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「ステイ・ホーム」の12日間 雑俳で楽しく豊かに [落語情報]


いま一度、皆様に雑俳投句のお誘い


コロナストレスを洒落と笑いのパワーで吹き飛ばそう!
4月14日より募集を続けてまいりました、江戸言葉遊び・雑俳
『web版言の葉落語会』。
『web版言の葉落語会』
お客様からのご投句を4月26日23時59分まで賑々しく受付中!
詳細は
※投句先等の応募要項への直接リンクは
をご覧ください。

いよいよ投句締切前最後の週末
徐々にお客様からの秀句・麗句の数々が手元に参集しつつありますが、企画立案者としてはもっと欲張りたい!


4月26日23時59分までに


zappaitouku@gmail.com
の受信トレイが溢れかえり、Googleから「タダや思うて好き放題使ってええと思っとるんかい!たいがいにせいよ」となぜか大阪弁で怒られるほど。


スティーヴン・キングの名短編『神々のワードプロセッサ』のように、我が愛用パソコン・SONY製最後のVAIOから煙が出るほど。


いただいたメールから句をExcelに転記する私の手が、疲れて動かなくなるくらい。


選者噺家たちが、これ以上は勘弁してくれと音を上げるほどに。


たくさんの方からのご投句を、まだまだいただきたいのです!


我が家の愛猫こまちからも、週末追い上げのお願い。


投句お願いこまち.jpg

参加することで、さらに楽しさアップ


私のTwitterフォロワーさんで
「やってみたいけど雑俳ってなんだか難しそうだから、今回は観覧だけにする」
おっしゃる方がいらっしゃいました。


それはもうお客様と噺家が詠んだ句と洒落をご覧いただけるだけでありがたいのですが、でもそれではちょっともったいなくありませんか?




東京では連日新型コロナウイルス感染者数が100人を上回っている状況を受け、小池都知事からスーパー・商店街での買い物を3日に一度程度に制限など一層の外出・人との接触を避けるよう都民に要請。


政府からも4月25日から5月6日までの連休期間「テレワーク帰省」などで極力現住所からの移動を避け「ステイ・ホームの12日間」を実現し、これ以上の感染拡大防止に国民全員で協力してもらいたいとの声明が出されました。


こうして記事を書いている最中にも、近くにある中野区広報スピーカーから
「不要不急の外出を、できるだけお控えください」
のアナウンスが繰り返し聴こえてきます。


こうみんなから頼まれたんじゃ、嫌とは言えないよなぁ。

ウン、ここは国民・都民として協力しよう。
のんびりゆったり、自宅で過ごそう。


天がくれた、特別な時間。


たまった本やビデオを消化するのにうってつけ。

家族で仲良く『どうぶつの森』もできるし。

うちに飽きたら、メールやSNSで友だちと繋がって。
よし、今夜はあいつら誘ってZOOM宴会やるか!


やらなきゃいけない蟄居なら、明るく前向きに笑って過ごしましょうよ。
大丈夫、できます。


仕事ゼロ先行き視界絶不良の弱小噺家だって、こうして呑気に駄文連ねて喜んでんですから。


気の持ち方次第で、今年のGWが皆様にとってただの苦行か実りある時間だったかまるで違ってくると思うんです。


みんながつらい。
全員が不安。

それをみんな一緒で賑やかに、ワイワイやって乗り切りましょうよ。


そのための『web版言の葉落語会』。


投句して下さった方は、ご自分の句が噺家の選に入るかのワクワクドキドキ感。
ご投句なさっていない方にも、作品一覧を眺めて
「これは誰が作ったんだろう。うまいこと言うなぁ」


楽しんでいただけるよう努めます。


でももし可能なら、やはりお客様ご自身が句を投じて参加していただくことで雑俳の楽しさはさらにさらにアップ!


池袋演芸場での『言の葉落語会』・落語協会2階での『スピリッツ』シリーズに投句でご参加いただいたお客様から
「高座で噺家さんから、自分の句を読み上げられた時の嬉しさがたまらない!」
とのお声頂戴しております。


そうです、雑俳で選に入る気持ち良さはいったん知ったらもう忘れられない。
敷居が高いとためらってらっしゃる、そこのあなた。
くどいようですが難しくなんかありません。
言葉の『遊び』なんですから。


気楽気軽に、句を投じてみてください。
噺家たちが『キキ』という元句を引き立たせる短文をつけて、面白おかしく一生懸命に選句させていただきますよ!



締切直前まで座を正して、皆様からのご投句お待ちいたしております。


「洒落附」FAQ


現在「折句附」より「洒落附」へのご投句が若干少なめで、
「洒落の約束事がよくわからない」
という方も多いようです。


そこでよくあるご質問2点につき、簡単に補足説明。


質問1
なぜ洒落の言葉が冒頭に来ないといけないのですか?


