えっ、この店が今から「テイクアウト始めました」? [日々雑感]
今回の記事は、『web版言の葉落語会』関連のお知らせのすぐあと。
ネットで雑俳、今度は皆様からの選句を募集中!
隣に人が来ない飲食店
久しぶりで笹塚駅前の「日高屋」さんでお昼をいただいてきました。
安くてボリュームがあって美味しい、庶民の味方。
午前11時の開店直後でも、けっこう私のほかにもお客さんいらっしゃいます。
でも国・都からの指導要請により、お客さんどうしが密接しないよう
こうなってます。
時間あたりの回転率は半減するわけですから、飲食店の方々も大変。
でも、人見知りの私にはとってもありがたい。
牛めし屋のカウンターなんかで、ほかに席はたくさん空いてんのにわざわざこっちの近くに座る人っているんですよね。
それも妙齢のご婦人ならともかく、脂ぎったおじさん。
ま、こっちもおじさんですけど。
それも妙齢のご婦人ならともかく、脂ぎったおじさん。
ま、こっちもおじさんですけど。
映画館でも座席指定券買った時は確かに左右空いていたのに、開映直前にバケツみたいなポップコーンとコーラ抱えた横に大きいあんちゃんがドンッと音を立てて私の隣に座る。
その瞬間の絶望感。
あそこも向こうも、あんなに席空いてんだろ?
なんで狙ったようにここなんだよ。
切符買う時、座席表見なかったのか?
最後列下手側通路から7席目とか、いつも決めてる席なのかも。
なんにしてもひとりでの食事や映画鑑賞の時人にそばへ来られるのが大の苦手の私にとって、席の間隔を空ける今の飲食店対応は願ってもないこと。
今回新型コロナウイルスの施した、唯一の善行かもしれません。
今回新型コロナウイルスの施した、唯一の善行かもしれません。
目についた、近隣飲食店のポスター
隣を気にすることなく中華そばを食べ終わり、『十号坂』という名の商店街をぶらぶら下っての帰り道。
方々の電柱に、目を引くこんなポスターが。
商店街の飲食を扱うお店が共同で出した、巣ごもり消費で減ったお客さんの足を繋ぎとめる経営戦略。
今、本当にたくさんの飲食店でやってますよね。
今、本当にたくさんの飲食店でやってますよね。
甲州街道沿いに2軒並んでいるどっちも人気のラーメン屋さんも、「つけ麺の持ち帰り始めました」を仲良く店頭に並べています。
「スープの仕込みと?の湯切りにこちとら命かけてんでぇ、うちのそばを
持って帰りてぇだ?冗談じゃねえおととい来やがれ!帰えんな帰んな。
おぅヨシ公、あの場違い客の立ってたあたりに塩撒いとけ!」
おぅヨシ公、あの場違い客の立ってたあたりに塩撒いとけ!」
どっちのラーメン屋さんも普段ならそう言いそうなオーラをバンバン出してる職人肌の大将がやっている店ですから、コロナの威力はたいしたものです。
話を帰り道に戻しましょう。
「テイクアウト始めました」の赤い大きな文字に惹かれ、
今夜の酒の肴、こういうとこで買ってもいいな…」
どれどれ、どんな店が持ち帰り新しく始めたのかな?
そばに寄ってポスターを見てみます。
「テイクアウト始めました」の赤い大きな文字に惹かれ、
今夜の酒の肴、こういうとこで買ってもいいな…」
どれどれ、どんな店が持ち帰り新しく始めたのかな?
