諦めず粘り強い乾燥作業が、水没デジカメを救う! [お役立ち情報]
かわいがっているカメさんぬいぐるみを水の中に落としてしまい、べそをかく黒猫こまち。
「形くずれちゃわないかな?目がくもっちゃうかも…」
「形くずれちゃわないかな?目がくもっちゃうかも…」
大丈夫だよ、
きっと元通りになる。
お父さんもこのあいだ別の「カメ」を水没させたけど、無事復活させることができたからね。
きっと元通りになる。
お父さんもこのあいだ別の「カメ」を水没させたけど、無事復活させることができたからね。
水没電子機器
直後の電源ONはNGだが
直後の電源ONはNGだが
私が水没させたのは、4か月前に購入したソニー製デジカメ『サイバーショット』DSC-RX100M3。
部屋の掃除をしようとバケツに水を張っていた時、入れっ放しだった上着のポケットからカメラがつるッと滑り出てボッチャン。
なんて落とし噺している場合ではありません。
慌ててストラップに手をかけ、水中からデジカメを引っ張り上げます。
水に浸かっていた時間は、3~5秒といったところでしょうか。
まだ雑巾をゆすいだわけではないので、水もそんなに汚れていないはず。
水に浸かっていた時間は、3~5秒といったところでしょうか。
まだ雑巾をゆすいだわけではないので、水もそんなに汚れていないはず。
(ひょっとしたら、何事もなく動くんじゃないか?)楽観的な期待をもって、びしょ濡れカメラの電源ボタンを押したのですが…。
実はこれ、電子機器水没後いちばんやってはいけないこと。
実はこれ、電子機器水没後いちばんやってはいけないこと。
スマホやデジカメなどは、「水に濡れた時点で即壊れる」わけではありません。
この2点が故障の原因。
この2点が故障の原因。
でもそんなことが咄嗟に頭に思い浮かばず、(大丈夫かな?)と濡れたままとっさに動作確認してしまう人は多いはず。
私はご丁寧に水から拾い上げた直後と全体をタオルで拭いた後の二回、電源ボタンを押してしまいました。
幸い二度とも通電自体しなかったようで、これならまだ復旧の可能性は残されています。
私はご丁寧に水から拾い上げた直後と全体をタオルで拭いた後の二回、電源ボタンを押してしまいました。
幸い二度とも通電自体しなかったようで、これならまだ復旧の可能性は残されています。
私と同じように水没直後電源ONにしたという方も基盤が無事なら希望はありますので、落ち着いて次の対応なさってください。
ひたすらじっくり
乾かせ乾かせ!
乾かせ乾かせ!
水没させたデジカメは、保証期間内でも当然有償修理が基本。
海水のケースだと修理不能とメーカーから断られることも多く、それ以外でも部品の大半を交換するので「買い替えとあまり変わらない」修理料金になる可能性が高いそうです。
海水のケースだと修理不能とメーカーから断られることも多く、それ以外でも部品の大半を交換するので「買い替えとあまり変わらない」修理料金になる可能性が高いそうです。
ネット上で「デジカメ・水没」のキーワード検索すると上位にヒットする記事では、大別して二つの水濡れデジカメへの対応アドバイスが見られました。
私は②の対応を選択。
これでもし元通りになったら、同じような事故でお困りの方に少しでも参考になる情報をご提供できるかもしれないし。
これでもし元通りになったら、同じような事故でお困りの方に少しでも参考になる情報をご提供できるかもしれないし。
そう思い立つと、まず開口部という開口部はすべて開けた状態でデジカメを室内干しに。
思っていた以上に内部から水滴がポタポタ落ちてきて、なんだかとても不安。
気を取り直して近所のダイソーに走り、『食品用乾燥剤(シリカゲル)』と『WチャックフリーザーバッグM』を購入。
クロヤマさんとシロヤマさん、撮影協力はありがたいけど。今は時間との勝負だから、ちょっと向こう行っててね。
半日ほど干して水を切ったデジカメを乾燥剤をギュっと詰めた袋に入れ、空気を抜いて封を。
さらに密閉度を上げるため袋を二重にし、後はひたすら時間をかけてじっくり待つのみ。
さらに密閉度を上げるため袋を二重にし、後はひたすら時間をかけてじっくり待つのみ。
この方法で成功した方々の記事によると、乾燥時間は最短24時間・最長1カ月半。
「約2週間で完全に乾燥させることができた」という記述も複数ありました。
「約2週間で完全に乾燥させることができた」という記述も複数ありました。
72時間後
起動に成功するも…
起動に成功するも…
袋に入れたデジカメを押入れにしまうと、一刻も早く中を開けて動作確認したい気持ちを抑え『鶴の恩返し』のように待つ日々が始まりました。
2週間はとても待ちきれないので、まず72時間乾かしてからいったん様子を見ようと決意。
ジリジリしながら待つこと3日。
袋からデジカメを取り出しバッテリーを入れ、恐る恐る電源ボタン押し込むと…。
ギュイーン、キューン。
聞き慣れた音がしてモーターが駆動、保護カバーが開いてレンズが伸びたではありませんか!
