SSブログ

猫から守れ!人間の食卓 [猫のいる風景]


栗・さんま・鮭に茄子…。

秋の恵みが、嬉しい季節。

でも、猫が「食欲の秋」を実践すると
さんま焼くこまち.png

人間たちは、ちょっと困ることも。

低漁獲量続くさんま、令和2年は?

さんまゲット.gif

♬お魚くわえたどら猫  
追っかけて  
はだしでかけてく  
陽気なサザエさん
※作詞:林春生


誰もが知ってる、
国民的アニメの主題歌。

歌いだしの歌詞そのままの、
こまちのイラストで今回はスタート。


こまちがくわえているのは、旬のさんま

落語でもおなじみの、秋の味覚の代表格。


海のない県で生まれ育った私は、
小学3年の時初めてさんまを食べました。

川魚とはまた違った、磯の香り

大海の波に鍛えられ、締まった身の歯ごたえ


食べた翌日、学校で

「俺さ、夕べうちでさんまってうまい魚食べたよ! お前たち知ってる?」

手当たり次第に同級生たちを捕まえて、鼻息荒く吹聴したものです。


それこそ『目黒のさんま』の殿様みたいに、さんまから受けたカルチャーショックの衝撃度・メガトン級。
今でも、私の好きな魚ベスト3の常連。

ああ、それなのに。
本来家計の強い味方であるはずの、大衆魚さんま。
諸要因から、近年は漁獲量減収傾向に。

令和元年の総水揚げは、4万517トン
それまで最低だった1969年を下回り、
統計史上初めての5万トン割れ。

令和2年の長期予測でも、劇的にさんまの来遊量が増える可能性は残念ながら見込み薄

例年よりかなり遅めの10月下旬が、三陸沖までさんまが南下してくる時期となりそう。

その時の天候・海の状態が良好で、昨年よりは豊漁になってもらいたいもの。
買って食べる私たちと、さんま漁に携わる方々

どちらも豊かな気持ちになれるよう、景気づけでこまちにさんまをくわえさえてみたのですが…。

実は、このイラストにはもう一つ意味があるのです。

我が家の黒猫、困った性癖


皆さまもお忙しいでしょうから、
すぐカミングアウト

我が家のこまちは、
『サザエさん』オープニング歌詞のような
「泥棒猫」 に育ってしまったのです。

生後、目が開いて母親の元を離れて。
人間のそばで暮らすようになった仔猫の多くは、人間の食べ物に興味を示すこと一度ならず。

買い物帰りの、スーパーの袋に首を突っ込んだり。
食卓に上がってきたり。
猫好きな方なら、ご経験おありの方多々いらっしゃるかと。

本来野生だったら摂取する機会のない、塩分・油脂などが多く含まれた食材・料理。

そんな物を食べたら、猫はすぐ身体を壊してしまいます。
小さいお子さんがいる家庭なら、食卓の上を猫が歩き回るのは衛生・食育面でもよろしくないでしょう。

人間の食べ物を狙う「泥棒猫」にしない躾自体は、難しくはありません。

食材やお惣菜の匂いを嗅いだり、
舌でなめてみたり。
食事の時に、テーブルに飛び乗ってきたり。

猫がそういう行動に出ようとしたら、
その場で
「ダメ!」
「いけません!」
強い口調で叱ればいいのです。

学習能力の高い猫は、たいがい1回か2回指導を受ければあとはやらなくなるはず。

私の家の先代猫、冷蔵庫を覗こうとしたのをきつく咎められてからはいたってお行儀良く。
17年の生涯で、人間の食事に興味を示すことは(気持ちはあったかもしれませんが、態度に表すことは)ありませんでした。

躾そびれてしまった、仔猫の食育


こまちが我が家に来て、1か月ほど経った頃でしょうか。

その夜の夕食は、子どもたちが当時大好きだった家庭での手巻き寿司
酢飯と海苔をふんだんに用意、お刺身も高級な物ではないけれどそれなりに種類は揃えて。

娘と倅の
「まぐろ納豆!」
「たこに玉子!」
矢継ぎ早の注文に、交替で手巻きを拵える私と女房。

そのさなか、テーブル下で鼻をヒクヒクさせていたこまち。
「いやー、このお店は繁盛してますなぁ。
どれ私も、ちょっと味見を」

生魚の誘惑に惹かれ、食卓にヒョイと飛び乗ってきたのです
「お行儀悪い!やめなさい!」
私が叱るより早く。

「かわいーい」
「こまちも、手巻き食べたいの? 何がいいの?」
刺身を並べた皿の間を、鼻を近づけながら歩き回るこまち。
その姿がかわいいので、子どもたちは大喜び。

さすがに女房は
「おいしそうな匂いだけど、これはこまちには食べられないからね」
言い聞かせながら、優しく抱き下ろしていましたが。

それでは、躾にならなかったようです
以来夕食の席では、執拗に食卓の上を狙う習性が身についてしまいました。

まぁこちらと並んでダイニングの椅子に座っているくらいなら、許容範囲。
丸く見開いていた瞳孔が、シュッとすぼまり。

猫の目.gif

テーブルの上に進出しようとしたら、危険信号
食卓2景.png


そのたびに根気強く、
「こらっ、ダメ!」 言い聞かせてはいたのですが…。
3回に1回くらいは、食卓に飛び乗って人間のおかずをかっさらおうとします(すべて未遂でしたが)。

そして、数回に及ぶチャレンジの結果。
子どもたちや女房よりも、
普段から血圧が低く動作が素早い方ではない

ましてや晩酌の酔いが回って、より運動速度と注意力が低下している。

「家族4人の中でこいつがいちばん、おかずを盗みやすいニャ」。

私が最もちょろい相手として、
こまちにロックオンされてしまったのです!


