デッキからの風景と豪華な食事で、航海日も退屈知らず!~2024年迎春クルーズ乗船記その②~ [旅のアルバム]
2023年12月27日夕刻、台湾へ向け横浜を出港した客船にっぽん丸。
航海3日目あたりになると、陽射しと海の色が次第に南国のそれへと変わってくるのが感じられます。
航海3日目あたりになると、陽射しと海の色が次第に南国のそれへと変わってくるのが感じられます。
値千金 船からの眺め
九州を離れ、右舷に臨むトカラ列島。
デッキに落ちる影が一段と濃くなってきました。
そんなにっぽん丸の周囲を、数羽の海鳥が飛び交っています。
ツートンカラーの身体が目印の、カツオドリ。
風に乗って優雅に滑空しつつ獲物を発見するとミサイルのように垂直降下で海に飛び込んでいく姿は、いくら見ていても飽きません。
こういった生き物との遭遇も楽しいですが、刻々と変わる海と空の様子をデッキから眺めるのも船旅醍醐味の一つ。
早起きして拝む、海上の夜明け。
名作落語『芝浜』で、
主人公の魚屋がしみじみと言う台詞を思い出させます。
主人公の魚屋がしみじみと言う台詞を思い出させます。
豪華な食事が彩る船旅
360度海のパノラマ・船内イベントと共に客船クルーズの日々を華やかにするのは、なんといっても食事です。
海の見える豪華なダイニングで供される朝昼晩食のほか軽食・夜食と、まさに至れり尽くせり。
夜に高座があってダイニングに行けない時はお寿司のテイクアウトなどで対応してもらえますから、私ども出演者も食いっぱぐれ無し。
持ち帰った特上寿司の折を広げて、タブレットに入れといたお気に入りのアニメなんぞ見ながら缶酎ハイで乾杯。
う~、たまらんなぁー。
さらに今回のクルーズでお世話になったのが、7階『リドテラス』でのこのサービス。
黒猫こまちが目ざとく見つけたのは、こちら!
普通は1杯600円の生ビールが、なんと今航海では何杯飲んでも無料!
仕事をコーディネートしてくれた方から「高座の無い日の日没後、常識の範囲内でなら」飲んでいいと許可が出たので、足繁く最上階へ通ってこのサービスを堪能させてもらいました。
いよいよ、寄港日
仕事をこなしながらお客様方と楽しく過ごしてきた船旅前半、4日間の航海日はあっという間に過ぎ船上で大晦日を迎えます。
2023年12月31日・現地時間午前8時、にっぽん丸は台湾を代表する貿易港・高雄(カオシュン)に接岸・停泊。
ガラス張りの通路ににっぽん丸の船体が映って、向かいに別の客船が泊まっているよう。
波をイメージして作られた、近未来的なデザインの客船ターミナルビル。
彼方にそびえ立つ高雄のランドマークタワー、85大楼。
筆者にとっては初訪問の台湾、胸が躍ります。
さぁその地への上陸許可の船内アナウンスが、今聞こえてきました。
さぁその地への上陸許可の船内アナウンスが、今聞こえてきました。
この続きは、また稿をあらためまして。
※本乗船記シリーズの他記事
入船亭扇治・記
久しぶりのにっぽん丸、台湾へ向けいざ出港!~2024年迎春クルーズ乗船記その①~ [旅のアルバム]
大観覧車コスモクロック21を背に、ご機嫌のマドロスさん。
ここは13番地じゃなくて、「横浜市中区新港2丁目8番」ですけどね。
初めての岸壁で
懐かしい船に再会
懐かしい船に再会
2023年12月27日午後12時過ぎ、筆者はみなとみらい線馬車道駅から横浜ハンマーヘッドへ向かって歩いていました。1年8か月ぶりでお仕事をいただいた、客船にっぽん丸に乗るためです。
大さん橋ではなく新港岸壁からの乗船は初めてなので、大きな荷物(大事な高座衣装と、それ以上に大切なアルコール飲料)を持って道を確かめつつ慎重に歩を進める。
駅から5分ほど歩くと海の方から潮の香が漂い、もやってある船の姿が見えてきました。
う~ん、確かに私も若い頃はよく屋形船の仕事したけどなぁ。こまちさん、今回はお父さん乗るのこれじゃないからね。
立体交差の歩道橋を渡ると、眼前に広がる港の景色。
それは海上保安庁の巡視艇だってば。
客船ターミナル施設2階のテラスへ上がると、
はい、久しぶりに再会するにっぽん丸の雄姿!
