受け継がれる師匠の名跡、そして芸~第3回『入船亭一門会』ご案内 [落語情報]
池袋演芸場前で、盛んに落語会の呼び込みをする黒猫こまち。
池袋にて
三回目の一門会
三回目の一門会
師匠存命中には扇辰師の肝煎りで『扇橋一門会』を、なかの芸能小劇場でかなりの回数開催。
扇橋が雲の向こうへ旅立ってからは、私の借りている池袋演芸場特別番組枠で『入船亭一門会』を過去2回催しました。
扇橋が雲の向こうへ旅立ってからは、私の借りている池袋演芸場特別番組枠で『入船亭一門会』を過去2回催しました。
冒頭画像でこまちが宣伝しているのは、5月30日に開催される3回目の一門会。
この秋誕生する、
十代目・入船亭扇橋。
その披露目前に直接の弟子7人のうちこのメンバーが集まることができるのも、亡き師匠の導きかもしれません。 新扇橋への前祝いを兼ねて、楽しくまた充実した会を心がけます。
皆様のご来場、出演者一同心よりお待ち申し上げております。
十代目・入船亭扇橋。
その披露目前に直接の弟子7人のうちこのメンバーが集まることができるのも、亡き師匠の導きかもしれません。 新扇橋への前祝いを兼ねて、楽しくまた充実した会を心がけます。
皆様のご来場、出演者一同心よりお待ち申し上げております。
お得な前売入場券は、演芸場窓口・扇治にてお取り扱い中。
※電話・メールでのご予約は扇治のみ。
※電話・メールでのご予約は扇治のみ。
また第1回一門会につきましては、
にて綴っております。
にて綴っております。
恒例グッズ
今回も新作をご用意
今回も新作をご用意
過去2回の『入船亭一門会』では事前ご予約特典として会オリジナルクリアファイルを作製、配布・販売させていただきました。
1回目は忘年句会で詠んだ弟子たちの句を、師匠が短冊に書いてくれたものをコラージュ。
2回目は、各出演者の直筆色紙とブロマイド写真を散りばめてみました。
2回目は、各出演者の直筆色紙とブロマイド写真を散りばめてみました。
そして3回目、満を持して九代目扇橋の句をクリアファイル化!
チラシと同じモチーフですが、”使い回し”とは思わないでいただきたい!
こちらのデザインが先にできて、チラシはそれをアレンジして作ったのですから。
こちらのデザインが先にできて、チラシはそれをアレンジして作ったのですから。
というのがデザインコンセプト。
こまちが見せている面の反対側には、師匠が常日頃弟子たちに説いていた金言が入っています。
毎回丁寧な仕事をしてくれる専門店『小口屋』さん謹製の、丈夫で手触りのいいオリジナルクリアファイル。
OPP袋にお入れしての価格、
税込300円!
OPP袋にお入れしての価格、
税込300円!
当日会場のみでの先行限定販売となりますので、この機会にぜひ池袋へご来場のうえお求めください!
入船亭扇橋
懐かしの一枚
懐かしの一枚
5月30日の高座では、各演者が思いおもいに師匠のエピソードを語るかもしれませんが…。
本記事では、こんな画像をご覧いただきましょう。
2001年9月・上野鈴本演芸場にて、私の真打昇進披露口上風景。
協会専属カメラマンの横井洋司氏が撮影・焼き増ししてくださったもの。
協会専属カメラマンの横井洋司氏が撮影・焼き増ししてくださったもの。
画像左奥から、
という豪華メンバー。
という豪華メンバー。
幹部連がそれぞれ口上を述べたあと、お開きの手締めをしようという場面を切り取った一枚です。
自分で音頭をとると言い出した馬風師匠が「わが読売巨人軍のためにお手を拝借、あれっ違ったっけ?」とボケている隙に、大先輩の圓菊がさっさと「いよーっ!」声を発して三本締めに。
あっけにとられている鈴々舎、
ほかのメンバーは涼しい顔。
あっけにとられている鈴々舎、
ほかのメンバーは涼しい顔。
当時お約束だったこのギャグ、頭を下げながら間近で聞いたのが懐かしく思い出されます。
お開きまでお付き合いいただきまして、まことにありがとうございます。ぜひまた、ご訪問くださいませ。
入船亭扇治拝
入船亭扇治拝
タグ:落語 入船亭扇橋 猫
一段階難しさアップ、でも作りがいがある雑俳「気結び冠沓」~ゴールデンスピリッツ2022その⑥互選結果発表~ [落語情報]
雑俳落語会の会場・下谷神社会館玄関にて。
普段より丁寧に靴を下駄箱にしまい、帽子をポールハンガーにかける黒猫こまち。
