視野いっぱいの大画面と、迫力の音響に包まれる映像体験~IMAX上映初鑑賞記~ [日々雑感]
桜咲く春の一日、新宿の映画館にやってきた黒猫こまち。
迫力の映像空間
IMAX上映方式
IMAX上映方式
今回私とこまちがTOHOシネマズ新宿で鑑賞する映画は、「IMAXレーザー」で上映されるバージョン。
により通常の上映方式より鮮明で大きな画面・迫力ある音質・ゆったりと映像に没入できる環境を実現する、IMAXレーザー。
”爆音上映”を可能にする音響システム「Dolby Atmos」・画面から飛び出す3D映像+椅子の振動等の特殊効果「MX4D」などと並び、劇場ならではの映画体験が堪能できるこのシステム。
配信サービス普及により、家庭で映画を観る機会が多くなった現代。それとは違った映画館独自の魅力を前面に打ち出したIMAX、その対応劇場はこの10年ほどで徐々に増えてきています。
いざ、
IMAX初体験へ
IMAX初体験へ
専用プロジェクターや大きなスクリーンを必要とするIMAXは、3D上映などと同じく割増鑑賞料金が必要。
TOHOシネマズではIMAXレーザーでの上映だと一般当日1900円の鑑賞料金プラス、600円が上乗せされます。
合計2500円。
小市民で貧乏性の私は今までこの差額を払うのが恐ろしくて、今日までIMAX未体験のままでした。
合計2500円。
小市民で貧乏性の私は今までこの差額を払うのが恐ろしくて、今日までIMAX未体験のままでした。
今回は観たい映画の通常上映が平日は朝夕2回しかないこともあり、ブログ記事用の取材を兼ねて清水の舞台から飛び降りた気になってIMAX上映の券を購入。
果たしてIMAXレーザーには、追加料金600円払うだけの値打ちがあるのでしょうか?
ドキドキしながら来館の私を尻目に、いたって平常心の共同執筆猫。
劇場に着いたらさっそく映画鑑賞のお楽しみ・ポップコーンと飲み物を買ってきましたよ。
IMAX設備が整ったスクリーンは、シネコン総合ロビーから2フロア上に。
その10番スクリーンの前に青白く光る大きな「IMAX with Laser」の文字が、映画へのワクワク感をさらにかきたてます。
映像と音に
包み込まれる
包み込まれる
場内に入ると、もう開映前のお知らせが始まっていました。
なるほど通常上映よりはるかに大きな壁いっぱいのスクリーンは、大迫力!※場内がまだ明るいうちの数枚なら可と、係の方から許可をいただいて撮影。
客席の勾配もかなり急になっており、最後列でもスクリーンがすぐ目の前に広がっているように感じられます。
椅子の構造や配置も身体のことがよく考えられており、3時間近い映画を鑑賞しても疲れるようなことは一切ありませんでした。
椅子の構造や配置も身体のことがよく考えられており、3時間近い映画を鑑賞しても疲れるようなことは一切ありませんでした。
そして今回IMAX初体験で感動したのが、12ch大型スピーカーでの音響。
がIMAX方式売りの一つですが、まさにその通り。
がIMAX方式売りの一つですが、まさにその通り。
雨音などは柔らかく、車の轟音等は厚みのある音で耳に響いてきます。
劇中で大きな爆発シーンがあった時は、場内の空気が震えこちらの腹の底にドーンと来るクリアで迫力ある大音響!
