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かわいくて楽しくておいしい!菓子舗『あわ家惣兵衛』のねこ饅頭 [お気に入り・おすすめ]

動物饅頭店頭.jpg

デパートでかわいい『動物まんじゅう』の売り場を見つけ、喜ぶ黒猫こまち。

「食べられない」猫饅頭

上野松坂屋1階催事スペースに出店していた、練馬区大泉学園町に本店がある和菓子屋さん『あわ家惣兵衛』。その店頭には「明治天皇奉献銘菓」である看板商品の『惣兵衛最中』などを脇に、さまざまな動物をかたどったお饅頭が前面に並べられていました。
動物まんじゅう4種.jpg
上野動物園ゆかりのパンダ・ハシビロコウ、そしてブタさんウサギさん。

そして動物まんじゅうを乗せたワゴンの隣には、こんな和菓子たちが!
ねこの和菓子.jpg
『かわいくて食べられない!ねこの和菓子』。

トラ猫・三毛猫・肉球は、こし餡の上用饅頭。
ねこ饅頭.jpg
三毛ねこ饅頭.jpg
肉球饅頭.jpg

茶色猫は、チョコ餡。
チョコねこ饅頭.jpg

猫どら焼き。
猫どら焼き.jpg
これは小豆餡、ほかに猫の表情が違う白餡もあります。

価格はすべて1個税込300円。直径5cm弱の小ぶりなお饅頭にしてはけっこういいお値段ですが、ここで出会ったのも何かのご縁。奮発して白餡どら焼き以外の5種類を、買って帰ることにしました。

わが家の猫たちと
記念撮影

かわいい猫のお菓子がやって来たと聞き、ヤマト運輸マスコットたちワクワク。
和菓子の袋とマスコット.jpg

袋から出した個包装の和菓子と、クロヤマさんシロヤマさんでまず記念撮影。
ねこ饅頭とマスコットたち.jpg

続いてリアルこまちとのツーショット。
こまちとねこ饅頭.jpg
「まーた、妙なもの買ってきおって」と一瞥しただけで、とっととお気に入り毛布の寝床へ行ってしまいます。

後を追いかけて昼寝しているところにお菓子並べてみたら…。
包囲するねこ饅頭.jpg
猫型饅頭とどら焼きに包囲されて、いかにも迷惑そう。
※良い子の皆さんは、お菓子を動物に近づけて遊んではいけません。

小ぶりだけれど
食べ応えあり!

あわ家さんの謳い文句通り、猫の形したお菓子はなかなかかわいくて食べる気になれず、ここまで写真ばかり撮ってきましたが…。
そろそろ肝心のをご紹介しないと、興味を持ってくださった読者の方に申し訳ない。

ごめんなさいアイコン.jpg

では意を決して、一つ食してみるとしましょう。
いきなり猫の顔したのはハードルが高いので、肉球饅頭からいってみます。
アップ肉球饅頭.jpg
ちゃんと下に紙の座布団敷いた丸っこい肉球、包装剥がしてみると小さいのにけっこう手に「ずしっ」と来る存在感。

そーっと割ると中には、よく炊き込まれた小豆の餡がたっぷり!
割ってみるねこ饅頭.jpg

肉球の半分を頬張れば、しっとりモチモチの皮とすっきりした甘さのこし餡が口中で渾然一体。

全体にみっちりしているので、見た目よりもずっとボリュームがあるなという印象。 私は半分食べただけでじゅうぶん満足、残りは後でいただこうとラップかけてとっておきました。

1個300円は和菓子としてはそれなりのお値段でしょうが、味と食べ応え・猫の形をした細工の楽しさから考えると、決して高いものではないと私は思います。
自分用に買うのももちろんですが、猫好きな方へのちょいとしたお使い物・差し入れにしても喜ばれるでしょう。

ただ『ねこ饅頭』は普段実店舗で扱っておらず、催事場出店舗かネットでの販売になっているそうです。
いつどこに出店するかの情報も含めて詳細は
☆『あわ家惣兵衛公式サイト』
https://www.so-bey.com/
に出ております。