そしてついに、運命の夜がやって来ました。

食卓での、壮絶なバトル


その晩のメインディッシュは、スーパー特売のロースカツ。
2枚買ったそれぞれを皿に盛り付け、私も端から3切れもらいました。
とんかつ割り当て.png


ちびちびお酒を楽しみつつ、カツをかじって。
うーん、やっぱりヒレよりロースの方が食べ応えがあって好きだな。

うまいおいしいと箸を進めて、宴もたけなわ。
大事にとっておいた、いちばん分厚くて脂と肉のバランスがいいひと切れに。
満を持して、箸を伸ばします。

と、その瞬間。
2メートルくらい離れたところで様子をうかがっていた、こまち。
後足で一気にジャンプすると、ダイニングテーブルに両前脚で着地。

すかさず私が箸で挟んでいるカツのひと切れに、反対側から大きな口を開けてかぶりつこうとします!
とんかつ狙う.gif


この様子を、横から見てみましょう。
側面図.png


今まさに口中に入れようとしている、まるまる太ったロースカツ
向こうからは、猫が口を開け迫って来る。

このまま、私が口を閉じるとどうなるか。
おそらくこまちも、同時にカツにかじりついているでしょう。

ほんのコンマ何秒かの間に、私は激しく思案しました。

ひと切れのトンカツを口にくわえて、猫と奪い合う自分の姿。
それは人間として、あまりにも尊厳に欠ける行為ではないのか。

一瞬の逡巡ののち、思わずカツごと箸を手放した私。
「しめた!」
カツをくわえて、自分のテリトリーへ駆け出すこまち。

「あんな脂っこいもの、猫が食べちゃ大変だ!
なんとかしてくれよ!」
パニックになって絶叫する私を尻目に、女房は落ち着いたもので。

「はいはい。
こまち~、そんなの食べたらダメだよ。
かわりにCIAOちゅ~るあげるから、それ離しなさい」

無事、カツを取り上げて来ました。

そして何事もなかったかのように、
「はい、どうぞ。 ゆっくり召し上がれ」
そのひと切れを私に返してよこします

皿の上にはくっきりと猫の歯形がついた、
ひと切れのロースカツ。

どうしたかって?
もちろん、そのままいただきましたよ
だって、もったいないじゃありませんか。

家族が口をつけた物、別に抵抗もありませんしね。

ただそれを食べたあくる朝、
ちょっぴり髭が濃くなっていたような気も。

食卓を猫から守る、強い味方


万たびこんなことがあったんじゃ、おちおち晩酌もできない。
こまちの躾についてはそっちにもいくらか責任があることだから、なんとかしてもらえないか」

私からの苦言に女房、
「そうね、私も子どもと一緒にこまち甘やかしちゃったからね。
ごめんなさい。 これからおいおい躾し直すから」。
ちゃんと自分の非を認めたうえで、あくる日。

「お父さ~ん、100円ショップでこれ買ってきたよー。
今夜からは、安心して晩ご飯食べられるよー」
見せてくれたのが、これ。
ナガオ レンジ入らず.JPG


画像は実物ではなく、Amazonで扱っていた
「有限会社ナガオ製
 ラップいらず 深型 3枚セット」
お値段税込880円。

ポリプロピレン樹脂でできており、料理を盛った容器にかぶせてそのままレンジでチンできるという優れもの。

女房いわく
「これからはこれをお皿にかぶせて、中の料理食べる時はぱっと蓋開けて。
こまちの隙を狙って、おかず食べてちょうだい」。

なんで一軒の家の主が、猫の隙うかがわなきゃいけないんだ!
思わなくもありませんでしたが。

当面、ほかにいい対策もありませんので。
この状態で、日夜こまちと闘いながら晩酌に励んでおります。
おかず保護シールド.png

まぁ刺激があって、ボケ防止にはいいかも。

でも油断できないのは、最近のこまち。
ローストビーフなど大好きなおかずがあると、前脚でひっかけたり鼻づらで押したり。
なんとかして蓋を開けようと、試行錯誤。

このシールドが突破されるのは、時間の問題かも。
そうなったら、また別の方法を考えなくてはなりません。

こまちの飽くなき食欲と探求心が落ち着くまで、我が家の食卓バトル。
もうしばらく、続きそうです。

蔦飾り線.png

お開きまでお付き合いいただきまして、
まことにありがとうございます。
ぜひまた、ご訪問くださいませ。
入船亭扇治拝

nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:ペット