回答1
「いけない」のではなく、そういう決まりで遊ぶのが『洒落附』なんだというだけのことです。
語・文章の一番初めの言葉を、本文(ほんもん。洒落の対象になる、実際にある語・文章)に近い音の言葉で言い換えたのが洒落。
【例】開店を尽くす (本文:最善を尽くす)
語・文章の最初に限定せず、好きな箇所を好きなように変えるのは『地口附』といってまた別の遊びになります。
【例】甘い喜寿 (本文:甘いキス)



質問2
なぜ洒落と本文が完全に同音は不可なのですか?


回答2
雑俳の互選・宗匠選を行う『開き』では、選んだ句を声に出して発表します。
その時に洒落と本文がまるっきり同じ音の読みだと、「字で書くとこうだから」といちいち説明しないとわかりません。
ですから完全同音は不可、「1音でも本文と違っていないと洒落にはならない」ということです。
【例】祝儀が一致する(本文:衆議が一致する)
どちらも読み方は「しゅうぎ」で、どこを洒落たのか発音だけでは判別できないですね。


説明といいながら、かえってややこしくなっちゃいましたか?
だったらすいません…


私の拙い解説より、柳家小ゑん師匠の『新・雑俳の手引き』が本当に丁寧でわかりやすいのでまだの方ご一読ください。



それでは、今からまたこまちと共に方々投句のお願い行脚に行ってまいります。
週末じっくり推敲なさった皆様の珠玉の一句、選者一同心よりお待ち申し上げております。


蔦飾り線.png

特報[exclamation]

締切後結果発表まで噺家の選句期間も、お客様に楽しんでいただける新趣向をご用意いたいました[exclamation×2]乞うご期待。

蔦飾り線.png


お開きまでお付き合いいただきまして、まことにありがとうございます。
お時間ございましたら、記事一覧より噺家たちや猫のエピソード・イラストなぞも覗いてみてください。


またのご訪問、お待ちいたしております。

入船亭扇治







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家電量販店、一部売り場休業でもネット通販に活路 [日々雑感]


やらかしてしまいました。
人間思いこむと信じられない失敗をしでかすという、生きた見本。
今のような非常時こそ落ち着いて行動、また急がば回れのいい教訓。
詳細は『web版言の葉落語会』のお知らせのすぐあと!
『web版言の葉落語会』
お客様からのご投句を4月26日23時59分まで賑々しく受付中!
詳細は
※投句先等の応募要項への直接リンクは
をご覧ください。


愛用の電気スタンド、逝く。

4月23日朝。
2度寝していつもよりのんびり起きだし、布団を上げようと枕元に置いてある電気スタンド(今は「デスクスタンド」「デスクライト」「スタンドライト」などと呼ぶそうですが、私たち世代はやはりこのネーミング)の電源を抜いた瞬間。


バチッ!


音をたてて本体のコード部付け根から火花が散って、あたり一面焦げ臭い匂い。
カーペットに点々と焼け焦げができています。


ああ、怖い。


かなり年季のいったスタンドで、先々週からコード根元の被覆がはがれてきたのを絶縁テープでだましだまし使っていました。
そのテープも恐竜が生きていた頃買ったんじゃないかというくらいの年代物で、すっかり風邪をひいてほとんど絶縁の用をなしていなかったのです。


火事にならず助かった。
猫がやけどしなくてよかった。


凍える冬の夜も熱帯夜の時も、枕元で読書の手元を照らし続けてくれてありがとう。
君のおかげで、楽しい時間をたくさん過ごすことができたよ


今度は君自身が、ゆっくり休んでおくれ。

愛用のスタンドとしみじみ別れを惜しみましたが、いつまでも過去にとらわれていては前に進めません。


寝しなの読書が何よりの楽しみの私には、枕元の照明は必需品。
これは「不要不急」ではない買い物ですから、急いで身支度を整えると久しぶりで歩いて新宿西口へと向かいました。


お目当ての店が、シャッターを下ろして


中野区南台の我が家から、ぶらぶら歩いて30~40分。新宿西口はちょうどいい散歩コース。
幸いお天気にも恵まれ、足どり軽く目指すは
ヨドバシカメラ新宿西口店・マルチメディア館


ビックカメラでも購入しますが、品揃えとネット通販の使い勝手が私好みなのでヨドバシを使う方が多い。
購入回数が多ければ、ポイントもたくさん貯まる。
そのポイントを使ってさらにヨドバシで買い物。
すっかり、ヨドバシカメラに囲いこまれています


「今度はどんな電気スタンド買おうかな…」楽しみに考えながら歩を進めて午前10時過ぎ、甲州街道から西口繁華街に入ってみると…。


普段は9時30分から開店し、携帯ショップの販売員たちが盛んに呼び込みをしているヨドバシカメラマルチメディア館のシャッターが全て閉ざされています

並びのカメラ館の表には、


「現在都の要請により休業中、ネット通販でご注文の品を店舗で受け取りのみの対応とさせていただいております」


との貼り紙が。


人通りも少なく、これが新宿かと思う閑散ぶり。
週末は都が休業を要請するようなこと言ってたけど、平日も急きょ休むことにしたのか?


