俳人噺家の夏らしい一句と、懐かしい芸人たちの浴衣姿 [落語情報]
真夏の陽射し浴びる庭先で、さかんに顔を洗う黒猫。
夏の暑さを詠んだ
懐かしい師匠の句
懐かしい師匠の句
賃貸ながら、ささやかな庭があるわが家。
そこには前に住んでいた人が育てていたり、風にのって種が飛んできたりで。いろんな草木が雑多に同居しています。 この夾竹桃も、その一つ。
そこには前に住んでいた人が育てていたり、風にのって種が飛んできたりで。いろんな草木が雑多に同居しています。 この夾竹桃も、その一つ。
土地がやせているので、滅多に花を咲かせません。
そのわり、アブラムシは沢山つきます。
ヒョロヒョロした株ですが、梅雨どきから緑を濃くしていく葉と茎はそれなりに夏を感じさせてくれるもの。
そのわり、アブラムシは沢山つきます。
ヒョロヒョロした株ですが、梅雨どきから緑を濃くしていく葉と茎はそれなりに夏を感じさせてくれるもの。
毎年庭の夾竹桃が元気になっていくのを見ると、思い出す俳句があります。
師匠・入船亭扇橋吟。
師匠・入船亭扇橋吟。
私が入門2年目、先代・三遊亭金馬(現・金翁)師匠宅へお中元に行く師匠のお供をした時のこと。
太陽が真上からカーっと照りつけ、蝉がミンミンジージー鳴く大変に暑い日。
大江戸線なんてまだ影も形もない頃ですから、新宿区抜け弁天にある金馬邸までJR新宿駅から二人でテクテク歩きました。
大江戸線なんてまだ影も形もない頃ですから、新宿区抜け弁天にある金馬邸までJR新宿駅から二人でテクテク歩きました。
新宿区役所裏にさしかかった時、歩道に立ち並ぶ街路樹の夾竹桃を見上げた師匠が。
扇子で顔を仰ぎながら「いやそれにしても暑いなー」と、先の句を私に教えてくれました。
その時は私もまだ20代でしたから、あまり実感がわかなかったのですが…。
年齢を重ねて夏の暑さが骨身に応えるように、また顔が若い頃と違って脂ぎってくるようになると。
気がつけば夾竹桃の句そのままに、日になんべんも顔を洗っている時分がいます。
年齢を重ねて夏の暑さが骨身に応えるように、また顔が若い頃と違って脂ぎってくるようになると。
気がつけば夾竹桃の句そのままに、日になんべんも顔を洗っている時分がいます。
熱心すぎるほど
顔を洗う黒猫
顔を洗う黒猫
私だけでなく、かたわらを見ると同居猫も盛んに顔を前脚でぐりぐり。
こまちは日に一度しか顔を洗いませんが、そのかわりやるとなるととことんまで顔全体を撫でまわして飽くことを知りません。
あんまり熱心に洗い過ぎると…。
顔が白くなったりして。
浴衣姿で
師匠と撮った写真
師匠と撮った写真
この記事を書くにあたり(そうだ、落語協会の浴衣姿で師匠と写っている写真あるかな)と思い、方々ガサガサ探してみました。
ほかにもあるのでしょうが、とりあえず手近から出てきたのがこの1枚。
落語協会のファンサービスイベント『圓朝まつり』でお客様参加の句会を開催、扇橋が選者を務めました。
その時優秀作に入った私の知人と三人での、懐かしい写真です。
その時優秀作に入った私の知人と三人での、懐かしい写真です。
師匠はこの翌年7月に病で倒れましたので、お客様の前でご披露した最後の浴衣姿。
そう思ってみると、また感慨深いものがあります。
そう思ってみると、また感慨深いものがあります。
もう1枚、こんな写真も発掘。
1994年7月31日、落語協会夏の寄り合いにて。 画像後列に並ぶは、向かって左から
撮ってくれたのは、2022年2月に年お亡くなりになった柳家さん吉師匠。
撮ってくれたのは、2022年2月に年お亡くなりになった柳家さん吉師匠。
さぁ先輩方と撮った懐かしい写真をご披露して、本記事もなんとか形にすることができました。
ではここいらでパソコンを閉じて、晩酌の支度にかかりますか。
ではここいらでパソコンを閉じて、晩酌の支度にかかりますか。
おっとその前に、暑い部屋でキーボード打ってて汗かいたたから。
よーく、
顔を洗わなくっちゃ。
よーく、
顔を洗わなくっちゃ。
※入船亭扇橋の俳句については、
などもご覧ください。
などもご覧ください。
お開きまでお付き合いいただきまして、まことにありがとうございます。ぜひまた、ご訪問くださいませ。
入船亭扇治拝
入船亭扇治拝
タグ:俳句 猫 落語
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