そばに寄ってポスターを見てみます。
自家製ドレッシングやパスタが大評判、今や全国に支店を持つイタリアンの『キャンティ』本店。
ランチビュッフェでお昼から賑わうカレー屋さん『バラト』。
青森出身の人やお店のファンのお客さんたちで、夕方過ぎ前を通るといつも満席の『炉端座・八戸』。
アジアンエスニック料理『ジュリーズ・スパイス』。この数年店舗は厨房と倉庫として使い営業はフードカーで方々回っていたのですが、今回の事態を受けてお店に戻ってきたようです。
以前は幡ヶ谷にあった人気店、高齢で店を閉められたご主人のお孫さんが場所を移して再開した『竹もと』。
店が入っているビルのオーナーの息子さんが、独自の繊細な味わいの中国料理でもてなしてくれる『東方美人』。
ジャズが流れるお洒落な店内で、陽気なマスターと話が弾む地元民の隠れ家的な『笹塚バル・スケッチ』。
いずれも美味しいお店ばかり。
このお店も「テイクアウト始めました」
いったんうち帰って、女房とどの店の何を持ち帰りするか相談しよう。
通り過ぎようとして
「ン?」
ポスターの内容のどっかが頭にひっかかり、もう一度戻ってじっくり見てみると。
さっき名前を挙げたお店のほかに
老舗の『八幡せんべい』。
豊富な手作りのお惣菜とお弁当をずらりショーケースに並べ、買わなくても前を通るだけで楽しい『ささ家』。
若いご夫婦が作るケーキやマカロンが絶品。近隣だけでなくかなり遠方から車で買いに来る常連さんも多い『ダイヤモンド』。
これらのお店も、ラインナップに入っています。
ここからのコメントには、お店の業績を上げお客様のニーズに応えようと努力なさっている方々を揶揄するつもりは毛頭ございません。
何度も経営者の方たちが集まって相談し、お金を出し合ってお作りになったポスターです。
ケチをつけるとか、あげ足をとろうなんてつもりでもありません。
ケチをつけるとか、あげ足をとろうなんてつもりでもありません。
ただこっちも開店休業状態とは言っても、噺家ですからね。
面白さにつながりそうなネタだったら、そこで少しでもお客様に笑っていただきたい。
面白さにつながりそうなネタだったら、そこで少しでもお客様に笑っていただきたい。
そういう気持ちでの発言ですから、どうぞ不謹慎の誹りはご勘弁いただきまして…。
「テイクアウト始めました」の共同ポスターに名を連ねる
お煎餅屋さん・洋菓子屋さん・総菜お弁当屋さん。
お煎餅屋さん・洋菓子屋さん・総菜お弁当屋さん。
じゃあ、こちらのお店は今まで
テイクアウトできなかったのか?
逆にイートインができてたのか?
そんなツッコミをしてひと時家族で笑えたよ、というただそれだけの話。
ちょっと脇へそれますが、夏場食べ物屋さんの店頭に
「冷やし中華始めました」
「かき氷できます」
の幟や貼り紙、よく見かけますよね。
「冷やし中華始めました」
「かき氷できます」
の幟や貼り紙、よく見かけますよね。
「始めました」はあるんだけど、
「冷やし中華やめました」
「かき氷もうやってません」
のお知らせって見たことがない。
「冷やし中華やめました」
「かき氷もうやってません」
のお知らせって見たことがない。
秋風の吹き出した頃行きつけのラーメン屋で
「大将、冷やし中華!」
「すんません、もう涼しいんで先週からやってないんですよ」
気まずい思いを。
「大将、冷やし中華!」
「すんません、もう涼しいんで先週からやってないんですよ」
気まずい思いを。
全国の冷やし中華とかき氷を扱う店は、「始めました」だけでなくはっきりと「やめました」の告知も徹底すべきである。
と、私の大好きな漫画家・エッセイストの東海林さだおさんが『丸かじり』シリーズで提唱してらっしゃいました。
と、私の大好きな漫画家・エッセイストの東海林さだおさんが『丸かじり』シリーズで提唱してらっしゃいました。
そんな律儀なお店が、「テイクアウトやめました」のお知らせを店頭に貼り出したらどうなるか。
お店に許可をいただいて撮影した写真をバックにした、楽しみに午後のお茶請けを買いに来て茫然とする我が家の飼い猫・こまち。
お店に許可をいただいて撮影した写真をバックにした、楽しみに午後のお茶請けを買いに来て茫然とする我が家の飼い猫・こまち。
こんな呑気なイラストを描いているうち、表はもう黄昏てきました。
中野区広報スピーカーから、不要不急の外出を控えてもらいたい旨のアナウンスが聴こえてきます。
中野区広報スピーカーから、不要不急の外出を控えてもらいたい旨のアナウンスが聴こえてきます。
ハイハイ、今日は久しぶりにお昼を表で食べられたしブログのネタも拾えたからもう出かけませんよ。
こまちと遊んでひとっ風呂浴びた頃には、居酒屋我が家が開店。
仕事がない噺家でも、うちで楽しくやってますよ。
こまちと遊んでひとっ風呂浴びた頃には、居酒屋我が家が開店。
仕事がない噺家でも、うちで楽しくやってますよ。
お時間ございましたら、また遊びに来てください。
お待ち申し上げておりますね。
お開きまでお付き合いいただきまして、まことにありがとうございます。
お待ち申し上げておりますね。
お開きまでお付き合いいただきまして、まことにありがとうございます。
入船亭扇治拝
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