江戸言葉遊び雑俳の魅力「キキ」 [落語情報]
上記でご案内いたしました『web版言の葉落語会』、多くの方にご興味を持っていただけたようで企画者としては望外の喜び。
俳句や和歌より「遊び」を重視するのが雑俳ですから、最低限の約束事だけ押さえてあとはとにかく愉快に楽しく言葉たちと戯れる!
それが雑俳の醍醐味。
それが雑俳の醍醐味。
当記事では知るともっと言葉遊びとしての魅力が広がる、ほかの俳諧にはない雑俳の特徴の一つをご紹介。
元句をぐっと引き立たせる短文
せっかく苦労して考えた句、読みっぱなしではもったいない。
そこで好きな連中が集まって自分たちの作を発表、互選や宗匠選で天・地・人の優秀句を決定。
そこで好きな連中が集まって自分たちの作を発表、互選や宗匠選で天・地・人の優秀句を決定。
最高位の天に抜けると賞金・景品が出たりと射幸心をあおって、江戸時代の俳句や雑俳の会は興行としても連日大盛り上がり。
お金や物がもらえるのも嬉しいですが、選者がその句をとる時に「自分はこういう解釈でこれを選んだんだよ」という意を込めて七七の短文(七七の題の時は五七五)をつけ元句の内容をぐっと引き立たせる。
この短文が『キキ』。
「気の利いたこと言うね」という意味で『利き』と表記する会もあるそうですが、噺家の連では「効果を上げる」から『効き』またはただ『キキ』と書いています。
「気の利いたこと言うね」という意味で『利き』と表記する会もあるそうですが、噺家の連では「効果を上げる」から『効き』またはただ『キキ』と書いています。
誰かが詠んだ句に七七や五七五の短文をつなげるのは俳諧の『連歌』と同じですが、雑俳のキキは元句をさらに洒落として面白く奥の深いものにグレードアップするためのツール。
多少句の内容が平凡でも、うまいキキがつくと印象ががらっと変わって位が高くなる。
選者の方も
「あ、これにはいいキキ思いついたから天にとらせてもらおう」
『キキもらい』という選び方をすることがあるくらい、雑俳のキキと元句は密接な関係にあります。このご時世、「3密」にひっかかるぞというくらいのもので。
選者の方も
「あ、これにはいいキキ思いついたから天にとらせてもらおう」
『キキもらい』という選び方をすることがあるくらい、雑俳のキキと元句は密接な関係にあります。このご時世、「3密」にひっかかるぞというくらいのもので。
じゃあそのキキってどんな具合につけるのかというひとつの例、あまりうまくはありませんが…。
『第1回言の葉落語会』の兼題「ぜいたくは」で始まる川柳、小ゑん師匠が例句として出してくれた
これに私が解説用につけさせていただいたキキが
これに私が解説用につけさせていただいたキキが
お粗末ながら、キキとはこういうものだと少しでもご理解いただけましたら。
皆様から頂戴した作品から、できるだけ多く噺家の方で選ばせていただき知恵を絞ってキキをつけてまいります!
どうぞ皆様マニュアルをいま一度お目通しのうえ、締切26日までにじっくり熟成させた自信作お寄せくださいませ。
どうぞ皆様マニュアルをいま一度お目通しのうえ、締切26日までにじっくり熟成させた自信作お寄せくださいませ。
選者一同、心よりお待ち申し上げております。
キキと言えば、黒猫?
さてここからは猫好きの方お待たせしました
あ、雑俳と落語の人も用がすんだからといって帰らないで
あと少しだからもう少しゆっくりしてってくださいな。
あ、雑俳と落語の人も用がすんだからといって帰らないで
あと少しだからもう少しゆっくりしてってくださいな。
カタカナで「キキ」と言えば、日本人に限らず世界中の多くの方が頭に思い浮かべるであろうこのキャラクターの名前。
角野栄子さん作の時代を越えて愛され続ける児童文学シリーズ、1989年には宮崎駿監督によるアニメーション映画も大ヒットした
『魔女の宅急便』の主人公、13歳になる魔法使いの女の子キキ。
『魔女の宅急便』の主人公、13歳になる魔法使いの女の子キキ。
親元を離れて知らない町へやってきた新米魔法使いの彼女が、失敗して落ち込んでを繰り返しながらも周りの人たちに助けられ前向きに一人前の魔女へと成長していく物語。
小説はうちの子たちが自分で読めるようになるまで、何度も読み聞かせしてあげたものです。
私がまだ独り者の頃観た映画も、
冒頭、旅立つキキがホウキにまたがって危なっかしく飛び立つ場面。
原作にはない、クライマックスの飛行船のアクションシーン。
大好きな場面がいくつも頭に浮かんできます。
私がまだ独り者の頃観た映画も、
冒頭、旅立つキキがホウキにまたがって危なっかしく飛び立つ場面。
原作にはない、クライマックスの飛行船のアクションシーン。
大好きな場面がいくつも頭に浮かんできます。
そのキキのそばにいるのが、黒猫のジジ。
魔法の力でキキと会話することができ、明るい性格で常に彼女を励ます若いオスの猫です。
魔法の力でキキと会話することができ、明るい性格で常に彼女を励ます若いオスの猫です。
実は、我が家には「こまち」という4歳になるメスの黒猫がいますがそれとは別にもう一匹、黒猫がいるんです。
それも、『魔女の宅急便』のジジ当人が。
それも、『魔女の宅急便』のジジ当人が。
もちろん、ぬいぐるみですが。
スーパースター・ジジと夢のツーショット!
