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地元の味に元気をもらう、道東の旅 [お気に入り・おすすめ]


仕事で訪れた先で出会う、人との触れ合い・東京とは違う風景。
すべてが大切な想い出となり、高座やブログの話題に。

そして「食との出会い」も、旅の楽しみの一つ。

北の大地名物、豪華競演!


令和2年8月下旬の8日間は、留辺蘂図書館まつりをメインとする公演で北海道北見・網走方面を回る旅。
新型コロナウイルスの影響が大きいなか企画・実施してくれた担当者の方々、感染の不安に負けず会場に足を運んでくださる聴衆の皆様。
北の大地の人情を、あらためて実感する日々。

そして普段の生活では味わえないご当地の味覚に出会えるのも、噺家をやっていて嬉しいことの一つです。
この記事執筆時点で、旅は前半を折り返したところ。

まずはここまで味わった道東グルメの数々、一挙にご覧いただきましょう。
北の味覚.png

口開けは24日前乗りした北見市内の焼肉屋さん。
燃えるサガリ_R.jpg


七輪の上で盛大に炎をあげているのは牛肉「生サガリ」と牛ホルモン。
厳密に言うとサガリは横隔膜の肋骨側・「ハラミ」は背中側と違いがあるそうですが、留辺蘂や北見の方は両者をざっくり「サガリ」と呼ぶことが多いですね。

図書館まつりで始めて出会って以来、私はサガリの大ファン。
赤身部位ながらほどよく混じった油分が、威勢よく燃えてうっかりすると火傷しそう。
新聞を読みながらとかお行儀の悪いことしないで、真剣勝負でサガリに立ち向かいました。

北見は焼肉王国で、名店もたくさんありどこに入るか毎回悩みのタネ。
今回は新鮮な朝じめホルモンが売りの老舗・味覚園にしようかとも思ったのですが、以前入った時食べられず気になっていたメニューがある「炙屋」さんを再訪。
カレー石焼ビビンバ_R.jpg


3年越しで食べられたこの一品、「カレー石焼ビビンバ」
カレーも石焼もどっちも大好きな私には、まさに夢の料理。
子どもの頃憧れた『ゴジラ対ガメラ』クラスの両巨頭揃い踏み

カレーは業務用のフレークルーに食材切り落としであろう色んな部位のお肉がを入れて煮込んであるのでしょう、コクがありじわ辛
おいしい。
そして、熱い

来た時にはふつふつとカレールーが煮えたぎっていましたから、まさに灼熱
さらに、量が半端でなく多い。
注文した時に店員さんが 「ハーフでよろしいですね?」
確認してくれたのを、素直に聞いておけばよかった。

「カウンターのお客、よせばいいのにレギュラー頼んで
肩で息してやんの」
「やだねー」
なんて厨房で囁き交わしているのかも。

どうも
(おそらく)世界で一番面白い、PCR検査体験記/猫、ゆく夏を惜しむ
の記事以来、少しひがみっぽくなっているようです。

レギュラーサイズで、体感2人前は優にあるボリューム。
食べれども食べれども、スプーンで掘れど汲めどカレーとご飯の量なかなか減らず。
しびれを切らして、生ビールもう1杯おかわりしてしまいました。

続いて、歴史あるご当地名物登場


旅の仕事始め、25日午前中訓子府町の高齢者大学公演。
席の間隔を充分に開けてお座りになった聴衆の方を前に2席、よく聴いていただきお開きに。

終演後、控え室で待っていてくれたのがこちら。
たれかつ丼_R.jpg


訓子府名物、卵でとじていない 「たれカツ丼」
ソースカツ丼とはまた違い、キャベツ無し・味付けは醤油ベースの甘辛だれ
お店によってたれの製法がそれぞれの、秘伝の味
鰻屋さんと似てますね。

この日いただいたお弁当は、老舗の「福よし」さん謹製。
たれカツ丼発祥のお店で、現在同じメニューを出す店舗のほとんどは福よしさんからののれん分けが多いそうです。

気になる訓子府カツ丼のルーツですが、昭和10年に常連さんからの要望で福よしご主人が始めたというところまではわかりました。
しかしそこから先、なぜそのお客さんはあえて卵抜きのカツ丼を所望したのか?

卵が苦手な人だったのか。
せっかくサクサクに揚がったカツが、卵で湿ってはもったいないという「カツサク至上派」のお客さんだったのか。
地元の方に聞いても、明確な答えはまだ得られていません。

まぁさっぱりと食べられて私は大好きな一品ですから、細かいことはいいんですけどね。
可愛らしいイメージキャラクター
「たれカツ乙女・くるねちゃん」も応援する
訓子府名物。
くるねちゃん.JPG

道東を訪れる機会ございましたら、ぜひご賞味なさることをお勧めします。

黄金色に輝く、北見名産


焼肉も有名な北見ですが、食材で他の追随を許さないのが
日本一の出荷量を誇る 玉ねぎ

全国の玉ねぎ生産量、年間平均216万トン。
そのうち北見産、実に47万トン
年によって差はありますが、近年は全国生産量の4〜5割近くを北見産玉ねぎが占めているそう。

北見での玉ねぎ栽培の始まりは、1917年。
需要が減ったハッカに代わる農産物として作られ始め、政府の減反政策で水田の多くも玉ねぎ畑に経営転換。

淡路島から持ってきた原種とはまたひと味違う、シャキシャキとした食感が魅力の一大特産品として定着。
全国のスーパー・青果店で多く扱われ、私たちの食卓にのぼるのもたいていは北見生まれの玉ねぎのはず。

そんな道東の玉ねぎが大打撃を受けたのが、2016年8月。
短期間に連続して発生した台風による大雨で、市内の河川が決壊。
実を一回り大きくするため収穫時期をずらしてある遅出し玉ねぎ・お盆前後に収穫・畑でのコンテナ乾燥してあった早生の分とも、水害で多くが出荷できなくなりました。

さらに追い討ちをかけたのが生産量全国2位の佐賀県で、その年の玉ねぎが「べと病」という植物病で発育不全に。
国は急遽他府県産の調整買い上げ・海外からの輸入で対応しましたが、2016年夏以降は深刻な玉ねぎ不足が続きカレー屋さんなどはやり繰りに四苦八苦。 

我が家でもまだ子どもがカレー・肉じゃがなど食べたい盛りだったので、玉ねぎの工面に苦労したのを憶えています。

今年の北見玉ねぎ、作柄は良好
早出しのものはもう収穫を終え、あとひと雨で大きくなってからの旅立ちを待つ玉ねぎたちが控えています。
街道沿いに広がる、黄金色の畑

おや、畑の中に何か動いていますよ?


蔦飾り線.png

お開きまでお付き合いいただきまして、まことにありがとうございます。
ぜひまた、ご訪問くださいませ。
入船亭扇治

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コメント 2

T

おはようございます。
昨夜、留辺蘂図書館で楽しませていただきました!
今日午後の北見図書館も運良くチケットを手に入れられたので、2日間楽しませていただきますね♪
by T (2020-08-30 08:17) 

ゆみたろ

扇治師匠 生まれて初めて あんなに近くでの落語楽しかったです[黒ハート] 留辺蘂も北見もマスク越しではありますが、ニコニコわははと、、、怪談は怖かった[あせあせ(飛び散る汗)]です。ブログを覗きにきてみたら 北見の焼肉 玉ねぎなどなど記して頂き 市民として また更に嬉しいです。 ありがとうございました。またお待ちしてます。
by ゆみたろ (2020-08-31 06:59) 

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