ありがとう、おいしさと温もりを~中野新橋『長濱や』閉店に寄せて~ [日々雑感]
がま口握りしめ、いそいそとおいしいたこ焼き買いに来たのに…。
突然の閉店に、
驚く黒猫こまち。

驚く黒猫こまち。
中野新橋駅前で
長く愛されたたこ焼き
長く愛されたたこ焼き
地下鉄丸ノ内線・中野新橋駅を出てすぐのところにあった、『たこ焼き 長濱や』さん。
の大粒たこ焼きは地元の方々だけでなく、わざわざ遠方から買いに来るファンの人たちにも長く愛され続けてきました。
の大粒たこ焼きは地元の方々だけでなく、わざわざ遠方から買いに来るファンの人たちにも長く愛され続けてきました。
甘口辛口ソースのほか、他店ではあまり見ない「柚子ソース」「ねぎ醤油」も人気。
お店の近所に住む筆者も、幼い頃の子どもたちが大好きで土日にはよく『長濱や』さんへ買いに行ったものです。
※この画像2枚は『食べログ』投稿写真を引用させていただきました。
お店の近所に住む筆者も、幼い頃の子どもたちが大好きで土日にはよく『長濱や』さんへ買いに行ったものです。

作り置きをせず一気に焼き上げた分を販売するシステムだったので、時間によっては短いながらも行列ができることもありましたね。
うちの子たちがもの心つくかつかないかの頃に店が新規オープンしたような記憶がありますので、かれこれ20年くらいはこの店舗で営業してきたであろう『長濱や』。
2022年(令和4年)4月、ひっそりとその歴史に幕を下ろすことに。
「健康上の理由により、閉店することにいたしました」。
2022年(令和4年)4月、ひっそりとその歴史に幕を下ろすことに。

店頭に貼られた
惜別のメッセージ
惜別のメッセージ
実際に閉店してから私は何度も長濱やさんの前を通っていたはのですが、たまたま毎回お昼12時からの営業時間前だったので気がつかず。
6月に入り店舗の前を通りかかった時(店の前が、妙にすすけているな)と思いよーく見ると、前項画像の閉店お知らせが店頭に。
店の窓にはそればかりではなく、長濱やファンの方からのメッセージが書かれたメモ用紙が何枚も貼られていました。
だから余計に目を惹き、遅ればせながら私も閉店のことを知ったわけです。

そのお店あての惜別の辞、謹んで撮影したものを以下にご披露。



…。
で綴りましたように、世の万事には必ず終わりと別れがある。
あらためて、実感。
で綴りましたように、世の万事には必ず終わりと別れがある。
あらためて、実感。
永遠なれ、
たこ焼きの温もり
たこ焼きの温もり
撮影したメッセージ画像を見直していて、筆者の胸には迫るものがありました。
足繁くというほどではありませんが、それなりの頻度で子どもたちと買いに行っていた長濱やさん。
前述したとおり、作り置きをしないのがご主人のポリシー。
店頭の札が「販売中」でない時は、一定数焼き上がるまで待っていなくてはなりません。
前述したとおり、作り置きをしないのがご主人のポリシー。
店頭の札が「販売中」でない時は、一定数焼き上がるまで待っていなくてはなりません。
冬場の夕暮れなど、まだこらえ性のない子どもたちが「たこ焼きまだー」「お腹空いた」「寒いー」「トイレ行きたい!」愚図るのをなだめながら。
店の前で足踏みしつつ白い息を吐いてたこ焼きを待っていたのも、今となれば懐かしい思い出。


やがて凝り性のご主人がやっと満足のいくように粒を焼き上げ、自分の番になって「はい、お待ちどうさま」と渡してくれるたこ焼きの包み。
受け取れば手にじわ~っと伝わる温もりに、凍えた身体がほぐれていく。
受け取れば手にじわ~っと伝わる温もりに、凍えた身体がほぐれていく。
子どもたちにも包みを触らせてやると、「あったかーい」「いい匂い!」二人とも今まで不機嫌だったのが嘘のような満面の笑み。

親子で語らいながら急いだ、冬の家路。
閉店した長濱やさん店頭を眺めている私の胸に、そんな光景が甦ってきました。
棟方志功のように真剣な面持ちでたこ焼きをひっくり返していた、いかにも実直そうな眼鏡の長濱やご主人。
かつて親子でお世話になったわが家からも、この場を借りてメッセージ送らせてください。
おいしさと温もりを、
どうもありがとう。
かつて親子でお世話になったわが家からも、この場を借りてメッセージ送らせてください。

どうもありがとう。
さて冒頭画像で、お目当てのたこ焼き買えなかったこまち。
うちでメソメソソしているかと思えばさにあらず。
うちでメソメソソしているかと思えばさにあらず。
立ち直りの早い食いしん坊猫、手際よく道具と材料揃えて。
楽しく、
たこ焼きパーティの真っ最中!
楽しく、
たこ焼きパーティの真っ最中!


おいしいそうだね、
こまち。
お父さんも、お相伴にあずからせてもらっていいかい?
こまち。
お父さんも、お相伴にあずからせてもらっていいかい?

お開きまでお付き合いいただきまして、まことにありがとうございます。ぜひまた、ご訪問くださいませ。
入船亭扇治拝
入船亭扇治拝
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