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何種類ある?缶ビールの大きさ~師匠・扇橋との懐かしい「お酒がらみ」エピソード [日々雑感]


今わが家にいる、
3匹の黒猫。

黒猫大中小.jpg

同じような毛並みながら、
大きさは「大中小」様々。


形あるものには 「サイズ」が

冒頭像画の(小)、ほんとに小さいのでアップにすると…。

黒猫マグネット.jpg

女房が道に落ちていたのを
「顔つきはふてぶてしいけど、かわいそうだから」
と拾ってきた、
猫型マグネット。

今回3匹並べて、比較写真を撮ろうとしたのですが。
ひとり生身のお嬢様は、そうたやすく協力してはくれません。

ジジとマグ猫を並べた隣へ、こまちにもちょっと顔出してもらいたいだけなのに…。

ジジ マグ猫と一緒.jpg

※こんなのが撮りたい。

しかし結果は、こちら。

ジジとマグ猫撮影失敗.gif

とかく生き物の撮影は、難しい。
岩合光昭さんの凄さ、あらためて実感。



閑話休題。

この世の形ある存在ほぼすべてに適用される、「サイズ」という概念。

洋服の、S・M・L。

こまちはNサイズ.jpg

牛丼なら、並と大盛り。

牛丼迷う.jpg

そしてそれぞれTPOに応じた、「適正サイズ」というものもあります。

大き過ぎる・ツンツルテンの服は、着心地も見た目も良くありません。
牛丼のサイズも、お腹と相談して決めないと後悔します。


ご存知ですか、
缶ビールの各サイズ

まず、こちらの画像をご覧ください。

缶ビール勢ぞろい.jpg

現在販売されているアサヒスーパードライの缶、4サイズ揃い踏み。

左から
①135ml
②250ml
③350ml
④500ml


350mlは「レギュラー缶」・500mlを「ロング缶」と呼びますが、135mlと250mlはまとめて「ミニ缶」ということが多いようです。



本記事のため4種類購入しようとしたのですが、近所のコンビニではミニ缶は発見できず。

そりゃそうでしょう、レギュラーとロングに比べて需要が少ないミニ缶
あんまり売れないのを置いとくのは、冷蔵庫ふさぎですから。

普段買い物しないスーパーまで足を伸ばしたら、4サイズ揃ってました。
ご参考までに(なんの参考?)、各サイズの価格と缶の直径を記載します。

価格:98円
 直径:5.3cm
価格:165円
 直径:6.3cm
価格:178円
 直径:6.4cm
価格:230円
 直径:6.5cm



呑まない師匠宅での、
前座時代の失敗談

話はまた変わりまして、私の師匠・入船亭扇橋との想い出。

生前の扇橋夫妻は、どちらもお酒を呑みませんでした。

師匠の方は、乾杯でビールをグラス半分くらいは付き合うこともありましたが。
おかみさんは正真正銘の下戸、プラス酔っ払い嫌い。

そんなお酒と縁のない二人が、ある夏のこと。
揃ってお歳暮に来た弟子たちに、ビールをふるまったことが。

仲のいい柳家小三治師匠宅でそうしているというのを聞いて、

「いかに自分の弟子とは言っても、暑い時に来てくれんだから。
じゃあ、うちでもひとつやってみるか」

ということになったようです。



二ツ目以上の弟子が、まとまって訪れることになった当日の午前中。

前座だった私は、おかみさんから近所の酒屋で缶ビールを6本買ってくるように言われました。

お使いものでいただいたビール券を渡しながら、おかみさんは私にこう念を押します。

「いいかい、扇べいさん。昼間なんだから、そんなにビールたくさんはいらないんだよ。

普通の大きさのを、6本買ってくりゃいいんだからね。
間違えないように、頼んだよ!」


ビール券握りしめ師匠宅の自転車を駆って、颯爽と酒屋に到着した私。
サッポロ黒ラベルの350mlレギュラー缶を、速やかに購入。

よく冷えて缶の表面に汗をかいた、おいしそうな6本パック。

私はつばを飲みながら、ビールを揺らさないよう気をつけて。
無事、師匠宅まで運搬完了。



「おかみさーん、買ってまいりました」
という言葉を、おしまいまで聞かないで。

「あらまあ、この子は!
あんなに”普通の大きさ”って言ったのに。
こんなでっかいの買ってきちゃって、ダメじゃないの」

えらい剣幕で、
怒るおかみさん。

レギュラー缶でしくじり.jpg

えっ、”普通”ってレギュラー缶じゃないの?

