都々逸名人の秀逸な効きでの選と、過去の名作披露~『お歳暮スピリッツ』その④互選結果・後編~ [web雑俳]
雑俳落語会で宗匠を務める柳家小里ん師匠の、肩を揉む黒猫こまち。
おいおい、そうやって自分を売り込むのはズルいぞ。
都々逸、宗匠選発表
に続く、互選結果ご紹介第2弾。
芸人の雑俳集団としては、私たちの「つっかけ連」の大先達にあたる「つばな連」。
そのメンバー中・一番の都々逸巧者である小里ん師匠の選「本巻」は、こんな具合になりました。
篝火舎(柳家小里ん)選
客の一
客の二
客の三
客の四
客の五
人の位
地の位
天の位
雲隠し
軸(自句)
サプライズで、宗匠の選に入ったお客様にはご自分と故・小三治師匠の手拭い贈呈の大サービス!
※2021年に惜しまれつつ旅立った小三治師匠につきましては、☆思い出深い、二人きりでの豪華な披露口上~不世出の国宝噺家追悼~にて生前のエピソードを綴っております。
いやーそれにしてもさすがは宗匠、効きがうまいですねー。
都々逸へ付ける効きは、ことに「の・た切れ」が好ましいのだそうです。
前半が「~の~」「~した~」・後半が体言止めの七七でまとめると、なるほど都々逸のリズムを邪魔せずしっくり元句に寄り添う感じになりますね。
「生活都々逸」で
宗匠が評価してくれたのは…
宗匠が評価してくれたのは…
噺家きっての都々逸名人・小里ん師匠は今回の選について、こう説明してくれました。
ということで「江戸振り小唄」としては選外でしたが、広い意味での都々逸として宗匠が評価してくれたのが以下の作品。
ブログ主の選外作品
「五七五の川柳で言えることなら、都々逸でなくてもいいってことになっちゃうからね」。
これも小里ん宗匠からの、今回のアドバイス。
これも小里ん宗匠からの、今回のアドバイス。
なるほどなーと、ほかの出演者とお客様一同納得。
たとえば私の選外作
は、川柳で
なんてやった方がすっきりまとまるような気がします。
は、川柳で
なんてやった方がすっきりまとまるような気がします。
それではそのほかの、選に漏れた扇治拙吟もここでご披露させていただきます。
天文マニアの小ゑん師匠なら、客の一あたりで採ってもらえたかも…ってやっぱり無理か。「バイキング」が火星探査船だと覚えてる人も、今では少ないのかも。
う~ん、正直これは自信作だったんだけどなぁ。ちょっと教訓色が強くて、洒落っ気から離れてしまったかな。
「有罪」という言葉を思いついてから逆算して作ったので、かなり無理があったかも。
宗匠・過去の名作披露!
ここで都々逸名人・小里ん宗匠が、過去につばな連の会で詠んだ句から自薦の作をいくつかご紹介いたしましょう。
よっ、お見事!
どの文句も口ずさんでみると、どこからか三味線の音が聴こえてくるようじゃありませんか。
こういった都々逸を含む、粋な言葉遊び・雑俳で。
来年も、皆様と楽しく遊んでみたいと思います。
お開きまでお付き合いいただきまして、まことにありがとうございます。ぜひまた、ご訪問くださいませ。
入船亭扇治拝
入船亭扇治拝
タグ:雑俳 都々逸 落語
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