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久々の搭乗で思い出す、飛行機のエピソード2題 [日々雑感]


8月24日から31日まで、
毎年恒例の北海道北見・網走方面公演ツアー。
令和2年最初の飛行機に、
なんだか胸がドキドキ。


空の旅が特別だった時代、ありましたよね。

道東公演無事お開き


北見市留辺蘂町図書館の夏恒例イベント
『るべしべ図書館まつり』の一環である、
私の落語独演会「図書館寄席」。
新型コロナウイルスの感染拡大防止が最優先の状況下ですが、今年も実施の運びに。

8日間に渡る公演を、全て無事に務めあげることができました。
これもひとえに留辺蘂図書館スタッフ・図書館まつり実行委員会の皆様、近隣自治体の担当者各位。
そしてなによりも世の中未だ落ち着かぬ中、私の落語のためにお集まりくださいましたお客様方。

皆様のご尽力とご好意に助けられてのツアー完遂、
この場を借りて厚く御礼申し上げます。
また北の大地で皆様にお目にかかれますこと、
心待ちにいたしております。

ご当地での出会い・味覚・想い出、東京に帰ったら順次整理して記事にしていく予定。
まずは今年もたくさんのお土産を持たしてくれた北の大地に、いま一度御礼を。

ありがとう、留辺蘂町・訓子府町・
大空町・津別町・北見市の皆様

また会う日まで、お元気で!

えっ、機内サービスが?


今回で留辺蘂図書館寄席は、24回目。 その間には、いろんなことがありました。
そもそも当ブログは、図書館や本のことも大きなジャンルとして取り上げていく方針。 

いずれ、系統立てて記事にしていきます。

今回は、道東ツアーで初めてAirDoを利用した時のエピソードを。
その年の図書館まつりは、開館10週年記念。
落語会にも例年より多めに予算が取れたので、
「扇治さん以外に誰か一人ゲストを入れてください」
と実行委員会からのリクエスト。

多忙な中スケジュールが合った紙切りの林家ニ楽さんを頼み、
ツアーの始まり。
色物さんが入るとぐっと彩りを増す図書館寄席、
スタッフの方にもお客様にも喜んでいただき大成功。

寄席終演後は図書館の視聴覚室にて、
ケータリングのおつまみと持ち寄ったお酒で打ち上げ。
その頃は実行委員の方々皆さん若くて、
宴席が日付けをまたいで延々続くのが常でした。

その時も夜中2時過ぎまで楽しくお酒を酌み交わし、
あくる日お昼頃の便で帰郷。
寝坊はしませんでしたがお酒が残った眠い目をこすりながら、空港へと向かいます。
ニ楽さんとは女満別空港で別れ、JAL便で先に帰ってもらいました。

私と乗る飛行機が違うのは、予算節減のため。
図書館まつり実行委員会からの出演料をまとめてもらい、その中から私の方で交通費・宿泊費とニ楽さんへのお礼を支払う形。

少しでもニ楽さんに渡す出演料を多くしたいと、
私の復路は参入したばかりのAirDo便にしてあったのです。
今でもそうですが、JAL・ANAに比べると航空券がかなりお安いのが「北海道の翼」AirDo。

北海道の方にはかなりリーズナブルな料金設定がありますし、それ以外の人もうまく買えば最大2割くらい大手航空会社よりお得でしょうか。

そんなわけで初めてのAirDoに乗り込んだ私、
出発前から二日酔いで喉が乾いてかわいて。
シートベルト着用サインが消え、
機内サービスが始まるのを一日千秋の思いで待ちわびていました。

気流が安定せずなかなか消えないベルト着用サイン、やっと落ち着いて客室乗務員の方がカートを押してこちらへやってきます。
とにかくまず、冷たーい水を一杯所望
乗務員さんに声をかけようと、カート正面のお品書きを見ると
そこには…。

ミネラルウォーター 300円
の文字が。

えっ、飲み物サービス別料金なの?!
発足当初のAirDoは低価格設定で先行大手航空会社に対抗しようと、私と同じようにギリギリまで経費を節減していたのです。
したがって、飲み物も無料サービスではなく全て有料

