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街角で出会う、かわいくて剽軽な縁起物たち~信楽焼狸にまつわるトリビア・「変化画像クイズ」もあり!~ [日々雑感]


コロナありきでも、
季節は巡る。

感染拡大防止に留意しつつも、令和3年の街は初夏の装い。
そんな中をぶらぶら散策しながら、お金をかけないでひと時楽しもう。
人間万事、
気の持ちようですよ!

※おしまいには、楽しい「画像変化クイズ」もあります!

 

眺めて楽しい、
街のショーウインドウ

振込みの用で訪れた、西京信用金庫・南中野支店。
広いショーウインドウに、子どもの日のディスプレイ。
西京信用金庫ウインドウ眺める.jpg

折り紙の兜かぶったマスコット人形の姿に、「うん?似たようなのほかで見たな」という既視感をおぼえます。

そうだ、あそこだ!
気づいて向かったのは、銀行から歩いて3分ほどのところにあるおそば屋さん。

いたいた、ショーウインドウの中で元気に鬼退治の桃太郎。
朝日屋さんの五月人形.jpg

「いいねー。じゃあちょっと寄って、鴨南蛮でも食べて精つけてっか」 という気になりますね。
本物を使ったメニュー見本も、引き立って見えます。



休校延長で新学期はどうなる?ご心配の方に、心和む通学風景の記事で取り上げた調剤薬局さんのように、私たちの目を楽しませてくれる店頭の工夫されたディスプレイ。

ただ、ことに食べ物を扱うお店の場合。ショーウインドウに置く物には、ひときわ注意が必要です。
たまに、お店のメニューとはあまり関係ない物が並べてある飲食店。 見かけたりしますよね。
ミニカーとか、キャラクターのマスコットとか。

以前ショーウインドウに『新世紀エヴァンゲリオン』のフィギュアがずらり並んでいる中華料理屋さんに遭遇したことが。
あの時は、ちょっと驚きました。

色褪せ埃をかぶった蝋製の食品サンプルの前で、やたら発色の鮮やかな初号機やアスカが佇立しているのは…。
なかなかに、シュールな光景。

やっぱり飲食店だったら、こういった干支の置物あたりが定番で無難でしょう。
干支の.jpg


ガラスの向こうで、
福を招く猫たち

五月人形のあるお店の近く、小料理屋屋さんでは。
立派な招き猫が、お客さんと福を招いています。
おそば屋さんの招き猫.jpg


環七沿いのお寿司屋さんには、蓋付き湯呑茶碗の猫さん。
お寿司屋さんの招き猫.jpg

かわいいけど、
ちょっと飲みにくそうだな。


笹塚の中華屋さんのショーウインドウ、最上段の飲み物コーナーに並ぶ招き猫。
笹塚の招き猫.jpg

東京に発出された緊急事態宣言で、昼間のアルコール提供も自粛を要請され。
猫さん、
心なしか浮かない顔。

しっかりしなよ、またいい日が来るさ。


「みる」という名の生身の招き猫が店頭で迎えてくれる、うちの近所のおそば屋さん。

最近見かけなくなりましたが、かわりにショーウインドウの中の写真が「いらっしゃい!」
おそば屋さんのみる.jpg


色んな猫さんみているうちに、もう一つの飲食店縁起置物も探してみたくなってきました。
それは、信楽焼の狸さん。
けっこう方々で見かけたような気もするんだけど、どこにあったかな…。

よしっ、今度は狸を求めて。
今日は天気も良し、散歩がてらのご近所取材行。
もう少し、足を延ばしてみるとしましょう。


思わぬところに、
佇む信楽狸たち

近所でその気になって探し始めましたが、最初はなかなか見つかりません。
「あそこにあったんじゃないかな」と行ってみたお店、ことごとくハズレ。

もっと、簡単に見つかると思ったのですが…。
まさに、
「捕らぬ狸の皮算用」。

銀座や新橋あたりなら、まだまだあるんでしょうが。
このあたりでは、昨今あまり狸流行らないのかな。
諦めかけた矢先、中野坂上のおそば屋さんでまず一体発見!
尾張屋さんの狸.jpg

以前何回か入ったことがあるお店ですが、ここに狸がいるとは思ってもいませんでした。

一度出会うと縁ができたのか、そのあとは半径1キロくらいの範囲で次々に遭遇。
炉端座八戸の狸さん.jpg
笹塚の狸.jpg


さらに飲食店だけでなく、まるで予想外のところにも狸ズ(+猫)が!
小学校の狸.jpg

中野区立南台(旧・新山)小学校の、花壇で発見。
先生方の中に先代小さん師匠のような、”狸ファン”がいらっしゃるのでしょうか。


信楽狸の家族に遭遇!

