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落語にも縁のある都会のオアシス、新宿中央公園散策記 [日々雑感]


2023年師走、新宿旅券センターへ申請してあったパスポートを取りに行ってきました。
無事発行された10年有効パスポートを受領、家路につこうと都庁を背に新宿中央公園の方へ目をやると…。
都庁を背に.jpg
木立ち越しに、都会の空を直線で切り取る高層ビル群がそびえ立っています。
向かい合う高層ビル.jpg
これを見るたび私は、(ビルの影から怪獣や巨大ロボットが出てきそうだなー)とワクワク。
特撮が似合うビル街.jpg

いつもだったらそうしてビルを見上げながら公園の脇を通り過ぎるのですが、その日は何気なく視線を下げたら、遊歩道沿いにクリスマスツリーが並んでいるのが目に入りました。
歩道に並んだツリー.jpg

歩道の向こうに広がる冬芝生の上には、大きな木が初冬の日差しに長い影を落としています。
冬芝生に伸びる影.jpg
なんだか「順路はこちら」と誘う矢印みたい。

新宿区もこうして『冬さんぽ』をアピールしてますから、
あったか冬さんぽ.jpg
(今日は天気もよくてあったかいし、久しぶりで中ぶらついていくか)と園内へ足を向けました。



都心のまん中に広がる、憩いの場。
光溢れる木々.jpg
子どもたちが小さい頃は、休みの日によく来てたよなー。

園内のそこかしこに置かれた動物などのオブジェ。
トナカイオブジェ.jpg
ウサギオブジェ.jpg
ウサギさんはまるで生きてるようで、初め見た時は本物かと思いました。
これらは2024年1月14日まで行われるイルミネーション用、今度は夜にまた来てみようっと。



新宿中央公園、実は私ども落語家にはちょっと縁のある場所だったりもするんです。
園内南端の方に建っている、『久遠の像』
太田道灌と山吹の少女.jpg

太田道灌が現在の面影橋あたりで狩りをした時、にわか雨に会う。近くにあったあばら家を訪ね雨具を借りようとすると、応対に出た娘が扇の上に山吹をひと枝手折って差し出した。
これは「七重八重花は咲けども山吹の実のひとつだになきぞ悲しき」という歌を表しており、山吹は花を咲かせても実の成らぬもの、「貧しいわが家にはお貸しする蓑の一つもございません…」。

「実の」と「蓑」をかけての断りの意、その場でそれと察することができなかった道灌公は自らの不明を恥じ、それから歌の道に励んだ…。
という故事に因んだ像は、1978年に新宿在住の彫刻家・山本豊市氏が制作したもの。

この山吹伝説は『道灌』という古典落語の題材にもなっていますが、像のそばにある碑にはそんなことは書かれていません。
久遠の像.jpg
ちょっとだけでいいから「落語にも取り上げられた」ってとこにも触れといてほしかったなぁ。



広い園内を見て歩いていると、冬の短い日はもうかなり西に傾いてきました。
副都心の木漏れ日.jpg

そんな淡い日差しの中、芝生内立入禁止柵の杭にこんな人がポツンと乗っかっています。
忘れ物のカービィ.jpg
『星のカービィ』のぬいぐるみ。
子どもが落としたか忘れたかして歩道あたりに転がっていたのを、親切な人が目立つように置いてくれたんでしょう。
無事、持ち主のところへ戻れるといいね。

落ちカービィをみたら、(留守番の黒猫こまち、どうしてるかな…)と里心が湧いてきました。
じゃあ今日はこのへんで切り上げて帰るとしますか。うちから近いし、これを機にまたちょいちょい来ればいいんですからね。

こま正面アイコン笑い.jpg

旅券センターへ行ったついでに、ひょんなことからこの数年「そばを通り過ぎるだけだった」公園の魅力を再認識できた。
また新しい世界への「パスポート」を手にしたようで、ちょっと嬉しい冬の新宿散策。
違う世界への入り口.jpg

蔦飾り線.png

入船亭扇治・記

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