袋からデジカメを取り出しバッテリーを入れ、恐る恐る電源ボタン押し込むと…。
ギュイーン、キューン。
聞き慣れた音がしてモーターが駆動、保護カバーが開いてレンズが伸びたではありませんか!
液晶モニターも点灯し、時刻だけ初期化されていましたが他の設定は残ったままで起動に成功。
(やった、動いたー!)
小躍りしながらシャッター押してみたら…。 モニター全体が白く靄がかかったように見え、撮影するとさらに激しく白トビしてとてもここで掲載できるような写真ではありませんでした。
小躍りしながらシャッター押してみたら…。 モニター全体が白く靄がかかったように見え、撮影するとさらに激しく白トビしてとてもここで掲載できるような写真ではありませんでした。
レンズ部分露出で
乾燥効率アップ
乾燥効率アップ
電子基盤は無事だったけれど、レンズ部分がやられていてシャッタースピードが調整できなくなっているのかな…。
なまじ起動できて喜んだだけに、がっかり度もひとしお。
なまじ起動できて喜んだだけに、がっかり度もひとしお。
しかし2週間を完全乾燥の目安としたら、まだほんのとばっ口。
ここで、諦めるわけにはいかない。
この後も乾燥を続けることにしましたが、ここで一つ有益な情報をネットで知ります。
ここで、諦めるわけにはいかない。
この後も乾燥を続けることにしましたが、ここで一つ有益な情報をネットで知ります。
私の機種は電源落とすとレンズが本体に収納され保護カバーが閉じるので、今まではその状態で袋に入れていました。
ところが電源入れたままでバッテリーをはずすと当然モーターは動きませんから、レンズが露出した状態で固定しておくことができるのです。
ところが電源入れたままでバッテリーをはずすと当然モーターは動きませんから、レンズが露出した状態で固定しておくことができるのです。
「その方がレンズ部分の通気性は良くなり、乾燥の効率がアップする」。
親切な方のアドバイスに従い、レンズを出したままでまたしばらく押入れにこもるデジカメ鶴。
親切な方のアドバイスに従い、レンズを出したままでまたしばらく押入れにこもるデジカメ鶴。
再度乾燥で
見えてきた光明
見えてきた光明
起動成功の2日後。
再び押入れからお出まし願い、動作確認。
前回同様、起動はスムーズ。
再び押入れからお出まし願い、動作確認。
前回同様、起動はスムーズ。
撮影モードにしてモニターを見ると、ぼやけた部分が前よりずっと小さくなっている!
これは素人考えですが。 2日前のモニター曇りと白トビの原因は、「レンズ部分にまだかなり水が残っていた」からではないでしょうか。
レンズ内の水滴がもう一つのレンズの役割をするので必要以上に光が多く取り込まれ、全体に画像が白っぽくなってしまう。
レンズ内の水滴がもう一つのレンズの役割をするので必要以上に光が多く取り込まれ、全体に画像が白っぽくなってしまう。
この状態で撮影してみるとモニター映像よりやはり明るく撮れ過ぎますが、白トビというほどではなくなっていました。
これは望みがあるかもと僅かながら光明が見えてきたので、また乾燥続行。
薄皮を剥ぐように
レンズ部分の水分なくなる!