あなたのお宅のそばにお店が出た時は、ぜひ売り場を覗いてみてください。
商品を眺めるだけでも、
楽しいですよ!
あわ家惣兵衛サイト.jpg

蔦飾り線.png

お開きまでお付き合いいただきまして、まことにありがとうございます。よろしければまた、ご訪問くださいませ。
入船亭扇治拝

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販売終了迫る!辛さと味わい深さを求めるカレーファンたちよ、ココイチに急げ! [お気に入り・おすすめ]


カレーハウスCoCo壱番屋・新中野店にやってきた黒猫こまち。
2023年4月ココイチ店頭.jpg
今日のお目当ては、こちら。
看板焙煎スパイスのチキンカレー.jpg
期間数量限定メニュー『焙煎スパイスのチキンカレー』

2023年3月1日から販売開始のこのメニュー。
「とろみのある、ココイチ流銀座デリーのカシミールカレー」というレビューをネット記事で読み、辛いインド・パキスタンカレー大好きな私としてはぜひ食してみたい一品ではありました。

でもなかなか実際に頼む気にならなかったのは、990円(税込)というお値段。
かつては400円台だったココイチのポークカレー、値上げを繰り返し今では税込591円(2023年4月)。同じくカレーチェーンのC&Cや牛丼チェーンでは今でも400円台で食べられますから、どうしても(ココイチ、高っ!)と思ってしまいます。
そのポークカレーよりさらに400円高い、焙煎スパイスのチキンカレー。 貧乏性岐阜県人の私としては、どうしても二の足三の足を踏む価格設定。

でも売れ行き好調で「予定の5月以降より終売が早まるかも」というアナウンスがココイチ公式から出され、やっと私も重い腰を上げることに。
ちょうど正月に買った「ココイチ福袋」の500円食事券の使用期限も迫っていますし、4月いっぱいが有効期限のdポイントも550円あります。それらを組み合わせれば、財布を開けることなくお得に期間限定メニューが食べられる。
そう思い立つと食事券とスマホ握りしめ、ココイチ新中野店に向かいました。

こま正面アイコン基本形.jpg

値上げ以来ココイチを訪れる頻度自体減り、行くとしても笹塚店ばかりだったので新中野の店は本当に久しぶり。
タッチパネルメニューココイチ.jpg
店内は改装でがらっと雰囲気が変わっており、注文はタッチパネル式になっています。

端末でピッピッと注文、待つこと5分ほどで待望の焙煎スパイスのチキンカレーが湯気をたてて運ばれてきました。
実物焙煎スパイスのチキンカレー.jpg
『とび辛スパイス』と自家製福神漬を、たっぷり。
アップ焙煎スパイスのチキンカレー.jpg
ぶつ切りの鶏肉と面取りしたじゃがいもが4個ずつ、にんじんといんげんが2切ほど。

じゃがいもは最初に口に入れ思わず「アチチっ!」と声が出るほど熱く、チキンもジューシー。
焙煎されたカルダモン・チリペッパー・コリアンダー等数種スパイスのがつんとした刺激と、ルーに溶け込んだ焦がし玉ねぎの甘味が絶妙のバランス。

具一つひとつが大きく、メニューの普通盛りであるライス300gで私はもうお腹いっぱいに。(これならご飯200gでもいいな)と思わせるほどの、ルーのボリュームでした。

後がけのとび辛スパイスだけだとちょっとルーに辛味がなじまないので、辛いのがお好きな方はは50~100円を惜しまないで辛さレベルを上げるのがおすすめ。



さて念願のカレーを完食し、店を出れば。
鍋横商店街では、もう鯉のぼりたちが元気に泳いでいます。
2023年鍋横の鯉のぼり.jpg

最近オープンした居酒屋さんのショーウィンドウ、蘭の隣でかわいい猫さんがご挨拶。
ショーウインドウの花と猫.jpg

うららかな春の陽射しのもと、大満足で帰途につく筆者でありました。

こま正面アイコン笑い.jpg

『焙煎スパイスのチキンカレー』はテイクアウト・デリバリーの対象外ですが、辛さと味わい深さを求めるカレーファンなら店舗まで足を運ぶ価値はじゅうぶんにあると思います。
5月以降規定販売数を売り切り次第終了、店舗によっては4月下旬に提供が終わる可能性もあるそうです。 お安くはない価格ですが、一度は食べてみてご損はないですよ!
焙煎スパイスのチキンカレー食す.jpg

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お開きまでお付き合いいただきまして、まことにありがとうございます。 ぜひまた、ご訪問くださいませ。
入船亭扇治拝

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猫の形しているだけでみんなが幸せ!『ねこねこ食パン』初体験記 [お気に入り・おすすめ]


黒猫こまちが、嬉しそうにかぶりつこうとしている猫の顔型パン。
ねこねこ食パン食べるこまち.jpg
スイーツの『Pastel』などを展開する株式会社オールハーツ・カンパニーの人気ブランド、『ねこねこ食パン』です!