だって今日の兼題は、
「冠沓附」ですから。
だって今日の兼題は、
「冠沓附」ですから。
気結び冠沓
扇治選をご披露
扇治選をご披露
に続いて、私が参加させていただいた古今亭駒子師主催の『ゴールデンスピリッツ2022』その⑥。
当日の兼題「冠沓」は、東西有名菓子の名を分解して七七の短句の頭とおしまいに配する言葉遊び。
そして今回は、ただの冠沓より一段ハードルを上げた「気結び」。
使った菓子の名と、詠んだ句の内容がリンクしていないといけません。
そして今回は、ただの冠沓より一段ハードルを上げた「気結び」。
使った菓子の名と、詠んだ句の内容がリンクしていないといけません。
雑俳の兼題中でもなかなかに難しいものだと思いますが、お客様と噺家から知恵を絞った秀句がたくさん集まりました。
そのうちからブログ主が選ばせていただいた句とそれに付けた「効き」を、まずはご披露。
そのうちからブログ主が選ばせていただいた句とそれに付けた「効き」を、まずはご披露。
気結び冠沓附
東西有名菓子の名一切
清濁随意
扇仮名女(入船亭扇治)選
東西有名菓子の名一切
清濁随意
扇仮名女(入船亭扇治)選
(いいな)と思った句
当日やはり大人気
当日やはり大人気
私が投句一覧「地巻」を最初にざっと眺めて(あ、この句はたくさんの方に抜かれるだろうな)と思い実際にその通りになったのが「オハギ 叔母の手作り思い出す秋」と「ダンゴ だんだんねだりうまくなった子」の2句。
どちらも同じ作者「張子の猫」さんの吟、本当にうまい句だなぁと感服いたしました。
どちらも同じ作者「張子の猫」さんの吟、本当にうまい句だなぁと感服いたしました。
オハギの方は、”思い出す秋”で見事に季節感が出て気結びになっているのが秀逸。
これが仮に「叔母の手作り思い出す時」だと、おはぎに限らずほかのお菓子でもいいことになってしまいますからね。
これが仮に「叔母の手作り思い出す時」だと、おはぎに限らずほかのお菓子でもいいことになってしまいますからね。
今はおそらくこの世にはいないのであろう、料理がうまくて自分をかわいがってくれた叔母さんへの想い。
私は月並みな効きしか付けられませんでしたが、ほかの選者がとてもいい五七五を添えているのでぜひそちらもご覧ください。
ダンゴの句、言わずとしれた落語『初天神』を題材にしての気結び。
この噺への関連付けを思いついた瞬間に、大成功は約束されたと言ってもいい秀句。
扇治拙吟も
まとめてご紹介
まとめてご紹介
今回私が拵えたのは、以下の10句。
かなり苦しいものばかりですが、ありがたいことに「クッキー」の句以外は噺家・お客様どちらかの選に入れていただきました。
感謝礼謝。
感謝礼謝。
個人的に自信があったのが、
「四六時中も想う鹿児島」。 作家・浅田次郎先生もこよなく愛する、南国産まれのフルーツかき氷『しろくま』。
私もしろくまの大ファンで、夏になって色んなメーカー製各種「しろくまアイス」が東京にも出回るようになると必ず買っています。
「四六時中も想う鹿児島」。 作家・浅田次郎先生もこよなく愛する、南国産まれのフルーツかき氷『しろくま』。
私もしろくまの大ファンで、夏になって色んなメーカー製各種「しろくまアイス」が東京にも出回るようになると必ず買っています。
他の噺家選者と
宗匠の選を発表
宗匠の選を発表
それでは私以外の出演者と、宗匠の選も発表しておきましょう。
まずはそれぞれの、直筆互選用紙を掲載。
終演後私が高座の上でバタバタっと撮影した画像で、見づらいところはご容赦ください。
当日の雰囲気だけでも、味わっていただけましたら。
終演後私が高座の上でバタバタっと撮影した画像で、見づらいところはご容赦ください。
当日の雰囲気だけでも、味わっていただけましたら。
植木歌人(柳家小せん師)選
大口喧益(古今亭志ん丸師)選
根室蝦夷前(三遊亭金八師)選
宗匠
篝火舎(古今亭)志ん橋師匠選
篝火舎(古今亭)志ん橋師匠選
この互選結果をPDF文書にまとめたものは、
にて公開しております。
にて公開しております。
「気結び冠沓」による言葉遊びの世界、お楽しみいただけましたでしょうか。
このシリーズ次回はいよいよ、雑俳兼題中最難関と言われる「物者附」の互選結果を大発表!