レンズ部分の水分なくなる!
さらに48時間おくと、モニター中央に見えていた白い靄がすっかり消えています。
おっ、いけるか!
期待に胸躍らせながらシャッターを切ると、水没前と変わらぬクリアな画像が。
(直ったー!)内心で快哉叫びながら動作確認続けると、まだ完全復活ではないことが判明。
期待に胸躍らせながらシャッターを切ると、水没前と変わらぬクリアな画像が。
(直ったー!)内心で快哉叫びながら動作確認続けると、まだ完全復活ではないことが判明。
通常撮影は問題ないのですが、ズームにすると画像が極端にブレて映ってしまうのです。
それも水没前の「手ブレ」といったレベルではなく、残像が残って二重映しになったような感じ。
それも水没前の「手ブレ」といったレベルではなく、残像が残って二重映しになったような感じ。
まだレンズ周りに水分が残っているのだろうか。
そう判断しさらに乾かすこと24時間、そして撮影。
ズームでブレるのは相変わらずですが、「シャッタースピード優先」設定で連写すると2枚目以降はクリアに撮れるようになっています。
そう判断しさらに乾かすこと24時間、そして撮影。
ズームでブレるのは相変わらずですが、「シャッタースピード優先」設定で連写すると2枚目以降はクリアに撮れるようになっています。
ここまで時間がたつごとに、薄皮を剥ぐようにレンズ部分の水分は減って動作が改善されつつある。
もうひと息、あとひと乾燥。
手応えを感じながら、デジカメを押入れに。
手応えを感じながら、デジカメを押入れに。
とりあえず完全復活
今後は内部劣化との勝負
今後は内部劣化との勝負
これが最後の乾燥作業になるかもしれないので大事をとり、36時間待ってみました。
その結果は…。 前はあんなにブレブレだったお願いネコさん、最大の8倍ズームでも目の上の埃がわかるくらいはっきり撮れています!
その結果は…。 前はあんなにブレブレだったお願いネコさん、最大の8倍ズームでも目の上の埃がわかるくらいはっきり撮れています!
わが家の庭を彩る紅白の南天も、くっきり鮮やか。
陽だまりですやすや眠る猫も、光を活かしてふんわりとした画調に。
乾燥開始後10日半、これはもう「完全復活」と言っていいのではないでしょうか。
しかし前にも書きましたようにデジカメ内部には水道水の不純物が乾いて残っていますから、それが基盤などを腐食させて緩やかに劣化を進行させていくことでしょう。
動作不良を起こす・起動不能になるまでの寿命は、水没させなかった時よりはかなり短くなっているはず。
動作不良を起こす・起動不能になるまでの寿命は、水没させなかった時よりはかなり短くなっているはず。
ですから100%手放しでというわけにはいかないかもしれませんが、ここはいったん諦めかけたデジカメがちゃんと動いてくれているのですから。
「奇跡的な延命」ということで、素直に喜びたいと思います。
「奇跡的な延命」ということで、素直に喜びたいと思います。
そして冒頭イラストで濡らしてしまったぬいぐるみカメさんも、洗って乾かしたから前以上にフカフカ。
皆様ももし誤ってデジカメ水没させてしまっても、諦めないで。
ゆっくりじっくり、乾燥させてみてください。
希望を捨てずに辛抱強く対処すれば、愛機を復活させられるかもしれませんよ。
ゆっくりじっくり、乾燥させてみてください。
希望を捨てずに辛抱強く対処すれば、愛機を復活させられるかもしれませんよ。
ご精読ありがとうございます。
またのご訪問、お待ち申し上げております。
入船亭扇治拝
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入船亭扇治拝
タグ:カメラ 写真 猫