関係者用ゲートから岸壁上へ進み、いよいよ乗船開始。
後ろから見るにっぽん丸はお尻が丸っこくてキュート、船首方向からのシャープなシルエットとはまた違った魅力があります。
夕景の横浜出港
海の宝石箱を船は往く
海の宝石箱を船は往く
船内にはいたるところに年末年始用ディスプレーが飾られ、迎春気分を盛り上げています。
吹き抜けのエントランスに飾られたクリスマス~新年の巨大タペストリー。 これは元日になるとかけ替えられるそうで、今からどんなのになるのか楽しみ。
吹き抜けのエントランスに飾られたクリスマス~新年の巨大タペストリー。 これは元日になるとかけ替えられるそうで、今からどんなのになるのか楽しみ。
今日から10泊11日間、私の住まいとなる船室。
※実際にはペットの同伴はできませんので、ご了承ください。
大勢のお客様がご乗船なさる人気クルーズなのに、担当の方がやり繰りして私には個室を用意してくださいました。よーしじゃあそのお心遣いに応えられるよう、部屋で一生懸命稽古やパソコン作業に励まなくっちゃ。
大勢のお客様がご乗船なさる人気クルーズなのに、担当の方がやり繰りして私には個室を用意してくださいました。よーしじゃあそのお心遣いに応えられるよう、部屋で一生懸命稽古やパソコン作業に励まなくっちゃ。
イベントスタッフの方と仕事の打ち合わせをしたり部屋で荷解きをしたりしているうち、あっという間に午後5時の出港時刻を迎えます。
銅鑼と汽笛の音を響かせタグボートに別れを告げ、静かに暮れなずむみなとみらいの街を後にする海の大和撫子。
東の空に輝き出した月をのぞみつつ、
横浜ベイブリッジへと向かっていくのでした。
様々な灯りに彩られた暮れゆく海は、まるで魔法の宝石箱のよう。
橋をくぐって防波堤を過ぎれば、
そこから船は広い海原を一路台湾へ向けて順風満帆。
さぁ旅の始まり、今回の航海ではどんな出会いが待っているでしょうか。
2024年迎春クルーズ乗船記、この後もどうぞお楽しみに。
※本乗船記シリーズ他記事
客船横浜発着時の名物ベイブリッジ通過風景、今回はライトアップされた橋を真下から撮影した動画をYouTubeチャンネルに投稿しております。よろしければ以下のリンクからご覧ください。
https://youtu.be/i40OozKzF5A
https://youtu.be/i40OozKzF5A
入船亭扇治・記
「新栄の丘」の常設麦稈ロールと生乳たっぷりアイス~2023年美瑛町訪問記②~ [旅のアルバム]
「牧草・麦稈ロール」。
牛の食事になる牧草・寝床に使う麦わらをまとめたものが収穫後の畑にいくつも転がっているのは、北海道を代表する風景のひとつ。
牛の食事になる牧草・寝床に使う麦わらをまとめたものが収穫後の畑にいくつも転がっているのは、北海道を代表する風景のひとつ。
いつでも間近で
ロールが見られる
ロールが見られる
バウムクーヘンみたいなロール。
そばに寄って撮影したり触ったりしたいと思いますが、畑を守るため観光客などが勝手に農地内へ立ち入ることはできません。
そばに寄って撮影したり触ったりしたいと思いますが、畑を守るため観光客などが勝手に農地内へ立ち入ることはできません。
またロールにまとめ効率的に乾燥させた後はできるだけ早く酪農業者が回収するので、いい風景見つけて翌日カメラ片手に駆けつけてももう麦稈ロールは影も形もない…なんてことが多いのだそうです。
そんな一期一会の北海道名物を年中見ることができる、いや見るだけでななく触ったり乗っかったりできる観光スポットが、美瑛町の「新栄の丘」。
展望公園の一画が柵で仕切られ、そこに周りを包んだ麦稈ロールが常時置かれており身近に接することができる。
展望公園の一画が柵で仕切られ、そこに周りを包んだ麦稈ロールが常時置かれており身近に接することができる。
こんなかわいいオブジェや。
こじんまりした花壇もあります。
生乳を贅沢に使った
牧場直営店の味
牧場直営店の味
「花より団子」というわけではありませんが、風景とともに新栄の丘名物なのがこちら。
地元・周東牧場直営『風味舎』さんのジェラート・アイス。
朝搾りのミルクがたっぷり入ったパフェ・ラテ・サンデーなど、メニューも豊富。
今回は案内してくださるUさんおすすめの、ソフトクリームをいただきます。
肌理こまやかなバニラアイスをひと舐めすると、口中に広がる芳醇な生乳の風味。コクがあるのにすっきりした甘さは、さすが牧場直営店の味わい。
ソフトクリームをペロペロ舐めながら、風味舎さんの休憩スペースを見て回ります。
入り口の敷石畳からして、牛さんのお出迎え。
入り口の敷石畳からして、牛さんのお出迎え。
優しそうな目をした、乳牛さん。
「呉越同舟」ならぬ豚牛同乗のミニトラクター。
インテリアディスプレイのティーポットが、ホルスタイン柄。
地元案内チラシの上に置かれたペーパーウェイトも、牛模様。
店内に溢れるモー愛眺めているうち、手にしたソフトクリームもたらたらとコーンから溢れ出してきました。
生乳成分が多いので、市販のアイスより溶けやすいのです。
生乳成分が多いので、市販のアイスより溶けやすいのです。
でも、その滑らかさがまたおいしい!