そうだ、ドットコムに頼もう!


弱ったな、ここまで来て。
ちゃんと情報調べてからくればよかった。
11時になるとビックカメラが開くけど、1時間近くつなぐのもなんだしなぁ。


うちへ帰って、近所の島忠ホームズで買うか。
でもヨドバシより高いからなぁ…。


しばし思案の末、
そうだ、今ここでネット通販で買っちゃえばいいんだ!
思いついてすぐスマホでヨドバシ・ドット・コムにアクセス。


「電気スタンド」で検索して出てきたうちから一番コスパが良さそうなのに決めて


ポチっとな


3分で購入完了。

2日後の25日土曜日午前9時までに、ヨドバシエクストリーム便でお届けとのこと。
いつもなら午前中注文だと当日夜か翌日午前には持ってきてくれるので、それより1日遅い


やはり、在宅で買い物する人が増えて配送も通常より時間がかかるんだな。
でもいいや、2晩くらいは枕元に明かりがなくても大丈夫。
自粛自粛ですっかり辛抱慣れした私は、いい買い物ができたと意気揚々帰途に就きましたが…。


シャッターを下ろした店舗の前で、その店のネット通販で買い物をしている。
冷静に考えてみると、けっこう間抜けな姿。

ヨドバシカメラこまち.png

なんのためにはるばる新宿まで来たんだ、こまち。
うちにいたって買えただろうに


いやいや、いい散歩ができて結果オーライ!(byこまち)
どこまでも前向きな我が家の猫でした。


実は、1か所だけ入口を開けて営業していた!


シャッターの前で間抜け面をさらした翌日の24日になって、さらにこちらの不注意が明らかになりました。


ヨドバシカメラ新宿西口マルチメディア館は、新宿駅側の正面入り口を1か所だけ開けた状態でちゃんと営業していたのです!


先ほど電話で確認しました。
お客さんどうしの密着・従業員の安全確保のための措置だそうです。


都からの要請で休業しているのは、
社会生活の維持に喫緊の必要性がない


カメラ・時計・ゲーム・おもちゃ・映像音楽ソフト・アウトドア用品・スポーツ用品


の売り場。


カメラ館の休業のお知らせと、ずーっと長く続くマルチメディア館横のシャッター群を見てすっかり全店休みと思いこんでしまった自分の粗忽。
思い込みだけで浮足だっちゃいけないと、トイレットペーパー品薄時の教訓をあらてめて実感した次第です。


予定より、1日早く届けてくれた!


この体験を記事にしようと思いスマホとパソコンを立ち上げると、ヨドバシカメラからの新着メールが2通。

1通は昨夜の20時頃、商品出荷のお知らせ。


2通めは本日午前8時52分、商品配達開始の通知。
本文には


・お届け予定時刻:4月24日(金)午前9時35分頃

との記載が。


時計を見ると、午前9時20分
明日の配送予定を、前倒しで今日持ってきてくれるのか!
嬉しくてじっとしてられないのと、配達の人も今は件数増えて忙しいはずだからできるだけ余計な手間かけさせないようにしよう。


