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家庭での鑑賞とはやっぱり違う、劇場での映画体験 [日々雑感]


配信サービスやレンタルDVD。
様々な形で、気軽に映画が観られる時代。
でもやはり、
大スクリーンの魅力はまた別格。

劇場では、まだ定員規制が


令和2年9月28日、本当に久しぶりで映画館に足を運びました。
どんな作品を観たのかについては、感想とともに別記事にて。

私が劇場を訪れた時点ではまだ、
・月~木曜は前後左右1席ずつ開けての切符販売、劇場内での飲食可。
・金土日曜・祝日は全席販売、飲食不可。

新型コロナウイルス感染防止のため、そういう形がとられていました。

客席お願い.gif

auの割引サービスを使うため、その時の私の映画鑑賞日は月曜。
隣や至近距離に人が来ない客席は、人見知りが強い私にとっては大変快適。
この対応がとられているうちに、またぜひ映画館に行きたいもの。

どんどん足が遠のく、劇場での映画鑑賞


前年5・6月に続けて
『響け!ユーフォニアム 誓いのフィナーレ』
『ゴジラ キングオブモンスターズ』
を観て以来ですから、実に1年3か月ぶりの劇場での映画。

中学生の頃から映画少年、噺家になってからもシネマ好きを任じていた私ですが。
子どもが産まれ猫が我が家に来てから、映画館に行く頻度がぐっと下がりました。

自宅や旅先のホテルで、ネットの動画配信サービスで映画自体は観ているのです。
でも、劇場の大きなスクリーンと迫力ある音響
その魅力はよく知っていますから、やはり機会があったら足を運びたい。

お芝居やコンサート・ライブ、展覧会などもそうですが、いったん足が遠のくと出向くのが億劫になってしまうんですね。

そのかわり思い切って重い腰を上げると、また3日にあけず映画館通いをしたくなります。

やはりネット上だけでなく、身体中で受けとめる劇場での映画体験。
大事にしたいと思います。

映画青年時代の想い出~あの大監督が目の前に!~


あれは、1983年の初夏だったかと。
学業そっちのけ、大学の落語研究会で熱心な活動に励みつつ。
アルバイトのお金が貯まると、せっせと映画も観に行っていた頃。

ある土曜の夜、私は池袋文芸坐2へと向かいました。
オールナイトで、大好きな大林宣彦監督特集が開催されるのです。

メインの文芸坐より、キャパが少ない映画館。
立ち見や通路に座るなんてのはごめんですから、22時頃の開映だったのですが1時間半くらい前に劇場到着。

すで、30メートルくらいの列ができています。
早めに来て、よかった!
この順番なら、必ず席にはありつけます。

安心して小型カセットプレーヤーのイヤホン耳に差し、持参の『キネマ旬報』を広げて開場を待つ。
暑過ぎもせず寒くもなく、立っているのも全然苦になりません。

夜風に頬を撫でられながら、太田裕美のアルバムを1枚聴き終える頃だったでしょうか。

列前方から、
「おおーっ!!」
というどよめきが。

続けて
「監督、監督が来てるよ!」
歓声も聴こえてきます。

文芸坐の支配人から、大勢が開場前から詰めかけていると連絡を受けて。
大林宣彦監督が、
ファンに挨拶でサプライズ登場!

お酒が入った人たちも行きかう、池袋繁華街の路上。
そこをトレードマークの顎ひげと、特徴ある眼鏡の大林監督。

「今夜は、ありがとう」
「できるだけ早めに開場しますから、もう少し待ってね」
気さくに声をかけながら、列前方から近づいてきます

思いもかけぬ憧れの映画人の登場に、小心者の私の胸はドキドキ。
そしてついに大林宣彦その人が、私の前に立ちました。

「今夜の番組だと、どれがお目当て?」
たまたま目が合ったからでしょうか、なんと監督が私にそう声をかけてくれたのです!

もう驚いて動揺して緊張して、しどろもどろになりながら。
「も、もちろんみんな楽しみですけど…」

中学生の時シナリオを読んだきりで、未だ観る機会のなかった大林監督の劇場映画デビュー作。
1977年製作の『HOUSEハウス』
を、いちばん楽しみに来ました!

内気な私としては、精いっぱいの勇気を振り絞って。
つっかえながらの言葉に、監督は。

「そうだねー、あれは若い時の作品で恥ずかしいとこも多いんだけど。
愛着も、たくさんあるシャシンですよ。
今夜、『HOUSE』初めて?楽しんでもらえるといいな」 

ちゃんと答えてくれたばかりか、私に向かって手を差し出して。
そう、憧れの監督が握手をしてくれたのです!

大きいけれど繊細な、
フィルムから魔法を産み出す人の手でした。

監督の手の温かみを感じながら観た、その夜のオールナイト。
周りの熱気と自分自身の興奮で、夢の中に迷い込んだよう。

『HOUSEハウス』
『ねらわれた学園』
『転校生』
『瞳の中の訪問者』
『喰べた人』(短編)
『伝説の午後・いつか見たドラキュラ』(短編)
 
というラインナップだったと記憶しているのですが…。

印象深いのは、手塚治虫の『ブラック・ジャック』が原作の『瞳の中の訪問者』

この作品その夜ほかの名画座でも上映されており、フィルム到着まで大林監督のトークでつないだり。
急遽取り寄せた個人映画時代の『遥かなるあこがれギロチン恋の旅』を、ボーナストラックで上映したり。

最後の作品のエンドマークが出た時は、オールナイト終了予定時刻を2時間近くオーバー。

表へ出れば、初夏の太陽がもう燦燦と降り注いでいます。
その日差しに目を細めながら、今観たばかりの映画たちを胸に抱きしめて家路へと。

もうそんな映画の観方は体力が許しませんが、映画館は今でも夢を与えてくれる魔法のお城
今度のお休み、
ぜひお近くの劇場に足を運んでみませんか?

こまちも、ポップコーン楽しみに出かけるそうですよ。



蔦飾り線.png

お開きまでお付き合いいただきまして、まことにありがとうございます。
ぜひまた、ご訪問くださいませ。
入船亭扇治拝

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