手と口元ベッタベタにしながらソフトクリーム満喫したのって、子どもの時以来。
眼福・満腹になったところで、女の子ロールと並んで記念撮影。
若い頃は「観光名所で写真撮るなんて、こっ恥ずかしくて」なんて生意気なこと言ったりもしましたが、人生半ば過ぎると全ての出会いが貴重。
さぁ、次はどんな北の風景が待っているでしょうか。
さぁ、次はどんな北の風景が待っているでしょうか。
※本稿関連記事
☆『北の絶景スポットで化かされた?!~2023年美瑛町訪問記①~』
も、よろしければご覧ください。
☆『北の絶景スポットで化かされた?!~2023年美瑛町訪問記①~』
も、よろしければご覧ください。
入船亭扇治・記
タグ:おすすめ観光スポット
北の絶景スポットで化かされた?!~2023年美瑛町訪問記①~ [旅のアルバム]
2023年9月12・13日、前年に続いて北海道美瑛町を訪れた筆者。
今回も教育委員会勤務の知人・Uさんが落語会2か所セッティングのほか、空き時間を有効に使って私を観光に連れて行ってくれました。
今回も教育委員会勤務の知人・Uさんが落語会2か所セッティングのほか、空き時間を有効に使って私を観光に連れて行ってくれました。
昨年初訪問した時『青い池』『セブンスターの木』など主要観光スポットは周りましたが、一度では見尽くせない絶景が広がるのが美瑛の地。今年もまた、新たな景観にたくさん出会うことができました。
まず昨年は時間の関係でさっと通り過ぎた、『北西の丘』。
ピラミッド型展望台に上ると、美瑛の町と山々を一望。
北の大地の景色と空気を満喫していると、冒頭イラストのようにこまちが呼んでいます。展望台の向かい側で、何か見つけたようですよ。
行ってみましょう。
丘を下ると、観光案内所やおいしいソフトクリームを売っている店などが並んでいます。
その左側にある草むらに…
おや!誰か倒れているではありませんか。
人の背丈ほどもある、信楽焼のタヌキさん。
おや!誰か倒れているではありませんか。
人の背丈ほどもある、信楽焼のタヌキさん。
「北西の丘」「狸」でネット検索しヒットした記事によると、2020年には2台の自動販売機の間にちゃんと立っていたそうです。※https://ameblo.jp/soutotop/entry-12762959071.html参照
それが別記事では、2021年夏にはすでに横倒しになっていたのだとか。
それが別記事では、2021年夏にはすでに横倒しになっていたのだとか。
台座が傷んでひとりでに倒れたのか誰かが倒したのか…。
予算の関係か「たびたび倒れると危ない」という安全上の配慮なのか…。
いずれにしても、自分の意思で仰向けにひっくり返っているわけではないでしょうから、タヌキさん何かを訴えたそうな表情。
そばに取り残された賽銭箱も錆びついており、哀れを誘います。
予算の関係か「たびたび倒れると危ない」という安全上の配慮なのか…。
いずれにしても、自分の意思で仰向けにひっくり返っているわけではないでしょうから、タヌキさん何かを訴えたそうな表情。
まぁここは、ずっと立っていて疲れたのでしばらくお休みということで。
また立ち上がる日が来たら、美瑛の縁起物として可愛がってもらえるでしょう。
寝てりゃ寝てるで、こうして話のネタになりますしね。
また立ち上がる日が来たら、美瑛の縁起物として可愛がってもらえるでしょう。
寝てりゃ寝てるで、こうして話のネタになりますしね。
狸さんの転がっている草むらの向こうには、広大なそば畑。
ここは福井県・武生製麺直営の農場。収穫・精製されたそば粉は一切道内で消費されることなく、すべてそばのお店・そば打ち体験場・おみやげ売り場などがある『越前そばの里』に送られるのだそうです。
北海道産のそば粉が、越前そばになる。
なんだか畑のすぐ「傍(そば)」で寝ている狸さんに、化かされているようでもありますね。
なんだか畑のすぐ「傍(そば)」で寝ている狸さんに、化かされているようでもありますね。
本記事の続きは
☆『「新栄の丘」の常設麦稈ロールと生乳たっぷりアイス~2023年美瑛町訪問記②~』
にて綴っております。
☆『「新栄の丘」の常設麦稈ロールと生乳たっぷりアイス~2023年美瑛町訪問記②~』
にて綴っております。
入船亭扇治・記
タグ:北海道 写真
数えて27年目・道東の素敵な図書館訪問 [旅のアルバム]
2023年9月9日。
毎年恒例、北海道北見市留辺蘂町『図書館まつり~落語の夕べ~』に出演させていただきました!