ねこねこ食パンを扱っている店舗は、全国で30数店。郊外のショッピングモールなどに入っているところが多く、私はまだ実店舗を訪れたことはありません。
でも猫好きさんのTwitterで画像はよく見かけており、(一度は食べてみたいなー)と思っていました。

先日その願いが叶い、わが家にもついにねこねこ食パンがやって来ることに!
紙袋ねこねこ食パン.jpg
仕事の都合でうちに泊まる娘が「一宿一飯の恩義に」と、催事出店舗でお土産に買ってきてくれたのです。

リアルこまち、さっそく中身を点検。
なんだなんだ食パン.jpg
かわいい紙袋と、いい顔でツーショット。
ツーショット紙袋と.jpg

一番お値段が安い「プレーン」でも税込590円の高級食パン、娘が奮発して買ってくれたのは790円の「三毛猫」。
ご対面三毛猫パン.jpg
ビニール袋に猫の顔が描いてあって、食べる前から楽しくなります。

娘に感謝しながらナイフを入れ、一切れをお皿の上に。
マスコットたちと三毛猫パン.jpg
ヤマト運輸マスコット・クロヤマさんシロヤマさんと皿の模様のキティちゃん、そして三毛猫パンで4ニャンの大盛況。

そこへリアルこまちも参加、賑やかな「春の猫パン祭り」
興味示すこまち.jpg

ミルクを贅沢に使った生地は、香ばしさの中にほんのり甘さが漂い食欲をそそります。
鼻をつけんばかり.jpg
こまちも、パンに鼻をくっつけんばかりに。

このままだと本当にかじられてしまうので、「協力ご苦労さま」といったん撮影は終了しようとしたのですが…。
未練があるこまち.jpg
袋に戻そうとしたパンを、未練がましく見つめるこまち。
最接近三毛猫パン.jpg
「これは猫には食べられないんだよ」と言って聞かせると、
言ってきかせる.jpg
(そうなんだ…)と肩を落として。
がっかりするこまち.jpg

まぁまぁ、そんなにがっかりしなさんな。
撮影手伝ってくれたお礼に、後でちゃんとCIAOちゅ~るあげるから。

ねこねこ食パンのサイトに「ねこの形をしていると、不思議と笑顔があふれます」とある通り、わが家も猫顔型パンでひと時楽しい時間を過ごすことができました。
さぁ今夜はちょっといい赤ワインを仕入れて、三毛猫パンをゆったり味わうとするかな。

※オンラインショップもあるねこねこ食パンの公式サイトは、こちら

こまち罫線.jpg

お開きまでお付き合いいただきまして、ありがとうございます。またのご訪問、お待ち申し上げております。
入船亭扇治拝

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ニトリオリジナル商品「PORTE」は、コスパ良しのお手頃価格デスクライト! [お気に入り・おすすめ]


部屋を暗くして布団の中でのんびり読書、本好きにとって至福の時。
寝床で本読む.jpg
でもそのお楽しみも、手元を照らす灯りがないことには始まりません。

保証期間内に不具合

この数日、筆者愛用のデスクライトがどうも調子よくない。
電源プラグをコンセントに差したままライトを毎日朝夕移動させているうち、コードが断線してしまったようです。

スイッチオンにしてもすぐ点灯しないので、本体に繋がっているコードの根元部分をグニグニ捻ってなんとか通電させしのいできたのですが…。
2023年2月14日、ついに限界が訪れてしまいました。
再起不能.jpg

オーム電機製のこのデスクライト「OHM DS-LS16K」は、2023年にヨドバシドットコムで購入したもの(税込価格1670円)。
そんな乱暴に扱ったつもりはないのに、買ってから1年経たないうちに故障してしまったわけです。