私の家内は、声の仕事もする役者さんを何人か抱えた芸能プロダクションのマネージャーをしております。
カミさんがアニメ『魔女の宅急便』公開前に徳間書店『アニメージュ』編集部に顔を出したら、知り合いのスタッフさんが「映画の宣伝部からこんなの回って来てさ、そっち猫好きだからあげるよ」とくださったもの。
まだ子ども時代のジジという設定の、身長16センチの小さなぬいぐるみ。
ジブリのショップでは、トトロやネコバスと並ぶ人気者。
ジブリのショップでは、トトロやネコバスと並ぶ人気者。
ではその売れっ子ジジと、我が家の駄猫こまちの貴重なツーショットをご覧いただきましょう。
確かに。
今は、こまちも立派な大人猫だからね。
ならば、こまちも子ども時代にタイムリー―プっ!
遠近法だからです。
それではいま一度、ポジショニングを変えて…。
うちに来た時はジジのぬいぐるみと間違えるくらい小さかったのが…。
大きくなったね、こまち。
大きくなったね、こまち。
アニメ『魔女の宅急便』キャスティング裏話
この話、真偽のほどは定かではありません。
ぬいぐるみをくれたアニメージュ編集部の方から、家内が聞いてきたネタ。
ぬいぐるみをくれたアニメージュ編集部の方から、家内が聞いてきたネタ。
作中に、ジジが森で知り合う「ウルスラ」(小説では名前はない)という絵描き志望の少女が登場します。
映画ではこのウルスラの声を、主人公キキと同じ『名探偵コナン』でお馴染みの声優・高山みなみさんが二役で演じていることで当時話題になりました。
映画ではこのウルスラの声を、主人公キキと同じ『名探偵コナン』でお馴染みの声優・高山みなみさんが二役で演じていることで当時話題になりました。
この二役になった経緯について編集部スタッフさんが言うには、当初ウルスラ役には宮崎監督の意向で専門の声優さんではない若手の女優さんを起用する予定だったとか。
キキより年上の19歳で芸術家志望らしい繊細で芯のある女性の演技を求めて、監督立ち合いのもと何度も行われたオーディション。
しかし顔出しの役者さんにいきなり声だけの表現を要求するのはハードルが高かったらしく、宮崎監督のお眼鏡にかなう人材がまるで見つからないまま公開初日が近づいてきます。
もうここでアフレコしないと公開に間に合わないデッドラインを前に世界の巨匠・宮崎駿が下した決断が
「どうせスケジュール押さえてんだし、当人の演技力は間違いないんだから、高山にもうひと役やってもらえ!」。
「どうせスケジュール押さえてんだし、当人の演技力は間違いないんだから、高山にもうひと役やってもらえ!」。
鶴のひと声で急きょ決まったキャスティングだといいますが、本当だかどうか…。
しかしいずれにしても、アニメ『魔女の宅急便』での高山みなみさんのお芝居は見事。
私初めて観た時、キキとウルスラの声が同じ人だなんてこれっぽっちも思いませんでした。私だけでなく、エンディングのテロップで二役と知り
「えっ」と驚いた人、多かったようです。
声優さんと仕事の内容は違いますが、声を通してお客様に自分を伝えるところは噺家も同じ。
私も高座からまたこうしてwebから、皆様に前向きな話題発信し続けていきたいと思います。
私も高座からまたこうしてwebから、皆様に前向きな話題発信し続けていきたいと思います。
お時間ございましたら、またご訪問くださいね。
お待ち申し上げております。
入船亭扇治
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入船亭扇治
うちのこまちの活躍、よろしければこちらなんかでもご覧ください。
ほかの記事のイラストにも登場してます。ごひいきのほどを。
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