そう思い部屋の窓から前の道をうかがうこと数分。
9時半を過ぎた頃、表を目立つ「ヨドバシエクストリーム便」の車が通り過ぎすぐ先で停車。


バタンッ。


後部ドアを開ける音がして、荷物を持った若い女性が我が家の玄関に駆け寄ってくるのが見えます。


早く出なくちゃ!
こけつまろびつ玄関に向かい私がドアを開けるのと、
ピンポーン
配達員の方が呼び鈴を鳴らすのが同時。
 
インターフォンのボタンを押した途端に私が息せききって顔を出したので、イニシャルがT.K.の配達員さん一瞬


ぎょッ


でもすぐ気を取り直して
「児山様のお宅でよろしいですね、ご注文のお品のお届けでございます!」
爽やかな笑顔とともに箱を手渡してくれました。


それを押しいただいて予定より早く届けてくれたお礼を言うのに併せて
「やっぱり今、在宅の人からの注文多くて大変なんでしょうね」
と尋ねるとT.K.さん。


「ええ、もう倉庫がぎゅうぎゅうで大変なんですけど、必要な方が大勢待ってらっしゃいますから。
少しでも早くお届けできるよう、スタッフ一同頑張ってます!」。


ありがとう、お身体気をつけてね…。声をかける私に
こちらこそ、ありがとうございます!」
元気に爽やかに、T.K.さんは車に乗り込むと走り去っていきました。


今日もまた、人は人に助けられていることを実感。
外出を控えていても、ほかの人との繋がりで心が
ほっこり
いい1日の滑り出しになりました。


さあ、箱を開けてみよう。


開封の儀こまち.png

ああ、こまちは箱コレクターだからね。

こまち箱小.JPG


明日ちゃんとあげますよ。


このデスクランプで、心豊かに寝床で本を読もう。
夜が更けるのが、今日はなんだか楽しみです。


お開きまでお付き合いいただきまして、まことにありがとうございます。

お時間ございましたら、記事一覧からほかのところもご回遊くださいませ。

またのご訪問、心よりお待ち申し上げております。


入船亭扇治

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リアルアニメキャラと、たんぽぽの綿毛。 [日々雑感]

今回の記事は、『web版言の葉落語会』のお知らせのすぐあと

『web版言の葉落語会』
お客様からのご投句を4月26日23時59分まで賑々しく受付中!
詳細は
※投句先等の応募要項への直接リンクは
をご覧ください。


Twitter「いいね」御礼


4月21日12時51分につぶやいたツイートに、たくさんの方から「いいね」を頂戴しました。ありがとうございます。


その数、4月23日の時点で34。


なんだいちっとも多くないじゃないかとお思いでしょうが、私のTwitterは先月5年間の眠りから醒めたばかり。
友だちの少ない人見知り弱小噺家としては、涙が出るほど嬉しい反応。


感極まって、140字ではつぶやききれなかった内容を記事にすることにしました。


大事なことは3回言う。
SNSでうけたネタは、ブログで掘り下げる。
ウン、我れながら効率的な運用方法


そんなにお時間はいただきませんので、まぁおしまいまでざっと読んでいってくださいまし。


すれ違った「リアル金森」


その日お昼過ぎ、食料品の買い出しで我が家から歩いて15分ほどの幡ヶ谷駅方面への途上。
歩道の向こうから歩いてくる、コンビニの袋を下げた若い女性の姿が私の目を引きました。


遅めのお昼を買った帰りなのでしょう、袋からサンドイッチとサラダらしきものが覗いています。
さあ早く戻ってランチにしよう…。
足早にこちらへ近づいてくる女性の歩きっぷりが、とてもいい。


中原中也の詩にあるように、お昼休み近所へ食事にでるサラリーマンの方々は「ぷらりぷらりと手を振って」のんびりお歩きになることが多い。


そんな人が3・4人歩道の幅いっぱいに並んで


「いやぁ急にあんなこと言い出して、うちの課長こっちの迷惑考えないのかなあ」


なんてこといいながら爪楊枝を使いつつ歩いているのを見ると、「道ふさいでるそっちが迷惑なんだよ」と蹴りを入れたくなります。


気が弱いから蹴らないけど。


それに比べてくだんのコンビニ帰りの女性、いかにも歩き方が潔い
背筋を伸ばして姿勢がいいうえに、歩幅がすごく広い。
脚が長い人なのです。


脚だけでなく手も長く、背もかなり高くて細身。
マスクと眼鏡でお顔立ちは定かではありませんが、髪型は肩あたりの黒髪ストレート。
その全体のシルエットに「あれ、この感じ誰かに似てるな」と思い考えることコンマ2秒。


「あ、『映像研には手を出すな!』の「金森さやか」だ!」
思いいたりました。


大ヒット作品の個性派キャラ


『映像研には手を出すな』
『月刊!スピリッツ』誌上で2016年から連載されている、大崎澄瞳先生の人気漫画。


今年の春アニメとして全12話がNHKで放映され、現在はTBS・MBS系列で実写ドラマが放送中。テレビと同じスタッフ・キャストでの劇場版の公開も控えています。


『映像研には手を出すな!』あらすじ
湖に面し、増築に次ぐ増築で迷路のような構造の「芝浜高校」。
建物ばかりでなく生徒も部活動も色んな意味でカオスなこの学び舎に入学した1年生の浅草みどりは、人と話すのが大の苦手の超人見知り。
しかしそんな彼女もひとたび好きなアニメの世界に入れば、みずから設定を作り絵コンテが切れる天才肌。
自分の設定から生まれる「最強の世界」を作品で実現するため、プロデュース力に長けた友人・アニメーター志望の同級生とともにみどりは映像研を立ち上げアニメ制作に挑戦する!