それもむべなるかなと思えるのが、コード周りのまぁ華奢なこと。
華奢なコード.jpg
開封した瞬間から(大丈夫かよ、こんな細い線で)と心配になるくらい、本体接続部分が頼りない。

私は本製品の前に型番が一つ若いオーム社同型ライトを使っていましたが、そちらも買ってから1年半後にやはりコード根元部分の断線でおしゃかに。

近所で新しい製品を

今回壊れたデスクライトは保証期間内ですから、新宿へ行くついでがある時にヨドバシカメラ修理受付に持ち込むとして。
当座用の新しいライトは、
どこでどんなのを買おうか?

ヨドバシドットコムで見ると現在OHM DS-LS16Kは私が買った時より値段が下がり、1280円で販売されています。
(1000円ちょっとならいつ壊れてもいいから、またこれにしとこうか)とも思ったのですが…。2台続けて同じ箇所が壊れるというのはなんだか信用がおけず、考慮の結果ほかの製品を購入しようと決意。

考えるアイコン.jpg

その時点で時刻は午後3時を回っており、今から商品選んで通販で頼むと届くのは最短で明日の午前中。今晩はデスクライト無しで過ごさなくてはなりません。
寝床での読書が大事な就眠儀式である私には、それはちょっとつらい。

だったら今から急いでヨドバシカメラ新宿店まで買いに行こうかとも思ったのですが、これからうちでやる作業があってそんな時間もとれない。
そこで自宅から歩いて5分の「島忠ホームズ(シマホ)」中野本店へ行ってみることにしました。
シマホで電気スタンド.jpg
こまちさん、今日はおもちゃやCIAOちゅ~るは買わないよ。

2000円以下で買えた!

諸物価高騰で懐が寂しい中、新しいデスクライトとして私が組んだ予算は2000円
これに収まる価格で、「今まで使っていたオーム電機製よりコード部分がしっかりしたもの」が今回購入する際のポイント。

(ちょうどいいの、あるかな…)ドキドキしながら訪れたシマホの照明器具売り場。
クリップ式で机に取り付けるタイプや細かく照度調整ができる製品など、1万円以上の品々も多く並ぶ中で…。

ありましたありました、
お手頃価格で丈夫そうなのが!
ニトリPORTE.jpg
ニトリオリジナル商品、「LEDデスクライト PORTE」
3月31日までの新生活応援キャンペーン価格で、税込1890円。

OHM DS-LS16Kのように3段階照度調整の機能は付いていませんが、コードの根元ははるかにしっかりしています。
しっかりしたコード.jpg
これなら多少捻っても、そう簡単に断線することはないでしょう。

ヘッド部分が360度回転するので、照らす角度と距離は自由自在。
PORTEとマスコット.jpg

「直下照度1800・JIS照度A形相当」というライトは、目に優しくて手元を照らすにはじゅうぶんな明るさ。
明るいライト.jpg

そしてちょっと嬉しいおまけ機能が、台座部分のこの突起。
スマホ立て.jpg
ここにスマホやタブレットを立てかけられるのです!
スマホ見物.jpg
これはニトリ独自ではなくヤマギワなど他社製品にも付けられており、「別になくてもいいけど、あるとなんとなく得した気分」になる機能。

できたら白がおすすめ

実際に寝床での読書やタブレット映画鑑賞に使ってみると実に具合が良く、2000円以下なら大満足のニトリPORTEですが…。

一つだけ不満というか心残りは、
「本体カラーが黒でなく、白の方が良かったなー」
という点。

黒いと、どうしても埃が目立ちます。
白いこまち.jpg
トイレ済ませたあと顔を洗ってないこまちのように。

書斎などで使う分にはそうでもないでしょうが、わが家のように毎日布団の上げ下げをする生活空間だと静電気のせいもあり、まめに掃除しないとすぐライト全体が真っ白に。
在庫がそれしかなかったので私は黒を買いましたが、売り場に白もあるのだったら絶対にそちらがおすすめです。