迫ってくるカートを見ながら、私は激しく悩みました。
喉は乾いている。
砂漠の旅人のように、水は飲みたい。
でも、300円

ブランド物のミネラルウォーターとはいえ、
水が100円玉3つ分

ニ楽さんに相場にはとても及びませんができるだけのお礼を渡すため、ここまで経費を抑え続けてきたのです。
旅のおしまいに来て、水に300円払うのは業腹だ。
公園の水飲み場なら、タダ飲めるもの300円

岐阜県人で貧乏症の私は悩み抜いた末、
結局ミネラルウォーター購入しないまま、カートをやり過ごしました。

それから羽田に着くまでの1時間半、
紙やすりのようにザラザラになった舌
をなんとか唾液で湿らせながら。

機内サービスこまち.gif


今のAirDo便はもちろんそんなことはなく、飲み物の機内サービスはちゃんとあります。
今回は往復とも、おいしいりんごジュースをいただきましたよ。

エアドゥコップ.jpg

ええっ、師匠乗ってきたのこの飛行機?!


次なる飛行機エピソードは、学校公演で四国へ行った時。
羽田の保安検査場を通過してロビーを 搭乗口へ向かっていると、向こうから見覚えのある人が歩いてきます。
同業大先輩の、春風亭柳橋師匠

今の柳橋師の師匠、亡くなりました七代目の柳橋
落語芸術協会幹部にして、顔立ちが役者にしてもいいようないい男。
スタイルも良く、踊りをやっていたので物腰も本当にきれい。
「ザ・粋な噺家」という姿形は、同期の古今亭志ん朝師匠が憧れるほど。

柳橋師匠と一緒に会をやる機会が何度かあったそうで、

「お客さんと記念写真撮ったりするんで柳橋さんと並ぶと、あちらは髭の剃り跡が青々とした色白のいい男で立ち姿もきれい。
こっちは色が黒くってずんぐりむっくり、アタシは柳橋さんの引き立て役になっちゃうんだもの。
あー、二枚目はいいね羨ましいねぇ」

ご自身もあれだけ華のある芸人だった志ん朝師匠が羨むほどの、
苦味走ったいい男

その柳橋師匠と顔を合わせたので
「おはようございます、ご苦労さまです。
あちらからいらしたということは、師匠どっか地方のお仕事からお帰りになったとこですか?」

尋ねる私に柳橋師匠、
「うん、夕べ秋田で打ち上げ付きの会があってな。
今、その飛行機で帰ってきたとこだ」
指差す方を見ると、ロビーの窓越しにANAの飛行機が停まっているのが見えます。

その機体には大きく描かれているのは、
「今だピカチュウ、100万ボルト!」
のあのキャラクターを筆頭に、ゼニガメ・フシギダネ・ヒトカゲ・ミュウツーたちのイラスト。
そう、夏恒例の ポケモンジェット だったのです!

世界の色男は俺一人で引き受けたという風情の柳橋師匠が、
おひとりでカラフルなポケモンたちのイラストでラッピングされたこの飛行機に乗ってきた。
機体だけでなく、ポケモンジェットは機内の座席カバーなどにもかわいいイラストが入っています。

その座席に、柳橋師匠が真面目な顔をして座っているのを想像したら…。
なまじいい男で絵に描いたように粋な芸人だけに、
ポケモンとのギャップがおかしくてたまらず。
大先輩を前に笑いをこらえるのに苦労しました。

そのポケモンジェットも、新型コロナウイルスの影響で令和2年は翼を休めることに。
夏休みの映画は公開延期、うちの子どもたちが小さい頃連れて行ったHR東日本の
『ポケモンスタンプラリー』も今年はありません。

来年の夏は安心してポケモンジェットが大空を舞い、
スタンプ帳を握りしめた子どもたちが駅から駅を元気に駆け抜ける。
そうなることを、心から願っています。

蔦飾り線.png

お開きまでお付き合いいただきまして、
まことにありがとうございます。
ぜひまた、ご訪問くださいませ。
入船亭扇治拝

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