お開きまでお付き合いいただきまして、まことにありがとうございます。ぜひまた、ご訪問くださいませ。
入船亭扇治拝
入船亭扇治拝
タグ:雑俳 落語 猫
わが家の黒猫、令和4年子どもの日を満喫! [日々雑感]
2022年5月5日、
子どもの日。 中にお菓子がたくさん詰まった鯉のぼり巾着、二つも買ってもらいご満悦の黒猫こまち。
子どもの日。 中にお菓子がたくさん詰まった鯉のぼり巾着、二つも買ってもらいご満悦の黒猫こまち。
公園内に泳ぐ
手作り鯉のぼり
手作り鯉のぼり
4月下旬、地下鉄中野富士見町駅そばの「本五ふれあい公園」の前を通りかかると。
公園入口に、大きな鯉のぼりが泳いでいるではありませんか。
面白そうだなと園内に入ってみれば…。思い思いにペイントされた手作り鯉のぼりたちが、ずらっと並んでいます。
区内各所で行われている『大きなこいのぼり』イベントの、この地域の会場になっているんですね。
鯉のぼりに色を塗ったのは、事前にイベント参加した子どもたち。 こまちも、
やりたかったニャー。
鯉のぼりに色を塗ったのは、事前にイベント参加した子どもたち。 こまちも、
やりたかったニャー。
子どもらしい自由な発想で彩られた鯉のぼり、それぞれに個性があって見ていて楽しい!
ただあいにくその時は、小雨がぱらつく肌寒い天気。
雲に覆われた空をバックでは鯉のぼりたちも今ひとつ泳ぎがいがないでしょう。
雲に覆われた空をバックでは鯉のぼりたちも今ひとつ泳ぎがいがないでしょう。
そこでの時と同じように、無料高機能フォトレタッチアプリ『GIMP』で即席青空をちょちょいのちょい。
商店街には
ミニ鯉のぼりが
ミニ鯉のぼりが
本五ふれあい公園から中野通りを十貫坂へ、右に曲がって鍋横商店街に入ってみると。
アーケード街のあちこちに、かわいい夫婦のミニ鯉のぼりが上がっていました。
こまちにも来年は、こういうの買ってあげようかねー。
リアルこまちも
子どもの日に参加
子どもの日に参加
家で留守番のリアルこまちにも、子どもの日気分を味あわせてあげましょう。
こまちが変顔全開で興味を示しているのは、楽屋でいただいてきた差し入れのちまき。
ちゃんと興味を示してくれて、それなりに子どもの日らしい絵が撮れました。
同じアングルで動画も撮影したのですが、窓の外に見えているのが庭先の洗濯物。
同じアングルで動画も撮影したのですが、窓の外に見えているのが庭先の洗濯物。
これだと生活感丸出し。
せっかくだから、庭に鯉のぼりを泳がせてみたいな。
せっかくだから、庭に鯉のぼりを泳がせてみたいな。
そう思い立つと、動画の最終フレームからこまちの止め絵を切り出し。
これをGIMPでちょっきん、
窓の部分とこまちを切り離し。
窓の部分とこまちを切り離し。
こまちと窓の間に、この写真と同じアングル撮影の動画を挟んでやります。
近所のお宅で毎年上げていらっしゃる、立派な鯉のぼり家族。
雲一つない本物の好天をバックに気持ちよく泳ぐ姿を、やはり無料で働き者の動画編集アプリ『Aviutl』で合成。
完成した動画は、5月5日付扇治Twitterにて公開しております!
完成した動画は、5月5日付扇治Twitterにて公開しております!