 
私は原作は未読でアニメから入ったのですが、いやぁ1クールあっという間でしたね。
ぜひ2期以降も作っていただきたい、私的には2020年春では一番の「覇権アニメ」です。


主人公・浅草みどりのプロデュース力に長けた友人というのが、金森さやか。
幼い頃から金銭感覚に優れ、経営の才がある。


長身で美脚・黒髪ストレートという設定ですが、京都アニメーションの「黒髪美少女」とはまるで違う個性派キャラとして活躍します。


道の辺のたんぽぽを、そっと


話を買い物への途上へ戻しましょう。
向かいからチャキチャキ歩いてくる「リアル金森さやか」嬢、ふと立ち止まると足を止めその場にしゃがみこみました


気分でも悪くなったのかな?
心配して見ていると、そうではない様子。


歩道の脇の空き地に手を伸ばし、手折ったたんぽぽの綿毛1本

たんぽぽ.JPG

その綿毛を口元に持ってくるとさやか嬢、マスクを少しだけずらして優しく


ふーっ


息を吹きかけます。


まさにその瞬間、奇跡のように薄曇りの空からひと筋春の陽が射し込みました。


きらふわきらふわ、輝き漂う羽根付きのたんぽぽの種。


綿毛を吹くこまち.jpg


人間の閉塞状況はどこ吹く風と、新天地へと向かう次世代の命

その場で種のほとんどは歩道のアスファルトの上に落ちましたが、そのあとまた風に乗ってさらに遠くへ飛んで行くはず。


我が家の庭にも毎年春になると「これどこから来たんだろう」と思うようなパセリだのホタルブクロだの、いろんな植物が顔を出します。


ああ、いい光景を見せてもらったな。


しかもそれをやってくれたのが好きなアニメキャラ似の若い女性


しばし見とれていると茎をそこへ置いて立ち上がった3次元版金森さやか嬢、気配に気づいたんでしょうか。


私の方に顔を向け、マスクと眼鏡越しにほんのちょっとだけ

連帯感のような
照れ隠しのような

想いが混じった笑みを浮かべて、私に軽く会釈

コンビニ袋を持ち直すとまたチャキチャキ、颯爽とした「金森歩き」で去っていきました。


蔦飾り線.png


普段ならなんでもないこれだけのエピソードが、心が栄養をもとめている今は胸に温かく沁みていく。


世の中ちょっとその気になれば、自分を元気にする材料は身の周りでたくさん見つけることができるんですね。


そういうお話を皆様におすそ分けできるよう、アンテナを張って日々の暮らしを呑気に前向きに送っていきます。


よろしければこんな記事も覗いていただきつつ、



名人古今亭志ん朝のお宝エピソード
お時間ございましたら、またご訪問ください。
お待ち申し上げております。


お開きまでお付き合いいただきまして、まことにありがとうございます。


入船亭扇治




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噺家たちのお宝で、心を豊かに [落語情報]


今回の記事は、『web版言の葉落語会』ご案内のすぐあと。
皆様ふるってご投句ください!

『web版言の葉落語会』
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まだまだ出てくる、秘蔵のコレクション



上記記事で、名人志ん朝師匠からいただいた雪駄・橘家円蔵師匠袴より拝領の袴を楽しい語りの映像で披露してくれた三遊亭金八師。


時間の関係で前回は前半のみでしたが、お待たせしました。
今回は金八コレクションより、秘蔵の2品をドーンとまとめてご紹介しちゃいます!


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※動画の最後の部分、金八師の手作り感を味わっていただくためあえてカットしてありません。
時おりバックに入る子どもの声とともに、ご鑑賞ください。



まさに珍品、夏物の袷


先代金馬師匠の絽の羽織、こちらも私初見です。
いいものを見せてくれてありがとう、金八師。


絽とは、繊維と繊維の間に隙間を大きくあける反物の織り方。
洋服でいうメッシュですね。


織りの間から風が入って涼しいし、見た目も爽やか軽やか。
そんな夏物にあえて裏をつけるのは大変手間もお金もかかり、何より着てる当人が暑いです。


でもそこは風流、粋の道
多少の汗は辛抱して、羽織の表から透けて見える無双(部分的に付ける裏地)の模様をさりげなくアピール


高座ではらっと脱ぐと、「あ、馬の絵が描いてあるんだ!」初めてお客様にわかるという、芸人の気取り・見栄
かっこいいなぁ
金八師でも裄が足んないのか、惜しかったね。


でもしっかり箪笥にしまっておけば、芸の守り神として三代目金馬がいつもそばにいてくれることでしょう。


二ツ目・真打の挨拶回り


入船亭扇橋祝いの短冊、これは師匠存命のうちに二ツ目・真打に昇進した噺家なら必ず持っているはず。
引っ越しの時なくしちゃったり、小遣い稼ぎにネットオークションで売りさばいたりしてない限り。