こま正面アイコン基本形.jpg

まぁでも「白い猫でも黒い猫でも、ネズミを獲るのが良い猫だ」ではありませんが、本体カラーは違ってもデスクライトとしての使い勝手は同じ。

コードの根元もしっかりしていて安心なこの商品、よろしければお近くのニトリでご覧になってみてはいかがでしょう。
きっとあなたの暮らしを、明るくしてくれると思いますよ。

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ご精読ありがとうございます。よろしければまた、ご訪問くださいませ。
入船亭扇治拝

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「人間とは、ロボットとは」を問うSFミステリ金字塔『鋼鉄都市』 [お気に入り・おすすめ]


鋭い眼光で、容疑者を追い詰める猫型ロボット刑事。
ロボット刑事小.jpg
筆者には「ロボットの捜査官」というキーワードですぐタイトルが浮かぶSF作品が、二つあります。

日常生活の中にロボットが

一つは、1973年の国産特撮テレビ番組『ロボット刑事』
ロボットを使った犯罪を繰り返す悪の組織に人間とロボットの刑事が立ち向かう姿を描き、全26話が放送されました。
ロボット刑事を観る小.jpg

巨匠・石ノ森章太郎先生がデザイン・アイディア提供と連載漫画で関わったこの作品。
当時の超大ヒット作というわけではありませんが、まだ小学生だった筆者はけっこう気に入って、お小遣いでプラモデルや『変身サイボーグ1号』用変身セットなど買ったのを覚えています。

私が『ロボット刑事』に惹かれた一番の理由は、
叩き上げのベテラン&熱血青年の刑事コンビと、感情を持ったロボットがタッグを組んで捜査にあたる
という物語設定。

いかにも”人造人間”という外観のロボット「K(ケー)」が、金属のボディに赤いブレザー・黄色いハンチング姿で相棒のベテラン刑事宅の居間で正座している場面は、妙にリアルでした。
そういうところが小学校中学年にさしかかっていた私には、「絵空事だけではない、斬新な作品」として印象に残ったのかもしれません。

SF界の巨匠
渾身のミステリ!

そしてもう一つの作品は、アイザック・アシモフの小説『鋼鉄都市』
1954年刊行以来「SFミステリの金字塔」として、同ジャンルの作品の頂点に立ち続ける名作。
私は児童向け翻訳で読んで以来の大ファン。
鋼鉄都市あかね書房小.jpg

前項の『ロボット刑事』も、おそらくこの作品から影響を受けたのではないでしょうか。



『鋼鉄都市』あらすじ

 80億人を超す人類が世界各地に巨大なドームで覆われた閉鎖都市「シティ」を築き、与えられた最低限の居住空間の中で暮らす未来の地球。

自らが労働力として造り出したロボットにより多くの人が職を追われ貧困にあえぎ、経済的・文化的に疲弊しきっている地球人たち。
その一方で歴史の早い段階で宇宙に移民した者たちの子孫は、開拓した星の広大な土地・資源と優秀なロボットを活用し、「宇宙人(スペーサー)」として地球人の優位に立つ存在になっていた。

その宇宙人たちの地球上居住区「宇宙市(スペースタウン)」で、殺人事件が勃発。
被害者である宇宙人の高名なロボット社会学者殺害当時宇宙市に滞在していた関係者すべてを捜査・精神探査を行った結果、「殺人を犯すことができた者は一人もいない」ことが判明。

人間および自身の生命と安全を尊重する「ロボット工学三原則」をプログラミングされている宇宙市内のロボットも、もちろん人を手にかけることはあり得ない。
かといって外部犯の仕業と考えるには、「ある問題」が障壁となる。

地球人と宇宙人との政治問題にも発展しかねない殺人事件の捜査を命じられたのは、2000万人以上が住む世界最大のシティ・ニューヨークの刑事イライジャ・ベイリ。そして彼のパートナーとして宇宙人側が送り込んできた人間そっくりのロボット、R・ダニール・オリヴォー。

宇宙人とロボット排斥運動の機運が高まり、世情不安定なシティ。
その中で自らもロボットへの強い反感を抱きながら、当のロボットと協力せざるを得ないベイリ。
度重なる捜査妨害や周囲で起こる様々な突発事件に一進一退させられながらも、地球の「しがないC-5級刑事」は粘り強く少しずつ真相へと迫っていく…。

現代SFにも
繋がる物語設定

アシモフが本作以前の『ファウンデーション』初期三部作などでも物語設定として使っている、「疲弊・荒廃しきった地球文明」と「巨大な経済・軍事力を持つ宇宙人文明」の対立。
宇宙と地球小.jpg
この構図は、世界の後発SF作品多くに受け継がれていくことに。
「優秀なスペーシアン(宇宙産まれ)と、劣等アーシアン(地球産まれ)の差別が存在する社会」という形で、2023年時点でシリーズ最新作である『機動戦士ガンダム 水星の魔女』にも描かれています。

今流行の
あのジャンルも先取り!