そして極めつけは、最後に立ち寄った中野区弥生町3丁目・川島商店街にて。
一気にまとめて、狸ファミリーに出会えました!
大石製麺店の狸たち.jpg

一番後ろのは2匹が頬を寄せ合っていますから、計5匹。
創業大正8年の老舗、『麺の大石』さんの店頭で愛想を振りまく狸さんたち。
はす向かいにある駄菓子屋さんに来る子どもたちにも、大人気だそうです。



お店の奥が自社工場、そこで日本そば・中華麺などを製造→リーズナブルなお値段で販売。
生ひやむぎ.jpg
100グラム90円(税込)の生ひやむぎを、400グラム包んでもらいながら。 お店のご主人に、狸ファミリーの由来をうかがってみました。

今から30年近く前新宿三越で『信楽焼フェア』があった時、会場で愛嬌のある表情に一目惚れしてお迎えなさったのだそうです。

やせ型で狸にはまるで似ていないご主人、とても親切な方。
ショーケース上の隅に木彫りの狸がいるのに気がついた私が、撮影の許可をお願いすると。
わざわざ明かりが当たるところに、出してくださいました!
木彫りの狸さん.jpg


そして映り込みが激しくて、ちょっと見づらいのですが…。
ケースの中には、
小さい狸さんが2匹。
ショーケースの中の狸さん.jpg

右の人は100グラム130円の生そば食べ過ぎて、ひっくり返っているのでしょうか。


ここでちょいと、
信楽狸のトリビアを。

茶室周りの置物としての小型の狸は、江戸時代から作られていたそうですが。
今日の大型狸が産まれたのは、明治30年代に入ってから。

京都で修業中の陶芸家・初代藤原銕造(てつぞう)氏、ある夜山中で狸の腹づつみを目撃。
狸との縁を感じた銕造氏は、信楽に移ってから現在の形の狸を量産するようになります。

昭和26年天皇陛下が信楽行幸の折り、
をさなきとき 
あつめしからに 
なつかしも 
しからきやきの 
たぬきをみれば
のお歌を詠まれたのをきっかけに。
信楽狸は商売の縁起物として、全国区の人気を獲得。

今では20以上の窯元が手がけており、毎年11月8日を『信楽たぬきの日』と制定。地元では2週間ほどの期間、盛大にキャンペーンが行われます。
この日を記念日にしたのは、11=縁起が”いい”・8は「八相縁起」から。

八相縁起は、信楽狸の製作ポリシーとでも申しますか。
こういう願い・教えが込められていますよ…
という、八つのポイント

①笠:思わぬ災難から身を守る。
②笑顔:愛想よく、誠意をもって。
③大きな丸い目:前後左右に気を配り、正しく見つめよう。
④通い帳:なにごとも、信用が大事。
⑤徳利:徳を身につけよう。
⑥せりだしたお腹:ものに動じず、豪胆であれ。
⑦特大の金袋:金運が良くなるよう。
⑧太いしっぽ:終わりは大きく、しっかりと締めよう。

⑦については、落語の方ではもう一つの解釈があります。
大きな金的を前にせり出させた狸を、店の入り口に置いて。
「当店では、貸売りはいたしておりません。
万事ニコニコ現金払い=”前金”で願いますよ!」
という、お店からの強いメッセージ。
狸が出て来る噺のマクラで、よく使うクスグリです。

こういった言葉の洒落で遊んでみよう!という『web雑俳』企画、5月16日まで皆様のご参加募集中。
3回目の緊急事態宣言もなんのその、粋な言葉遊びで楽しいゴールデンウィークに!から、ぜひご投句くださいませ。
お待ち申し上げております!


狸たちが、
みるみる変わっていくよ!

さて記事の締めは、以前何度か掲載してけっこうご好評をいただきました「変化する画像クイズ」。
その新作に、よろしければまたお付き合いくださいませ。

先ほどご覧いただいた、『麺の大石』さん店頭の画像。
30秒のうちに写真内のある部分が、末広がりの8か所ゆっくりと変わっていきます。

目をしっかり開き、スマホの方は画像を拡大なさって。
私が隠した変化、ズバリと見破ってみてください!
正解は、今も続く落語協会『二ツ目勉強会』、あの名人が教えてくれた”噺の極意”~貴重な写真、「画像変化クイズ」正解もあり~のおしまいに掲載しております。

※今回なぜか動画の埋め込みができませんでしたので、恐れ入りますがYouTubeから挑戦してください。


蔦飾り線.png

ご精読、
まことにありがとうございます。
またのご訪問、 お待ち申し上げております。
入船亭扇治拝

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