今は落語協会の事務所に集まった幹部連に、昇進させてもらう者が挨拶をする形式。

以前は、1軒1軒先輩方のお宅を回って「この度は昇進させていただき、ありがとうございます。披露興行よろしくお願いいたします!」頭を下げる習わしでした。


複数で昇進する者たちは大きめの車を借りて乗り合わせ、後輩に運転させて回ったものです。
もちろん全員噺家の正装、黒門付きの上下に袴姿


黒ずくめに短めの髪型の、若い男たちがぎゅうぎゅうに乗った車。
はたから見ると、かなり怖いです。




うちの筆頭弟子・扇遊が仲間7人と真打になった時の挨拶回り。
今の柳家小三太師が運転する黒い集団を乗せたレンタルのワゴン車が、途中間違って一方通行の路地に逆走で入ってしまいました。


今なら対抗車いないからと突っ切ろうとすると、間が悪くあとちょっとで路地を抜けるという時に向こうから乗用車が1台。


当然、向こうはクラクションをやかましく鳴らします。
運転し慣れない大型車なのでうまくバックできるか不安でうろたえている小三太師に、
「だいじょぶだ、オレにまかせとけ」。


腰を浮かせて車の窓を開けたのは、桂才賀師匠。
海上自衛隊出身のがっちりした体格
積極的に行っている刑務所慰問では、受刑者から一目置かれる強面


その才賀師に車中から渾身の目力


にらむ目.png

にらまれた対向車の運転手さん。


顔を引きつらせ口の中で
「どうも、失礼しました…」
らしき言葉をごにょごにょつぶやきながら、えらい勢いで車をバックさせ去っていったそうです。


え、うちの飼い猫こまちも黒づくめだからやってみたい?

無理だと思うけどなぁ。

まぁ、やるだけやってみたら?


にらむこまち.png
やはり、食い気が先にたってしまうようです。


将来ある若手たちに、俳人ならではのお祝い


そうやって先輩のうちへ伺っているとお昼時になりますから、志ん朝師匠や馬風師匠など身体ができててご自分もお好きな方は料理とお酒を用意して迎えてくれるのが恒例。


私も経験しましたが、楽屋ではかなり気難しい方だった先代の古今亭志ん馬師匠がニコニコしながらビール注いでくれたりして感激もの


私の師匠はほとんど飲めないたちだったので、あまり飲食で迎えるということはしなかったですね。


その替わり俳句を嗜む自分ならではのお祝いの気持ちということで、動画で金八師が披露した短冊を支度して待ってました。


二ツ目や真打に昇進する当人の人となり・芸をもう一度確認して、その人の芸名の一文字を織り込んで詠んだ句をしたためた祝いの短冊


みんな、何よりの宝物だと言ってくれます。
なくしたり売っちゃったやつ、反省しなさい。

金八師のが


稲熟るる黄金の波と吹かれけり

ああ、自分が二ツ目になった時は秋だったんだなぁ…。
想いが甦ってくる。


私がもらったのも、ご披露しましょう。
まず、平成2年に二ツ目になった時。

二ツ目昇進の句.jpg

永久(とこしえ)に扇治香れよ秋彼岸


それまで「扇べい」だったのが、ぐっと噺家らしいいい名前もらえた!何度も何度も手に取って眺めたので、かなり焼けちゃってますがありがたみは変わりません。


そして、真打昇進平成13年のやはり秋の句。

真打昇進の句.JPG

 
酌みかはす秋の灯ふえてにぎやかに


落語協会ではこの春5名の真打昇進披露興行が行われる予定でしたが、コロナ禍の影響で延期を余儀なくされています
一生に一度の晴れ舞台が、100年に一度あるかないかの災厄に当たってしまったご当人・ご贔屓のお客様方。


なんのお力にもなれませんが、噺家として明るく前向きにこうして発信し続けることで陰ながら応援させてもらいます。


師匠の句にあるように、寄席落語会へお客様が「にぎやかに」来てくださる日を心待ちに。

お開きまでお付き合いくださいまして、まことにありがとうございます。

お時間ございましたら、ほかの記事もご回遊くださいませ。

呑気な



あたりいかがでしょう。


またのご訪問、お待ち申し上げております。

入船亭扇治


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名人古今亭志ん朝のお宝エピソード [落語情報]


