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春の上野公園突入体験記(後編)~感染拡大防止を心がけつつ、節度を守って楽しい花見! [日々雑感]


たまには浮世のことを忘れて、ひと時のんびり過ごそうと。
切符を買って入った、寄席の客席。見回すと、座っているのは自分ひとり!
これは、驚きます。
なんだか寄席へ笑いに来たんだか、区役所に年金の相談に来てんだかわからない…。

寄席に一人きり.jpg

噺家がよく、
マクラで使うネタ。


密にならないのは、
いいけれど…。

「コロナありき」の花見・春の上野公園突入体験記(前編)〜桜名所に射す光と影の記事で、3月末の上野公園を訪れた私。
お花見サイトの情報では、「やや混雑」になっていた人出。
実際に行ってみると、さほどではありませんでした。

遠くからだと目の錯覚で、けっこうな人波に見えても。
近づくと皆さん、互いに2~3メートル以上は距離をとって散策中。
大勢での宴席・高歌放吟、一切無し。

人込みが得意ではない私には、落ち着いて花を見られる願ってもない環境。

しかし東照宮方面に坂を上っていくと、喜んでばかりもいられなくなりました。
勾配がきついせいか、周囲から人の数がどんどん減っていきます。
思い入れのある精養軒前には、車も人もほとんどいません。
手持ち無沙汰のドアマン氏と、私だけが立ち尽くす広大な駐車場

時の鐘.jpg

時の鐘が見下ろす中、桜の花びらを乗せた春風が吹き抜けていく。

ここまで人がいないと、快適を通り越してさすがに寂しくなってきました。
子どもの頃の愛読絵本『世界にパーレただひとり』の主人公のように、
「どんな気の合わない人でもいいから、誰かそばにいてもらいたい」。

そんな心細い気持ちで、ぼたん苑の方へ向かいます。


戻って来た「適度な人波」

でも、案ずることはありませんでした。

東照宮参道.jpg

東照宮の門前まで来たら、またいい感じに人が行き交っています。

現在、心ある方々は「大人数での会食」を控えてらっしゃいますから。
精養軒の宴会場に人がいないのは、考えてみれば当たり前のこと。

スタッフ関係者の皆様には、コロナ禍が何らかの形でおさまるまで。
今しばらくの、ご健闘を期待する次第。

私も仕事キャンセル大会ですが、頑張ってますからね!



東照宮拝殿前で、
心を込めて合掌。

東照宮お参り.gif

悠久の時を経てきた、神楽殿と五重の塔が見守ってくれています。
神楽殿.jpg

五重の塔.jpg


不忍池前に、
広がる日常の光景

東照宮脇から、急な階段を不忍池方面へ下りていくと。
弁天堂へ向かう短い参道には、屋台が並んでいます。
弁天堂でだだ画策.jpg

いくらだだをこねても、今日は何も買わないよ。

そして池の周りには、お花見目当ての人だけでなく。
・水鳥たちに、ご自慢のカメラを向ける方。
・春の陽射しを浴びながら、のんびり散歩する人々。

・備え付けの遊具で遊ぶ子と、見守るお母さん。
普段通りの不忍池.gif

見慣れた、「いつもの日常」が見てとれます。


路地にひっそりと、
咲くピンク

そうだ、あの映画館今でもやってるのかな。
ふと思いたって、表通りへ抜ける短い路地へ入ってみると。

そこにもひっそりと、桜とは別のピンクが花開いています。

これもピンク.jpg

系列子会社で製作した独自の成人映画を上映する、その道の人には人気の歴史ある『オークラ劇場』

表には桜の花びらをあしらった立て看板、『第2回ピンク映画大会』盛大に開催中!

私が外観を撮影している間にも、ジャンパー姿のおじさんが一人。
切符を買って堂々と、館内に入って行きました。
これも立派な、いつも通りの日常風景のひとつ。

暗闇でスクリーンを見つめる人々の胸にも、ピンクの花がそれぞれ咲いていることでしょう。


鳥と花たちも、
命を謳歌

ちょっと、妙な方へ寄り道してしまいました。
不忍池へ戻りましょう。

そこには人間だけではなく、精一杯生きるいろんな命の姿が。

カルガモ並走.jpg息を合わせて並走する、2羽のカルガモ


逆風に耐えるユリカモメ.jpg
風に羽をあおられても、不適な面構えでじっと耐えているユリカモメ

ユリカモメ正面.jpg

正面から見ると、ちょっと間抜けな愛嬌顔。
佐々木倫子さん『動物のお医者さん』に、こんなシーンがありましたね。
鳥 変な顔.jpg

※花とゆめCOMICS
『動物のお医者さん』第2巻
(白泉社刊)



さっきの子が遊んでいた動物型遊具、こまちも乗ってみたいようです。
遊具パンダさんと鳩.jpg

そばにいる鳩さん、右脚を怪我していました。
それでも健気に、餌を求めてぴょんぴょん跳ねてから飛び立っていきます。

コロナに振り回される人間をよそに、自らの生を精一杯謳歌する命たち。

こちらもまだまだ「見て見て!」と咲き競う、紅白の花。
桜紅白.jpg

先ほど人がいなくて寂しげだった精養軒ビルも、今は花に抱かれて光輝いています。
元気な精養軒.jpg

「大勢が集まれる世の中に戻ったら、その時はまた来てくださいね。お待ちしてます!」と言っているよう。

もちろん、
伺いますとも。
私も一生懸命精進して芸歴50周年の式典と、こまちの20歳誕生パーティやらせてもらいますよ!


帰りの地下鉄で味わう、
絶妙のおさまりスポット

1時間半ほど過ごした上野公園、そろそろ取材行は切り上げ時。
ちょうど、お腹も空いてきましたし。 うちへ帰って、ゆっくり目のお昼にしましょうか。

上野広小路まで歩いて、自家用の地下鉄銀座線に乗車。
間のいいことに、私の大好きな「レトロ車両」がホームに入って来ました。
地下鉄 レトロ車両.gif

内装も地下鉄開通当時のものを再現した、超レア編成。

いそいそと乗り込むと、中はさほど混んでいません。
しかも、私のお気に入りスポットも空いているではありませんか!

昔の車両構造をなぞりつつ確保されている、車椅子の方用スペース。
地下鉄おさまりスポット.jpg
ここにすっぽりはまり込むと、「半個室」みたいでとても落ち着くのです。

同じことを考える人が多いので、なかなか空いていない人気スポット。
ありがたやと壁に身体を預け、撮影した画像を確認したり本を読んだり。

ふと気づくと、ブログ共同執筆猫が。
下からキラキラした目で見上げています。
帰りの地下鉄.jpg

そうだね、
楽ちんでいいね。

新型コロナウイルスありきの暮らしでも、感染拡大防止に努めながらでも。
こちらの気持ち次第で、充実した楽しい時間を過ごすことができる。
イラストこまちと手をつなぎそんなことを思いながら、 たどる家路でありました。

こまち3連アイコン.png

帰ってから、リアルこまちにも花見をさせてあげようとしたのですが…。
その顛末は、また別記事にて。

桜罫線淡い760.png

お開きまで
お付き合いいただきまして、 まことにありがとうございます。
ぜひまた、ご訪問くださいませ。
入船亭扇治拝

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