一段階難しさアップ、でも作りがいがある雑俳「気結び冠沓」~ゴールデンスピリッツ2022その⑥互選結果発表~ [落語情報]
雑俳落語会の会場・下谷神社会館玄関にて。
普段より丁寧に靴を下駄箱にしまい、帽子をポールハンガーにかける黒猫こまち。
だって今日の兼題は、
「冠沓附」ですから。
だって今日の兼題は、
「冠沓附」ですから。
気結び冠沓
扇治選をご披露
扇治選をご披露
に続いて、私が参加させていただいた古今亭駒子師主催の『ゴールデンスピリッツ2022』その⑥。
当日の兼題「冠沓」は、東西有名菓子の名を分解して七七の短句の頭とおしまいに配する言葉遊び。
そして今回は、ただの冠沓より一段ハードルを上げた「気結び」。
使った菓子の名と、詠んだ句の内容がリンクしていないといけません。
そして今回は、ただの冠沓より一段ハードルを上げた「気結び」。
使った菓子の名と、詠んだ句の内容がリンクしていないといけません。
雑俳の兼題中でもなかなかに難しいものだと思いますが、お客様と噺家から知恵を絞った秀句がたくさん集まりました。
そのうちからブログ主が選ばせていただいた句とそれに付けた「効き」を、まずはご披露。
そのうちからブログ主が選ばせていただいた句とそれに付けた「効き」を、まずはご披露。
気結び冠沓附
東西有名菓子の名一切
清濁随意
扇仮名女(入船亭扇治)選
東西有名菓子の名一切
清濁随意
扇仮名女(入船亭扇治)選
(いいな)と思った句
当日やはり大人気
当日やはり大人気
私が投句一覧「地巻」を最初にざっと眺めて(あ、この句はたくさんの方に抜かれるだろうな)と思い実際にその通りになったのが「オハギ 叔母の手作り思い出す秋」と「ダンゴ だんだんねだりうまくなった子」の2句。
どちらも同じ作者「張子の猫」さんの吟、本当にうまい句だなぁと感服いたしました。
どちらも同じ作者「張子の猫」さんの吟、本当にうまい句だなぁと感服いたしました。
オハギの方は、”思い出す秋”で見事に季節感が出て気結びになっているのが秀逸。
これが仮に「叔母の手作り思い出す時」だと、おはぎに限らずほかのお菓子でもいいことになってしまいますからね。
これが仮に「叔母の手作り思い出す時」だと、おはぎに限らずほかのお菓子でもいいことになってしまいますからね。
今はおそらくこの世にはいないのであろう、料理がうまくて自分をかわいがってくれた叔母さんへの想い。
私は月並みな効きしか付けられませんでしたが、ほかの選者がとてもいい五七五を添えているのでぜひそちらもご覧ください。
ダンゴの句、言わずとしれた落語『初天神』を題材にしての気結び。
この噺への関連付けを思いついた瞬間に、大成功は約束されたと言ってもいい秀句。
扇治拙吟も
まとめてご紹介
まとめてご紹介
今回私が拵えたのは、以下の10句。
かなり苦しいものばかりですが、ありがたいことに「クッキー」の句以外は噺家・お客様どちらかの選に入れていただきました。
感謝礼謝。
感謝礼謝。
個人的に自信があったのが、
「四六時中も想う鹿児島」。 作家・浅田次郎先生もこよなく愛する、南国産まれのフルーツかき氷『しろくま』。
私もしろくまの大ファンで、夏になって色んなメーカー製各種「しろくまアイス」が東京にも出回るようになると必ず買っています。
「四六時中も想う鹿児島」。 作家・浅田次郎先生もこよなく愛する、南国産まれのフルーツかき氷『しろくま』。
私もしろくまの大ファンで、夏になって色んなメーカー製各種「しろくまアイス」が東京にも出回るようになると必ず買っています。
他の噺家選者と
宗匠の選を発表
宗匠の選を発表
それでは私以外の出演者と、宗匠の選も発表しておきましょう。
まずはそれぞれの、直筆互選用紙を掲載。
終演後私が高座の上でバタバタっと撮影した画像で、見づらいところはご容赦ください。
当日の雰囲気だけでも、味わっていただけましたら。
終演後私が高座の上でバタバタっと撮影した画像で、見づらいところはご容赦ください。
当日の雰囲気だけでも、味わっていただけましたら。
植木歌人(柳家小せん師)選
大口喧益(古今亭志ん丸師)選
根室蝦夷前(三遊亭金八師)選
宗匠
篝火舎(古今亭)志ん橋師匠選
篝火舎(古今亭)志ん橋師匠選
この互選結果をPDF文書にまとめたものは、
にて公開しております。
にて公開しております。
「気結び冠沓」による言葉遊びの世界、お楽しみいただけましたでしょうか。
このシリーズ次回はいよいよ、雑俳兼題中最難関と言われる「物者附」の互選結果を大発表!
お開きまでお付き合いいただきまして、まことにありがとうございます。ぜひまた、ご訪問くださいませ。
入船亭扇治拝
入船亭扇治拝
タグ:雑俳 落語 猫