今回の記事の前に、いつもの『web版言の葉落語会』のご案内。

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三遊亭金八秘宝館、本日オープン


先日の選者口上では、秀逸な雑俳例句とかっぽれを披露してくれた三遊亭金八師から、また楽しい映像が届きました。
以前の動画とともに


でご覧いただけます。
※再生開始まで時間がかかる場合がございます。
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昭和・平成の名人、あまりに早い旅立ち


金八師、大先輩方からいろんなものもらっていいな。
私は標準体型より腕が長く足も大きいため、人から着物や履物いただいたことはほとんどありません。


そうやって名人・大看板から何か頂戴できるというのも、お客様だけでなく楽屋仲間からも愛される金八師の人柄ゆえでしょう。

今回の雑俳企画でも色々相談にのってくれたりこうして宣伝素材をまめに提供してくれて、本当に頼りになるいい後輩…。


なんだけど、ン?さっき動画の初めの方でオレのことなんか言ってなかったか!?
気になるけど、記事書かなくちゃいけないから先へ進もう。


志ん朝師匠の雪駄にまつわるエピソード、私も初めて知りました。


古今亭志ん朝。


名人古今亭志ん生を父、先代金原亭馬生を兄に持つ落語界のサラブレッド

自らも昭和から平成にかけての大看板。
華のある姿と歯切れのいい口調が生み出す芸は、今でも大勢の落語ファンに愛されています。


2001年10月1日、未明。
あまりにも早く、不世出の巨星は雲の向こうへ旅立ちました。


「80過ぎて口調がおとっつぁんみたいになった、味のある志ん朝を聴きたかった」というたくさんのお客様を残して。


みんなにまんべんなく、想い出をくれた


芸人たちも、「志ん朝ロス」に見舞われました。
志ん朝師の亡くなった日は、私どもが10人で真打になった披露目の真っ最中。

9月21日からの鈴本演芸場を打ち上げ、10月上席は新宿末廣亭での興行。


その口上に並んでくれる協会理事のお宅への挨拶回りの途上、飛び込んできた訃報。


私が乗っている車を運転していた現三遊亭遊雀師が携帯でそれを聞き、路肩に車を寄せると肩を落として
「アニさん、矢来(新宿矢来町に住んでいた志ん朝の通り名)が…亡くなっちゃた…」
天を仰いで茫然と言ったのを憶えています。


挨拶回りは、急きょ中止。
とりあえず午後一番でまた集合して今後の対応を検討することにして、その場で10人は別れました。


志ん朝師匠のおかみさんと麻雀をしたりして個人的に親しかった三遊亭萬窓師など、お宅へお悔やみに行く組。
そこまで深いお付き合いではないので、いったん自分のうちへ帰ったり脇でつなごうという面々。


私は、後者でした。
やはりうちへ帰るという三遊亭白鳥師と途中まで一緒だったのですが、その時に彼が

「志ん朝師匠んちってオレ行ったことないけど、すごい豪邸なんでしょアニさん。
でもこれからお悔やみの人が大勢来たら、どんなに広くても玄関靴でいっぱいなっっちゃうだろうな。
ゲソ(下足、履物の意)間違えないようにやっぱりあれかな「靴番くん」(春風亭柳昇師匠考案の、取り違え防止のため靴に刺すプラスチックの札。当時寄席の売店で売っていた)とか使うのかな」


不思議な心配を。

でもあまり接点のなかった新作派の白鳥さんでも「志ん朝師匠から楽屋でこんなこと言われたことがある」なんて話も道々出た記憶があります。


私の兄弟子・入船亭一門の筆頭扇遊は、志ん朝師匠に生前とても可愛がっていただいてました。
その筆頭弟子はよく
「矢来の師匠は、前座からお囃子さんまで仲間みんなにまんべんなく想い出をくれた人だ」と言います。


それだけ、楽屋でも周りに気を配っていた方。
私にも、

テレワークで落語の稽古?
でご紹介したエピソードのほかにもう一つ、思い出す志ん朝師匠との交流があります。

きら星のごとき打ち上げ


私が二ツ目になって2・3年たった、季節は夏の終わりだったか秋の声を聴きだした頃だったか…。
 
三遊亭圓弥師匠が顏付け(メンバーをきめること)をしている新富町のホールでの落語会に、私は鳴り物の手伝い兼高座で使ってもらいました。

トリは、志ん朝師匠。


あらかじめネタ出ししてあった演目は、『小言幸兵衛』
袖で聴かせてもらいましたが、いやその時の高座といったら凄かった。


当人ものって喋っているのが袖にも伝わるテンポの良さ、聴衆にも伝わって高座とお客席がまさに一体となっての名演
サゲを言って頭を下げたあとは前座がいつ幕を下ろしていいのか戸惑うほど、万雷の拍手が鳴りやみません。


