お稲荷さまの使い姫、意外な正体 [日々雑感]
キツネが励ます豊川稲荷
3月末、いつもお詣りしている赤坂の豊川稲荷東京別院を訪れました。
小雨が降る肌寒い陽気。いつもお昼時には多く見られる近所のサラリーマンの方たちの姿は、さすがにありません。
それでもこのご時世、仕事やご商売繁盛・家族と自分の健康をお願いする人で境内はけっこう賑やか。
新型コロナウイルス感染拡大防止の影響は、神信心の世界も避けては通れません。
手と口を清める手水舎、水が止められています。
正面の鰐口も、打ち鳴らすための紐が取り外されて何やら手持ちぶさた。
つい滅入りがちな気持ちを、この人が励ましてくれました。
愛知県豊川市観光マスコットキャラクター、「いなりん」。
2011年から、実質的に豊川市宣伝部長の要職にある方です。
公式ホームページも持ってます。
http://www.inarin.net/
私のブログより立派。
うらやましい…。
小雨が降る肌寒い陽気。いつもお昼時には多く見られる近所のサラリーマンの方たちの姿は、さすがにありません。
それでもこのご時世、仕事やご商売繁盛・家族と自分の健康をお願いする人で境内はけっこう賑やか。
新型コロナウイルス感染拡大防止の影響は、神信心の世界も避けては通れません。
手と口を清める手水舎、水が止められています。

正面の鰐口も、打ち鳴らすための紐が取り外されて何やら手持ちぶさた。

つい滅入りがちな気持ちを、この人が励ましてくれました。

愛知県豊川市観光マスコットキャラクター、「いなりん」。
2011年から、実質的に豊川市宣伝部長の要職にある方です。
公式ホームページも持ってます。
http://www.inarin.net/
私のブログより立派。
うらやましい…。
もう一人の、お稲荷様公認マスコット!
赤坂にいるいなりん部長は、あくまで豊川市をアピールする業務の一環として出向して来ている立場。
直接、曹洞宗妙厳寺を代表しているわけではありません。
実は、いなりん以前からお稲荷さまの公式マスコットが存在するのです。
キツネのぬいぐるみ、「大吉」くん。

何だか犬みたい。
失礼な。祟るぞよ。
ならば横を向いてしんぜよう。

この太ーい立派な尻尾。
まごうかたなきキツネであろう?
我が家の守り神 大吉くん
私が豊川稲荷に参詣するようになったのは、まだ噺家の二ツ目になりたての頃。
学校公演で愛知県を回った時ご一緒だった紙切りの先代・林家正楽師匠から、
「豊川さまは本当に霊験あらたかだから、そっちは岐阜出身でこっち来ることもあるだろうし、ご信心してみちゃどうだい」
と勧められたのがきっかけ。
実際、当時は健在だった両親が岐阜県内や名古屋周辺でけっこう仕事を作ってくれてました。
つくづく親というのはありがたいものです。
そこで東海地方へ来る機会があるとできるだけ、足を伸ばして豊川稲荷にお詣りさせてもらうようにしました。
2度目の参詣の時、時間に余裕があったので参道をぶらぶら歩いてみつけたのが大吉くん。
ほとんどの土産物屋の棚の目立つところに、このキツネのぬいぐるみが大小取り混ぜて鎮座していました。
「大吉くん」は私がつけた名前ではありません。
お店では売っている時はちゃんと専用のと書かれた千社札型の立派な名札を付けていたのです。
うちの子どもが可愛がって遊んでいるうち、どこかにいってしまいました。勿体ないことです。ご容赦下さい…。
代わりに紅白の首輪をしていただき我が家の神棚に当たるスペースにちんまりと座って、家内を守ってくれています。
北の大地で、思わぬ遭遇
そんなわけですっかりうちの家族全員がこのキツネのぬいぐるみを「大吉くん」として認識するようになった、ある日のこと。
今から15年ほど前、2週間ほど北海道各地を回る仕事がありました。
八王子の伝統人形芝居『西川古柳座』の皆さんとの公演。
一座の方々は気のおけないいい人ばかり、各地のお客様の反応も上々。
気持ちよく仕事を打ち上げて、最終日は東京へ帰るだけ。
私は新千歳空港には師匠や先輩と一緒に来たことは何度もありますが、個人でゆっくり空港内のお店を見て歩いたのはその時が初めて。
あの広い空港にずらり並んだショップで、家族への土産を心ゆくまで物色させてもらいました。
そしてたまたま入った大きな土産物屋の奥の棚に、見覚えのあるキツネのぬいぐるみがずらり、並んでいるではありませんか。
いかにいい人揃いとは言っても、落語とは畑違いの人形劇団との共演。それなりに気は使います。
ましてや10日以上の長旅。
里心がついたところに懐かしい姿が見えたので、買うつもりはなくても「あ、こんなところにうちの子がいる!」と棚へ駆け寄ると…
キツネだけに、変わり身が早い
広い棚にL・M・Sサイズ取り揃って並んでいる、キツネのぬいぐるみたち。
私の方を愛らしく見ている姿かたちは確かにうちにいるぬいぐるみそのものなのですが、首にかけられたハート型のタグに書かれているのは

名前だけでなく、性別まで変わってしまったのか大吉くん!
♪~にいるときゃ〇〇と呼ばれたのー
さすがはお稲荷さまのお使い姫。
「芸人は行く先々に水に合わねば」
のはるか上をゆく
それぞれの土地土地に自分を合わせる。
まことに心が広く、変わり身に長けたおキツネさまだったのです。

本職だけに、化かすのがうめぇや。
おあとがよろしいようで…。
※こんな呑気なのでよろしければ、我が家の猫の活躍なぞも見てやってください。
☆『猫は、意外とまめに働く管理人』(別記事)
☆『猫は、意外とまめに働く管理人』(別記事)
またのお越しをお待ち申し上げております。
入船亭扇治
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