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猫はいつも、「~への扉」を探している [猫のいる風景]


読書の秋。

こまちも今、一冊の本を。
ゆっくりじっくり、 読んでいるところ。
夏への扉を読む.png

時間SF史に残る、あの名作


おやつに出してもらった、
千疋屋のフルーツケーキ。
それに手を伸ばすのも忘れて。

こまちが読みふけっているのは、
ロバート・A・ハインラインの
『夏への扉』(1957年)。


『幼年期の終わり』
『2001年宇宙の旅』 で知られる、
アーサー・C・クラーク。

『ミクロの決死圏』
『われはロボット』
の、アイザック・アシモフ。

そしてハインラインが、
20世紀後半の「SFビッグ・スリー」

映画にもなった
『宇宙の戦士』 など、
傑作を多く遺した巨匠。

その作品群の中でも、世界SF小説ベストテン上位常連のこの作品。

今でも多くのファンに愛される、
タイムトラベルものの金字塔


こまちが読んでいるのは、私の本棚にあった福島正実・訳のハヤカワ文庫版。
夏への扉表紙.jpg

1981年発行、かなり読み込んでもありますから。
もうジャケットの端など、かなりくたびれてきてます

扉の向こうに、夏を探す猫


大好きな『夏への扉』。
ただ今回は、作品自体をご紹介する記事ではありません

広瀬正『マイナス・ゼロ』。
梶尾真治『クロノス・ジョウウンター』シリーズ。
などなど、あまたある時間SFの傑作。

それらについて書きだしたら止まらなくなるので、またの機会に少しずつ取り上げていきたいと思います。


ここで注目したいのは、語り手である主人公・ダニエルが愛猫ピートについて述べているこの一文。

彼は、その人間用のドア(筆者註:なんと11か所もある!)の、少なくともどれか一つが、夏に通じているという固い信念を持っていたのである。

猫と同居なさっている方、特に出入り自由猫と暮らしている人なら
「うん、そうそう! 猫って、そういうとこあるよね」
深く趣向してくださるかと。


「ここを開けると、ご飯が待ってる」
「この扉の向こうに、素敵な寝床が」
猫独特の、空間・時間の認識方法

ピートが冬場に、猫用ドアから表へ出かけようとすると。
一面に雪が積もって、寒さでヒゲがヒリヒリする。

あれ? お日さまいっぱいの夏が、
どこかへ行っちゃった。

別のドア開けてみてよ、
そっちなら、夏へつながっているんじゃないの?

毎冬ピートのリクエストで、11か所のドアを開け締めする主人公。

全ての扉の向こうに、強い日差しがないのがわかっても。
必ずどこかにあるはずの 「夏への扉」 を探し求めるピート。

この発想だけで、『夏への扉』はエヴァーグリーンの名作足りえます。
猫一同は、ハインラインにニャーベル文学賞をあげたいと。
常々思っていることでしょう。

あばら家ながら…我が家の間取り紹介


ここで突然ですが、令和2年現在私が住んでいる賃貸物件の間取りをご覧ください。

あっ、ちょっと待って!
不動産屋さんの広告見に来たんじゃないやと、離脱しようとなさっているあなた。
このあと画像がいくつか出てくるので、少しだけ辛抱してお付き合いください。

今回の記事に、必要な部分だけ。
我が家は、こんな間取りになってます。
間取り図.png

3か所ある扉の位置関係、ざっと頭に入れておいてください。
扉解説.png

そして2世帯住宅の1階部分である、今の住まい。
廊下がけっこうたっぷりとられており、こまちが駆け出すには絶好の場所になっていることも。
小 廊下で遊ぶ.gif

一方通行、逆走なし?


猫から守れ、人間の食卓!
の記事でカミングアウトした通り。
我が家の黒猫こまち、人間のおかずを狙うのが困ったところ。

夕食の時、ダイニングテーブル上を虎視眈々と。
こちらもおかず防護シールドを駆使しながら、気をつけてはいるつもりですが。

酔いが回って注意がおろそかになる、
一瞬の隙をついて。
鼻をヒクヒクさせながら、
お皿に首を伸ばすこまち。

「こらーっ!!」
大音声で、叱る私と女房。

「しまった、見つかった!」
獲物を放り出し、逃げ出すこまち。

逃走経路は、毎回決まっています。
逃走経路こまち.gif

ダイニングキッチンから細目に開けてある扉②の隙間を通って、隣の部屋へ。

倅が無精して開けてあることが多い扉③をかいくぐり、廊下へ脱出。
最終逃走経路.png

ここで、ふと我にかえり

「ああ、朝晩ちゃんとご飯もらっているのに。
つい本能と出来心から、人さまのものに手(前脚)を出してしまった…。
ここはちゃんと自分の非を認めて、同居人に謝ろう」

殊勝な面もちでダイニングキッチンの前まで来て、 閉ざされた扉①を前にしばし立ち尽くします(実際は座っている)。
あ、閉まってる.png

そしてさかんに反省の意を表し、
頭を垂れて謝るこまち。
すいませんでした・・・.png
勘弁してください.png
もう.png


ここで不思議なのが、
くるりと方向転換して扉③→扉②と。
逃げてきた時と逆ルートをたどり、何食わぬ顔で帰ってくるという行動をとらない
こと。

先ほどきつく怒られてますから、ただ戻っては申し訳ないと思うのでしょうか。

してみると叱られたこまちにとっては、
扉①
「詫びへの扉」
という意味を持っているのかも。


私たち人間は、猫たちのために。
その向こうに、たくさんの幸せが待っている扉
用意してあげたいものです。
扉開く わくわく.png


はいはいもう怒ってないから、こっち入っといで。

このことネタにして、記事も書かせてもらうから。
取材協力費で、CIAOちゅ~るあげようかね。

蔦飾り線.png

お開きまでお付き合いいただきまして、
まことにありがとうございます。
ぜひまた、ご訪問くださいませ。
入船亭扇治拝

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