汗びっしょりで高座から下りてきた志ん朝師匠、自分でも手応えのあった芸の余韻をかみしめたくもあったんでしょう。


楽屋についてきていたおかみさん・圓弥師匠・弟子の志ん馬師・ヒザ(トリの前の出番)を務めた曲芸の翁家和楽・小楽師匠たちと車で志ん朝師匠行きつけの、『鈴音』という店へ向かうことに。
私も、誘っていただきました。


台東区千束2丁目、いわゆる吉原の歓楽街のそばにあった『鈴音』。本来定食屋さんですが夜遅い商売の人たちが食事に来るので深夜まで営業しており、奥に10人以上入れる半個室もあって普段から志ん朝師匠のお気に入り


向かう車中から電話して奥を予約するとともに、店の近所に住んでいる柳亭小燕枝師匠夫妻・柳家小里ん師匠・浅草演芸ホールの楽屋に残っていた一門の若手真打も呼んだものですから、『鈴音』の個室は一流芸人たちでぎっしり

鈴音テーブル.png


きら星のような面々の中で私は一番下ですから、乾杯がすむと緊張しながらみんなの水割りを作ったり空いた器を下げたりしながらお酒をチビチビ。


宴始まってほどよく一同酔いがまわりさあこれからたけなわという時、志ん朝師匠が「ちょっとはばかり」と小用へ。
限られたスペースに大勢がぎっちり座ってるんで私はいったん立って師匠が通る道を開け、そのまま待っていました。


君、何か面白くないことでもあったのかい?


やがてトイレで水を流す音がしてから出てきた志ん朝師匠、洗面台で手を洗うと何を思ったのかお手洗いが仕切ってあるのれんから覗いて
「扇治くん、ちょっと」
と私を手招きします。

のれんから招く手.png


トイレが詰まりでもしたのかな…。
「はいっ」と私ものれんの向こうへ顔を突っ込むと志ん朝師匠、いきなり
「君、今何か面白くないことでもあんのかい?」
赤い顔ながら真剣に聞いてきます。


とっさにどういうことかわからず「え?」と聞きかえす私に師匠は


「いやさ、さっきからみんなでワイワイやってんのに扇治くんだけほとんど自分から喋らないだろ。僕から話振っても目をそらすし、気になってしょうがないんだよ。何か、気に障ったのかい?」


あの大名人が、私のすぐそばに顏を寄せて(小池知事が飛び上がって驚きそう)心配してくれているのです。
私はもちろん何かが嫌だったわけではありませんから、




・凄い先輩方と同席して、とにかく緊張していること。
・志ん朝師匠は子どもの頃からの憧れですから、こんな間近にいらっしゃると眩しくて顔をまともに見られないこと。




など目を伏せて黙っていた理由をつっかえつっかえ何とか説明すると志ん朝師匠、ほーっと息をついて


「ああ、そういうことだったのか。そっちが機嫌損ねてないんだったらまぁ安心したけど、でもいいかい扇治くん。
たとえどんなに緊張してても、みんな仲間なんだから、ね?
君がひとりで黙ってて、話しかけてもこっち見てくんないと『ああ、おれこの人に嫌われてんのかな』と余計な気ぃまわしちゃうんだよね。
だからさ、妙に遠慮しないで一緒に楽しくワイワイやろうよ、ね!」


あの名人が、大看板が、憧れの志ん朝が、一介の二ツ目である私の本当に至近距離でこう言ってくれたのです。


ああ、ありがたい。
噺家になってよかった。
身に余る光栄、本当に嬉しい…。


嬉しいのですが、その時志ん朝師匠けっこう酔っていたので
トイレから出て洗面台で洗った手を

ハンカチや備え付けのタオルで拭かないまま。


ビショビショの手で

「楽しくやろうよ、扇治くん!」
言いながら私の肩をバンバン叩きます。


ありがたいけど、冷たい。


着ているシャツが水でぐっしょり。
初めは冷たかったのですが、何度も肩を叩かれているうちそれは志ん朝師匠の人柄の温かさとなって私の身体に染み渡っていきました。

志ん朝師と扇治.jpg



家で過ごす時間が増えています。
金八師の雪駄の話を聞いて、
「ああ、オレも志ん朝師匠にシャツの肩で手ぇ拭かれたことあったな」
思いだしてひとりでクスクス。


こんなひと時ほっとする体験談、皆様の頭の中にもたくさん眠っていることと思います。

コロナのニュースからはちょいと離れて、想い出の宝箱にしばし遊んでみられてはいかがでしょう。


雑俳の投句も、お待ちしております!


お開きまでお付き合いくださいまして、まことにありがとうございます。
またのご訪問、お待ち申し上げております。
入船亭扇治

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