今お読みいただいている方々のほとんどは、そうお思いになるのではないでしょうか。

その時の私も、そう思いました。
なんで350mlのを買ってきて、怒られんだろう。

謝りながら、おかみさんに確認してみると…。


世間とはちょっと違う
師匠宅の缶ビール認識


アルコール類と言ったら、料理酒以外はご存知ない扇橋夫人にとっては。

☆135mlが「普通のサイズ」
☆350mlは「大酒呑み用」
そして
☆500ml=大勢で呑むための、パーティサイズ


という、独特の認識だったのです!

ロング缶はパーティサイズ.jpg

「今から来んのは、弟子たち3人だよ。
扇べいさんは、自分が呑兵衛だからって。
こんなに買ってきたら、
余っちゃうでしょ。  
しょうがないね本当に…」


おかみさんは、ぶつぶつおっしゃってましたが。

その日夏の挨拶に訪れたのは、筆頭弟子の真打・扇遊師。
そして当時は二ツ目だった扇海・先代扇蔵(扇太)各師。

よく楽屋で

「不思議だねぇ、扇橋さんとこは。
自分もおかみさんも呑まないのに、お弟子さんは大酒呑みが揃ってんだから」


感心されるほどの、
入船亭一門。

そういう弟子3人にかかったら、レギュラー缶6本のビールいかほどのものか。

汗をかいて訪ねてきたうわばみ噺家連中、
「うめぇうめぇ、プハーっ」
あっという間に350ml×6=2100mlを飲み干します。

私はあとで扇太兄さんから脇へ呼ばれて

「あれじゃ寝た子を起こしたようなもんで、まるで呑み足んねえじゃねぇかよ。

お前なんで気ぃ利かせて、使いに行った時もっと大きいの買ってこなかったんだよ!」


そっちも、しくじってしまいました。


仕事先では珍しい、
師匠の傍らで缶ビール

こんなエピソードがあるくらい、お酒とは縁遠い扇橋宅でしたが。
忘年会や一門の旅行会などでは、もちろん(常識の範囲で)呑ませてくれました。

今回そういったシチュエーションではなく、仕事先から戻る列車の中で。
師匠を前にして、缶ビール片手にしている私の写真を発掘。
師匠とビール.jpg

乗っているのは、
小田急ロマンスカー?

お客さん方との句会で箱根へ行き、それがとてもうまく行って機嫌が良かった時だったかな。

駅弁開ける前に、

「今日はどうせ、うちへ帰るだけなんだから。
おめぇたちはいいぞ、ビール呑んでも」


後ろに座っている扇辰師と私に、師匠が車内販売で缶ビールを1本ずつ買ってくれたのです!

それも師匠夫妻の常識からすれば「ロング缶」に相当する、350ml「大きい方の缶ビール」。

師匠と車中並んで座っての乾杯なんて、あとにも先にもこの時だけ。

ありがたさかみしめつつ、でも内心「できたら、500mlの買ってもらいたかったな」…。
贅沢なことも考えつつ時間をかけてちびちびと、1本のレギュラー缶いただきました。

感心だな、師匠に買ってもらって感激したから。大事に大事に呑んだんだ。


それもありますけど、呑まない師匠がすぐそばにいる目の前で。

350ml缶を三口で
「ゴクゴクゴク、パーっ!」。

あっという間に空けてしまうわけには、いかないじゃありませんか。

ゆっくりジルジルすすっているとしまいには、すっかりぬるくなってしまったビール。

今その写真を見返していると、こちらの胸もなんだかじんわり温かく。

梅の罫線450.png

お開きまで
お付き合いいただきまして、
まことにありがとうございます。
ぜひまた、ご訪問くださいませ。
入船亭扇治拝

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なぎさのまさ

昔は、500ml入りの飲料と言えば、大きかったんですよね。
コカ・コーラは、レギュラー瓶(ガラス)は190mlでした。
500mlは「ホームサイズ」と呼ばれていて、「3杯飲んでも まだ余る!」というコピーで宣言していたと思います。
その後、缶入り飲料が主流になっても、しばらくは、250mlが「普通サイズ」、観光地に行って、350ml缶が売られていると嬉しくなって、高いのに、ついつい手を伸ばしてしまったものですが…
by なぎさのまさ (2021-03-14 16:58) 

入船亭扇治

「なぎさのまさ」様、コメントありがとうございます。
私も小学3年生の時、初めて350mlのファンタグレープを買って。
持て余したことが。
また買ったのが、秋も深まってからの早朝。
震えながら、飲んだ憶えがあります。
入船亭扇治
by 入船亭扇治 (2021-03-15 19:41) 

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