まがりなりにもわが家の黒猫に子どもの日体験をさせてやることができて、まずはひと安心。
私たち大人は、子どもたちに少しでも明るい未来を用意してあげられるよう。
あらためて、日々考えていかなければと思った今年の5月5日でした。
あらためて、日々考えていかなければと思った今年の5月5日でした。
お開きまでお付き合いいただきまして、まことにありがとうございます。ぜひまた、ご訪問くださいませ。
入船亭扇治拝
入船亭扇治拝
粋で楽しい雑俳「地口附」今回も傑作揃い!~ゴールデンスピリッツ2022その②互選結果発表~ [落語情報]
2022年ゴールデンウィーク2日目。
好天のもと下谷神社に、雑俳落語会のためやって来た黒猫こまち。
まずはブログ主の
互選結果発表
互選結果発表
古今亭駒子師主催の『ゴールデンスピリッツ2022~江戸言葉遊び雑俳の会~』。
4月30日から全8公演の幕を開けたこの企画、「その②」の回に出演させていただいた筆者。
落語会のあとの大喜利・雑俳互選会「開き」での、私の選をまずは発表させていただきます。
☆『言葉遊びの楽しさ溢れる雑俳落語会で、優雅な連休を過ごそう!』に掲載の作品一覧「地巻」とともに、ご覧いただけましたら。
落語会のあとの大喜利・雑俳互選会「開き」での、私の選をまずは発表させていただきます。
☆『言葉遊びの楽しさ溢れる雑俳落語会で、優雅な連休を過ごそう!』に掲載の作品一覧「地巻」とともに、ご覧いただけましたら。
兼題:地口附 本邦有名テレビ番組名
扇仮名女(入船亭扇治)選
扇仮名女(入船亭扇治)選
今回大変に暴れた(多くの人に抜かれた)作品が、噺家チームとお客様サイドでそれぞれ1句ずつありました。 私も、その両方を採らせていただいております。
噺家吟では、駒子師の「八時だよ京浜急行」。
この番組名では私も一つ拵えてみましたが、それよりもずっといい句だと脱帽。
なんとも言えないとぼけた味わいが、いかにも雑俳らしいと思います。
なんとも言えないとぼけた味わいが、いかにも雑俳らしいと思います。
お客様作だと、Fe-manさんの「金だけかかる世界の旅」も本当に多くの人の選に入りました。
海外旅行なんて庶民にとっては夢のまた夢だった時代に放送されていた、『兼高かおる世界の旅』。
本文(ほんもん)をほんのちょっと言い換えただけで、ガラッと違った意味の言葉にする。
駒子師のスピリッツシリーズに早くから参加なさっているFe-manさんの、センスが光る名句。
駒子師のスピリッツシリーズに早くから参加なさっているFe-manさんの、センスが光る名句。
この2句には僅差で首位の座を譲りましたが、三三師の「うちの子に小切手」と唱子さんの「味占めてのおつかい」も複数点が入った人気句。
どちらも雑俳ならではの諧謔味と可愛らしさが同居している秀句と、筆者も選に入れさせていただいた次第。
扇治吟の反省会
地口が本当に苦手な筆者、今回もかろうじて坊主を免れるのが精一杯という成績でした。
恥ずかしながら扇治拙吟を、以下にご紹介。
6・34・71・86の4句がご奇特な方の選に入れていただき、感謝礼謝。
個人的には自信があったのが、
「ずっと彼方は月だった」。
「ずっと彼方は月だった」。
極端マザコン男性のことを登場人物になぞらえて「冬彦さん現象」と呼ぶ社会現象が起きるほど話題になった、1992年放送のドラマ『ずっとあなたが好きだった』。 サザンオールスターズの主題歌『涙のキッス』も大ヒットしましたよね。
そのドラマのタイトルにぴったり平仄を合わせた言い回しを思いついた時には(やったー、これで天の位を総なめだ!)と意気込んでいたのですが…。
結果は、惨敗。
結果は、惨敗。
以前柳家小ゑん師匠から言われたのが、
『ずっとあなたが好きだった』とすべて母音が同じでちゃんと意味が通る「ずっと彼方は月だった」は傑作だと自負していましたが、音を合わせるのに気が行き過ぎて確かに面白くはないなと反省。
「確かに意味はとおってるけど、月が彼方にあるのは当たり前じゃない」と、読み手に思われてしまう作品だったということですね。
「ずっとカナダでスキーだった」なんて詠んだ方が、まだ雑俳らしいかもしれません。
「ずっとカナダでスキーだった」なんて詠んだ方が、まだ雑俳らしいかもしれません。
別の句だと『ためしてガッテン!』を洒落た「返して半纏」、これも「直して欠点」と詠んだ方が面白かったかも。
当日出演者と
宗匠の選発表
宗匠の選発表
それでは当日の会参加の噺家の選、そして宗匠として古今亭志ん橋師匠の選を続けてご覧いただきましょう。
植木歌人(柳家小せん)選
供鞄持(入船亭扇里)選
大口喧益(古今亭志ん丸)選
三三時雨(柳家三三)選
篝火舎(古今亭)志ん橋選
扇治は5月3日16時45分から・4日16時45分の回にも参加します。
そちらの開きの結果も順次公開してまいりますので、どうぞお楽しみに!
そちらの開きの結果も順次公開してまいりますので、どうぞお楽しみに!
お開きまでお付き合いいただきまして、まことにありがとうございます。ぜひまた、ご訪問くださいませ。
入船亭扇治拝
入船亭扇治拝
タグ:雑俳 落語 猫