『鋼鉄都市』の設定で私が個人的に(うまいなぁ)と思うのは、シティと人間の関係性。
世界はドーム小.jpg

各シティはシールドで覆われた通路で繋がっておりことに宇宙市の正規ゲートでは出入りが厳重に監視されていますが、シティ文明確立以前に使われて今でも閉鎖されていない出入り口がいくつもあり、実はドームは完全な閉鎖空間ではなく外部に向かって開かれてはいるのです。
その出入り口を使ってほかのシティから外部犯がいったん野外に出て宇宙市に侵入、そして脱出することはできそうに思えるのですが…。

しかし地表での作業はロボットに任せ何世代にも渡りドーム内にこもり続け、人類として極端な「広場恐怖症」に罹ってしまった地球人にとって、「ニューヨークから地表を1マイルも這って宇宙市へ行く」ことは、理論上は可能でも実際には心理的・生理的に不可能。

この事実が、宇宙市殺人事件の不可解さをより深めています。

考えるアイコン.jpg

こういった「物語の中だけで成立する特別な不可能状況」は、『屍人荘の殺人』などわが国で最近流行の「特殊設定ミステリ」の先駆けとも言えるのではないでしょうか。

特設ミステリは決まれば強い印象を読者に与えますが、前提となる約束ごとをきっちり構築しておかないと、物語としての説得力がなくなってしまう。
そこは「執筆中毒」を自称するほど筆力のあるアシモフのこと。成立の経緯や内部で暮らす人の様子を丁寧に描写することにより、「シティに依存し縛られている地球人類」の姿を、現実感をもってページから立ち上がらせています。

冒頭から堂々と!

「作中に張り巡らされた伏線が、終盤ではきれいに回収される」。
ミステリの醍醐味の一つ。
伏線回収小.jpg

後に『黒後家蜘蛛の会』連作集でミステリ愛を存分に発揮する作者、『鋼鉄都市』で早くも作中隅々までミステリ的配慮を行き渡らせています。

試行錯誤の末真相にたどり着いたベイリが犯人を追い詰める場面では、さりげない描写に隠されていた手がかりがこちらの頭の中で「パタパタっ」と音がするように、推理の各ピースとしてあるべきところへ収まっていく快感を得られる。

そしてそんな伏線のうちの一つは、なんと警視総監とベイリが会話する作品冒頭から堂々と開陳されているのです!
私が初めて読んだあかね書房版ではこの場面が挿絵になっており、読了後すぐ巻頭に戻ってイラストを見直し「ほんとだ、こんなとこに手がかりがあったんだ!」と子ども心にも感心したもの。

驚くアイコン.jpg

SFとミステリの融合作品はあまたある中で、先駆けの一作にしてエヴァーグリーンである『鋼鉄都市』。
福島正実訳のハヤカワ文庫版は、私が初版で購入した1979年から変わらぬ装丁で、今でも新刊で容易に手にすることができます。

この名作を堪能したあとは、「ロボットが殺人の容疑者?」という謎を扱った続編『はだかの太陽』が待っていますし。
さらにはアシモフもう一つの作品世界「宇宙帝国」に繋がる『夜明けのロボット』『ロボットと帝国』へと、ベイリとR・ダニールの物語は壮大に発展していくのです。

SF・ミステリとしてだけでなく、未来を舞台に人間のあり方も読者に問う意欲作『鋼鉄都市』。
鋼鉄都市おすすめ小.jpg

これからお読みになる方が本当に羨ましいくらい私が大好きな作品、自信をもってお勧めする次第です。

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お付き合いいただきありがとうございます。ぜひまた、ご訪問くださいませ。
入船亭扇治拝

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