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酷暑を吹き飛ばす、笹塚十号坂のロング流しそうめん! [日々雑感]

スプラッシュ流しそうめん.jpg

豪快な流しそうめんを全身で味わう黒猫こまち。

近所で開催、
郷愁の流しそうめん

連日日中は35度に迫る暑さ、2024年東京の夏。
その日も汗を拭きふき京王線笹塚駅へ向かう途中、電柱に貼られているこんな看板が目につきました。
ポスター流しそうめん大会.jpg
地元商店街の夏イベントとして、長さ70mの流しそうめん大会が行われるというのです。

驚くアイコン.jpg

私は子どもの頃から、流しそうめんが大好き。
店で食べた記憶は一度しかありませんが、器用だった父がよく庭に手作りで流し樋を設えてくれ、家族や友達と一緒に楽しんだのは懐かしい思い出。

涼しげな器に盛られたそうめんや冷麦は、見た目がきれいで喉越しが良くおいしい。その麺が流水の中を勢いよく泳いでくると、さらに活きが良くなって美味に感じられる。
そして流れる麺を箸ですくう行為自体が幼い私には楽しく、回転寿司に通じる「食の娯楽性」に溢れているのが流しそうめんの魅力だと思います。

わが子がまだ小さかった時の夏休みに美濃の実家で父がやってくれて以来、流しそうめんにはとんとご無沙汰。その懐かしい流しを、うちから歩いて5分の会場で体験することができる。
しかも参加料は100円ポッキリ!

呑気ブログのいいネタにもなりそうだし、これは行くしかないでしょう。

炎天下、開始を待つ

8月3日(土)『十号坂流しそうめん大会』当日は、朝から快晴。気温もぐんぐん上がり午前中で30度を超す暑さのなか、会場に到着。
看板流しそうめん大会.jpg
流しそうめんの準備・開催中は車両を通行止め、商店会もかなり力を入れているようです。



十号通りは笹塚駅から北に伸びる全長200mほどの商店街。ちょうど真ん中あたりに水道道路(都道431号角筈和泉町線)が通っており、商店街が南北に別れる形になっています。

水道道路から北側は緩やかな坂道、その勾配を利用して樋を設置しそうめんを流すという趣向。
坂上の流し始点と坂下の終点。
始点と終点.jpg
その間には主催者の方々によって70mに渡る日よけ・ブルーシート、そしてメインの流し樋が設置され盛り上がる雰囲気。
長い日よけと樋.jpg

まず坂下に設けられた受付で参加費100円を払い、紙コップに入ったつゆとフォーク(麺をすくう用)・箸(食べる用)のセットを受け取ります。
受付流しそうめん.jpg

私は受付開始時刻5分前くらいに会場に到着したのですが、既に30人以上の人が並んで待っていました。親子連れの方が多く、「近所の夏休みイベント」として気軽に皆さん来てらっしゃるんだなーと感じ取れる和やかな雰囲気。

私の後にもどんどん行列は延びていき、最終的には定員200名を超える方々が参加したそうです(主催者発表)。

こま正面アイコン基本形.jpg

こういう形式の流しそうめんは始点に近い方が得なのでしょうが、ひとりだけで来たオジさんがあまり上流で威張っているのはいい形じゃないなと思い、まだ余裕がある上の方は遠慮し私は全長70mの樋の真ん中よりちょい下流に陣取ります。
衛生にも気をつかって.jpg

真夏の陽射しは日よけを通して容赦なく照りつけ、熱せられた空気がブルーシート越しに立ちのぼり、人いきれと相まってかなりの暑さ。

開始時刻の11時30分まで、後少し。
汗を拭いながら待っていると、樋に初めチロチロ・やがてシャーっと勢いよく水が流れてきました!
水が流れ出す.jpg
そろそろ始まるのかな、ワクワク。

いよいよ放流開始!
しかし…

水が流れ始めて3分ほど経った頃でしょうか。 樋の中をそうめんがひと筋、ふた筋と流れてきます。
開始時刻には坂上にある始点で鐘を鳴らしそれからそうめんを流し始めるという説明でしたが、私のいるところからはけっこう距離があるし喧騒も激しいので聞こえなかったのでしょう。
隣や向かいにいるお子さんたちに「始まったみたいだよ、少しずつ流れてきてるよ」教えてあげたら、目を輝かせてフォークを水の中に入れそうめんをせき止めてすくおうとするのがかわいい。

さて周りのお子さんがひと通りすくったようなので、私もそろそろと思ったのですが…。
第一陣放流後は、ほとんどそうめんが流れて来なくなりました。 たまーに来ても、切れ端一本がせいぜい。
一筋だけの流れ.jpg

(やっぱり始まったばかりは上流の人たちが先にすくうだろうから、少し時間が経たないとここまで流れて来ないかな)と気長に待っていると、主催者の方から説明がありました。
「すいません、上の方の人たち今食べるの遠慮してくれてるんですけどなかなか皆さんに行き渡るように流せないので、場所を変えて途中から流していきまーす」。

なるほど樋がそんなに幅広くないからいっぺんにたくさん流せないんだなと納得し、さらに待つことしばし。
大きなボウルを小脇に抱え順にそうめんを流してきたお兄さんが、いよいよ私の場所から10人くらい上流のところまで来てくれました。
ボウルに入れたそうめん.jpg

至近距離にてそうめん放流!
少しまとまった流れ.jpg
ようやく目にする、本来の流しそうめんらしい風景。

ここでやっとひと口分の麺にありつき、さぁここからだとフォーク片手に意気込んだのですが…。 結局私の眼前を勢いよくそうめんの塊が流れて行ったのは、30分以上会場にいてその一度きりでした。
さらに下流へとお兄さんが配給に行ったところで、いったん弾切れ。 「今追加のそうめん急いで支度してますので、少々お待ちくださーい!」というアナウンス。

アイコン集.jpg

主催者が当初想定したそうめんの量と流し方では、200人超の参加者にはすぐにまんべんなく対応できなかったようです。

この人数相手に70mの流しをするのなら、樋の幅と一度に用意するそうめんの量は3倍くらいにしないと間に合わないでしょう。または1回の参加者数を減らして交替制にするとか、最初からそうめんを複数個所で同時に流せるよう準備しておくか…。

改善の余地はいろいろとある流しそうめんですが、主催者の方も初めてやったイベントでしょうしまだまだ発展途上なのは無理のないこと。スムーズに70mそうめんを流すことができただけでも、大成功だと思います。
現時点での流しそうめんギネス記録・樋全長4031.76m(2023年10月・大分県竹田市にて達成)には及ばずとも地元商店街のイベントとしては天晴れ、一度だけでもそうめんすくえた子どもたちはとても喜んでいました。

こま正面アイコン笑い.jpg

さて十五筋くらいだけど食べられたし、ブログ用の取材は終わったし。何より暑くてお腹も空いてきたので、私はひと足先に十号坂流しそうめん大会会場を後にすることに。
食い手が一人減れば、たとえ僅かでも追加のそうめんが他の人の口に入りやすくなるでしょうしね。



わが家に帰ってみると、イラストで取材に同行した黒猫が暑さでバテています。
長い黒猫.jpg
なんだか、黒いそうめんみたい。

しっかりしなこまち、さっきお父さんはロクにありつけなかった流しそうめん、君には心ゆくまで味わわせてあげるから。
優雅にひとりそうめん.jpg

蔦飾り線.png

入船亭扇治・記

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