再訪した人吉のホテルは、水害からたくましく復興中!〜令和4年度文化庁ツアー旅日記②〜 [旅のアルバム]

車窓越しに緑豊かな山並みを眺めながら、高速道路サービスエリアで買ったソフトクリームなめる黒猫こまち。
高速道路から
のぞむ緑の山々
のぞむ緑の山々
で綴りました2022年文化庁公演ツアー。
初日の学校終演後、舞台の片づけを済ませたスタッフの運転する車で熊本県人吉市の宿へ。
初日の学校終演後、舞台の片づけを済ませたスタッフの運転する車で熊本県人吉市の宿へ。
九州自動車道をひた走ること3時間。
短いとは言えない移動時間ですが、車中で芸人どうしパーパー喋っていると退屈はしません。
短いとは言えない移動時間ですが、車中で芸人どうしパーパー喋っていると退屈はしません。
喋べり疲れたら口を閉じて、しばし車中から外の景色を眺めるも良し。
冒頭イラストのように緑が目にしみる山の連なり、(ああ、九州へ来てるんだなぁ)と実感。

もこもこした山の間から、巨大怪獣でも出てきそう。

3年半ぶりの
熊本が近づいて
熊本が近づいて
私は今回の学校公演につなげて、個人的に熊本で3日間高座の機会を作ってもらっています。
昔から本当に親身に世話をしてくださる、大学の先輩の企画。
昔から本当に親身に世話をしてくださる、大学の先輩の企画。
この方が代表を務める「熊本扇治の会」からは多い時は毎年のように呼んでいただいていたのですが、コロナ禍でもう3年半ご無沙汰。
しばらくぶりで懐かしい皆様にお会いできる、その熊本の地がだんだん近づいて来る。
しばらくぶりで懐かしい皆様にお会いできる、その熊本の地がだんだん近づいて来る。
移動の途中休憩で立ち寄った広川サービスエリアの売店では、この人にも再会できました。
熊本県営業部長兼・しあわせ部長の「くまモン」。

久しぶりだね、
達者だったかい?
達者だったかい?
こまちも再会を祝し、自分の分身をくまモングッズコーナーに残してきましたよ。
広川サービスエリアでもしこまち人形見つけたら、連れて帰ってあげてくださいね。

再訪した宿
ロビーが様変わり
ロビーが様変わり
そんなこんなで、道中まるで退屈せぬまま。
スタッフの安全・快適な運転で、一行を乗せたワゴン車は無事今宵の宿・ホテルサン人吉に到着。
スタッフの安全・快適な運転で、一行を乗せたワゴン車は無事今宵の宿・ホテルサン人吉に到着。
するとこまちが、こんなことを言い出します。
「ここ、前来たとこだよね?」

ああ、そう言われてみれば。 5年前やはり学校公演で球磨郡まわった時、人吉のこのホテル泊まったな。
車寄せと玄関の様子を見て、記憶が甦ってきました。
車寄せと玄関の様子を見て、記憶が甦ってきました。

でも中へ入ってみると、ロビーの様子が憶えているのとまるで違います。
前は赤い絨毯が敷いてあったはずの床はベージュの大理石調になっており、がらっと印象が変わっている。
なにより5年前には「近隣の観光案内」コーナーに並べてあった、『夏目友人帳』ニャンコ先生先生のぬいぐるみなどが見当たりません。
前は赤い絨毯が敷いてあったはずの床はベージュの大理石調になっており、がらっと印象が変わっている。

代わりにその一角には、今こういうボードが掲げられていました。


球磨川水害から
たくましく復興
たくましく復興
2020年7月、人吉市と球磨村一帯に降った豪雨で球磨川が氾濫。
駅前にあるホテルサン人吉1階部分も、甚大な被害を受けていたのです。
駅前にあるホテルサン人吉1階部分も、甚大な被害を受けていたのです。
ロビーには、その時の記録画像も掲示してありました。


遅まきながら水害被災された皆様へ、お見舞い申し上げます。
とともに、(自分も薄情だったなぁ)と内心忸怩たる思いも。
人吉球磨水害があった当時は、私にとってはコロナ禍の真っただ中。
仕事も先行きの展望もなく、この呑気ブログで猫イラスト描いたりweb雑俳を企画したりで、なんとかモチベーションを保っていた頃でした。
仕事も先行きの展望もなく、この呑気ブログで猫イラスト描いたりweb雑俳を企画したりで、なんとかモチベーションを保っていた頃でした。
精神的に追い詰められていたので、遠く離れた地の災害はお恥ずかしい話ですが「他人ごと」として当時の私は流してしまっていたのでしょう。
気がないから、前に泊まったホテルの変わりようを見るまで水害があったことすら忘れていました。
本当なら今回の公演スケジュールもらった時に「人吉」の文字を見て、かつて訪れた地の被災後に思い至らなければいけなかったのに…。
本当なら今回の公演スケジュールもらった時に「人吉」の文字を見て、かつて訪れた地の被災後に思い至らなければいけなかったのに…。
自分本位な人間で、本当に申し訳ございません。
胸の中で頭を下げながら、前項でご紹介したサン人吉への応援メッセージに目を通します。
胸の中で頭を下げながら、前項でご紹介したサン人吉への応援メッセージに目を通します。
ささやかながら
鰻で復興支援
鰻で復興支援
ボードに貼られた中の一枚には、こんなことが書かれています。
「うなぎまた人吉まで必ず食べに行きますので どうか体を大切にされてください!」

そう、人吉は鰻がおいしいのでも有名なのでした。
フロントにも、こんなチラシが置いてあります。
ホテルのレストランで出している肝焼きが乗っかった蒲焼のお重が、なんと税込1500円。
東京では、まず見かけない魅力的な価格設定。
フロントにも、こんなチラシが置いてあります。

東京では、まず見かけない魅力的な価格設定。
だったら、今夜はサン人吉のレストランで鰻と張り込むか。
他県から来た人間が地元飲食店を利用するのも、ささやかながら災害復興の一環になることだし。
他県から来た人間が地元飲食店を利用するのも、ささやかながら災害復興の一環になることだし。
こまちも、一緒においで。
「やったー!」



お開きまでお付き合いいただきまして、まことにありがとうございます。ぜひまた、ご訪問くださいませ。
入船亭扇治
入船亭扇治
タグ:落語 旅 猫