1980年代のアメリカ映画などでいっとき流行った「センサラウンド方式」を思い出しました。
大スクリーンの映像とリアルな音に包み込まれる体験、これはなかなかのものですよ。
画面の鮮やかさは
いま一つ実感できず
いま一つ実感できず
しかし、じゃあ私がこれから通常版とIMAX版が同時上映されているケースで常に後者を選ぶのかと聞かれたら…。
答えは「NO」。
答えは「NO」。
その理由はまず
というTOHOシネマズの謳い文句ほど、スクリーンに映し出された映像の鮮やかさを、私は実感できなかったから。
というTOHOシネマズの謳い文句ほど、スクリーンに映し出された映像の鮮やかさを、私は実感できなかったから。
もちろん個人によって感じ方の差はあるでしょうが…。
ここまではっきり画像の色味・コントラストが違うとは、IMAX画面を観ているだけだと感じられなかったのです。
確かにIMAXレーザープロジェクターは高機能ですから、通常上映方式の映写機より大きなスクリーンに高精度で投影可能。
でもここで肝心なのは、「上映されるデジタルデータ自体の解像度が高くなっているわけではない」ということ。
たとえば従来のデジタル上映方式2K画質に対しMAXレーザーは4Kと倍の高画質ですが、それは”投影する際、どれだけ鮮やかに映し出せるか”の違い。
その違いが私にとっては”普通の大きさのスクリーンで通常上映で観るのがもう耐えられない”ほど、劇的なものではなかったというのが当面の感想。
また私は、映画はスクリーン全体が一度に視野に収まる・俯瞰できる席で観るのが好きなたち。
IMAXのように眼前すべてがスクリーンというのは確かに迫力はあるのですが、落ち着いて映画と向き合うためにはもっと距離があった方が私には合っています。
だから通常上映を普通にやっているのなら、毎回お金を足してIMAXで観なくてもいいかな。その割増の分貯めといて、もう1本ほかの映画観た方がいいな…。 これが現時点での、IMAXに対する私のスタンス。
逆に大画面大音響を求める方にとっては、IMAXは差額600円を払う価値はじゅうぶんにある上映方式と言えるでしょう。
映画の魅力
「大画面」もさまざま
「大画面」もさまざま
配信サービス全盛の、今よりはるか以前。
家庭へ急速に普及するテレビに対抗するため、映画はその独自の魅力の一つ「大画面化」をさまざまな形で進化させてきました。
家庭へ急速に普及するテレビに対抗するため、映画はその独自の魅力の一つ「大画面化」をさまざまな形で進化させてきました。
そして画面の大型化だけでなく画質のアップも目指し、従来のフィルム幅を2倍にした70mm映画も作られるように。
IMAXも本来は、フィルムでの70mm上映方式の一つ。 それをデジタル化したものが、現在シネコンで使われているIMAX。
IMAXも本来は、フィルムでの70mm上映方式の一つ。 それをデジタル化したものが、現在シネコンで使われているIMAX。
そんな70mm上映方式の一つが、これ。
私と同世代以上の方々には懐かしい、『シネラマ』。 初期のシネラマはこの図解のように3分割した画面を、3台の映写機で投影していました。
後には1台のみで映写できるようになりましたが、いずれにしてもシネラマの特徴は横25m・縦9m以上というスクリーンの大きさ!
あまりにも横に広いので、極端に画面が湾曲しているのもシネラマならでは。
あまりにも横に広いので、極端に画面が湾曲しているのもシネラマならでは。
名古屋のシネラマ対応劇場で『さらば宇宙戦艦ヤマト・愛の戦士たち』を観た時。初回は混んでいて座れず、客席端の方から立ち見していたら…。
ヤマトがムンクの『叫び』みたいに歪んで見えたのを、今でも覚えています。
そうそう、宇宙戦艦ヤマトと言えば。 1980年公開の劇場版第3作『ヤマトよ永遠に』では、劇中に「ワープディメンション」という上映上の仕掛けが施されていました。
物語が3分の2ほど進んだところ、ヤマトがワープ空間から未知の宙域へとジャンプするシーン。
ヤマトのワープアウトのタイミングに合わせて、それまでビスタサイズだった画面が横にみゅみゅ―ッと広がってシネスコサイズに!
そして音響もモノラルから4chステレオサウンドに、劇中の透過光の質感も変わる。
ヤマトのワープアウトのタイミングに合わせて、それまでビスタサイズだった画面が横にみゅみゅ―ッと広がってシネスコサイズに!
そして音響もモノラルから4chステレオサウンドに、劇中の透過光の質感も変わる。
「ワープディメンション」という名称だけで実態は公開まで秘せられていたこの仕掛け、初めて観た私は大感動。
名古屋駅前地区では一番大きな劇場でこれを体験できたのは、本当にいい想い出です。
名古屋駅前地区では一番大きな劇場でこれを体験できたのは、本当にいい想い出です。
後にもっと小さな劇場で観直したら迫力は初見の比ではなく、ましてやDVDでは”単に画面の比率が変わる”だけになってしまっているのでまことに残念。
そこでワープディメンション初体験の感動を少しでもお伝えできればと、こんなGIFを拵えてみましたよ。
自宅でのんびり、配信やレンタルで観るのももちろんいいけれど。
やはり劇場でゆったり大画面と大音響に浸るのもいいなと再認識した、筆者のIMAX初体験記でした。
やはり劇場でゆったり大画面と大音響に浸るのもいいなと再認識した、筆者のIMAX初体験記でした。
お開きまでお付き合いいただきまして、まことにありがとうございます。ぜひまた、ご訪問くださいませ。
入船亭扇治拝
入船亭扇治拝
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