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猫好みのキャットウォークと、ホラー巨匠の名短編 [猫のいる風景]


相手より高い場所に上がり。
狭いところに身を潜め。
有利な状況で、
虎視眈々と獲物を狙う。

そんな猫に格好のスペース、
キャットウォーク

人間界のキャットウォーク

現代ではこの言葉、
猫が好み
また猫しか通れないような、
高所にある狭い通路 
という意味で使われていますね。

建築現場や劇場舞台裏の、
作業用の通路や。
アクション映画に出てくるような、
大型船や潜水艦にも。
キャットウォークがあります。
キャットウォーク 現場.png


ファッションショーで モデルさんが歩く、
正面から客席へ張り出した
細長いステージ。

最近では
「ランウェイ」
と呼ぶのが主流ですが。

あの場所も
「キャットウォーク」
と言っていた時代があるそうです。

本来猫の世界の言葉だったのが、
人間界でも使われるように。
猫たちは、喜んでいるのでしょうか。

それとも、
「勝手なこと、言ってやがら」
なんて思っているのかも。

自ら決める、猫のキャットウォーク

室内飼い猫のために、
運動・安息用
キャットウォークタワー
沢山の商品が販売されています。

お休みの日に腕をふるって、
段ボールなどで手作りなさる方も。

そうやって支度してあげた、
心尽くしのキャットウォーク。
使ってくれると嬉しいのですが…。

「見向きもされない」
ことも、けっこうあります。

猫には猫の好みがありますから、
どんな高価な猫用インテリアも。
猫自身が決めた、
お気に入りの場所に敵うもの無し。

クローゼットと天井の隙間、
押入れの天袋エトセトラ。

「カーテンレールの上」
も、その一つ。

我が家の黒猫こまち、
ジャンプ力がついてからは
カーテンレールに上るのが大好き。

今日も今日とて、
自分の脚先より狭いところへ果敢に挑戦。


あのね、私に訴えてどうするの。
自分の狩りは、最後までやり遂げなさい。

まるでサーカス、
狭いところを縦横無尽


あの細いカーテンレール上で、
猫は器用に走ったり方向転換。
忍者か体操選手みたいに、縦横無尽。
サーカスの、 綱渡りにも似ています

なに、サーカスとな?
面白そうだね、
じゃあこまちもやってみよう!
綱渡り.gif


あらら、出だしは良かったのに。
途中で落っこちちゃった。

お~いこまち、大丈夫かーい?
だいたい君、どこで綱渡りしてんの?
洗濯ものしがみつくセリフ入り.gif


こらこら、
そんなとこでやるんじゃありません!
あーっそんなに爪たてたら、
洗濯ものが…。

高所恐怖症の方にはお勧めできない、
ホラー巨匠の名短編


こまちのサーカスで思い出すのが、
スティーヴン・キング
『超高層ビルの恐怖』

『キャリー』
『シャイニング』
などで知られるホラーの巨匠、
初期の短編。

原題:The Ledge
「棚・出っ張り」の意。


『超高層ビルの恐怖』 あらすじ

語り手は、
主人公のプロテニスプレイヤー。

彼が惚れた女性は間が悪いことに、
ギャングの大ボス・クレスナーの情婦。

43階建てビル最上階ペントハウスで、
拳銃を向けられる主人公。
ここでクレスナーは、
彼に向って一つの賭けを提案。

その窓からビルの外に出て、
ペントハウスがあるフロアの壁を
一周して戻って来たまえ。

無事周ってくることができたら、
惚れた女は君にあげよう。
もし失敗したら…。

ここは地上43階
どうなるか言わなくてもわかるね?

君は若くて、
運動神経も良く腕力もある。
壁の縁に足を乗せ、
出っ張りにしっかり手をかければ。

たかだかビルの壁四方分
周るなんてたやすいことじゃないかね? 

賭けに乗らなければ、
その場で鉛の玉の餌食。

決心した主人公は、
地上をはるか下に見下ろす建物の。
窓の外へと、 果敢に足を踏み出したが…。


ああ、高い所が得意じゃない私。
書いているだけで、
寒気がしてきました。

折しも物語の季節は、冬。
寒風吹きすさび
壁に取りついた主人公を苛みます。

彼が足を乗せているビルの縁、
幅は15インチ=38.1センチ

踏み外したら、
たちまち地上へ真っ逆さま

思わぬ生き物たちも、
主人公の行くてを塞ぎます。

果たして彼は無事、
「恐怖の、夜の散歩」
を終了して。

恋する女性と自らの命を、
手に入れることができるのか?


短編では超常現象ではなく、
「人間自身の恐ろしさ」
を描くことが多い、ホラーの巨匠。

初期の作品をまとめた
『ナイトシフト』中に、
『超高層ビルの恐怖』
は入っています。

私が読んだのはまだ
「サンケイ文庫」だった時の版。
トウモロコシ畑の子どもたち.JPG


今では、
「扶桑社ミステリー」として
『ナイトシフト』
分冊の2巻目に収録。

ただのお化け屋敷ではなく
人間の本質も考えさせられる、
スティーヴン・キングのホラー。

空き時間で手軽に読める、
粒ぞろい短編の数々から。

キング未読の方も、
お手に取られてはいかがでしょう。

蔦飾り線.png

お開きまでお付き合いいただきまして、
まことにありがとうございます。
ぜひまた、ご訪問くださいませ。
入船亭扇治拝

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