『第3回入船亭一門会』お開き御礼 [落語情報]

夕刻の池袋演芸場前で、威勢よく一番太鼓を打つ黒猫こまち。
第3回一門会
前半戦高座アルバム
前半戦高座アルバム
2022年5月30日夜に開催いたしました、『第3回入船亭一門会』。
こまちがドンドンドンとコイと一生懸命太鼓を打って呼び込みしてくれたおかげもあり、大勢のお客様においでいただき盛況のうちお開きにすることができました。
ご来場の方々・応援してくださった皆様に、厚く御礼申し上げます。

それでは当日の様子を、画像でざっと振り返ってみましょう。
まずは開演直前の楽屋、おいしそうな差し入れのお菓子に舌なめずりするこまち。
自分の高座が済んだら一ついただきなさい。
ただ、楽屋は禁煙になったのでタバコは遠慮するように。かわいそうに前座が、煙たそうな顔してるよ。

ただ、楽屋は禁煙になったのでタバコは遠慮するように。かわいそうに前座が、煙たそうな顔してるよ。
その前座が開口一番を務めた後は私・扇治が一席、演目は師匠に教わった『近日息子』。
愚かしい人物を扱ったこの噺、最近はあまり高座にはかかりませんがとぼけた味が個人的に好きな演目です。
愚かしい人物を扱ったこの噺、最近はあまり高座にはかかりませんがとぼけた味が個人的に好きな演目です。
続いての出演者は、九代目扇橋の末弟子・扇里師。
座っている傍らにあるのは、以前落語協会イベントのために作った師匠の句入りトートバッグ。
”炭熾す前座は踞む(かがむ)ことばかり”


師匠形見分けの着物に身を包んだ扇里師が当日演じたのは、歌人・西行の若き日を題材にした『鼓ケ滝』。
俳句をたしなんだ師匠の想い出にも繋がる高座。

仲入り前には一門の筆頭弟子・扇遊師匠が登場。
生前の師匠から事あるごとに言われた「高座では行儀よく」の教えをきちっと守る、丁寧なお辞儀。
そこから始まった高座の演目は『厩火事』。
年下の亭主を持つ髪結い女性の気持ちを描いた、自身十八番の一つ。



年齢とともに円熟味を増す筆頭弟子の芸に、お客様はすっかり引き込まれていました。
その高座姿を、客席脇からちょいとだけパチリ。
その高座姿を、客席脇からちょいとだけパチリ。

仲入り後は
”怒涛の後半戦”
”怒涛の後半戦”
前半三席ご披露したところで、お仲入り。

歌舞伎やコンサートなどと違い、「お客様が帰っちゃうといけない」というのでとにかく短いのが寄席の休憩時間。
皆様のお手洗いや一服が済んだ後の「クイツキ」出番は、扇辰師の担当。
「えー、ただ今から怒涛の後半戦、こっからが本番で。これに比べたら前半なんて、遊びみたいなもんですから」
言いながら絶妙のタイミングで、
楽屋の方を向いて舌をペロリ。


楽屋の方を向いて舌をペロリ。

こういういい間でまたすーっと休憩後のお客様の気持ちを高座に引き戻した扇辰師、語り始めたのは扇橋が生前本当によく演じていた『茄子娘』。
清廉潔白な僧のもとへ真夏のひと夜、自らを「茄子の精」と名乗る美しい娘が訪ねてきて…というこの噺。
袖で聴いていると、絽の涼しげな着物をまとって飄々と語っていた師匠の姿と口調が脳裏に甦ってきます。
そして当夜のトリを務めるのは、扇好師。
今回出演者の中で個人的に一番多くお客様を呼んでくれました。
そばにお酒とか楽屋見舞いがいっぱいあって、羨ましいなぁ。

そのトリが満を持し出囃子に乗って、高座に上がります。
楽屋袖から一歩踏み出した瞬間、もう噺家の出番は始まっている。

マクラで
と、右手でお金マークを作る扇好師。
どっと笑いが来たところで、本筋は『笠碁』。
と、右手でお金マークを作る扇好師。

いい歳をした旦那ふたりが、碁の待った待たないから大げんかして絶交。
元々は竹馬の友の幼馴染どうし、会って仲直りしたいんだけれどお互い強情で言い出せず…。
元々は竹馬の友の幼馴染どうし、会って仲直りしたいんだけれどお互い強情で言い出せず…。
後半はずーっと雨が降り続くこの噺、紫陽花の咲くこの時期に聴くと胸にしっくり来ますね。
オリジナルグッズ
若干在庫あり!
若干在庫あり!
この時期といえば、今回作った会オリジナルクリアファイルも九代目扇橋の紫陽花の句をあしらったデザイン。
仲入り・お開き後に沢山の方にお買い求めいただきましたが、あと若干枚数こちらの手元に在庫がございます。

にて通販対応もいたしておりますので、ご希望の方いらっしゃいましたらお気軽にお申し付けのほどを!


お開きまでお付き合いいただきまして、まことにありがとうございます。ぜひまた、ご訪問くださいませ。
入船亭扇治拝
入船亭扇治拝
タグ:入船亭扇治 落語 猫