SSブログ

遂に来た東電規制料金値上げ、そしてあの水力発電プランも凍結 [お役立ち情報]


2023年1月下旬の記録的に凍える東京の住民たちの心をさらに震撼させた、「東京電力料金大幅値上げ」のニュース。
実はその裏でもう一つけっこう衝撃的な決定事項が、東電から発表されていたのです。
売り切れに驚く.jpg
水力発電100%電力プラン『アクアエナジー100』の、新規受付一時停止。

今回の値上げで
東電料金はどう変わる?

このたび東京電力が国に申請した「規制料金」の値上げ幅は、平均29.31%
現在東電の標準家庭の多くが契約している『従量電灯B』プランだと基本料金料金は据え置きで、三つの段階ごとに9.48円/kwの値上げ。
料金値上げ説明図.jpg
※図の「現行単価」は、
第1段階:19.88円 
第2段階:26.48円 
第3段階:30.57円
に現在上限いっぱいの燃料費調整額5.13円を足した額。

同時に自由料金も平均5.28%の値上げとなり、『スタンダードS』プランは規制料金と同額になるよう調整されるそうです。

また東電は値上げ申請と併せて「基準燃料価格」を現行の44,200円/kwから94,200円/kwに変更、値上げ後これによって算出される燃料費調整額は当面1円台となる見込み。

ここでざっくりまとめると今回の価格改定申請がそのまま認可された場合、東電管内一般モデル家庭「30A・月に260kWh使用」で
9,126円→11,737円。
2,611円の値上げ。

現時点では最安プラン
アクアエナジー100

筆者は急激に高騰する電気料金への対策として、5年間契約してきたENEOSでんきから昨年秋に東電『アクアエナジー100』に乗り換えました。
その経緯は
☆『東京にお住まいの方には、電気代高騰の救世主になるか?『アクアエナジー100』
にて綴っております。

”地球に優しい電力”を謳うアクアエナジー100は
☆基本料金が従量電灯Bの倍
☆300kwまでの重量単価が約4円高い
という、本来なら割高のプラン
多少電気料金が高くても「エコな再生可能エネルギーを使いたい」という方々向けのものでした。

それがこのところの石油・石炭・ガスの高騰を受け、立場が逆転。 燃料費調整額の適用がない水力使用前提のアクアエナジーが、東電の全てのプランの中で最安(一定量以上使用時)に踊り出ます。
※今回の値上げ対象プランにアクアエナジーは入っていませんから、おトク度はさらにアップ。

そのアクアエナジー契約のわが家、2023年1月請求分は 275kw使用で9,184円(再エネ賦課金含む)でした。
アクアエナジー1月請求額.jpg

同じ使用量では
☆東電従量電灯B:9,705円
☆ENEOSでんき:11,566円
となりますから、いかに現在の燃料費調整額が高いかということがわかります。

こま右向きアイコン.png

さらにアクアエナジー100は、2023年2月請求分から適用される国の「電気・ガス価格激変緩和対策事業」の対象。
他プランと同じように、使用量1kwにつき7円が値引きされます。

この国の補助施策は「燃料費調整額高騰」に対応するためのものだと思うので、水力発電プランにも適用するのは筋違いのような気もするのですが…。
まぁ向こうが「まけときますよ」と言ってくれるのですから、ここはありがたく受けておくとしましょう。
電力大特売.jpg

受付停止の理由に
一抹の疑問が

そんなありがたい存在のアクアエナジー100、残念ながら本稿執筆時点では申し込むことはできません。
東電は2023年1月11日をもって、新規受付を突如いったん停止したのです。

全体の発電量に対する「みなし水力発電分」の割合は決まっていることから、アクアエナジー100の契約件数は3万戸までとする。
これは2017年のプラン販売開始時から決まっていたことなので、その上限に達したというのなら新規受付停止は納得できるのですが…。



実は東京にはもう一つ、安価な再生可能エネルギー使用の電力プランがあります。
スローエナジー.jpg
東村山の電力小売り業者エネックス株式会社のブランド『下町でんき』の、『スローエナジー』

この太陽光電力100%プランは基本料金がアクアエナジー100の半額、従量単価も3.5円安い。
これで1kwあたり7円の値引きも適用されれば間違いなく東京最安ですが、こちらは2022年11月7日をもって新規受付を一時停止・再開時期は未定。

受付停止の理由は、公式サイトでこう発表されています。
このたび、確保している再エネ電源が販売可能量の上限に達しましたので、誠に勝手ながら「スローエナジープラン」の新規お申し込みを、一時停止させていただきます。

会社としては、ひょっとしたらほかの事情もあるのかもしれませんが…。
公けにこう説明されたら、(ま、売り切れたものはしょうがないな)と思えます。



しかしアクアエナジー100受付停止についての公式アナウンスは、次のような表現。
燃料費調整制度を適用していない本プランの電気料金が、当社の標準的なプランに比べ大きく乖離している現状を踏まえ、2023年1月11日をもって、本プランの新規お申込み受付を一時停止させていただくことといたしました。
※『東京電力エナジーパートナー公式ホームページ』より抜粋(傍線筆者)。

なんだか遠回しに
「このプラン初め思っていたのとは違う売れ方して、しかもうちのほかの商品よりも安くなっちゃって。
アクアエナジー以外のお得意さまとあんまり値段が違うってのは正直困るんで、もう契約なさってる方は当面しょうがないけどとりあえずここはご新規さんお断りってことで」
と言われてるような気がするのは、私の勘繰り過ぎでしょうか。

既存契約者が一定数いるのですぐには便乗値上げできないけれど、近い将来「価格を含むアクアエナジー100のプラン設定も見直される」というのはじゅうぶん考えられるシナリオだと思います。
勘定合わないアクアエナジー.jpg

地球と家計に
優しく節電

早ければ2023年6月に国の認可が下り実際に新しい価格が決まった後も、まだまだ予断を許さない東電の・いやわが国の電力料金体系。
全国大手電力会社の規制料金が上がったことにより地力のある新電力もまた競争力を取り戻し、独自の顧客獲得活動を展開するかもしれませんし。

私たちが日々使う電気というものが、どう生産され供給されているのか。
消費者は今後の電力販売の状況を正しく理解し、自分にとってベストなサービスを選択することが重要。

そして再生可能エネルギーについても長い視野で考えながら、賢く節電し地球と家計に優しく電気を使う。
ストーブつけて.jpg
これからもそういう気持ちで、電力のお世話になっていきたいと思います。

蔦飾り線.png

ご精読ありがとうございます。
よろしければまた、ご訪問くださいませ。
入船亭扇治拝

nice!(1)  コメント(0) 
共通テーマ:日記・雑感

nice! 1

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。