴天なり」とは、あんまり言わないんじゃないかなぁ。
セットと照明で
体育館が寄席に変身!
体育館が寄席に変身!
毎年文化庁が企画・指定した地域の学校で開催される、「少年少女のための芸術鑑賞教室」。
それを請けた私がお世話になっている業者は、小学校での公演を『わんぱく寄席』。中学以上は『学校寄席』のタイトルで、番組製作をしています。
2021年12月5~8日・その文化庁公演で、四国は高松に伺いました。
公演2日目は、高松市内から車で1時間ほどの三豊市立桑山小学校にて。
校章が「桑」のデザイン文字になっている学校。
その周りの畑やお宅の庭では、今ハッサクがたわわに実っています。
その周りの畑やお宅の庭では、今ハッサクがたわわに実っています。
私が学校周辺を散策して帰ってくると、会場のセッティングが出来ていました。 学校主催の時より予算が多いので、普段の基本セットである金屏風・高座・めくりに加え舞台両袖に暖簾付き衝立が組まれます。
照明も業者持ち込みのハイパワーのものを使いますから、それが当たると体育館のステージが華やかに寄席へと変身!
生徒たちに、少しでも生の寄席の雰囲気を味わってもらえたら嬉しいですね。
※この学校公演用金屏風、実は(って見りゃわかるか)本物ではありません。
持ち運びの便を図るため、ある物を使ってそれらしく作ってあるのです。
持ち運びの便を図るため、ある物を使ってそれらしく作ってあるのです。
「ある物」とはいったい何か?
それについては私の個人的エピソードをからめ、別記事で綴りたいと思います。
太鼓体験に
落語関係展示コーナーも
落語関係展示コーナーも
文化庁公演では演芸の鑑賞だけでなく、日本の伝統芸能としての寄席芸を生徒さん方に体験してもらう工夫をしています。
実際に高座で短い噺を演じてもらったり、扇子と手拭いの仕草を覚えたり。
舞台下には太鼓を出して、鳴り物体験も。
こまちも生徒さんと一緒に、お客さんがたくさん来てくれるよう「ドンドン、ドーンとコイ」。寄席の一番太鼓を打たせてもらいましたよ。
体育館入り口には、落語関係の展示物を間近に見られるコーナーも設けられています。 全国各地の公演を記録したネタ帳、噺家の扇子や手拭いなどなど。
上段左端には
と染め抜かれた、私の師匠・扇橋の手拭いも見えます。
と染め抜かれた、私の師匠・扇橋の手拭いも見えます。
芸人の色紙も、何枚か展示。
これも師匠の筆で
実はこれ扇橋吟ではなく、柳家小三治師匠が詠んだものだそうです。
一見、なんでもない句のように思えますが…。
一見、なんでもない句のように思えますが…。
そんな「ささやかな喜びの気持ち」がとてもよく出ていると、うちの師匠が小三治師匠に頼んで譲ってもらったという話を聞きました。
こちらは、出演者の寄席書き。 座長の先代桂小南師匠、橘家文蔵・紙切りの林家正楽も共に先代。
「さんゆうていぬう生」は、奇しくも今回の旅初日である12月5日に訃報を知った三遊亭円丈師匠。
その円丈師の手拭いも、コーナーに飾られていました。
常に東京の新作落語界の先頭を走り続けたパイオニア、心よりご冥福をお祈り申し上げます。
貴重な
『学校寄席』誕生時の写真
『学校寄席』誕生時の写真
展示コーナーにはもう一つ、懐かしいものが並んでいました。
この業者さんの学校公演の歴史を振り返る小冊子に掲載の、第1回『学校寄席』の模様。
生徒向けの芸術鑑賞といえば演劇が主流だった時代、昭和47年7月3日に伊豆の学校で産声をあげた学校寄席。
鳴り物解説の光景を切り取った写真、並んでいるのは左から
いやー、そうそうたるメンバー。
小南師匠は私も何度か学校公演でご一緒しましたが、まぁ解説も高座も丁寧で生徒たちにウケることウケること!
私が聴いた限りでは、小南師匠が学校で逸れた・蹴られた(ウケなかった)ことは一度たりとてありませんでした。
師匠・扇橋も大先輩小南師匠が学校で演じる『転失気』には一目置いており、
しみじみと旅帰りの車中で諭してくれたのを思い出します。
そんな先達たちにはもちろん及ぶべくもありませんが、今の私にできるだけの話術で若い世代の人たちに落語の楽しさを少しでも伝えられたら。
さぁ、高松での学校公演・2日目もそろそろ開演時間。
生徒さんたちの入場が、これから始まります。
お開きまでお付き合いいただきまして、まことにありがとうございます。ぜひまた、ご訪問くださいませ。
入船亭扇治拝
入船亭扇治拝