毎年恒例、北海道北見市留辺蘂町『図書館まつり~落語の夕べ~』に出演させていただきました!
感謝感激
継続してのお招き
継続してのお招き
八王子車人形・西川古柳座皆さんと伺って以来、私が図書館まつりに呼んでいただくのは今年で27回目。
北見市との合併による独自企画の制限・会のお世話をしてくださる図書館友の会メンバーの高齢化など。様々な課題に直面しながらも、館長の大林さん以下図書館スタッフ・友の会皆様のご尽力でコロナ禍の最中も途切れることなく同じ噺家を呼び続けてくださったこと、本当にありがたく嬉しいことです。
図書館正面玄関を入ると、今回もお馴染みのキタキツネさんがお出迎え。
開館当時は斬新だった、採光部が多い明るく開放的な館内。
ここ数年は閲覧スペースに高座を作り”本に囲まれた落語会”として行われていましたが、今年は久しぶりに視聴覚室での開催。
照明・音響はこちらの方が効果的、閲覧スペースとはまた違った雰囲気の会場。
落語会前日の夜には視聴覚室に長テーブル並べ、ケータリングの豪華オードブルと持ち寄りの飲み物で関係者皆さんと楽しい懇親会も開いてもらいました。
図書館まつりが始まったばかりの頃は毎年、夜の落語会が終わった後の視聴覚室で大宴会が朝まで続いたもの。
図書館スタッフ・友の会皆さんも私も、当時は若かったんだなぁ。
図書館まつりが始まったばかりの頃は毎年、夜の落語会が終わった後の視聴覚室で大宴会が朝まで続いたもの。
図書館スタッフ・友の会皆さんも私も、当時は若かったんだなぁ。
味のある定宿も
旅の楽しみ
旅の楽しみ
留辺蘂公演の時に私が泊まるのは、図書館まで徒歩10分ほどの『ルベシベ荘』。
図書館から10kmほど離れたところにある温根湯の温泉ホテル『大江本家』にも3回泊まったことがありますが、そのほかは国道沿いのルベシベ荘が私の定宿。
観光客より近隣の工事・林業関係の仕事をする人が多く利用する、”ガテン系宿舎”といった趣きのある二階建ての宿泊施設。
観光客より近隣の工事・林業関係の仕事をする人が多く利用する、”ガテン系宿舎”といった趣きのある二階建ての宿泊施設。
トイレ・浴室・冷蔵庫などは今では珍しい共同ですが、それもまた旅の味わいの一つ。
朝共同洗面台でガタイのいい工事関係者の方々と一緒に顔を洗っていると、(ああ、今年も留辺蘂に来てるんだなぁ)という気持ちになります。
宿の周りに繁華街や観光名所があるわけではありませんが、北海道はごく普通の日常風景も本州とはまた別の空気が流れており、近所を散歩しながら写真を撮っているとあっという間に時が経ちます。
そして窓が広くて畳の広間付食堂も、ルベシベ荘魅力の一つ。
ここで宿泊客にはおいしい家庭料理が朝夕供されるのですが、ほとんど素泊まり利用の私は27年間で朝食5.6回・夕食は1回しか食べたことがありません。
ここで宿泊客にはおいしい家庭料理が朝夕供されるのですが、ほとんど素泊まり利用の私は27年間で朝食5.6回・夕食は1回しか食べたことがありません。
もし今後も図書館まつりに呼んでもらえるようなら、30回記念はぜひルベシベ荘食堂で打ち上げやってみたいなー。
黒猫こまちも、今から目を輝かせ楽しみにしています。
入船亭扇治・記
タグ:図書館寄席 入船亭扇治