「労働」専門の図書館で楽しく学ぶ、江戸の職業斡旋業 [落語情報]
2024年・私にとって都内で最初の落語会は、ちょっと特殊な図書館で行われます。
独立行政法人労働政策研究・研修機構が運営する「労働図書館」が、その会場。住所は練馬区上石神井4-8-23、西武新宿線上石神井駅北口から徒歩10分程度のところにあります。
労働法や労働運動などに関する資料を扱うこの図書館、司書落語家である私はその存在は知っていましたが、まさか自分がここで一席申し上げることになるとは夢にも思いませんでした。
こちらの館では、2023年6月から江戸時代の職業斡旋所『千束屋』の看板展示を始めています。担当者の方がその関連情報を調べていて下記私のブログ記事を目に留めていただいたところから話が進み、今回のイベント開催の運びとなりました。
入船亭扇治独演会(落語+ミニ講演)
☆日時:2024年1月16日(火)18時30分開演
☆会場:労働政策・研修機構2階大会議室
☆演目:『引っ越しの夢』ほか一席・江戸の口入屋についてのよもやま話
☆入場無料・事前申し込み定員制
詳細・原寸大ご案内は企画紹介ページをご覧ください。
☆https://www.jil.go.jp/lib/exhibition/index.html#permanent2023
☆https://www.jil.go.jp/lib/exhibition/index.html#permanent2023
会場になる大会議室は広くて明るい空間で、ゆったりと落語をお楽しみいただけると思います。
開催日が迫っておりますがまだまだお席に空きがあるかもしれませんので、ご興味おありの方は上記企画紹介ページ申し込みフォーム・または電話03(5991)5032にてお問い合わせください。
当日の落語会だけでなく、千束屋を始めとする江戸の口入稼業についての貴重な資料が常設展示されている労働図書館。本記事をお読みいただいたのをご縁に、ぜひ一度足を運ばれてみてはいかがでしょう。
共同執筆猫こまちからも、伏してお願い申し上げます。
入船亭扇治・記
タグ:落語 入船亭扇治 本
2024年、天翔けるドラゴンで年頭ご挨拶 [日々雑感]
令和6年、正月。
呑気ブログ主より、謹んで新年のお慶びを申し上げます。
こまちが抱えている、あつあつの鯛焼きならぬ「辰焼き」。
これを焼いたのは、今年の干支で張り切っている「辰親方」!
看板に掲げるは「竜頭蛇尾」ではなく、「竜頭辰尾」。
みっちり中身が詰まったお菓子のように、新しい一年が元日から大晦日まで充実したものになりますよう。そんな想いが込められています。
みっちり中身が詰まったお菓子のように、新しい一年が元日から大晦日まで充実したものになりますよう。そんな想いが込められています。
さてここで、ちょいと新年の初笑いネタを。
真夏の暑い日。
ひとりの江戸ッ子が汗を拭きふき歩いていたら、道端に大きな辰が倒れハァハァ荒い息吐いて苦しんでいるのに出っくわした。
ひとりの江戸ッ子が汗を拭きふき歩いていたら、道端に大きな辰が倒れハァハァ荒い息吐いて苦しんでいるのに出っくわした。
江戸ッ子「どうしたんだぃ?」
辰「調子に乗って高く空を飛びすぎて、お天道様に目がくらんで落っこっちまったんで」
辰「調子に乗って高く空を飛びすぎて、お天道様に目がくらんで落っこっちまったんで」
そりゃあ災難だったなちょいと待ってろよと、親切な江戸ッ子は近くの井戸から水を汲んできちゃ辰の身体にかけてやる・手桶になみなみと張った水を飲ましてやる。
辰「親方、ありがとうございます。おかげですっかり元気になりました。じゃあ助けていただいたお礼に、今日は地上もたいそう暑いですからあたしが涼しくしてさしあげましょう」
そう言うと辰はシュルシュルっと空へ昇っていく。ほどなくして青空が一天にわかにかき曇り、あたり一面盆を返したような夕立。
ひとしきり降った雨が上がると、あとはさっきまでの蒸し暑さが嘘のように涼しい風がさぁーっと立った。
ひとしきり降った雨が上がると、あとはさっきまでの蒸し暑さが嘘のように涼しい風がさぁーっと立った。
江戸ッ子「おお、こりゃいい塩梅だ」
辰「親方は命の恩人ですから、これから夏の暑さがしのげないって時は天に向かってあたしを呼んでください。またいつでも涼しくさせていただきますから」
江戸ッ子「ありがてぇ、じゃあこれからは暑さ知らずで過ごせるってやつだ。
あっ、だけども辰よ。俺はまたひと一倍寒がりなたちなんだ。冬場もおめぇの神通力で、あったかくしてもらうことはできねぇかい?」
辰「へい、冬には倅の小辰(コタツ)を寄越します」
辰「親方は命の恩人ですから、これから夏の暑さがしのげないって時は天に向かってあたしを呼んでください。またいつでも涼しくさせていただきますから」
江戸ッ子「ありがてぇ、じゃあこれからは暑さ知らずで過ごせるってやつだ。
あっ、だけども辰よ。俺はまたひと一倍寒がりなたちなんだ。冬場もおめぇの神通力で、あったかくしてもらうことはできねぇかい?」
辰「へい、冬には倅の小辰(コタツ)を寄越します」
お後がよろしいようで…。
それでは、今年が皆様にとりまして天高く飛翔する良き年となりますよう。
本年もよろしくお願い申し上げます。
本年もよろしくお願い申し上げます。
入船亭扇治・記
※竜=辰は、本ブログで過去にも取り上げております。よろしければ、タイトルリンクよりご覧ください。
タグ:入船亭扇治 落語